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食中毒関連情報

香港の某日系レストランでのこと。注文して出てきたハンバーグを食べようとしたら中がまだ生の状態。日本人のスタッフにもっと火を通してもらえるよう頼んだところ、「焼き具合に注文がなければレアで出している」との返事が返ってきたとのこと。 私が直接経験した話ではないが、このようなことは店にとって重大な問題であり、ただちに従業員教育を行わなければ深刻な食中毒事件になってしまう危険性がある。 表面だけ焼いたレアの状態の食べることができるのは牛肉ステーキだけ。ミンチ状態にしてから固めるハンバーグでは、牛肉表面を汚染していたO157などの病原大腸菌が中まで混ぜ込まれてしまうので、完全に火が通っていなければ食中毒の危険性が非常に高くなるわけだ。ハンバーグは中まで確実に火を通さなければいけない食品であることは常識であり、もし飲食店にその知識がないとなると問題は極めて大きい。 加熱不完全なハンバーグが、もし豚肉との合挽を使ったものであれば豚由来の病気、たとえば危険な寄生虫・有鉤条虫の感染リスクが生じる。さらにミンチをこねていたまな板などで、その前に生の鶏肉を調理していたとなると、キャンピロバクター菌による食中毒感染の可能性もでてくる。 とにかくハンバーグは完全に火が通っていなければいけないことだけは覚えておきたい。 寒くなってきたので鍋料理を食べる機会も多くなる。鍋は食材の加熱時間を自分で調節することができるが不完全加熱には十分注意したい。特にカキは調理加減が分かりにくい。加熱しすぎるとおいしくないといわれるが、少し煮過ぎくらいにしておいたほうが無難だ。カキをはじめとする海鮮ではノロウイルス中毒の危険性がある。冬場に発生する食中毒はウイルス性、つまりノロウイルス中毒が非常に多くなる。 ノロウイルスは患者のおう吐物や下痢便から飛散したミストが室内の空気を汚染し、簡単に2次感染を成立させてしまう。家族内で激しいおう吐や下痢を訴える人がいたら要注意だ。それらの処理にあたっては必ずゴム手袋とマスクを着用しておきたい。 香港では夜うす暗い中でバーベキューすることもある。今の季節は寒いのでそのような機会が少ないかもしれないが、暗いので食材の焼け具合が分かりにくい。特に鶏肉など生で食べてしまうことがないようにしなければいけない。 昔は食中毒に季節性があったが、現代では食中毒発生と季節にはそれほど強い関係はない。年中食中毒には注意を払うことが必要であるが、これは食事を提供するレストラン従業員(経営者)だけに限られることではなく、広く一般の人にもいえる注意事項だ。

