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鳥インフルエンザ情報

香港の家禽類市場で見つかったニワトリの死骸よりH5N1型インフルエンザウイルスが見つかり、昨日、17000羽が殺処分され、今後3週間は生きた鳥の輸入が止められることになりました。 現在、H5N1型鳥インフルエンザは、世界中で人への感染事例が散発しており、感染力は弱いものの毒性が強いので死亡例も少なくはありません。ただし今のところは鳥のインフルエンザウイルスが「たまたま」人に感染してしまったものであり、人から人への感染が確実に確認された事例はありません。 2009年の春から流行した豚由来新型インフルエンザ。鳥インフルエンザに対する警戒レベルが高くなっていた時期に、まさかの豚インフルエンザでしたが、実は豚は人のインフルエンザにも、鳥インフルエンザにも感染する動物で、新型インフルエンザ発生に重要な位置に存在しているのです。 すでに豚がH5N1型インフルエンザウイルスに感染していることが確認されています。もちろん現在流行中のA香港型ウイルス(H3N2)も日常的に豚に感染しています。豚の体内には3種類のウイルスが同時に存在する状態も考えられ、お互いのウイルス遺伝子が融合して新しいインフルエンザウイルスが生まれてくる危険性をはらんでいる事になります。最近では鳥インフルエンザに人が感染する事例も増えてきているので、人の体内でも同じことが起きる可能性があります。 10年から40年の周期で新型インフルエンザが生まれてくるものと考えられていますが、一昨年、新型インフルエンザが流行したばかりなのに、近く、再び新しいインフルエンザが世界中で流行する危険性が危惧されています。感染力が強いH3N2(現在世界中で猛威をふるっている流行性インフルエンザ)ウイルスと強力な毒素を持ったH5N1鳥インフルエンザウイルスが融合して、感染力が強くしかも強い毒性を持った新型インフルエンザが流行するとまさにスペイン風邪の再来ともなりかねません。 ただしスペイン風邪が流行した当時(1918-9年)の医療水準人々の栄養状態、教育レベルなど、現代とは著しく異なり当時の流行と同じ状況が生まれるかどうかは、はなはだ疑問です。世界中で新しいタイプのインフルエンザワクチンを開発する競争が繰り広げられており、完成まで今一歩のところまで来ているようです。先頭を走っているのは日本のチーム。万能型のインフルエンザワクチンが完成する日も遠くないかもしれません。 現在の注意としては、とにかく鳥に近づかないこと。死んだ野鳥を触るなどもってのほかです。そのほかは一般的なインフルエンザに対する注意と変わりありません。なお、火が通った鳥(調理された鳥)にはまったく感染性はなく、食べても感染を心配する必要はありません。

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ホリデーシーズンの注意

クリスマス、新年、そして旧正月と休みが多い季節は旅行に出かける機会も多いのではないでしょうか。旅先で病気にならないよう、あるいは感染症をもらわないように、そして不慮コ事故に遭わないためのご注意です。 食中毒旅先では生ものに特に注意してください。南国のリゾートで刺身など食べる人はいないかもしれませんが、特に途上国では氷にも問題があると思っていた方が良く、飲み物には入れない方が無難です。その土地特有の食べものにも気をつけなければいけません。たとえばタイなどのソムタムというサラダ。沢蟹の仲間が生で使われることがあり、肺吸虫の感染リスクがあります。地元でも保健当局より蟹を使わないように指導があるとのこと。蟹が入っていないことを確認してください。食中毒はどこに住んでいても、そのリスクから免れる事はできませんが、旅行中は疲れから免疫力を落とし感染しても発症しないで済むはずのものでも、寝込んでしまうことが多いようです。特にノロウイルスなど、免疫力が低下していると、特に発症しやすいものです。 マラリア、デング熱蚊が媒介する病気で、熱帯、亜熱帯で「かぜ」のように頻繁に患者が発生しているので油断禁物です。もちろん蚊に刺されないようにすることが大切です。リゾート施設内では害虫駆除されているところが多いので、それほど心配はありませんが、一歩その外に出るとどこでも危険性があるものと思ってください。帰国後、発熱があった場合は、医師にはどこに旅行したかを必ず伝えてください。熱帯では「かぜ」程度に扱われてしまうほど慣れた感染症ですが、先進国の医師には経験がないので、なかなか診断がつかないこともあります。旅行先で感染してきたマラリア患者の死亡は、特に珍しいことではありません。 海での注意特に熱帯地方には、猛毒をもった生物が少なくありません。イモ貝の仲間は危険です。横長の巻貝ですが、綺麗だと思って手に持っていると、とても危険です。刺された場合の死亡リスクは極大です。ヒョウモンタコも注意しなければいけません。小さなタコですが持っている毒は強力です。とにかく海で泳いでいても、やたらと「モノ」に触らないことです。健康とは関係ありませんが、慣れないシュノーケリングも止めておいた方が良いかもしれません。私はあるリゾートで、正月早々に2日連続で溺死事故に遭遇しました。(日本人と韓国人でした)原因は推測するしかありませんが、初めて使ったシュノーケルでの事故でしょう。水を吸い込んでしまってパニックになったものだと思います。リゾートホテルでは、シュノーケルなどを経験に関係なく貸してくれますが、正しい使い方を知らないと、極めて危険な道具になります。その使用にあたっては、十分な注意が必要です。 旅行に際しては無理な計画を立てないこと。せっかく旅行に来たからといって、睡眠時間まで削って遊ぶようなことはしないことです。免疫力が落ちることがもっとも懸念されることですが、海での事故にもつながります。 皆さん、楽しい休暇をお過ごしください。

