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ノロウイルス感染 流行中

冬に流行する代表的な食中毒、「ノロウイルス中毒」が今季も流行している。日本では大きな集団中毒事例がいくつか起きている。香港でも日常的に起きていると思われるが大規模中毒でなければ報道されることはない。食中毒が最も発生している一般家庭内での事例が数字で公表されることがあれば、相当な患者数になるに違いない。香港衛生署では、11月から12月にかけて、ノロウイルス感染者数が増えているとして、感染注意の警告を出している。 ノロウイルスは1968年に米国のノーウォークという町で大規模な中毒事件が起きたことがきっかけとなって発見されたウイルスで、その後札幌ウイルスなど近縁のウイルスが多数見つかっている。 ノロウイルス感染は嘔吐や激しい下痢を特徴とする。下痢がひどくて一晩中トイレから離れることができなかったという患者もあるほどだ。急激な激しい症状を特徴とするものの予後は良く、通常は1週間もしないうちに(2~3日症状は治まる。)完治する。 感染経路として第一にあげられていたカキなどの二枚貝の生食による感染は、日本では激減している。これは冬に消費が増える生食用カキの無菌化処理が一般的となってきたことや養殖業者による自主的な検査が行われるようになってきたことが理由だろう。その一方で患者からの排泄物(下痢便や嘔吐物)による感染が増えており、集団生活の場における大規模な感染事例や家族内での感染の主要な原因となっている。これは、患者排泄物に大量に含まれるノロウイルスが、嘔吐や激しい下痢に際してミストとなり乾燥して室内を漂うことからおきることであり、一時に多くの患者を出す主因となる。 患者家族などが嘔吐物などを処理する時は、感染の危険性が最も高い。必ず手袋やマスクを着用し、汚染されたものはビニル袋に密封して廃棄すること。手をよく洗うことが求められることは言うまでもない。患者発生に際しては、塩素系漂白剤で便座やドアノブなどを消毒することも有効だとも言われるが、一方でその効果に疑問もあるため、消毒の効果を過信することなく拭き取りや洗浄などこまめに行うことが大切だろう。 下痢がひどい時は水分の摂取を怠ってはいけない。スポーツドリンクでもなんでも良いが、食欲がなくてもとにかく水分の補給だけは怠れない。特に小さな子供の看病に際してはこの点が最も大切なポイントとなる。また嘔吐すると電解質も失われるので、その補給も必要となる。この場合もスポーツドリンクや塩分があるものを飲むように心がけたい。 年が明けてもノロウイルス感染がおきやすい季節が続く。生ものに注意することはもちろん、日頃の衛生管理に注意するとともに免疫力を落とさないようにすることが求められる。適切な栄養摂取、継続した運動、そして睡眠不足にならないなど身体を休めることも大切だ。これらに加えてストレスをうまくコントロールできれば言うことはない。ノロウイルス感染予防は、インフルエンザを含むすべての感染症の予防に共通する。

