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糖尿病とアルツハイマー病

九州大学の清原裕教授(環境医学)らが福岡県久山町で行った研究で、血糖値が115mg/dl以上の糖尿病あるいはその予備軍にあたる人はそうでない人に比べて、アルツハイマー病になる危険性が4.6倍高いことがわかった。この研究は1985年の時点で、米国立衛生研究所研究機関の基準で認知症ではないと判断された65歳以上の826人を15年間追跡したものだ。 脳内でアルツハイマー病の原因となる物質を、インスリン分解酵素が分解している。そのため通常ではアルツハイマー病にはなりにくい状態が保たれる。しかしインスリンが不足するタイプの糖尿病患者では、その分解酵素も同時に減少してしまうため、アルツハイマー病になる危険性が高まると考えられる。もちろん脳内に蓄積され、アルツハイマー病の原因となるとされる物質も複数分かっている上に、それを分解したり掃除したりする働きのある物質もあることが解ってきているので、今回発表された糖尿病との関係がすべてというわけではないが、統計上このようにな顕著な数字として現れたことは非常に興味深いことだ。 これとは別に40~79歳の約2400人を1988年から12年間追跡したところ糖尿病の人は、そうではない人と比べてがん死亡の危険性が3.1倍になることや、脳梗塞で1.9倍、心筋梗塞などの虚血性心疾患でも2.1倍も死亡リスクが高くなることがわかっている。 失明、末端壊死(四肢切断)、透析が必要となる腎疾患などQOLを著しく低下させる合併症が問題となる糖尿病は、現在最も重要な生活習慣病とされている。対策が急がれているものの、ここ十数年の間に血糖値がうまくコントロールできていない人(耐糖能に異常がある人)は、男性で4割、女性で2割も増えている。 糖尿病は遺伝など体質的な要因もあるが、過食、肥満、運動不足がその大きな原因となっており、予防やその改善には個人で対応できる、あるいは対応しなければいけない部分が非常に多い。今回、アルツハイマーとの関係が疑われることとなり、このニュースを見て何とかしなければいけないと自覚をした人もいることだろう。 特に家族内に糖尿病患者がいる人の場合は、すでに「糖尿病発症」への切符を手にしているともいえる。この切符を使って「糖尿病行き」の列車に乗るかどうかは個人の判断だ。もちろんその切符を持っていない人でも、現在「肥満行き」の列車に乗っている人も多い。この列車は途中で「糖尿病行き」になってしまうこともある。これらの列車に乗るのか、あるいは乗っていてもうまく途中下車できるかどうかは本人次第といえる。 とにかく太らないこと、食べすぎないこと、そしてなるべく体を動かす努力をすることが大切だ。無駄な動き、つまり普段ならしない動作で1kcalでも余分にカロリーを消費しようとすること。肥満は一般に長い年月をかけて形成されるものであって、それを短期間に解消しようとしても無理が生じる。はじめはやせることではなく、今の体重よりたとえ100gでも増やさないようにするという意識を持ちたい。 アルツハイマー病も中高年が心配する病気のひとつだ。糖尿病のリスクを減らしすことは、アルツハイマー病の予防にもつながるのであれば、まさに一石二鳥といえるだろう。