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牛レバーとO157

長年にわたって食品衛生の専門家からその危険性が指摘されてきた、いわゆる「牛レバ刺し」に対して、厚生労働省がとうとう重い腰を上げて本格的な規制に乗り出そうとしています。 1996年、大阪の堺市で起きた腸管出血性大腸菌(O157)による集団食中毒を記憶されている方も多いと思いますが当時から牛レバーに対する危険性も認識はされていました。直接食品衛生指導をする現場の指導員は飲食店に対してその危険性を機会あるごとに伝えていたようですが、国としての法規制がなかったため、その指導に従う飲食店は皆無でした。 ちなみにO157による食中毒は、日本国内で2010年までの10年間で2599人が発症し、そのうち10人が死亡しています。 肝臓は腸に近いため、食肉加工の際にその表面をO157で「たまたま」汚染してしまうのが原因だと思われていたのですが、最近の厚労省の調査で、肝臓内部にもO157がいることが初めて確認されたため、規制に動くこととなりました。消化管から胆のう、そして胆管をさかのぼり肝臓に達するようです。 動物の内臓を生で食べるようになったのは、いったいいつからでしょうか。先に問題となったユッケは80年代のグルメブームに乗って全国に広がった料理でしたが、もともと日本の食文化になかったものを、その危険性を理解することなく受け入れてしまったことに問題があります。見よう見まねで調理された魚介類の刺身を、海外で食べるのは危険だということと同じです。日本の食文化のイロハを理解した板前さんが調理している信頼できる飲食店でないとリスクがあるのは当然です。これは日本国内でも同じことがいえます。ちなみにユッケを良く食べる韓国ではO157による中毒事件はほとんど起きていないそうです。 O157ほど毒性が強くはありあませんが、食中毒の原因別でいま最も注目されているのが「カンピロバクター」です。動物の消化管には頻繁に感染している細菌で、実は牛のレバーにも感染していることは早くから判っていました。カンピロバクターにもっとも注意しなければいけないのは鳥。鳥レバー、鳥刺しが危険であることはもちろんですが、鳥肉の不完全加熱で意外に多くの食中毒が発生しているものと思われます。香港では、週末夜の屋外バーベキューを楽しむ人が多くいますが、暗がりで鳥肉を串に刺して焼いている姿を見るたびに、危なっかしさを感じてしまいます。ただでさえも焼き加減が判り難い鳥肉を暗いところで焼いているわけですから、生焼けを食べていてもわかりません。表面化しないだけで香港ではかなりの件数の食中毒が起きているはずです。日本で売られている鳥肉でも、カンピロバクターの感染率は極めて高いので、刺身で食べることは極力避けた方が無難です。 クリスマスから新年にかけて飲食の機会が増えることと思いますが食中毒予防のため、生ものには十分注意してください。