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世界糖尿病デー

明日、11月14日は世界糖尿病デーだ。1922年にインスリンを発見したカナダ人医師フレデリック・バンティング(1923年ノーベル医学生理学賞受賞)の誕生日にあたるこの日を、世界糖尿病デーと定めて、WHOや国際糖尿病連合が中心になって糖尿病の治療と予防を世界中で呼びかけている。 世界糖尿病デーには160カ国200以上の糖尿病協会によって、無料検査、市民講座、スポーツイベントなどが開催されるほか、各国ではシンボルカラーであるブルーの光で、高い建物やタワーをライトアップする催しもある。 日本では東京タワーや大阪・通天閣など20か所以上がブルーでライトアップされるが、万里の長城やエッフェル塔など世界中で200か所近くが参加する。ちなみに香港ではワンチャイのホープウェルセンターがライトアップに協力する。 ところで糖尿病は世界中で2億5000万人もの患者がいるものと推定され、さらに20年以内にその数は3億8000万人にも増えるとされている。患者は途上国で著しく増えることが予想されることから、危機感を強めたWHOが予防啓蒙活動の中心的役割を果たしている。 糖尿病は単に血糖値が高いということが問題となるわけではなく、失明、四肢切断、腎不全(透析)といった合併症で生活の質が著しく低下することが問題になる。現在、新規腎臓透析、成人の失明、四肢の切断といったことが起きる最大の原因が糖尿病といわれている。 透析では毎週3回、4時間ほどベッドに縛られる生活が一生続く。成人期に失明した場合、ほかの感覚器が発達することがあまり期待できないため、努力しても生活の質を回復することが期待できない。 遺伝的な要因が非常に強いといわれる糖尿病であるが必ずしも体質が発症の原因になるとは限らず、体質に関係なく発症することもある。親兄弟など直系の家族に糖尿病患者がいる場合は、当然のことながら十分に注意しなければいけないことは言うまでもない。 合併症の悲惨さを考えるとメタボ関連で最も深刻な病気が糖尿病かもしれない。発症した糖尿病は治癒するものではないが、コントロールすることは可能だ。もちろん発症しないようにすることが大切だが、たとえ発症しても合併症を起こさないようにすることが重要。 糖尿病の予防はとにかく太らないこと。空腹時の血糖値が111mg/dl以上で糖尿病予備軍と呼ばれるグループに入るが、定期健康診断で血糖値が100を超えている人は特に注意してほしい。とにかく減量すること。体重増加に比例して血糖値が上昇する傾向が強いので、とにかく肥満には特段注意をしなければいけない。 好きなものを好きなだけ食べることができる時代だ。いかに食べないかという努力をすることも時として必要となる。とにかく太らないこと。肥満予防は、糖尿病に限らず循環器系疾患のもっとも効果的な予防法である。

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メタボリックの新国際基準

現在、メタボリック症候群の診断基準は、腹囲が基準を超えることが絶対条件となっているが、腹囲が標準であってもメタボリック症候群である可能性もあることから、その基準の見直し作業が国際組織で行なわれていた。 メタボリック症候群の診断には、これまでアメリカでは腹囲が絶対条件にはなっていないなど、各国で基準が統一されていないことが問題だった。 国際糖尿病連合、世界心臓連合、国際動脈硬化学会など六つの国際組織が議論した結果として、腹囲のほか中性脂肪、HDLコレステロール、血糖、血圧の5項目のうち3項目以上の検査値に基準を超えるものがあればメタボリック症候群とするという新たな基準がまとめられた。 日本の立場を代表してこの見直し作業に加わった東京大学教授(日本糖尿病学会理事長)は「血圧や血糖値などの異常が重なる原因の多くは内臓脂肪の蓄積だとわかっており、有効な対策を考えるためにも腹囲を必須にした方が良い。日本としては今の基準を堅持する」と話しているが、こんな基準を堅持することが国民の健康を守ることになるの疑問だ。 現在の日本のメタボリックの基準には国際的に見て問題点が多い。男性腹囲85cm、女性腹囲90cmがメタボリック症候群の絶対条件になっているが、国際的には各国で数値が異なるものの、女性の腹囲より男性の腹囲の方が大きいのが普通だ。(日本だけが特異的) また、腹囲が標準であった場合は、たとえ生活習慣病の疑いがあろうと、保健指導の対象にならないなど、今回の見直し作業で議論されたことと同じことも当然ながら問題となっている。 日本では特定健診制度が昨年4月から導入されているが、この制度の下、保健指導の対象となるのはあくまで現状の日本の基準に合致するメタボリック症候群の人であり、腹囲が標準である生活習慣病患者はその対象から外される。 特定健診制度は後期高齢者医療への拠出金を健保組合や市町村から今よりも多く取るための手段として巧妙に仕掛けられたものであり、国民健康の向上を目指して制定された精度ではないと個人的に確信している。 国際的にメタボリック症候群の基準が改められようと日本では「目的が違う」ので、現在の基準を改める必要はないと「お役所」では考えているのかもしれない。もちろん日本国内でも専門家によって議論されており、さらに政権が交代しているので、今後改められる可能性があるものと期待している。