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若返りの秘薬「プラセンタ」で狂牛病発症

美容界で若返りの秘薬?として広く使われているプラセンタは羊や豚、あるいは人の胎盤から製造されているものだ。一昔前には日本でも人の胎盤が回収されていたと聞くが、現在ではその多くは羊や豚の胎盤から生成されているのではないだろうか。 胎盤は昔からその効能が伝えられており、中国などでは胎盤を食べることもあると聞く。中国に限らず、ヨーロッパの一部では出産後に夫婦で胎盤を食べるという話もあるそうだ。当然ながら化粧・美容品として応用されることは、何もおかしなことではない。 さて、今回の狂牛病感染だが、これは台湾での話だ。美容業を長く営み、自分自身でも若返りのためプラセンタを長く注射してきた49歳の女性が体調を崩し大学病院を受診。MRI検査の結果、狂牛病(クロイツフェルトヤコブ病)的脳の病変(海綿空洞化)が認められ、記憶力の減退も著しく、四肢無力で臥床し、植物人間化してしまったという。この女性は外国旅行もせず、臓物も食べず、家族歴もないことからプラセンタの使用が原因で狂牛病になったものとされた。 日本人でもプラセンタの愛用者は多く、美容機関では広く使用されているが、問題はその原料だ。羊胎盤は、昔はよくつかわれていた。リスクを知らずに羊を原料としていたのだが非常に危険だ。狂牛病は牛の病気だと思われがちであるが、羊が「ヤコブ病」の大元だとする意見は根強く、感染羊の肉骨粉を餌として食べさせられた牛が発病したのが狂牛病といわれる。もちろん異常プリオンを含む肉骨粉を豚が食べさせられていたとなると危険性は同じだ。異常プリオンは人を含む多くの哺乳動物に感染する。 狂牛病の原因は異常プリオンだ。ごく微量で感染するばかりか調理程度の過熱ではその感染性を失うことはなまずない。つまり異常プリオンが注射用プラセンタに微量でも混入しようものなら、感染してしまう危険性は極めて高いといえる。 そもそも動物由来のものを気安く注射することに問題がある。治療薬としてリスクも覚悟の上で使うのであれば仕方がないが美容や若返りといった理由で使用する場合は、原料の由来まで調べてからでないと怖くて使えない。現在、プラセンタを使用しているのであれば、その原料にまでさかのぼって調べてみてはどうだろう。

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インフルエンザ予防接種

今年もインフルエンザの予防接種を香港で受けることができるようになった。まだ暑い夏日が続いているのでインフルエンザといわれてもピンとは来ない。しかし真冬の流行期に向けてすでに準備が始まっている。 毎年5月終わり頃にWHO(世界保健機関)から各国政府に対して、次期インフルエンザシーズンの流行予想が通達されこれにしたがって製薬会社に製造が委託される。インフルエンザワクチンの製造には鶏の有精卵が必要で、製薬会社では流行を予想しながら、この時期に卵の確保を行なう。新しいワクチンが製品化され医療機関への出荷されるのは毎年8月下旬から9月にかけてだ。 2007年ー2008年冬季流行予想に基づくワクチンの成分は、A型ソロモン諸島(H1N1)A型ウィスコンシン(H3N2)B型マレーシア これらはあくまでもこれまでの流行から予想されるものであって必ずしもあたるとは限らない。したがって、せっかく予防接種を受けても残念ながら感染してしまうこともある。もちろん鳥インフルエンザや新型インフルエンザには無効だ。 それでも感染機会を減らすことができ、万一感染した場合の休業による不利益などを考慮すると、接種しておくほうが良いのではないかと思う。もちろんインフルエンザ予防接種については、その可否について議論されることが多いので、接種に関してはあくまでも任意であることが望ましいだろう。 接種を希望する人は、年毎に大きく変動する。場合によっては不足して混乱することもあるので、希望者は早めに最寄の医療機関に問い合わせてみて欲しい。効果は接種後3週間後くらいからなので、インフルエンザシーズン(香港では年明けから)になって接種しても期待する効果が得られないこともある。また接種後の効果は約1年といわれるので、早めに接種することは問題ない。