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飲食店から有害菌

食物安全センターは、香港の複数の飲食店の寿司などから基準を超える有害菌が検出されたと発表した。15日には日式料理店4店舗が公表されたが、その後も17日には伝統的料理「盆菜」から黄色ブドウ球菌が検出された飲食店が公表されている。衛生管理の手落ちだと思われるが、指導を受けた飲食店は「衛生状態に問題はない」と反論するなど、その意識レベルにこそ問題がありそうだ。 寿司などの生ものは当然であるが、煮炊きした幾種類もの海鮮や肉類などを大きな器に盛り付ける盆菜も食中毒を起こしやすい料理といえる。 問題は食品を扱う人の衛生感覚。食中毒を起こす細菌類は当然のことながら目には見えないものであり、これを食品に付けないようにしなければいけない。いくらキッチンが見た目に綺麗であったとしても関係ない。見た目の綺麗さと清潔とはまったく別のことだ。衛生感覚は、当然のことながら正しい知識があって生まれてくるものでなければいけない。 寿司は日本の伝統的な食品。今のように冷蔵施設がなかった時代から食べられていたが、昔から経験的に衛生管理がかなり厳しく行なわれていたのではないかと想像する。 食中毒を起こさないための3原則は、食中毒菌を「付けない」「増やさない」「殺す」だ。今回公表された事例では、寿司から検出された食中毒原因菌が1グラム当たり160~200万個というから凄まじい。本当に正しい情報なのか疑わしいがその安全基準が「100万個を超えてはならない」とされているそうだ。100万個という基準にしても、食中毒菌がここまで増えてしまうことは、衛生管理に決定的な問題が潜んでいることを意味する。注意勧告を受けた飲食店はその「甘い基準」をもこえたわけだが、「食中毒を起こさない3原則」に関する「意識レベル」があまりにも低いと想像できる。 香港の人々は元々生ものは食べなかった。それがここ10年程の間に寿司ブームが起きるほどにまで、食に対する意識が激変している。見よう見まねで寿司など「いわゆる食中毒危険食品」を平気で出す飲食店が増えているので、いつ大規模な食中毒事件が起きてもおかしくはない状況にある。 寿司や刺身は単に食材が新鮮であるだけではダメ。客に生ものを提供するのであれば、厳格すぎるほどの衛生感覚を持ち合わさなければならないはずである。問題になった店はどの程度の認識を持っていたのだろう。そもそも食中毒に関する知識はあるのだろうか。 寿司や刺身が食べたければ、経験を積んだ日本人の調理人がいる店を選ぶのが原則となる。もちろん中国人だから悪いと言うわけではないが、食品衛生に関してある程度の判断材料を持ち合わせた上で飲食店を利用する必要もあるだろう。 最後に・・・日本の場合であるが、食中毒が最もおきているのは一般家庭。食の安全が叫ばれているが、食品を賞味期限だけで判断してもまったく意味がないことに関して、いったいどれだけの人が理解できているのか。食品の安全、衛生管理に対して食品製造現場では極めて厳しい基準を設けている。問題はその食品が家庭へ持ち帰られてからの扱いでもある。

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インフルエンザ流行情報

今年の日本のインフルエンザの流行は早くなりそうだ。国立感染症研究所感染症情報センターによると11月23日までの1週間の患者数が1施設あたり0.56人となり、前の週に比べて約50%の増加となっている。なお患者発生報告数は2632人となっている。 地域別では山梨県と兵庫県で注意報レベルを超えた保健所地域を認めるほか、島根県、和歌山県、大阪府、栃木県などで流行が目立っている。現在のところ認められているウイルス型はAソ連型20%、A香港型42%、B型」38%となっており、5~9歳の感染者が3割を占めている。これまでの報告で、今年のワクチン株との類似性が指摘されているウイルスが認められていることから、ワクチンの効果が期待できるが、ウイルスは単独ではないのでやはり自身の免疫力に頼る部分も大きいのではないかと思う。感染の予防は、手洗いの励行、うがい、適切な栄養摂取、休養(睡眠)、適度な運動といったことが上げられる。 日本での流行を追いかけるように香港でも患者が急増してくる。香港では年が明けて少したったころに本格的な流行が始まることが多いように感じるが、今年は少し早いのかもしれない。 急激な発熱や関節の痛みなどインフルエンザ特有の症状があらわれたら早めに医療機関を受診し、しばらくは仕事などは休んでとにかく寝ることが大切だ。発熱に対しては外からとにかく冷やすことで、解熱剤は患者の症状を見ながらの使用にしたい。熱以外に息苦しさなど特別な不快感などなければ、つまり普通に寝ていられる程度であれば冷やすだけで十分と考えても良いだろう。通常解熱剤はウイルスに利するだけで、病期を長引かせることになりかねない。 このところタミフルの備蓄が話題になっているが、タミフル耐性のインフルエンザウイルスが世界的に急増している。最近の報告では39%が耐性を持っていたとされ、前年に比べて急増していることから、今後のインフルエンザ対策に懸念がもたれている。(WHO)タミフル耐性ウイルスはアフリカで極めて高率に認められているほか南半球諸国で高率であるものの、タミフルを多用している日本では低い割合にしかなく、今後の日本の動向に世界の注目が集まっている。日本や香港などタミフルへの依存が高い地域で今後耐性ウイルスが急増する可能性があり、インフルエンザ対策の柱ににタミフルをすえる考え方は少し改めた方が良いかも知れない。 1918~1919年にかけて大流行した新型インフルエンザ(スペインかぜ)で世界中で数千万人が犠牲になったが全員が発症したわけではない。もちろんタミフルのような特効薬があったわけでもないので、免疫力の差が運命を分けたともいえるのではないだろうか。インフルエンザ対策には、日頃から免疫力維持増強を意識した生活習慣が必要ではないかと強く思う。