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新型インフルエンザ情報

2009年10月11日現在、世界各国から、新型インフルエンザ(H1N1)の確定症例として39万9232人以上、4735人を超える死亡例がWHOに報告された。多くの国や地域が症例数の把握を止めているので、実際に発生している数よりも顕著に少ない数字になっていると思われる。WHOでは地域事務局や加盟国との頻繁な協議や複数のデータのモニタリングを通して、流行の経過を積極的に監視している。 北半球の温帯地域では、インフルエンザ様疾患の患者数が増え続けており、得に北米では、米国での発生数が、従来の季節性インフルエンザの発生状況を完全に超えて増加しており、その多くは新型インフルエンザとして報告されている。さらにカナダでも3週連続でインフルエンザ様疾患の増加が報告され、洲によっては著しい増加となっている。 西ヨーロッパや北アジアでもインフルエンザ様疾患の患者数は増え続け、数カ国では患者数増加が顕著となっている。ただし北米ほどの広がりにはなっていない。 熱帯地方の発生状況は、患者数が増加している国と減少している国が混在している。カリブ海地域では患者の増加が報告されているものの、南米大陸や南アジアでは多くに国で減少してきている。 なお、冬季に大流行した南半球の温帯地域では新型インフルエンザのウイルスはほとんど検出されていない。 中国で検出されたインフルエンザウイルスのうち半数近くが季節性インフルエンザウイルス(H3N2)であることが注目するべき点としてあげられる。従来のインフルエンザシーズンに先行して出現し新型インフルエンザと同時に流行していることになる。 ところで、最近は死亡率に関してあまり報道されないが上記のWHO報告から単純に計算すると、新型インフルエンザの死亡率はおよそ1.2%になりかなり高い数字になるが、患者の多くが報告されていない点を考えると、この数字を相当下回ると考えられる。 先月、米ハーバード大学等の研究チームがまとめた研究報告によると、その死亡率は0.045%であり、季節性インフルエンザとほぼ同じとしている。これは米ミルウォーキーなど2市で入院した患者、入院していない患者のデータを元に、通院しなかった人も含めた発症者を推計している点で、信頼性が高いものとなっている。従来は確定診断を受けた患者に対する死者の割合を致死率として計算しており、その数字が一人歩きしていた。 上記にある二つの死亡率(1.2%と0.045%)の乖離率26.7倍を、WHOが今回公表した患者数にかけると1千万人を超える数字になり、漠然としたものではあるものの感覚的な患者数に近いものになる。(あくまでも私の個人的な感覚です) 南半球の新型インフルエンザ流行は、ひとまず収まっているが、北半球の流行は、季節性インフルエンザの流行と重なってくるため、引き続き厳重な警戒が必要だ。オーストラリアやニュージーランドでは、病院のベッドが足りなくなる事態も起きており、北半球でも早急な対策が求められる。 香港での新型インフルエンザ予防接種の接種計画は来月公表される。優先順位が低い一般に回って来るにはかなりの時間を要すると思われ、それまでに患者数はますます増えることになるだろう。感染者がある程度増えてピークを迎えると、後は収束に向かう。予防接種を待っているあいだに知らず知らず感染してしまうことも十分考えられること。手洗いなど感染予防を積極的に行なうとともに、免疫力を落とさないようにすることも大切だ。患者数が急激に増えていることから、感染の機会はどこにいてもあると考えていたほうが良いだろう。しかし、その毒性から考えて、感染をいたずらに恐れて神経質になる必要などまったくない。