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小児高血圧症が増えている

香港衛生署によると、香港の子供(小学校5年生から中学生)の2~3%に高血圧症を認めるという。これは今朝の新聞での報道であるが、このところ肥満児が増えている香港では当然といって良い結果だと思う。 子供の高血圧症の基準は成人のものより若干低めで判断される。中学生では大人とほぼ同じく判断しても良いが、小学生の場合は最高血圧も最低血圧も共に10mmHg程度低い値で判断しなければいけない。 高血圧症というと大人の病気という認識が強いが、最近では高血圧に限らず高血糖(二次性糖尿病)も増えているそうだ。原因の多くは大人と同じく食べ過ぎや運動不足だ。 香港の子供には肥満はいない、というのが私が香港に来た当初の印象であったことを今でも覚えている。18年も前のことであるが、そのころは日本で小児肥満や糖尿病が話題になり始めていた時期に重なる。 当時に比べて現在の香港は何が変わったのか、何が小児高血圧症患者を増やしているのか。ここ10年ほど、香港で肥満の人が非常に増えてきているという印象を強く受ける。大人だけではなく、かつてあまり見なかった小児肥満も非常に多い。なぜなのかと原因を考えてみたが、これは間違いなく食生活の変化といっても良いだろう。 マクドナルドやケンタッキーといったファーストフード店がやたらと増えている。甘い飲み物を出す店も増えており、ベビーカーの小さな子供が大きな容器に入ったジュースを両手で抱えて飲んでいる光景も目にする。あの量は、大人に換算すれば2~3リットルにもなるはずで、間違いなく糖分の摂取過剰だ。 子供に好きなように食べ、飲ませしている認識不足の大人に、子供にはかつては見られなかった病気を増やしている大きな原因がある。ゲーム機の普及もてつだって運動不足になりやすい環境をさらに悪いものへと導いていることも原因だ。しかしゲームばかりしているといって、運動不足をそのせいにしてしまいがちであるが、原因はそれほど単純ではない。。 子供の肥満には遺伝的な要因なども大きく、生活習慣ばかりが原因となっているというわけではない。食事などにも気をつけているのに、なぜ子供が太ってしまうのか、親としても原因がわからず悩んでいる人もあるはずだ。メタボリック症候群についても最近議論されるが、太っていることが必ずしも悪い訳ではない。これは子供の場合でも同じ。肥満が原因で循環器系の病気の心配はないのか、つまり血圧や血糖値などが上昇してきていないか、そこを知ることが最も大切なことだ。一度は検査してみることを勧めたい。その意味で、今回衛生署が公表した調査結果にある血圧測定は、簡便な検査として非常に有効だと思う。

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子宮頸がんの原因―多くが知らず

香港大学が行なった「子宮がんの原因についての一般女性の認識に関する調査」で、正しい認識を持つ人が極めて少なく、その多くは原因を誤解していることがわかったという。 子宮頸がんの原因は何かと問う質問に対して返ってきた回答は、公衆トイレの便座の使用、大気汚染、タオルの共用、睡眠不足、不健康な食事、頻繁な性交渉、遺伝、運動不足、ストレス・・・等だそうだ。 香港人は公衆トイレでは便座に座らないからトイレがたいへん汚いという話しを聞いたことがあるが、このような理由もあったのかと改めて納得してしまった。ここに上げられた回答はすべて間違いだ。強いて言えば性交渉が近いといえるが、正確な解答として多くの人に「HPV感染」をあげて欲しかった。ただし現時点において、私は一般に対してこの回答を求めるには難しすぎた質問ではないかと思う。結果は仕方がないので、今後の啓蒙活動にぜひ生かして欲しいものだ。 子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)であることがわかっている。HPVには性交渉で感染し、感染が長期間持続してしまった場合にがんを発症させる危険性がある。パピローマウイルスは現在100種類以上が発見されており、この一部が発がんに関与しているほか、通常のイボの類も同じ種類のウイルスが原因とされる。また性感染症の尖圭コンジローマも同じだ。もちろんイボががんの原因になることはない。 子宮頸がんや尖圭コンジローマを予防する目的で、すでにワクチンが米国FDAで認可(2006年6月)されている。日本では今のところ治験段階ではあるが、米国で行なわれた大規模臨床試験では、未感染の女性に対して80%程度の効果が認められて、さらにすでに感染してしまっている女性に対しても一定の効果が期待されている。香港でもすでに接種が可能なので、中学生以上の女性には接種を考慮しても良いだろう。 接種は半年をかけて3本おこなう。現在のところその費用は3000ドル以上。しかも肝炎予防接種のように、これで100%の予防が期待できるというものではなく、毎年の婦人科検診を免除できるという性質のものでもない。早期で発見すれば100%治るがんだといわれている子宮頸がんに対して、どこまでその予防に関して費用負担できるかということに関して、意識レベルに個人差が非常に大きいことは確かだ。もし全員が予防接種を受けるのであれば、子宮頸がんの患者が激減することは確実で、その意味でもワクチン価格を大幅に安くすることが今後の大きな課題になろう。 ここまで読んで、男にはほとんど関係ないと思っている人も少なくないかもしれないが男性はウイルスの運び屋だ。その「意味」をしっかりと認識する必要がある。 またすでにHPVに感染していることを健康診断等の結果で知らされている女性もいると思うが、HPVに感染したら確実にがんになるということではなく、あくまでも持続感染した場合にそのリスクが高くなるということだ。感染者は半年に1度の検査を行なえば安心だ。もちろんウイルスがいつの間にか消失することもある。 胃がんの原因になる「ヘリコバクターピロリ」、子宮頸がんの原因になる「HPV」など微生物もがんの原因になることが知られている。特にこの2種類は健康診断でも簡単に検査できる。早く感染を知って、適切に対処することで、がん発症のリスクを下げることが可能だ。