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発熱への対処法

熱が出たらすぐ解熱剤を飲む。こんな人は今も少なくないだろう。確かに解熱剤を飲めば熱が下がって楽になる。しかし最近は解熱剤は飲まないほうが良いという考え方が少しずつではあるが広がってきている。 一般に発熱は原因となるウイルスや細菌が直接作用しておきているのではなく、患者の免疫力を高めるために自ら出しているものだ。人の免疫力がピークを迎えるのは39度くらいに達したときであるのに対して、病原微生物は37度程度を最も好んで活動的になる。体温の上昇とともに免疫力が高くなる一方で、病原菌はその活動を抑えられるわけだ。いたずらに解熱剤を飲んで一時的に熱を下げても病原菌に利するだけで病期を伸ばしてしまう。 解熱剤で一時的に気分が楽になるが病気が回復したわけではないので、薬効が切れるとともに再び発熱することになるが、このときに体力をかなり消耗することになる。これがさらに回復を妨げることになるわけだ。病院で解熱剤を渡されるとき、「○○度をこえたら服用してください」などといわれると思うが、必要があっ発熱しようとしているせっかくの免疫反応を妨害することになりかねない。 熱が出たらとにかく身体を冷やすこと。体温が上昇しているときは寒気などが生じる。ガタガタ震えることもあるが、これは全身の筋肉を緊張させることまでして体温を効率的に早く上昇させようとしているからだ。鳥肌が立つ場合も、立毛筋というたいへん小さな筋肉をも緊張させて発熱を促しているから。体温上昇時は寒気を感じることが多いので、暖めることが大切。やがて、熱がピークに達すると今度は反対に暑くなってくるので、このときから身体を冷やして熱を外から奪ってやる。首筋など大きな血管が皮膚近くを走行している場所を重点的に冷やすと効率的だ。濡れたタオルで全身を拭くこともとても効果的に体温を下げられる。暖めるも冷やすも、患者が気持ちが良いと感じる方を選んだやればよい。自己表現できない小さな子供の場合は、親が肌を触ったときの感覚で構わない。冷たいときは暖め、暑いと思ったら服を脱がせて全身を拭くなどしてあげればよい。 発熱に際して水分の補給を忘れてはいけない。特に小さな子供の場合、急速に脱水が進むこともあるので、こまめに水分補給することが重要だ。水分の補給はスポーツ飲料で構わないが、小さな子供には倍量に希釈すること、また特に高血圧の方は塩分の摂取過剰になる可能性があるので、スポーツ飲料ばかり飲むことはお勧めできない。

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インフルエンザの流行始まる?