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家畜用抗生物質と人の健康

家畜用抗生物質の使用が、人の健康を脅かしているとの香港大学での研究結果が、香港の新聞紙上に大きく報道されている。 抗生物質は、家畜の成長を促進したり、未然に家畜の感染症を予防する目的で、家畜飼料に日常的に混入投与されている。香港で報道されているので中国の家畜が特に問題というわけではなく、日本やアメリカでも同様の問題を抱えている。 抗生物質は感染症の治療に必要量のみ用いるものであって、その予防に使うことは本来の目的ではない。狭い場所に多くの家畜を飼育し効率よく食肉を生産しようとすると、感染症が発生した場合に短期間のうちに家畜が全滅するリスクも生じる。そのためリスク低減の為に予防的に抗生物質の投与を行なう必要があるわけだ。そのほか簡便に増収につなげるために成長促進させる目的のためにも抗生物質が使用されているのが現状だ。 世界的には家畜への予防的抗生物質の使用を制限する方向にあるが、農業団体の反発も強く規制強化の動きは遅れている。その一方でヒトの感染症における薬剤耐性菌の出現が医療界では大問題になっている。つまり治療の切り札となる抗生物質が効かないため、死ななくても良い患者が死に至るケースが後を絶たないのだ。これは家畜に大量に使われた抗生物質のはたらきで、家畜の体内に耐性菌が生まれ、何らかの理由でヒトに感染してしまったことが考えられるほか、食肉を喫食することで、肉に含まれる抗生物質をヒトが知らずに摂取してしまうことで人の体内で耐性菌が生まれることも危惧されている。 感染症対策の重要なカードのひとつが抗生物質だ。アオカビから発見されたペニシリンは多くの結核患者を救ったが、やがて耐性菌があらわれて次の世代の抗生物質にその役割を譲った。その後も多くの抗生物質が発見されたが、やはり耐性菌とのいたちごっこという状態が現在も続いている。院内感染で問題になったMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染対策の切り札ともいわれたバンコマイシンにも耐性菌(VRE)があらわれ深刻な問題になっているのが現状だ。 抗生物質は、家畜にも、人にも、必要なときに適正量を投与するように厳しく制限されるべきであり、現状のような極めて甘い規制を継続することは、人類の生存をも脅かすことになりかねない。その意味では、医療用に使われる抗生物質が突出する日本と香港での使用規制をしなければいけないのではないだろうか。風邪と診断して抗生物質を出すのはやめて欲しい!肺炎球菌などへの感染予防という目的であれば、家畜への抗生物質の予防投与とかわりないだろう。 家畜への抗生物質投与は食糧の供給に関係するため危険な部分と、食糧の安定供給という側面の、両面をみる必要があり、メリットとデメリットを天秤にかけることも必要かもしれない。この点に関しては、消費者も正しく理解しておく必要があるだろう。単に危険だから抗生物質使用反対というだけでは通用しないことは確かだ。

