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今年初めてのコレラ患者発生

衛生署は今年初めてのコレラ患者の発生を、4月7日に発表した。患者は26歳の女性で、水様の下痢、腹痛、めまい、吐き気を先月31日に訴え、現在はクイーンエリザベス病院に入院しているが、症状は安定している。検査の結果、この女性はエルトール小川型コレラ菌に感染していることが確認されている。 患者は先月29日から今月2日までフィリピンを旅行しているが、フィリピンで感染したのか、あるいは香港で感染したのか、感染経路を含めて目下調査中とのことだ。またWong Ti Sinにある自宅で同居している家族には2次感染は起きていないという。 香港では2003年7名、2004年5名、2005年5名、2006年1名、そして2007年3名というように、毎年コレラ患者が発生している。多くは香港外への旅行中に感染したものと思われるが、香港でエビを生食して感染したケースも複数報告されている。これはタイ料理店で出されたエビの刺身?が原因食だ。生のエビを背開きにして香辛料を乗せた料理であるが、このエビがコレラ菌に汚染されていたために立て続けに患者が発生したことが、以前報告されている。 コレラに限らず通常の食中毒に関しても同じことが言えるが、香港にはもともと魚介類を生で食べるという食習慣や食文化はない。このような場所で刺身など生ものを食べるには、その料理を提供できるに値するレストランを慎重に選ぶ必要があり、一般的には中華料理店で刺身を食べるなどは絶対に避けるべきだと個人的には思っている。また、たとえ日本食レストランであっても、きちんと食品管理されたところでないと、食中毒の危険性が高いと考えたほうが無難だ。 香港から出張などで東南アジア方面に出かける人は少なくないが、どこもコレラ感染に関してはリスクが高い国ばかりだ。生水はもちろん氷にも十分気をつけたい。たとえコレラ菌が食物と一緒に体内に取り込まれても、健康であれば胃酸で除菌される。ところが暴飲暴食していると胃酸濃度が低下するため、コレラ菌は胃酸のバリアーを通過してしまう。小腸に達してしまえばコレラ菌は殺されることなく、やがて大腸に到達したとたんに爆発的に増殖して激しい下痢症状を引き起こす。 旅行後に激しい下痢が始まった場合は、躊躇することなく医師の診察を受けて欲しい。また受診に際しては、症状はもちろんのこと旅行先やその日程についても詳しく伝てほしい。

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食中毒予防

このところ「お腹を壊した」という話をよく耳にする。「お腹を壊す」と表現される病気は、少なくとも成人の場合、その多くが食中毒である可能性がある。もちろんお腹の調子が悪くなることは食中毒に限らないが、気温が一気に上がってくる今の季節以降は食品衛生に十分に気をつけなければいけない。 秋から春にかけての食中毒は「ノロウイルス」が原因となるケースが多い。ウイルス性食中毒はある意味防ぎようがないものであるが、初夏から秋口にかけての高温多湿の季節に流行する細菌性食中毒は、予防が十分可能である。 食中毒予防の3原則は、原因菌を「つけない」「増やさない」そして「殺す」こと。 1、原因菌をつけないこと原因菌が食品に付着することが食中毒発生の最初のきっかけとなる。調理者の手洗いを徹底することはもちろん、食品の保管に際しては、隣の食品同士が直接触れないようにしたり、生ものの汁が他の食品を汚染することがないように注意しなければいけない。 2、増やさないこと食中毒菌が存在するだけでは食中毒にはならない。感染可能な菌数に増殖してはじめて感染の危険性が生じる。たとえばスーパーで肉を買ったとしよう。スーパーの冷蔵庫から取り出した瞬間から外気温にさらされてしまう。冷房の効いた店内といえども20度以上あり、このときから食中毒菌の増殖スピードが早まる。さらに店外に出ると夏場は30度以上。食中毒菌は一気に増える。生ものは買物の最後にすること。スーパーではレジに並ぶ直前に冷蔵庫から取り出すこと。もちろんその後は寄り道をせず直帰して自宅の冷蔵庫に速やかに保管する。食中毒菌が増殖する機会をできる限り与えないことが大切だ。 3、殺す一般に食中毒菌は加熱することで死滅して、感染力を失う。食品内部までしっかりと加熱することがポイントだ。通常は食品内部が汚染されることはあまりないが、身近なところではミンチが危険食品となる。家庭で調理するハンバーグなどミンチを使う料理で食中毒が起きやすい。はミンチは肉に付着した食中毒菌が内部にまで入り込んで全体を汚染しているいる危険性が高くなるからだ。O-157が米国で初めて確認されたときの原因食品はハンバーガーだった。ただし誤解がないようにしたいが、大手のハンバーガーショップでは、米国でのO-157集団感染をきっかけに極めて厳格な食中毒予防措置をとっており、現在大手ショップのハンバーガーが原因で食中毒になることはまずないだろう。 黄色ブドウ球菌が生み出す毒素は耐熱性があるのでいくら加熱しても食中毒の危険性はなくならない。その意味では「つけないこと」「増やさないこと」が最重要となる。また低温であっても細菌は増殖するので冷蔵庫を過信してはいけない。最近は賞味期限を気にする人が多いが、これはあくまでも適正に保管されていた場合でのこと。特に缶やビンに詰められた食品は開封後の劣化が著しい。たとえ冷蔵庫で保管していても安心できない。 これからの季節は、ノロウイルス感染が減る一方で細菌性食中毒、なかでも腸炎ビブリオ中毒が増える。腸炎ビブリオは海にいる細菌で高温を好む。魚介類に付着して食卓まで侵入する。魚は真水でよく洗ってから調理するのが基本であるが、それを知らないで魚介類を扱って刺身や寿司を供している「なんちゃって日本料理店」も少なくないと思う。食中毒発生の危険性は高い。海外で寿司や刺身を食べる場合は、飲食店の信頼度を十分に吟味してからにしたい。中華圏では元々生ものを食べる習慣などなかったわけだ。そのことを頭の隅においておきたいのもだ。 食中毒の発生が最も多いのは一般家庭である事実を忘れてはいけない。これからの季節、食中毒予防に十分努めて欲しい。