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オーストラリアでインフルエンザ大流行中

現在真冬のオーストラリアではインフルエンザが近年では最大規模の流行にあるという。クイーンズランドでは例年ではこの時期までの患者数は700人程度であるのに対し、今年は2000人にも達しておりその分死亡者数も激増している。 真夏である北半球ではインフルエンザとは縁がない季節にあるが現在の南半球での流行は、今年末あたりからの北半球の流行につながる可能性も考えられるので注意が必要だ。また夏にはインフルエンザには感染しないと思っている人も少なくないが、実際には真夏にもインフルエンザ患者は発生しており、赤道直下であろうとこの病気と無縁ではない。 現在のところ同じ扱いにはできないが、最近インドネシアのバリ島で鳥インフルエンザに感染した人が死亡している。調査の結果このウイルスは人から人に感染するようなタイプにはあたらず、特にこれまでの鳥インフルエンザと異なるものではなさそうだ。 しかしオーストラリアではインフルエンザの流行にこのニュースが重なったためか、タミフルの扱いに関して議論が起きている。一部学者の「タミフルの一般薬局での取り扱いを推進」する意見と、医薬品を管理する保健省の慎重論が対立している。また流行地であるクイーンズランド州知事が高齢者施設に対するタミフルの供給を求めたのに対して、保健省は要求を拒否するなど行政対立にも発展している。 タミフルを備蓄する動きは世界各国で行なわれているが、一般における備蓄はもちろん、自由な使用は今のところ公には全く認められていない。これは過剰に、あるいは安易に使われることで、タミフル耐性のインフルエンザウイルスが出現することを警戒しているからだ。このタミフルの備蓄は、近い将来出現するであろうと予想されている新型インフルエンザに備えてのものであって、現在流行しているインフルエンザの治療を目的とするものではない。 タミフルの扱いに関しては、専門家の間にも様々な意見があることは間違いない。今後のインフルエンザ対策があくまでも患者の利益につながるよう議論を進めてもらいたいものだ。 私、個人的には、タミフルの薬局での自由販売には反対だ。インフルエンザに対する特効薬が極めて限られている中、誰もが自由に服用できると、せっかくの切り札を失ってしまう可能性があるからだ。タミフルに対する耐性を持った新型インフルエンザが生まれてきたら我々には対処する術は現在のところほとんどないといえる。インフルエンザでの死亡者は高齢者に非常に多いことを考えると、高齢者入所施設等においてタミフルを備蓄することは、ある一定に条件の下で意義のあることだと思う。気の早い話ではあるが、今年も12月くらいからインフルエンザ患者が増え始めると思われるが、月並みの対策ではあるが今から免疫力を落とさない体作りを心がけていきたいものだ。暴飲暴食、睡眠・運動不足、そしてストレスは免疫力を低下させる。食べ過ぎない、飲みすぎない、十分身体を休めると共に適度な運動を日常に取り入れる(歩行)、そしてカロリーではなく栄養をきっちりと摂るよう心がけたい。過度のストレスを回避したり、そのマネージメントをすることも重要であるが、なかなか個人では難しいことだ。どんなことでも話せる人が近くにいるとかなり救われるのだが・・・。精神的に弱っていると思っていない場合でも、人と話しをする機会や笑う機会が多いと、ストレスをさらにうまくコントロールでき、免疫力を高めることも可能だろう。 暑い季節からの体力つくりがインフルエンザ感染を予防する。