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タミフル服用について

インフルエンザの主力治療薬「タミフル」は一時供給量に不安があったものの、今のところ十分量が確保され必要な患者には確実に処方されているようだ。 タミフルはインフルエンザウイルスを殺す薬ではない。この点を誤解している人も多いようだが、大変大切なポイントなのでぜひ正しく理解しておきたい。 ウイルスは細菌のように自分自身で増える事ができず、宿主(たとえばヒト)の細胞に入り込んで、宿主細胞内のRNAをちゃっかり利用して自らを複製する。増殖の速度は驚くほど早く、1個のウイルスが24時間以内に数百万個にも達するが、ある程度増えてくると細胞の外に出てくる。咳やくしゃみは、増殖したウイルスを体外に出そうとする働きだ。 タミフルは、増えたインフルエンザウイルスが細胞の外に出ないように、閉じ込めてしまう働きをする。ではウイルス自体は何によって殺すのか・・・・。これは患者自身の免疫力でしかない。 通常タミフルは1日2回、5日間連続服用しなければいけない。ところがタミフルを服用すると短時間のうちに症状が改善することが多く、途中で服用を止めてしまうケースをときどき耳にする。残ったタミフルは次回の為にとって置くそうだが、これは絶対に止めるべきだ! インフルエンザの症状が改善しても、ウイルスは体内に残っているので、タミフルの力を借りながら自身の免疫力でウイルスを叩かなければいけない。途中でタミフル服用を止めてしまうと、ウイルスが体外に出やすくなり周囲への感染を広げてしまうばかりではなく、タミフル耐性ウイルスを生んでしまう危険性をはらむことになる。症状が改善しても必ずすべて服用しなければいけない大きな理由がここにあるわけだ。 タミフル服用後の副作用を心配して、せっかく病院で処方されたタミフルを飲まないでいるケースもあると聞く。特に子供の場合、服用後の異常行動を心配して、高熱が出なければ飲ませないという親もいる。免疫力さえしっかりしていれば確かに回復も早く、病状を見ながら服用しようかどうか迷っているうちに治ることもあるかもしれない。しかし、前日まで安定した症状だった子供が、一夜明けたら心膜炎で手遅れになったケースも実際にあるので、素人判断で投薬の可否を判断するべきではないだろう。 タミフル服用後の異常行動は日本で報告されているものの、これがタミフルによるものなのか、あるいはインフルエンザそのものの作用によるものなのか、今のところ不明である。国際的にも日本特有の現象として捉えられているが、製造しているロッシュ社では、一応副作用情報として情報を開示している。 子供にタミフルを飲ませた場合は、念のため目を離さないようにして、副作用が出ないか親が監視することは必要であるが、神経質になる必要はないだろう。 現在流行中のインフルエンザは新型ということで関心が高いが、もともとインフルエンザは怖い病気であるという認識をもっていたい。新型があらわれた当初は、パニックのような状態になったものだが、弱毒性と判断されてからというもの、恐怖心が一気に後退して、病気に対して慣れてしまったような印象を受ける。 自分の判断で病状を判断したりせず、症状が出た場合は早めに診断を受け、適切に処置しなければいけない。タミフルの効果は発症後48時間まで。早めの対処が求められる。

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O(オー)157食中毒でステーキチェーン休業

数年前に大きな問題となった病原性大腸菌O157による食中毒で、日本の某ステーキチェーンが全店舗で休業している。 原因となった食品は「角切りステーキ」。同じ食品加工会社で製造された問題の角切りステーキは、当該のステーキチェーン全店舗に配送され、各店では、鉄板の上で客が自ら焼いて食したという。原因菌は7都府県の7店舗で食事をした11名の客から検出されている。 角切りステーキが実際何であったのか、当のレストラン本部に確認してみたが、成型肉であるとの担当者の回答に合点した。成型肉は、テンダライズ処理(筋切り、細切り)、タンブリング処理(味付け)、さらに結着処理(肉の塊にする)によって加工された肉で、この行程で内部まで食中毒菌(O157)に汚染される事がある。成型肉加工は、質の悪い肉を「美味しく」食べることができる手段として一般的に行なわれている加工である。もちろんこの加工自体が悪いわけではない。 牛肉ステーキがレアでも食べる事ができるのは、たとえO157菌に肉の表面が汚染されても、内部にまで汚染が浸透する事がないためだ。したがって表面さえきちんと焼けていさえすれば、牛肉による食中毒の危険性は極めて低いいといえる。 病原性大腸菌O157は、家畜の消化管内に棲息しているが、牛などには病原性はなく共存している状態にある。家畜処理の段階で食肉がO157に汚染される危険性が高く、加工に際しては十分な注意が払われるべきだが、完全に汚染を防ぐことは難しい。消化管と同時に取り出される肝臓(レバー)は特に汚染されやすい。レバーを生で食べることは極めて危険性が高く、飲食店で客に出すべきではない食品の筆頭ともいえるものだ。もちろん、たとえレストランのメニューにあったとしても、注文するべきではない。問題となる食中毒菌は異なるが、鶏レバーも同じだ。 成型肉ではないが、ハンバーグも食中毒を起こしやすい。病原性大腸菌O157による大規模な食中毒事件は、米国オレゴン州、ミシガン州で1982年に初めて報告されているが、このときの原因食品はハンバーガーだった。 子供が好むメニューの代表ともいえるハンバーグ。一般家庭でも手作りされるが、過熱に際しては中心部までしっかり火が通っている事を必ず確認したい。病原性大腸菌O157に子供が感染すると重症化しやすい。食中毒の発生件数は、レストランではなく一般家庭が最も多いということを念頭に、O157に限らず、家庭での食中毒予防には常に気を配りたいものだ。