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新タイプ豚インフルエンザ

米国CDC(疾病対策センター)によると、アイオワ州で、新しいタイプのインフレンザに3人の子供が感染していたことがわかり、いずれも豚との接触がなかったことから、ヒトからヒトに直接感染した可能性が高いとして、注意を呼び掛けています。 このウイルスは今年7月以降アメリカの4つの州で合計10人に感染していることがわかっています。ヒトからヒトへの感染が強く疑われるケースが今回認められた事から、ウイルスがすでにヒトの間で感染しやすいタイプに変化してきているこが示唆されることから今のところ状況は限定的とはいえ、いっそう監視を強める必要があります。 今回新たに確認されたウイルスは、本来豚の間に流行していたインフルエンザ(H3N2型)に、2009年メキシコで発生し、世界中で流行した新型インフルエンザ(H1N1)ウイルスの遺伝子を一部含んでいることが確認されています。 豚は、ヒトのインフルエンザにも、鳥のインフルエンザにも感染するため、新しいインフルエンザが生まれるにあたり、たいへん重要な役割を担います。つまり豚の体内に両者のインフルエンザウイルスが共存すると遺伝子融合する機会となって、新いウイルスが誕生するわけです。 現在、最も警戒されているのはH5N1型インフルエンザの今後の行方です。エジプトなど世界各地でヒトへの散発的な感染を繰り返しており、今のところ感染者の死亡率が非常に高い強毒タイプのウイルスです。今のところ鳥から「たまたま」ヒトに感染してしまった例ばかりですが、豚への感染もすでに確認されています。その体内で、毎年で世界中で大流行を繰り返しているA香港型ウイルス(H3N2型)と融合して新しいウイルスが生まれる可能性が懸念されているのです。鳥インフルエンザの毒性を持った上に、A香港型ウイルスに備わった強い感染力を備えた、最強タイプの新型インフルエンザが出現するかもしれません。 これまで歴史上、スペイン風邪、アジア風邪、ソ連風邪、香港風邪などと呼ばれてきた新型インフルエンザはすべて鳥のインフルエンザに起源があることが判明しています。その意味で現在のH5N1ウイルスの存在は不気味です。 これまで人類はインフルエンザとの戦いを繰り返してきましたが、近年、ワクチンやタミフルに代表される特効薬といった武器を持つことができ、昔のような高い死亡率ではなくなってきました。しかしインフルエンザウイルスはその構造を容易に変えることができることからそのワクチンには肝炎ワクチンの様な高い効果が期待できません。 現在、万能型インフルエンザワクチンの開発が進められており、完成の可能性が大きくなってきています。実際にいつごろ実用化されるかは判りませんが、開発に成功すればノーベル賞間違いないでしょう。この分野、日本でも研究が進んでいるようですから大いに期待したいものです。 現在のところ確実な予防手段に乏しいインフルエンザ対策です。やはり一般的な予防法を確実に行うことしかなさそうです。1、確実ではないがワクチン接種を受けて、感染確率を減らす。2、流行期には人混みを避ける(特に人で密集した室内)3、手洗い。(一般感染症予防にも重要)4、自分にとって必要な睡眠時間を確保する。5、ストレス回避。(最も難しいことですが・・・)6、食べ過ぎない。適度な運動。7、ガーゼマスクの着用。(呼気の加湿ができます)8、室内を加湿すること。(ウイルスは湿度に弱い) 罹ったかな?と思った時は早めに休むことです。周囲に感染を拡大しないためにも重要です。 うがいは上記に入れていません。日本人だけで国際的には効果が追認されていません。また巷では栄養摂取についても触れられていますが、現代人の食生活においてその内容はともかくとして、栄養不足で感染症にかかりやすくなるなど、ちょっと考えにくいです。(一般的な日本人の場合)またマスクに関しても、個人的にはその効果に疑問があります。(専門家が効果があるとしていることに、お前なんぞが何を言う、というお叱りは覚悟しています。)マスクは「自分からウイルスなどの病原菌を周囲に拡散することを防ぐための障壁」です。 香港では天気が安定し、とても気持ちが良い毎日です。病気のことなど、この青い空を見ているとイメージできませんが、インフルエンザの大流行は確実に近づいています。十分な注意が必要です。風邪とインフルエンザはまったく違います。怖い病気であることを認識しておきたいものです。