日本ではインフルエンザ流行の危険性が急速に高まっている。すでに大阪など各地で散発的な小規模な流行が始まっているが、例年になく早いペースでの流行でいくつかの学校や幼児施設では閉鎖するところも出てきている。専門家の間では、今のところ部分的な流行にとどまっているものの一気に全国規模の流行に拡大する危険性を懸念しており、予防接種など必要な対策を早く済ませるとともに、個人の衛生管理にも気をつけるよう注意を促している。 今のところ流行のウイルスタイプは今年の予防接種の成分にあるものの亜型なのである程度対応できると思われている。もちろん感染予防は予防接種に限らない。手洗いの励行、睡眠を含め適切な休養、十分な栄養、そして運動も感染予防に有効なものと思われれる。これは感染予防の基本であり、そのまま新型インフルエンザ対策にもなる。(免疫力を維持する努力) 例年、香港での流行は旧正月ころから本格化するが日本での流行が早まれば、その分香港での流行が早くなるとも考えられる。日本には昨日あたりから強い寒気が流れ込んでこの冬一番の冷え込みを記録しており、これをきっかけにしてインフルエンザ流行が一気に本格化する可能性も考えられる。 インフルエンザは風邪とはまったく違う全身疾患であり決して甘く見てはいけない。急激な発熱や関節の痛みなどインフルエンザ特有の症状がでたら、最寄りの医療機関をぜひ受診するとともに、仕事などは思い切って休むことだ。とにかく身体を休めることを第一に考えるべき。無理に仕事をしていると、周囲に感染を広げるだけでなく自分自身の治癒も遅らせてしまう。 タミフルは確かによく効く薬であるが、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に出てくるのを防ぐ働きをするだけでウイルスを殺すことはできない。結局は自分の免疫力でインフルエンザウイルスを殺すしかない。タミフル服用後体調がよくなったとしても、少なくともタミフルの服用期間である5日間は自宅でゆっくりするべきだ。

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広東省と性感染症

タイトルを見てドキリとした人もいることだろう。「広東性学会」での報告によると、香港人男性のシンセン市での買春による性交渉で、コンドームを使わない男性が15%余りにも上るという。過去20年ほどの間に、HIV(エイズ)に対しての認識がかなり高まってきたことは間違いないが、まだまだ認識不足の男性が多いことを示す調査結果が得られたわけだ。専門家の間ではHIV感染をはじめ性感染症の蔓延を懸念する声が上がっている。 香港人男性のことだから・・・という声も聞こえてきそうだが、おそらく日本人男性に関して調査しても、それほど違った結果は得られないように思う。昔から風俗遊び(買春など)でコンドームを使わない男性が多いという話は日本でも聞いたことがある。憶測で話すのは良くないが、もし同じ調査を日本人にしたら香港人男性よりも悪い結果にならないとも限らない。 性感染症に関しては、感染者の低年齢化や女性患者の増加が著しい日本でも大きな問題となっている。ある調査によると渋谷の繁華街で無作為に調査協力してもらった女子高校生のおよそ3割から性感染症のひとつクラミジア感染が認められたそうだ。また別の女性に対する性感染症感染率調査では、大学生、主婦、そして風俗産業に従事する女性の3グループに分けた場合、なんと大学生の感染率が最も高かったという。かつては性感染症は中年以降の男の問題として扱われることが多かったが、今では年齢や性別に関係なく問題がとらえられている。もちろん女性に性感染症が増えていることは、それだけ事態が深刻であることを意味することは間違いない。 今回、広東省シンセン市での香港人男性に対する調査結果が公表されたわけであるが、中国が「恥部」ともいえる、できれば蓋をしておきたい内容に関してまでも公にするということはそれだけ事態が深刻であると認めているからではないだろうか。何年か前には広東省での公の機関によるHIV感染者数やその感染源についての調査結果が、新聞などで具体的に報道されたこともあった。 もちろん今回調査対象となったコンドームの使用の有無だけで性感染症が完全に防げるわけではない。正しい使用でHIV感染はほぼ確実に防ぐことができるが、他の多くの性感染症は残念ながら確実に感染予防が期待できるものではない。ともすれば自分が性感染症のスプレッダーになっているかもしれない。「君子危うきに近寄らず」が一番だ。