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新型インフルエンザ流行ピークは近い?

豚由来の新型インフルエンザが猛威をふるっている。香港の確定患者数は13318人(9月4日まで)。日本では患者数のカウントは行なっていないが、定点観測している医療機関(約5000箇所)での患者数から8月最終週の医療機関受診患者数を14万人と推計している。米国のある大学では2000人にも及ぶ大規模な集団感染が一度に起きたことが報じられているなど、感染拡大は猛烈な勢いで続いており、衰える気配は今のところない。 最近、身近で感染を耳にするようになってきたが、それだけ感染が拡大している証拠といえる。友人知人にも感染者があらわれてきたのではないだろうか。もちろん誰がいつ感染しても不思議ではない状況であり、たとえ自分の学校や社内で感染者が現れたとしても特段驚くこととして受け止めることではない。 新型インフルエンザのピークは今月下旬から10月初旬になると一部専門家が予想しているが、現在の感染拡大状況からすると、統計的に判断しておそらくかなりの確率でそのとおりのピークを迎えるのではないかと思われる。流行のピークがどのくらいの期間継続するかが問題ではあるが、このような感染症の流行は必ず終息するもであり、冷静な対処が必要だ。新型インフルエンザに感染しても発症しない感染者も少なくはないはずだ。日本で最初に流行が確認された関西の高校では、生徒やその関係者など数百人規模に及ぶ調査が現在行われているが、その結果で、感染者数に対していったい何人が発症していたか(発症率)が明らかになることだろう。 感染者数がこのように多くなってくると、当然のことながら不顕性感染という、感染しても症状が現れない 感染者も相当数出てきているはず。無症状であればもちろんのこと、症状が軽ければ病院にも行かないケースが多いだろう。また香港の病院では発熱などのインフルエンザ症状が ある場合は、検査することなくタミフルを処方している。症状があって病院を受診しても、新型インフルエンザと診断を受ける患者は一部だ。毎日300~500人ほどの新規患者が報告されているが、公表されているよりも はるかに多い感染者が存在しているものと思われる。 現在、新型インフルエンザ感染からどんなに逃れようとしても、確実に感染を避けることは出来ない状況だ。幸いなことに新型インフルエンザは今のところ弱毒性だ。死亡者が出ているが、その多くは慢性疾患などを持ち合わせている人が多く、健康人にとっての脅威はそれほど大きくはない。季節性インフルエンザで、日本国内だけでも毎年数千人から一万人もの死亡者が出ていることを考えると、現在流行中の新型インフルエンザに対しても冷静に対応できるのではないだろうか。 感染から逃れることが出来ないのであれば、感染しても軽症で治まるように日頃から良好な健康状態を維持する努力をしておきたい。少々荒っぽい言い方ではあるが、早く感染して自分自身の体内に抗体をつくっておくことが 理想かもしれない。 新型インフルエンザワクチンもいよいよ実用化される。近いうちに医療関係者など必要度が高いと思われるグループから接種が始まるが、一般にまでワクチンが回ってくるまでには、まだかなり時間がかかる。現在の流行をみていると、ワクチンを待っている間に多くの人が抗体を持つようになるので、その必要性が急速に低下してしまう可能性がないわけではない。 今やるべき新型インフルエンザ対策は、免疫力を保つ 努力だ。人体に備わる免疫システムはワクチンや抗生物質よりもすぐれた防疫機能だ。自分と他者を区別して排除する働きをする免疫は、新型インフルエンザであろうと関係なく排除しようと働く。 言い古されていることばかりだが、免疫力を維持するためには、十分な栄養と休養をとり、ストレスをうまくコントロールし、継続的な軽い運動を行うといったことが求められる。禁煙は必須だ。もちろん手洗いなど日常の衛生管理は感染予防の基本として習慣化しておきたい。