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風邪の季節です

気候の変わり目です。周囲では咳やくしゃみが多くなり自分自身も体調を壊すことが多くなる季節です。気候が良いので気分的にも心地良いのですが、一日の寒暖差が大きくなるとともに、乾燥する毎日が続きます。このような季節は病原ウイルスにとっても都合が良いものです。 インフルエンザもぼちぼち発生し、おそらく来月下旬には日本で(北半球の多くの地域では)大流行になっている可能性が大きいと思われます。 本格的なインフルエンザの季節を前にして、現在は風邪(普通感冒)が香港で大流行しているようです。今のところ衛生署は具体的なコメントを出していませんが、私が感じるところ、風邪をひいている人は相当な数になっているものと思います。症状は咳や鼻水など呼吸器系の症状に加えて38度未満の軽い発熱と頭痛、さらに嘔吐が加わることもあるようです。あくまでも私が把握している範囲のことですが現在の流行の主流である可能性が大きいと思います。 風邪をひかないためには免疫力を高めるしかありません。というより、免疫力低下を防ぐことが大切です。インフルエンザであれば特効薬がありますが(インフルエンザと風邪はまったく違う感染症です!)、風邪の原因になっているウイルスや細菌は、細かく分類すると数百種類になるとのことでこれが理由で薬は対症療法的なものしかできないのです。 免疫力を上げる手法が巷で紹介されていますが、そうではなく下げないようにすることを考えるべきでしょう。不摂生を止めること。夜は7時くらいから食べ始め、その後2~3軒ハシゴして、帰宅は夜中の1時2時。こんな毎日の人もいるかと思いますが、これでは感染症にかかりやすいだけではなく循環器にも問題が出そうなことは誰にでも想像できます。外での飲食が悪いのではなく、ずるずると飲み食いして、結果睡眠不足になってしまうのが良くないのです。 運動不足も良くありません。適度な運動は免疫力を低下させないばかりか、その活性を高めることになります。機会を見つけては歩くようにしてください。 しっかり栄養を摂ってなどと言いますが、今の時代、食べ過ぎている状態であり、反対に過食を避けることが必要です。「栄養を摂って感染症予防」するという概念は、卵が貴重品だったころの名残です。病気の時、食欲がなくなるのは、免疫力を高めるための手段だともいわれます。動物も具合が悪い時は何も食べなくなります。ヒトも同じです。 風邪をひいたからといって、やたらと薬を飲む人もいるようですが風邪に効く薬は一切ありません。発熱することが多いので、しっかりと水分を摂ってください。熱が高い時は冷やしてください。酷い発熱でなければ解熱剤は不要です。38~39度で免疫力が最高になります。解熱剤で免疫力を低下させてしまうことにもなりかねません。とにかく寝ること。昼間寝ることができないかもしれませんが横になっているだけでもまったく違います。 風邪であるなら2~3日寝ていればかなり回復します。

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世界糖尿病デー

毎年11月14日は世界糖尿病予防デーとして、世界中でその予防啓発に向けた行事が行われます。メインイベントはシンボルとなっている青い光で歴史遺産やタワーなどのランドマークを照明することです。日本では東京タワーなど約100の施設が昨晩青い光に照らされています。時差があるので今頃はパリのエッフェル塔などが照明されていると思います。 さて、この糖尿病。食生活が豊かになるとともに患者が急増しており、今後も増え続ける患者数は2025年には2007年の患者数をなんと70%近くも上回る4億人近くになるのではないかと推計されています。これは先進国のみではなく、むしろ開発途上国での増加率が大きいのが特徴です。 糖尿病の発症原因は様々ですが、臨床的には血液中の血糖(グルコース)の量が増える病気で、進行しない限り何の症状もありません。気がついたときには合併症で足を切断しなければならなかったり、突然失明に至る事態にもなります。そのほか腎不全(糖尿病腎症)を起こすこともあって、血液透析を余儀なくされるケースも珍しいことではありません。昨年の新規透析患者の43%は糖尿病が原因となったものであり、その数は約1万6千人にもなります。(日本)新規透析患者の最も多い原疾患は糖尿病です。中には足を失った上に透析を受けている患者もいます。 糖尿病が怖いのは、この合併症です。視力を失うことも、足を失うことも、そして週に3日も透析に通わなければいけないこともどれをとっても著しい生活の質低下となり、患者本人のみならず周囲を巻き込んで一生ケアしなければいけないことになるので何としてもその事態は避けたいものです。がんのように自分の努力で発症を予防したり治療したりすることが極めて難しい病気は仕方がありませんが、そうではないのが糖尿病です。糖尿病には何らかの原因でインスリンの分泌が不足しておきる1型糖尿病と、おもに肥満が引き金となって発症する2型糖尿病がありますが、患者本人が病気にどう向き合うかが予後に大きく影響します。 もちろん1型であればインスリン注射をきちんとしていれば問題はないのですが、こちらの場合は発症を防ぐことができないので生活習慣病にも含まれません。子供の時からの糖尿病患者はほとんど1型です。生活習慣病である2型糖尿病は、ぜひとも予防して欲しい病気です。自分の努力でなんとでもなる病気だと思って間違いありません。すでに糖尿病と診断されている人も落胆する必要はありません。合併症をおこさないようにできることはもちろんですが上昇した血糖値をほとんど基準値レベルに落とすことは、かなりの確率で可能だからです。 いつも同じことを言いますが、太らないこと!すでに太ってしまっている人はダイエットすることです。ただし肥満がすべて悪いというわけではありません。女性型肥満(皮下脂肪型肥満)はほとんど問題にはなりません。すでに糖尿病の危険性が指摘されている人は直ちに対処しなければいけませんが、そこまでではなくても、体重増加とともに血糖値が上昇してきた人、両親など直系の家族に糖尿病患者がいる人は十分注意してください。 とにかく太らないこと! 身体を動かすこと!毎日体重計に乗って、その小さな変化に敏感になることです。ダイエットに関しては、お伝えしたいことが山ほどありますが長くなるので止めておきます。 ご質問などは、堀までお気軽に・・・。