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インフルエンザ対策に消毒?

イースターが終わり日本から帰ってくると、自宅マンションのエントランスドアノブやエレベーターの行き先ボタンを1時間毎に消毒しているとの表示がされていた。エレベーターの行き先ボタンのパネルにはビニルカバーがかけられて消毒しやすいようになっていたが、突然にSARSの記憶が呼び起こされてしまった。 インフルエンザでの死亡例が相次ぎ、香港の小学校以下は感染拡大を阻止するためにイースターを待たずに長い休みに入っている。春先の天候不順が感染の拡大を招いている一因であるとも考えられるが、感染を広げやすい集団生活の場を閉鎖するという香港政府がとった措置は有効だったと思う。 しかしエレベーターボタンの消毒ははたして必要だろうか。SARSではスーパースプレッダーと呼ばれる感染力が強いウイルス保有者が触れたエレベータボタンから同宿者に感染を広げたと想像されているものの、これも確証があるわけではない。 ましてやインフルエンザ予防に現在とられている措置が有効であるとは、私自身はとても考えられない。インフルエンザは咳やくしゃみで飛散したミストが乾燥して空気中に漂い感染するという経路が主である。もちろん手指についたウイルスによっても感染するので、手洗いの習慣化は感染予防に有効である。そうではあるものの常時消毒されているようなシステムがあれば良いかもしれないが、たかが1、2時間毎の消毒にどれだけの効果があるか疑わしく、労力の浪費に過ぎないのではないかと疑ってしまう。 現在とられている措置は、鳥インフルエンザで香港内でも野鳥が死んでいる事態や、鳥から人への感染が香港にほど近い中国内で起きていることから、新型インフルエンザ対策としてもとられているのであろうが、それにしても滑稽ともいえる対策ではないだろうか。 香港も暖かくなり、これからは一気に夏に向かう。インフルエンザは冬の病気であるという認識が強いので、このまま31日に小学校などが再開されれば、一時はパニックのようになっていた香港市民もインフルエンザのことは忘れ去ってしまうことだろう。 歴史上の新型インフルエンザは夏場に生まれてきているものもある。これからのシーズンも、新型インフルエンザ対策ということだけではなく普段の健康管理の一環として、手洗いの励行はもちろんのこと、適切な栄養摂取、十分な休養(睡眠)、ストレスマネジメントといったことに注意して過ごしたいものだ。