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新型インフル流行本格化ですが・・・

報道によると、北半球での新型インフルエンザの流行は予想以上に急拡大しており、患者数を急激に増やしている。統計的な処理を加えているものの、日本での患者数は8月中旬に11万人に達したという。またアメリカでは今後9万人が死亡するという推計も出ていることが新聞等で報道されている。 このような数字を、一般の人々はどのように受け止めるのだろうか。怖さや不安を覚える人が少なくはないのではなかろうか。新型インフルエンザの報道は、恐怖心を煽るようなものがこれまで多かったが、このような報道の手法がはたして正しいのかどうか、十分検証しなければいけない問題だと思う。恐怖心を煽って、不安心理を植えつけることが報道の目的ではないはずで、問題に対して一般の人々がいかに対応するべきであるのかを考える、そのきっかけをつくることもマスコミに課せられた役割であるはずだ。 厚生労働大臣が選挙応援で、「これから新型インフルでバタバタ人が死んでいく。そんな事態に対応できるのは・・・」と演説していた。医療行政のトップである厚生労働大臣としてはなはだ不適切である。選挙応援とはいえこのような不安心理をあおる行動をとるのは信じがたい。 話を戻すが、日本での患者数11万人といことは、1000人に一人にもなっていないこと。今後アメリカでは人口の最大で半数が感染して(1.5億人)、9万人が死亡するという。感染率は50%になるが、死亡は3300人に一人の計算になる。アメリカでの新型インフルエンザによる推計死亡率を日本にあてはめると、3万人強が死ぬ計算になる。この数字は日本の年間自殺者数に相当する。従来の季節性インフルエンザでの死亡が年に1万人程度なので、単純に考えると日本でのインフルエンザでの死亡は4万人に達するわけだ。ちなみに日本の全死亡者数は年間およそ100万人。130人に一人が死亡していることになるが、このうちがんを原因とする死亡は30万人。これらの数字をどのように受け止めるのか。 新型インフルエンザによる推計死亡者数が、はたしてどの程度のものであるか具体的に比較検討する意味は大きい。ただ単に死亡者数や患者数を出すのではなく、受け止め側に正しく認識されるよう努力することも報道する側に求められるはずだ。 新型インフルエンザはすでに身近な感染症になっており誰もがいつ感染してもおかしくはない段階にあることは確かだ。いくら感染予防に努めても、確実に逃れる方法はない。予防法の切り札であるワクチンの供給も十分ではないこともすでにはっきりしている。 感染しても軽症ですむ、あるいは無症状で過ごせる免疫力を維持しておく事がとても大切なことになることは間違いない。野球でいう「受けて取る」という言い方に近いが、感染して軽い症状までで抑えた上で抗体を作ってしまうことが、その後の感染予防にもっとも有効といえるわけだ。 「免疫力の維持、増強」が個人レベルでのきわめて重要なインフルエンザ対策になる。 今後の流行が心配であるなら、今日から免疫力を高めるあるいは少なくとも免疫力を維持するための日常生活を実践したいものである。 何度も繰り返し書いていることであるが、免疫力を維持するためには・・・・・1、適切な栄養バランス2、休養(十分な睡眠)3、適度な定期的な運動4、肥満をさけること5、ストレス解消 6、喫煙者は直ちに禁煙  といったことが大切だ。 これらは循環器系疾患予防も含めて、一般的な健康管理上どれも大切なことばかりだ。