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肥満調査について

滋賀医科大学生活習慣病予防センターがまとめた調査で、中年男性の典型的な肥満である「ビール腹」は、ビールだけのせいではないという結論を出したことがマスコミ報道されています。 この調査の報道を見て、私は目を疑ってしまいました。こんな研究(調査)を大学レベルで行っていることに唖然とするとともに、マスコミが取り上げていることも信じられない思いです。余程ニュースがなかったのでしょうか。大学ってこの程度の研究をしていれば、良いところなんでしょうか?きっとこのレベルの研究であっても、難しいタイトルをつけて学会発表するのでしょうね。「ビール腹」は、ビール好きな男性のお腹がポッこり出ている事を揶揄した表現で、特にビールが原因であるなど誰もまともには思ってはいないのではないでしょうか。まして大学の専門家が調査研究するような対象ではないと思います。私が小学生なら、「街のおとうさんのビール腹研究」と称して夏休みの宿題の自由研究として提出するかもしれません。サンプルは限られてしまいますが、先生がちょっと指導してあげれば小学生でもできることです。ま、そんなことを書くのが今回の医療情報の目的ではありませんので、早速本題に入ります。 「ビール腹」は典型的な内臓脂肪型肥満で、男性に多く認められる肥満のタイプです。内臓周囲に大量の脂肪がつくことでお腹が押し出されていきます。出っ張ったお腹はその肉を掴もうとしても張っていて多くつかむことができません。皮下脂肪が多ければ(女性型肥満の典型)多くの肉をつかむ事ができますが、外から掴める脂肪は一般的に問題にはなりません。お腹がポッこりと出てしまう内臓脂肪型肥満は循環器系疾患のリスクが高いことが多くこのようなタイプの人は、とにかく減量が必要になります。腹囲が大きい男性は、健康診断の結果でも循環器系疾患のリスクが高いことが容易に読み取れます。 内臓脂肪って何かという質問を時々受けます。確かに具体的にイメージしにくいかもしれません。脂肪肝と混同している人もありますが、この脂肪は内臓の周囲についている脂肪のことです。生の鶏肝を見たことがありますか。その周囲についている黄色の脂、これが内臓脂肪です。卵を産むことだけを目的とされ、ケージで運動もできないニワトリには内臓脂肪が多くついています。人間の内臓脂肪も同じです。生物学的に雄には内臓脂肪がある程度必要ですが、多くなりすぎた内臓脂肪は、血圧を上昇させるほか、脂質(主に中性脂肪)や血糖の上昇(糖尿病の原因)を招く原因となります。もちろん脂肪肝をきたすことも珍しくはありません。当然ですが肝機能も悪化します。動脈硬化が進行することで、心筋梗塞や脳卒中のリスクに直結し、余命が短くなることは当然です。 太く短く生きればいいんだといって、不摂生を重ねている人もありますが、このような人に限って「細~~~~く、長い」人生になりかねません。将来、寝たきりになって下の世話まで周囲に頼まなければ生きていけない姿を想像してみてください。誰もがそんな事態は避けたいはずですよね。妻にとってみれば、将来夫を介護しなければいけなくなる可能性が高くなるわけであり、食欲に任せて食べてしまう夫には、将来の自分のためにも厳しい態度で挑むべきでしょう。(笑) 夫が喜ぶからたくさん食べてもらうといってニッコリしている場合ではないのです。 太っている人、特に内臓脂肪型肥満、ここで言うビール腹の男性は、とにかく減量しなければいけません。人のためでも、家族のためでもありません。自分のためです。痩せようとしてアルコールの種類を選ぼうとする人がありますが、まったく意味がないことです。ビールより焼酎が良いとか、ワインや日本酒よりブランデーやウイスキーが良いといっている人もありますが、大きな誤解です。酒類のカロリーは、含まれるアルコール(エチルアルコール)のカロリーをも加えた総カロリーが表示されます。ところがエチルアルコールのカロリーは実質的にゼロ(エンプティーカロリー)であり、体内でエネルギーに転換されていく訳でも無駄な肉(脂肪)として蓄積されるものではなく、最後は水と二酸化炭素に分解されてしまいます。ただしアルコールが分解される過程で、血糖を原料に中性脂肪が大量に生まれてきます。だから低血糖になって、脳は「空腹だからもっと食え」という誤った指令を出してしまいます。飲んだ後のラーメンが美味い!これは誤った指令にだまされているだけで、極めて深刻なオーバーカロリーとなります。 繰り返しますが、お酒をたくさん飲むから太るのではありません。一緒に食べているものが肥満の原因になるのです。普通の食事に比べると飲酒している時間は長く、そんなに食べていないと思っていても知らず知らず食べ過ぎてしまうのです。加えて締めのラーメン。最悪です。 飲酒は限度さえ守れば問題は少ないものです。とにかく食べる量を減らしましょう。健康に良いのは腹7分目で、8分目ではありません。何を食べてはいけないということではありません。巷にはびこる健康情報や栄養指導。情報や指導を行動として守ろうとしても普通の人には極めて難しいものです。食品を吟味してより良いものを選ぶことは確かに大切ですが太っていて健康診断で問題を指摘されているような人にはあまり意味がないことです。とにかく食べないこと! 痩せること!これだけです。 最後に・・・一日中動かないでいても3食食べることができる動物はヒトだけであって、これは極めて特異な存在です。獲物や餌を探し回っている野生動物は、時には一日中何も食べることができないこともあります。それでも歩きまわって餌を探さなければいけないのです。哺乳動物はヒトも含めてDNAに大きな違いはありません。このことを良く考え自分の理解として「気持ちの中」に落とし込んでおくとダイエットに成功しやすく、リバウンドも避けられると思います。 注意現在、心疾患や糖尿病などすでに病気治療を受けている人は無理なダイエットは避けて、医師に相談してください。本日のお話しは、あくまでも「自分は一応健康である」と思っている病気治療中ではない人(特に男性)向けです。体型的に太っていてもダイエットを必要としない人(女性に多い)が無理にダイエットすると健康を損ねることがあります。 長文、失礼しました。ご質問などありましたら、いつでもご連絡ください。