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インフルエンザ騒動

昨日はインフルエンザの流行拡大を阻止するため、全香港の小学校、幼稚園等を全面休校することを香港政府が急遽決定したため一部で混乱も生じたようだが、政府がとった措置はもう少し早くても良かったかもしれないが大いに評価できるものだと思う。また前言を翻すように対応したことも批判を呼んでいるようであるが、通常のインフルエンザである以上、問題視する必要はないだろう。 日本では学校単位で学級閉鎖や学校閉鎖が判断される。香港でSARS以来はじめてとられたこのような措置について、日本人の感覚としては大きな不安材料としてとらえられた可能性があることは否定できない。 日本のマスコミ報道でも香港のインフルエンザ流行と小学校以下の閉鎖が報じられている。どこかの通信社が流したものだろう。事情を知らない日本側での不安を煽るような記事になっていると感じたのは私だけだろうか。子供が3人死亡したことは確かに事実ではあるが、人口700万人を抱える香港でのこと。インフルエンザが直接的な死亡原因になっているケースは、3人の子供にとどまることなく、まだまだあってもおかしくはない。ちなみに日本国内ではインフルエンザが直接的な原因で、毎年数百人が死亡しているという。 今回の香港での出来事は小さな子供が死亡したことをその子供の写真なども交えて大げさに報道している香港のマスコミが市民の不安を増幅させ、当初は通常のインフルエンザ感染であるが故、各学校の対応に任せるはずであった香港政府が、急きょ方針を転換さざるを得ない事態となったとはいえないだろうか。 また一部日本人の間で、鳥インフルエンザウイルスはすでに人から人に感染するタイプに変わっており、この新型ウイルスで小児死亡例がでているのだという噂がまことしやかに広がっていると聞いた。とんでもないガセネタだ。本当にそのような噂があり、日本人社会の中で広がっているのであれば、どうか冷静になって事実関係を判断して欲しいと願いたい。無責任な話をすることはいらぬ混乱を招くだけで、決して利益にはならない。 今回の事態を日本向けに流したマスコミも同じだ。学校が一斉に休校になったことや3例の小児死亡例が出ていることも事実ではあるが、はたして日本向けにわざわざ流さなければいけない情報なのか考えて欲しいものだ。「情報」の垂れ流しでは困る。(昨日のメールで4名としたが、4例目は未確定) SARSの時には、日本で受ける感覚と香港での実態に温度差が生じたがために、香港の日系企業は必要以上に日本側から行動を制限された。このため日系企業の活動に重大な影響がでたという。これも本社サイドが見ている日本でのマスコミ報道が強く影響していたと思われる。 いま、最も警戒しなければいけないのは「新型インフルエンザ」である。今のところウイルスが急にその性質を変えているとの情報はない。今回のインフルエンザにしても政府はウイルス変化については完全に否定している。WHOも特別に警戒してはいるが、今のところ人人感染を起こすようなタイプに変化したとの事実はつかんでいない。 しかし新型インフルエンザは必ず生まれてくる。どのような形で人類を脅かすのかまったくわからない。ワクチン開発が間に合って軽微な影響にとどまることを期待したいが、こればかりは神のみぞ知ることだろう。 一般市民としては、通常のインフルエンザ対策を今後も継続するべきであることは間違いない。新型インフルエンザは従来のインフルエンザシーズンにだけ気をつければ良いというものではない。過去において新型が夏場に生まれていることもあるからだ。