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インフルエンザ感染予防の勘違い

厚生労働大臣が新型インフルエンザの大流行の兆しがあるとして記者会見を開いたが、前後してプロ野球の日本ハム選手団に集団感染が認められた。 「日本ハム」は感染予防対策として、疑いがある選手を試合から外したほか、選手のマスク着用を推奨。また、球場に観戦に来た観客に対しては、手指消毒するためのアルコールを多数準備している。 テレビ報道では選手がマスクを着用しているだけではなく、観客にもマスク姿が目立ったようだ。また多くの観客が用意されたアルコールを手にとって手指消毒していた。(マスク姿や消毒しているところだけを切り取ってニュース映像にしている可能性もあるので、映像の見方には少々の注意が必要。) さて、ここで行なわれているアルコールによる手指消毒であるが、手洗いに比べて簡便であり、水道設備がない場合などに多用されている。しかし野球場の観客に手指消毒をしてもらう事が、はたして新型インフルエンザ感染予防につながることなのか非常に疑問だ。 そもそもなぜ手洗いが奨励されるのか。外部からウイルスなど病原菌を持ち込まないため、あるいは付着しているかもしれない病原菌で、本人が感染しないようにする手段として、手洗いやアルコール消毒が行なわれるわけだ。となると、野球選手に集団感染が認められたからといって観客が手指消毒したところでまったく意味がないわけだ。 マスクについてもおそらく大きな勘違いをしているように思われる。選手とファンとの直接的な交流があるのであればマスクの着用はそれなりに意味があるだろうが、試合をしている選手との物理的な距離を考えれば、たとえそれらの選手に感染者がいたとしても、感染することはまずありえない。 そこまで神経質になるのであれば、野球観戦という多くの人が集まる場所に足を運ぶこと自体が、感染のリスクにつながっていることを認識するべきであり、球団もそのような機会をつくらないために試合を中止するべきだろう。 感染予防の為に何をどのようにするべきなのか、今でも一般の人々への理解が浸透しているとは思えない。新型インフルエンザ対策は過剰反応しつつ、結局は何の利益もないばかりか、極端な話、経済的な損失まで生んでしまっているのが現状ではないだろうか。 大臣が記者会見しても、不安を煽るばかりになってはいないか?それよりも厚労省が具体例を示しながら丁寧に感染予防法を国民に伝える地道な努力をしなければいけない。新型インフルエンザの発生がまだなかった今年3月までに、感染予防に対する有効な啓蒙が一般向けに行なわれてきたとはとても思えない。 どこかで感染者が出たといっても、その場所や施設に行かないなどしたところで、感染予防には何の意味もない。日本国内での推定患者数がすでに6万人に達する事が報道されているが、症状のない感染者を含めるとその何倍にもなるだろう。今、至近距離で話しをしている相手が感染者であるかもしれない。感染を知らずに仕事をしている社員がいる可能性だってある。家族に感染者がいても、本人を含めて誰も気がつかつかないままでいる例もあるかもしれない。あるいはいつの間にか感染していて、家族全員ですでに抗体をもっていることだってあるだろう。 新型インフルエンザはすでに身近な感染症になっているものと考えたい。特別な感染予防を考えるよりも、自分自身の免疫力を落とさないような日頃からの努力が求められる。どんなに手を洗っても、いくらうがいをしようとも、たとえ一日中マスクを着用していたとしても、確実に感染を防げるわけではない。(頻繁にアルコール消毒していても手が荒れるだけ)どんなに頑張って防御しようとしても感染するときは感染してしまう。 感染しても軽症でいられるようにすることが大切だ。少なくとも生活習慣病を指摘されている人は、その改善に努める必要性は大きい。また喫煙者は禁煙することだ。新型インフルエンザウイルスは肺で増殖する可能性が大きいという。気道を含めて呼吸器を健康に保つことは、たとえ感染しても軽症でいられる事ができる大きな条件になる。