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ノロウイルス中毒の季節です

秋から冬にかけて患者数が急激に増加する食中毒の原因がノロウイルスだ。日本では食中毒患者の7割がノロウイルスによるものであると診断されており、これからの季節には十分な注意が必要になる。 冬に患者が増えるのはカキの摂取量と関係しているのではないかといわれてきたが、最近は生カキが原因ではない患者が増えているそうだ。これは日本のカキが養殖場で水揚げされてから無菌処理するようになってきたためで、それだけ安全性が高まっているためだ。もちろん現在でもカキは食中毒を起こしやすい食品であることに変わりはなく、体調がすぐれないときには生カキは避けたほうが良いだろう。 ノロウイルスは時として集団感染する。カキに限らず食品からの感染が多いのは確かであるが、学校などで集団発生的に患者が認められることが時々あり、このようなケースでは人から人への直接的な感染がおきていることが考えられる。 ノロウイルスは患者の便のみならず、小腸から胃へ逆流したウイルスが嘔吐物に混じることもある。そのため下痢や嘔吐によって排泄されたウイルスが乾燥して室内に浮遊し、これを吸い込んだ人が感染することで一気に患者数が増えることになる。ノロウイルスの感染力はきわめて強いので、患者がいる場合には十分な注意が必要になる。 ノロウイルス感染かどうかわからなくても、下痢や嘔吐の症状を訴える人が家族にいる場合は、トイレの衛生に十分気をつけるとともに、嘔吐物の処理に際しては、ゴム手袋とマスクの着用は怠ることはできない。小さな子供のオムツ換えには特に細心の注意を払うべきである。 感染力が極めて強いのでノロウイルスに感染しない確実な方法はない。もちろんウイルスは熱に弱いので、十分加熱した食品を摂取することで感染の確率を相当減らすことができるが、空気感染様の感染経路もあるわけで、食品に注意するだけでは十分な対策とはいえない。 ある意味、防ぎようがない感染症ともいえるわけだが、基本的な予防法を実行することで感染の危険性はかなり低くなることは間違いない。 1、手洗いの励行2、下痢や嘔吐の患者は調理しないこと3、生の特に貝類を食べない4、生ものを提供する飲食店は衛生管理が行き  届いている店を選ぶこと(ちょっと困難ですが・・・)5、体調が悪いときの外食を避ける ノロウイルスに効果的な治療薬はない。激しい下痢による脱水に加えて、嘔吐・下痢に伴う電解質異常を予防するため、十分な水分の摂取に加え、電解質も補給しておきたい。スポーツドリンクでなくても、水に少量の塩分を加えただけのものでも構わない。(塩は粗塩が良い)また小さな子供の場合は、スポーツドリンクをそのまま飲ませるのではなく、倍量に薄めたものの方が良い。

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風邪が流行っています

風邪をひいている人が多い。私自身もそうであるが、風邪症状を訴える人が最近少なくないように感じる。実際に公のデータがあるわけではないが、街中でも鼻をかんだり、せきをしたりしている人が目立つので、風邪の患者が増えていることは確かだろう。インフルエンザとは違って、公的機関が患者数を確認することはまず不可能。実際にどのくらいの患者が発生しているかを知るすべはない。風邪は特定のウイルスによって発症するものではなく、症状にしても際立った特長があるわけでもない。然るに風邪は「風邪症候群」と呼ばれる。腹部症状を訴える人が多くなると、特に根拠もなく(とは言い過ぎか?)「お腹に来る風邪ですね」と簡単に診断を下してしまう医者も出てくるわけだ。 ところで、多くの人は風邪をひいてしまったら「風邪薬」を飲むのではないだろうか。いわゆる「総合感冒薬」だ。鼻水を抑えたり、咳を静めたり、あるいは熱を下げたりといった対症療法的な医薬品を混合してカプセル等にしたものである。症状の緩和には多少の期待はあるものの、薬で風邪は治らない。風邪を治すのはあくまでも患者自身の免疫力でしかない。 場合によっては、薬を飲むことでかえって病期を伸ばして回復しにくくなることもある。風邪の諸症状はそれぞれ意味があるものであって、無理に抑えてしまうと逆に病原菌に力を貸してしまうことになりかねない。普通感冒では38度程度までしか発熱しないが、このくらいの発熱でも解熱剤を服用する人が少なくない。解熱剤は免疫力を下げてしまうものと考え、この程度の発熱では服用しないほうが無難だろう。 また風邪に効果がある抗生物質もない。風邪と診断して抗生物質を処方する医者があまりに多いが抗生物質の乱用になる可能性が高く、本当に必要な薬であるのか医師に確認しておきたいものだ。二次感染の予防ということであれば、服用は慎重にした方が良く、医師に対して「今は飲まなくても良いですね」といって断ることも患者の権利のひとつだと思う。 風邪をひいてしまったなっと思ったら、できる限り体を休めること。寝ることが一番の薬だ。体調不良にもかかわらず遅くまで飲食して、睡眠時間を削った不規則な生活を続けてしまうと、治るものも治りにくくなるばかりか周囲への感染を広げてしまう。食欲があればきちんと「栄養」をとることも大切。繰り返しになるが風邪は自分の免疫力でしか治らない。したがって風邪の治療では、「いかに免疫力を保持するか」が大きなポイントになる。免疫力を高めることは風邪に限らず、これからシーズンを迎えるインフルエンザをはじめあらゆる感染症に対して有効な予防手段になることは間違いない。 休養(睡眠)、栄養、運動、これらが一体となって免疫力増強につながる。良い生活習慣を心がけることこそが病気の予防となるわけだ。