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小学校など全面休校措置決定

香港政府(食物衛生局)の周一嶽局長は、昨晩10時15分に開いた臨時記者会見で、香港のすべての小学校、特殊学校、幼稚園といった教育機関を28日まで一斉に休校すると発表した。28日は金曜日にあたるため、実質的な学校等の再開は31日になる。直前までは学校個別の問題として現場での判断を優先するとしていたが、2月24日以降の児童の死亡が4名に達したことから、急遽方針を転換したものだ。このような措置は2003年のSARS以来のこと。 子供の死亡が相次いでいることが異常事態のように報道されているが、インフルエンザによる乳幼児・小児及び高齢者の死亡は決して珍しいことではなく、日本でも毎年数百人が亡くなっているはずで、世界的にも衛生状態が悪い途上国を中心にインフルエンザによる死亡者は相当な数にのぼるものと思われる。 インフルエンザを、風邪がちょっと酷くなっただけの病気と思っている人も少なくないが、風邪(普通感冒)とインフルエンザは全く異なる病気であるということを、一般の認識として浸透してほしいものだ。ただし現在香港で起きている事態は決して異常なものではなく、日本でも冬場に学校閉鎖などが起きるのと同じものであると考えても間違いではない。 香港は今回の措置のように時としてドラスティックな措置をとることがあり、1997年の鳥インフルエンザ流行(18名感染6名死亡)の際にも、飼鳥を含めて全香港の鳥を殺処分して流行を押さえ込んだことは、その後世界的に高い評価を得ている。 今回のようなインフルエンザ流行に関してとられた措置は、集団生活における患者発生(いわゆるエピデミック)が容易に感染拡大して全地域的な流行(パンデミック)となることを抑制することに非常に効果的であり、政府の措置を大いに評価しても良いだろう。 ところで香港でも処方が多いタミフルであるが、日本の厚生労働省は子供の異常行動などの副作用に関して十分な注意をするよう指導している。香港ではタミフルの服用で高所からの飛び降りなどの異常行動は報告されていないが、インフルエンザと診断を受けてタミフルの処方を受けた場合は、十分監視するようにして欲しい。異常行動について、それが本当に副作用であるのか議論されているが、WHOや製薬会社では、副作用であることを否定できないことから、タミフルの処方に関しての注意事項としている。 何度も書いているがタミフルにはインフルエンザウイルスを殺す作用はまったくない。細胞内で増殖したウイルスが細胞外に出て行くことを阻止するもの。劇的に症状が改善するため、治癒したものと勘違いしてしまうが、その状態で通学や出社などすると確実に感染を広めてしまう。処方されたタミフルはすべて服用することで、服用期間は自宅で安静にして欲しい。最終的には患者自身の免疫力で体内のウイルスを排除して治癒するのであって、薬はその助けとなるものに過ぎない。 余談だが、タミフルの原料は中華料理に多用される「八角」だ。スイスのロッシュ製薬が製法の特許を持っており、八角から抽出されるシキミ酸から10回程度の化学反応工程を経て生産されるが、八角自体にはインフルエンザに対する効果はまったく期待できない。

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新型インフルエンザワクチン

鼻腔に噴射するだけの新型インフルエンザワクチンが、日本の国立感染症研究所で開発された。鼻の中に噴射するだけで接種が完了する簡便さで、注射器を必要としないので、世界中どのようなところでも使える。さらにウイルスが変化しても その効果が見込めるというから、これはとても素晴らしいことだ。 このワクチンはベトナムで2004年にH5N1ウイルスに感染した患者から分離したウイルス を元に開発したものであるが、同じウイルスでも遺伝子が一部異なる1997年香港株や2005年インドネシア株にも効果を示しているという。現在のところマウスを使った実験でその効果を実証したという段階であるが、2010年には人における臨床試験を行なうそうだ。 今現在話題になっているのは鳥インフルエンザH5N1。このウイルスが直接人に感染する ようになってきており、その強い毒性ゆえ世界中で死亡者が散発している。つまりH5N1ウイルスは少しずつ変化して鳥固有のウイルスではなくなりつつあり、人への感染性を示すようになってきているわけだ。近い将来人から人へ感染するタイプに変化(進化?)し、世界中で多くの犠牲者を出すのではないかと心配されている。 今回開発されたワクチンは、このように変化するウイルスタイプにも効果が期待できるところが画期的なところで、しかも鼻に噴射するだけというから素晴らしい開発成果だ。まだ実用化には時間がかかるのが残念であるが、新型インフルエンザに関しては悲観的な報道が優先する中、極めて明るい話題ではないかと思う。(実は現在のインフルエンザワクチンでも鼻に噴射するタイプがあるが、今回のものとは予防メカニズムが違う) 鳥インフルエンザや新型インフルエンザに関しては、少しずつ不安が膨らんでいるところで各企業でも対策を考えるようになっているようだ。今回の国立感染症研究所の成果に限らず世界中でワクチン等具体的な予防に関しての研究が進められており、これまでもその成果がいくつも公表されている。新型インフルエンザに対して決して悲観的になることはないと思う。おそらくワクチンは最も効果的な予防手段になると思うが、最終的にどのようなワクチンが開発される不明だ。今はできる限り早い開発実用化を望むわけであるが、量産体制の確保や特許権の扱いが問題になるかもしれない。 従来の新型インフルエンザには、人類は白旗を立てるような状況であったが、次回は少々状況に変化がおきるのではないかと期待したい。問題は新型がいつ現れるかという、時間との競争かもしれない。 一般の人々も個人レベルでインフルエンザ対策にあたり、自らの感染予防に努めなければいけない。鳥インフルエンザ(H5N1)が偶然に人に感染している現在の段階では、鳥との接触を最も警戒するべきだ。人から人に感染したのではないかと疑われるケースもあるがWHO(世界保健機関)としては、人-人感染を起こすようなウイルスに変化していることを確認しているわけではない。今のところはすべての感染事例で鳥が介在していることは間違いなさそうだ。 歴史上の新型インフルエンザ(スペインかぜなど)で多くの人が死亡しているが、感染者がすべて発症したわけではなく、ましては死亡したわけでもない。やはり免疫力の違いが大きいのだろう。免疫力を落とさないような生活も大切だ。もちろん言い古されていることであるが手洗いの励行などは当然の感染予防として身につけておかなければいけない基本事項であることは言うまでもない。