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食品保存と食中毒

一部の食中毒を除き、夏の暑いシーズンには多くの食中毒が起こりやすいものだ。食品保存には十分気をつけたいが、例えば冷蔵庫の中の食品がまだ食べられるか、あるいはもう食べない方が良いのか、消費者は何を基準に判断しているのだろうか。 賞味期限や消費期限で判断する人が多いと聞く。期限が切れてしまったらすぐに捨ててしまう人も多いそうだ。臭いで判断する場合もあるだろうが、どれも食中毒予防という観点からは必ずしも正しい対処とはいえない。 ちなみに賞味期限は「定められた方法により保存した場合、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日」のことであり、この期限を超えても直ちに食べられなくなるというものではない。一方、消費期限は「定められた方法により保存した場合、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日」であり、この期限内に消費しなければいけない。弁当など劣化が著しい食品は時間表示されている。もちろんこれらの期限には安全率が見込まれているので、実際問題として消費期限を1日過ぎたからという理由だけで食べることができないというものではない。 食中毒を予防するためには、この記載に従っていれば良いというわけではなく開封したとたんにこの期限はなくなることを覚えておきたい。開封後はたとえその食品の賞味期限が長くても、即消費することが求められる。特に缶詰は賞味期限が非常に長い割には、開封後には急速に食品劣化が進むので、残すことは好ましくない。 食中毒は一般家庭で最も多く患者が出ている。レストランなどでの食中毒は目立つものの、それほど患者は多くはないのが現状だ。では、なぜ一般家庭で食中毒が起きるのか。ひとつは冷蔵庫の過信だ。とにかく冷蔵庫に入れておけば安全だと思っていることがひとつ危険なことだ。低温でも食中毒菌は増殖できる。もちろん増殖のスピードは遅くなるが、増えないわけではない。また冷蔵庫を開閉することで思った以上に庫内温度が変動するため、開閉頻度が多いと適正な低温を保持できない恐れが大きい。冷蔵庫内の詰めすぎにも注意したい。 食中毒菌を付けないこと、増やさないこと、そして殺すことは食中毒予防の大原則だ。生で食べるものと過熱しなければいけない食品を接触させることは当然危険であるが、過密な冷蔵庫内では起きやすいことだ。 適切に保存するか、あるいは直ちに消費してしまうかで食中毒菌を増やさないこと、そして火を良く通すこと。不完全な調理によって食中毒を起こしている事例が相当あると思われる。塊の肉ならば表面さえしっかり加熱されていれば問題は少ないが、ミンチ肉を使うハンバーグなどは中心までしっかり加熱されていないと危険だ。香港では夜間に暗がりでバーベキューする姿をよく目にするが、極めて食中毒が起きやすい状況だ。暗がりでは焼け具合がわからない。しかも食材はすでに加工されているものを郊外にまで運び込んでいるのであり、食中毒になるためにわざわざバーベキューしてるのではないかとも思えてしまう程だ。 臭いは食中毒予防の基準にはならない。たとえ食中毒菌が増えても臭いはしない。食品が臭ってくるのは、腐敗菌が増殖しているからであり、腐敗菌では食中毒は起きない。また極端な話、糸を引いてしまった食品があったとしてもただこれだけの理由で食中毒になることはない。これも腐敗であって食中毒菌の増殖ではない。鮮度の問題だ。 食中毒の予防を嗅覚や味覚といった経験的なものに頼るのは危険なので、消費者は上記の3原則を踏まえた上で、食品に記載された期限だけを判断基準にすることなく、適切に食品を扱うべきだろう。 細菌性食中毒にはまだ当分の間、十分な注意が必要だ。特に多くの食中毒が家庭内で起きていることをふまえて、食品の取り扱いには慎重になって欲しいものだ。