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食品問題に思うこと

毒餃子事件が中国側でおきた犯罪行為であることが確定し、詰めの捜査が行なわれている。日本側にとっては、ヤレヤレといったところかもしれないが、次なる問題としてメラミン混入事件が明るみにされ、関連商品が日本をはじめ各国に出回っているとして大騒ぎになっている。日本では事故米事件だ。よくも次から次へと食料品に絡んだ犯罪が起きるものだとほんとうに驚いてしまう。 牛乳へのメラミン混入は、水増しした牛乳を出荷する際、そのままでは検査に不合格になるのを避けるためにメラミンを混入したそうだ。検査では窒素量を目安にするため、悪知恵を働かせた結果、無味無臭の樹脂原料であるメラミンを使うことを思いつき儲けをたくらんだわけだが、それを飲まされた消費者にとっては迷惑千万どころの話ではない。メラミンは体内で化学反応し腎臓結石をつくる。毒餃子は従業員が一部の製品に農薬を混入させたわけだが、メラミンは会社の利益を膨らませる手段として混入され、しかも関連商品すべてに影響を及ぼしている点で、その悪質性はとてつもなく大きいといえる。 日本の菓子メーカーでは、原料乳の輸入先をオーストラリアなどに切り替える動きがあるが、これはもっとも適切な措置だと思う。オーストラリアは自国の農畜産業を守るため、関連する産品の流入を一切禁じている。卵が使われている月餅を香港から持ち込もうとして没収された話や、赤ちゃんのミルクでも、初日分だけ持込みが許可され、あとは没収されたという話も聞いたことがある。 アメリカの大企業マクドナルドは、なぜオージービーフを使うのか?当然ながらアメリカ牛を使うのが自然ではないかと思うが、いつ狂牛病が発生するかわからないアメリカ産の牛肉を使っていたら、万一その発生の時には世界中で営業がストップする大きなリスクを抱えてしまう。日本の牛丼チェーンはアメリカ牛にこだわってきた結果大きな損失を負ってしまった。家畜飼料を含め一切の輸入を拒むオーストラリアの畜産商品は、もっとも安全性が高いことを、マクドナルドも判っているのだろう。 ところで「事故米」についてであるが、検出されているカビ毒(アフラトキシン)や農薬(メタミドホス)の濃度は人体に影響があるようなレベルとはかけ離れている。食べても危険性はまずない!だから良いとは決して言わないが、日本での報道を見ていると、事の本質をとらえていないものばかりで、こちらの方が余程問題になるのではないかと危惧してしまう。 「ジタバタしていない」といって辞めていった大臣がいたが問題は農水省の対応や、三笠フーズをはじめとするいわゆる「ロンダリング」して儲けていた関係企業にある。それなのに、焼酎メーカーや和菓子製造業者など、いってみれば弱者が、関連商品の回収を余儀なくされたうえに売上げの大幅減少までまねくという、まさに「踏んだりけったり」の状態に泣かされている。元農水大臣が言った「健康に影響がないから・・・」というのは間違ってはいないが、あまりにも舌足らずな発言で、国民の信頼を一気に失ってしまった。問題とするべきもの、問題にしなくても良いものをはっきりと区別して、国として対応することをしっかりとアピールして欲しかった。 回収された食品に、いったいどれだけの有害物質が混入しているというのか。事故米から製造されたでんぷんを使った食品に危険性があるとは思えない。おそらく健康被害のリスクはゼロだろう。米をそのまま使う商品でも、事故米が混入されているだけで、有害物質が検出されたとしてもその濃度は極めて少ないはずだ。個人的には回収は必要ないと思うし、消費してしまっても何の問題も起きないと確信する。 何か問題が発覚すると、すぐに買い控えに走る消費者の行動は仕方がないのかもしれないがあまり意味がない。カビ毒だ、メタミドホスだと騒いで不安を煽る報道にも問題がある。私が1週間ほど日本で見たテレビニュースなどでは、その毒性について正しく評価して、今回の問題に関して不安を打ち消すような報道は皆無だった。視聴率を稼がなければいけないマスコミに、ジャーナリズムの精神は失われているようだ。 食品や大気などから体内に取り込まれる化学物質(有毒物質)は、自分たちが知らないだけで相当な量になっているはずだ。そんな環境の中で我々は生活していることを大前提として物事を判断しても良いのではないかと思ったりもする。食品を扱う企業の犯罪行為は厳しく断罪し、二度と食品を扱わせないくらいにするべきだが、今起きている問題、あるいはリスクに関しては正しく評価して行動することも消費者に求められていることだと思う。