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香港でインフルエンザが流行

日本でのインフルエンザ流行は峠を越えて、患者数が徐々に減ってきているとの報告が国立感染症研究所から出されたが、香港での流行は先週くらいから本格化したようだ。女児の死亡を受けて受診者が増えているのか、確定診断を受けた患者数が急増している。 本日の新聞紙面ではたいへんな事態が起きているかのごとき大きな記事で紙面をさいているが、オーバーな表現は香港の新聞報道につきものなのでそれを額面通りにとらえることはないが、インフルエンザに対して十分な注意が必要であることは言うまでもない。 政府系総合病院では患者数の増加から、見舞い患者等の訪問時間を制限するなどの措置をとっているが、これは患者が集まる病院での感染を予防することでも意味があることだ。また政府は様々な手段でインフルエンザ予防を啓蒙し、今になって予防接種を老人などのハイリスクグループに実施するようであるが、抗体ができるまでに時間がかかるので即効性はなく、「やらないよりはやったほうがまし」程度の効果だろう。 それよりも個人の日常生活での基本的な予防が大切だ。以前のメールでも書いたことであるが、インフルエンザ予防は下記の通りだ。 ①人込みを避けること。無用な外出をしない。②換気を良くすること。③手洗いの励行。うがい。④適切な栄養摂取。⑤十分な休養、睡眠。適度な運動。⑥禁煙。⑦ストレスを避ける。 予防法は感染の機会を減らす(①から③)、免疫力を落とさない、増強する(④から⑦)に分けられる。マスクの使用は自身を感染から守るためのものではない。空気中に飛散しているウイルスは乾燥しているため極めて小さな粒子になっているため、マスクの網目を通り抜けてしまう。最近は抗菌効果をうたった商品も増えているが、過大な期待をしないほうが良いだろう。もちろん患者がマスクをすることは、咳やくしゃみなどにともなうウイルスを含んだ唾液の飛散を防ぐことができるため、他者への感染予防が期待できる。 感染が疑われる場合は、無理に出社しないことだ。風邪ぐらいで仕事を休むものではないという考え方は、インフルエンザに限っては間違っている。日本だけでも毎年数百人が死亡している病気であることを理解するべきだろう。

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インフルエンザで女児死亡

香港でインフルエンザに感染した3歳の女児が死亡したと、昨日の新聞に大きく報道された。診断結果が出るまではH5型鳥インフルエンザではないかと緊張がはしったものの、結局はH3型インフルエンザで毎年の流行タイプのものであることが判明した。 H3型はA香港型インフルエンザで、感染力が強く、比較的症状も重い。特に老人と乳幼児など免疫力が弱い年齢層では重症化する症例も少なくなくインフルエンザが直接的な死亡原因となることもある。実際にインフルエンザが原因となる死亡者数は、日本でも毎年数百人に上ると言われており、流行が長く続く年には1000人に達することもあるというからインフルエンザは決して侮ることができない病気だといえる。インフルエンザは風邪がちょっとひどくなった程度という認識もあるが、これは大きな間違いだ。このところ鳥インフルエンザが怖がられているが、今、現に流行しているインフルエンザに大しても十分な警戒が必要だ。 今回死亡した女児の両親は、治療に対して不信感をつのらせているが、インフルエンザから心筋炎などを発症した場合は、その診断も治療も非常に難しくなることは確かで、担当した医師の責任を問うことは困難だろう。日本でも心筋炎で子供を亡くしてしまった親が民事訴訟を起こすケースが何件もあるが、医師の責任が認められた話は聞かない。 今季のインフルエンザの主流は、Aソ連型(H1N1)。これまでA香港型(H3N2)が毎年流行してきたが、今年はなぜかソ連型が主流で患者の8~9割はこのタイプだそうだ。インフルエンザ流行はそろそろ収束に向かうと思うが、年によっては3月いっぱい全国的に警報が発令されていたこともあり、4月にはいるまでは気を緩められない。