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肥満と家計

はじめに日本人の平均身長と体重は男性 167.1cm、 65.6kg  (BMI23.5)女性 153.7cm、 52.9kg  (BMI22.4) BMIは体格指数、つまり世界的に広く採用されている肥満度で、統計上22がもっとも病気になり難いといわれている。日本肥満学会ではBMIが25を超える場合に「肥満」と判定している。 「肥満と家計」について京都大学経済研究所の古川雅一研究員が調査した結果が発表された。日本人の平均的BMIが23だとすると、この場合の一人当たりの医療費は糖尿病9万1000円、高血圧性疾患5万円であると試算。ところがBMI30、つまり体重が約20kg増えた場合で試算したところ、それぞれ22万7000円、6万5000円となり、肥満度の上昇が医療費の増加につながることがわかったという。肥満が進むほど循環器系疾患に罹患しやすいことは常識であるが、この調査は医療費に結びつけて試算したところが面白いところだ。 海外に駐在する日本人の多くは海外傷害保険に加入していることが多いが、この保険は一般的に180日のルールが提要されており、慢性疾患では、発症(診断)から180日までの医療費しか支払われない。それを超えた場合は個人あるいは会社等雇用主、あるいは健康保険組合等が医療費の支払いを行なっているのが現状だ。今回の調査結果は、肥満が進むに従ってその負担が増すことを意味しているわけであり、個人はもとより企業(雇用主)等にとっても、ダイエットは経済的なメリットがあることを示唆するものだ。 もちろんBMIはあくまでも目安であって、肥満の中身は個人によって大きな違いがあることも確かなので、一律にBMIに照らし合わせて肥満を判定することは少々乱暴かもしれない。特に女性では、数字上の肥満が循環器系疾患のリスクにつながっていないケースも少なくはない。これは男性の場合は内臓脂肪型肥満が多いのに対して、女性は皮下脂肪型肥満が多いことである程度説明がつく。もちろん運動量などによっても大きく左右されるので、一概に肥満が良くないとしてしまうことはない。 しかし、血液検査でたとえば中性脂肪や血糖値が毎年上昇傾向にある場合や善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低くなってくるなどの変化が体重増加に伴ってあらわれてきていたら要注意だ。この場合、基準値(正常値)に入っているかどうかで判断してもあまり意味はない。3~5年先までの変化を見据えた上で判断することが大切だ。良くわからない時は、ここ2~3年の健康診断データ(BMI、中性脂肪、HDLコレステロール、血糖、できれば肝機能)を準備した上で私に相談して欲しい。(連絡先は下記)また前の検査から1年以上たっている場合なども、ぜひ新しいデータを得たうえで客観的な判断を受けておきたい。

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熱中症に注意!