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中国での歯科治療でB型肝炎感染

香港での歯科医療費は高いということが半ば常識となっているが、これは日本人にかぎらず香港の人にとってもおそらく同じ感覚ではないかと思う。昔、治外法権ともいえる九龍城があったころは、その中に多くの大陸人歯科医師(もちろん香港の資格はない)が開業していたが、安いからという理由で、香港人にもかなり利用されていたと聞く。現在では、シンセンまで行って歯科治療を受ける人が少なくはなく、羅湖駅周辺には多くの歯科医院が開業している。 中国で歯科治療を受けた香港人女性(22歳)が、B型肝炎を発症したことが報道されている。治療に使う器具を完全に消毒していなかったことが原因である可能性が高く、あらためて中国での歯科治療の危険性を露呈したこととなった。 歯科治療は出血を伴うことが多く、歯科医師自身も患者からの感染リスクが高いので、治療に際しては手袋はもちろん、眼への飛散を防ぐためゴーグルを使用することも少なくない。中国の歯科医師がどれくらいの危険性を意識しているかわからないが、それほどまでに危険な作業であるにもかかわらず、直接患者に触れる治療器具の消毒がおろそかにされているとはヒドイ話だ。 B型肝炎は血液で感染する。キャリアーが日本の数倍から10倍いるという中国では、なおさら危険性が高いわけであり、それなりの管理がなされた歯科医院でなければ、単に安いという理由だけで利用するにはリスクが高すぎる。中国でもきちんとした管理がなされている歯科医院は治療費用も高く、香港にいてわざわざ行く必要はないかもしれない。 医療行為による感染事故は日本でも起きている。目立つのは針刺し事故。別の患者に使った注射針をそのまま使用してB型肝炎を感染させてしまった例はたまに報道されている。ニュースになるには、おそらく劇症肝炎を起こして死亡したなどの場合に限られると思うので、実際にはかなりの事故がおきているのではないだろうか。 内視鏡検査によるピロリ菌感染も一時話題になった。カメラの洗浄不完全が原因で、患者から患者へピロリ菌を感染させてしまうそうだ。これに関しては、弊社提携先のMetro Medical Centreでは最新式の専用洗浄機械で完璧に消毒洗浄するため、事故が起きる可能性はない。香港でも消毒液に浸けるだけの医師もいるときくので、検査を受ける場合はそのあたりのことまで聞いてみても良いのではないだろうか。