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レジオネラ感染

国立感染症研究所は鹿児島県にある足湯をボランティアで清掃した50歳代の男性がレジオネラ菌に感染して肺炎を発症して入院していたことを発表した。 1976年、アメリカ・ペンシルベニア州において開かれた在郷軍人会でその参加者や付近住民など200名以上に原因不明の肺炎が発生し、34人が死亡したことがきっかけで発見された病原菌がレジオネラ菌だ。レジオネラは在郷軍人(Legionnaire)の意味。 レジオネラ症は高熱に咳や筋肉痛が伴い、進行すると呼吸困難をおこし、さらに意識障害等を併発する病気で、死亡率は高く約30%程度。日本でも毎年数名が死亡している。 温泉などの公共浴場での感染が問題となっているレジオネラ菌は、20度以上の水温で、ある種のアメーバに寄生して増殖する。本来土壌中の細菌であるが、温泉のほか一般家庭の24時間風呂での感染、あるいはビルの冷却塔等から飛散した水滴粒子(ミスト)にレジオネラ菌が含まれ、感染原因となったケースもある。レジオネラ菌は市中に広く分布しているのではないかと思われる。日本で一時流行した?循環式24時間風呂は、レジオネラ感染が原因で販売が中止された。身近なところでは超音波式加湿器が感染源となった例もある。 昨年香港でも11件のレジオネラ感染が報告されている。もちろんこれは公式に発表されたものだけに過ぎないので、レジオネラ感染とは診断がつかなかったケースも少なくはないと思われる。 香港(中国)で問題になりそうなのは、ビルの冷却塔からの水滴の飛散とサウナだ。日本式に浸かれる浴槽があるマンションは少なく、広い浴槽で足を伸ばしたいといってサウナを利用する人も少なくはない。サウナに併設されている浴槽の温水がどのように管理されているかわからないが、もし調べればレジオネラ菌に汚染されているところも多いのではないかと思う。 もちろんレジオネラ菌を吸い込んだからといって誰もが肺炎を発症するわけではない。今回足湯で感染した男性の場合、糖尿病を患っていたので感染しやすかったようだ。免疫力が高ければ感染を恐れる必要はないが、特に免疫力が低下している乳幼児と高齢者にとっては危険性が高い。年齢に関わらず体調がすぐれないときに、サウナに入ることは避けるべきだろう。 一般家庭では加湿器のタンクを清潔にすることくらいが感染予防法だろうか。感染事例があったか不明であるが、感染経路を考えると熱帯魚の水槽も要注意だろう。泡が出ないようなエアレーションやエアレーションの気泡から生まれたミストが室内に飛散しないような工夫が必要だと考える。

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タミフルが効かないインフルエンザ、 日本で初の集団感染

今朝のニュースだが、「やっぱり来たな」というのが私の感想だ。報道によると、タミフル耐性インフルエンザウイルスに感染した患者は横浜市内の8~13歳の男女で、いずれも血縁などはないという。同一地域で発生していることから、小規模な集団感染があったことが強く疑われるため、調査報告した横浜市衛生研究所はWHOに届け出るという。 WHOによると、ノルウェーやフランスでタミフル耐性インフルエンザウイルスの検出率が今季急増しており、今後世界的な感染拡大が懸念されるという。これらの国ではタミフルの使用は少ないため、66%もの耐性ウイルスの検出率となったノルウェーでも今のところ大きな問題にはなっていないが、新型インフルエンザの出現に備えて各国がタミフルを大量に備蓄しており、今後、備蓄計画にも大きく影響することだろう。 海外ではタミフルだけではなく他の治療薬の備蓄も進めており、タミフル備蓄に頼る日本では今後大きな対策変更が迫られるだろう。日本の問題はタミフルの過剰使用だ。私がかねて懸念していた耐性ウイルスの出現は、なぜかタミフルの使用が少ないヨーロッパでおきたが、潜在的な危険性が高いのは日本や香港などこれまでにタミフルを大量に使用してきたところではないかと思う。 インフルエンザに感染しても一般的には身体を休めることで回復する。熱が出たらすぐ解熱剤を飲まないで、できる限り冷やすようにしたい。発熱は免疫力を高める手段であり、ウイルスの活動をおさえることができるものだ。ウイルスにとって38度を超える環境は活動しにくいので、あえて発熱元を解熱剤でたたいてしまうのではなく、外から熱を奪ってやるわけだ。 タミフルは今のところインフルエンザに対して確かに効果的な薬ではあるが耐性ウイルスの出現が現実となったことから、その使用に頼ることはできる限り避けた方が良いと思う。