暦の上で「大暑」となった昨日、香港ではところによっては35度くらいまで気温が上昇し、暦どおりの暑い日となった。西貢のゴルフ場では作業員が熱中症を発症。ヘリコプターで香港島の病院に運ばれたものの死亡している。このほかにも昨日は医療救助を求めた例は多く、中には意識不明になっている例もある。暑い日が続く9月までは、特に日中の作業に関しては特段の注意が求められる。 熱中症は熱が体内にこもってしまった状態だ。通常、体温上昇は37度程度までだがこれは暑ければ汗が出て、その気化熱で体温を奪ってそれ以上の温度上昇を防いでいるからだ。ところが熱中症患者はこの体温調節機能が働かなくなり、時には42度くらいにまで体温が上昇し、心臓など身体各所が機能不全を起こして最悪の場合死にいたる。 普段は屋外での作業は少ない人でも、週末の行楽などは熱中症対策を怠ると思わぬ事故につながってしまう。暑い中を山歩きしたり、テニスをしたり、とにかく汗が滝のごとく流れるような運動を長時間にわたって続けていることもあるだろう。体外に出てしまった水分は必ず補わなければいけない。大量の発汗に際しては電解質も失われるので、塩分の補給も重要だ。1リットルの水に3g程度の塩を加えておくと良いだろう。 もちろんスポーツ飲料も良いが、大量に飲むためカロリーが心配になる。スポーツ飲料といえども結構なカロリーになるし、喉が渇いたときには甘すぎると感じる人も少なくない。そこでスポーツ飲料を倍に希釈することを勧めたい。粉を溶かしてつくるタイプもあるので、その場合は規定に倍の水で作ればいいことだ。山歩きする場合など、水を切らしてもすぐに入手できない場合が多いので、たとえ重くても十分な水を持参して欲しい。 万が一、熱中症と思われるような症状が出たら、症状が軽くても決して軽く見てはいけない。日陰に寝かせて衣類を緩めて休ませる。身体をぬらしながらあおいで、熱をできる限り取り去るようにする。本人に意識があれば、少しずつ水を飲ませる。とにかく体温を下げることと、水分の補給が大切だ。その一方で救助を求める。できる限る早く医師に診せることが求められる。事故予防はもちろんであるが、事故が起きてしまったときの対応も考えて、ハイキングは最低3人以上で行くことが望ましいだろう。

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すべての睡眠薬で夢遊症状

「睡眠薬を飲んで眠った後に、本人の記憶がないまま車を運転したり徘徊したりする「夢遊症状」が出る恐れがあるとして、厚生労働省は12日までに、国内で医師が処方するすべての睡眠薬について、使用上の注意を改め、注意喚起を強めるよう製薬会社に指示した」(朝日コム) 今朝こんなニュースを目にしたが、この事実はすでに一部では知られていたことで、海外においても多くの事例が報告されている。☆目が覚めたら玄関のペンキを塗っている最中だった。☆いつの間にか車の運転を始めていた。☆夜中に冷蔵庫の中のものを食べていたが、本人には全く自覚がない。 冷蔵庫の中のものを夜中に食べていたという例では、自分の患者が睡眠薬の服用を開始してから太ってきたことから、主治医は薬の副作用で太るのかもしれないと、はじめは疑っていたそうだ。(実はただの食べすぎ!)米国食品医薬品局(FDA)は3月、「寝ぼけた状態で車を運転したり、電話をかけたりする恐れがある」として、睡眠薬13品目について警告を出している。 香港でも同類の睡眠薬の処方は少なくない。先日、弊社のお客様から、処方を受けている睡眠薬を教えていただき、その副作用情報を調べていたところ、やはり夢遊症状の副作用情報を得ている。 現在睡眠薬を飲んでいる人は少なくない。今回警告された副作用は重大といえるものではないかもしれないが、無意識に車を運転することは重大事故のもとになるし、夜中に電話をかけることは、人間関係のトラブルに発展しかねない。服用には十分な注意が必要だろう。 夜中にトイレに起きる人は珍しくはないが、睡眠薬を服用している人の場合無意識にトイレに行っている可能性もある。翌朝家族から本人に、トイレに起きたことを覚えているかどうかチェックしてみることも、副作用の可能性を探る方法になるだろう。もし、本人に自覚がないのであれば、薬の服用を一時中止して医師に相談して欲しい。単身者の場合、夢遊症状をチェックすることは難しい。ここでは具体的な方法については書かないが何か一工夫して、夜中に自分が無意識に行動していないかをチェックしてみたいものだ。もちろん家族がいても気付いてくれない場合も少なくないので、「工夫(細工?)」 はどのような環境でも、睡眠薬服用者にとって必要なことかもしれない。