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リステリア食中毒

食中毒というと肉や魚介類が原因になっているものというイメージがありますが、なんとメロンが原因食品となった集団食中毒事件が米国で起きています。 報道によりますと、米国コロラド州を中心にリステリア菌による食中毒事例が多発し、発症した84人のうち15人が死亡しています。原因食品として挙げられたのが同じ農場から収穫されたメロンです。 リステリア菌はあまり馴染みがありませんし、日本ではこれが原因となる食中毒の発生も多くないと考えられていましたが、これは一般の食中毒に伴う下痢、嘔吐といった急性胃腸炎症状に乏しく、38~39度の発熱や頭痛などインフルエンザ様の症状を初期に認めるためです。重症化すると髄膜炎、敗血症を起こしますが、一般の医師にはなじみが薄く、軽症では診断がつきにくいようです。 もともとリステリア症と呼ばれた病気は、家畜などから直接感染するものと考えられていましたが(人畜共通感染症)1981年にカナダでキャベツのサラダ(コールスロー)が原因で集団発生したことで、食品が介在する食中毒であると認識されました。その後欧米では多数の症例が報告されており米国では毎年約2500人が重症のリステリア症になり、そのうち約500人程度が死亡していると推定されています。 リステリア菌は哺乳類、鳥類などに感染(保菌)するほか土壌や水(河川、海)など自然界に広く分布しており感染機会は少なくないと思われます。ただし健康人では発症しにくく、また発症しても風邪と区別できなかったりするため、統計上の数字はそれほど大きくはありません。発症までの時間も、短ければ数時間から長いと数週間と幅が広すぎることも診断の妨げになります。 原因食品として最もよくあげられるのはナチュラルチーズ、スモークサーモン、サラダといったものであり、欧米での感染症例が多い理由ですが、実際には日本でも少なくはないようです。 感染予防はほかの食中毒予防と変わりありません。熱に弱いので確実に加熱すること、生で食べる野菜類はよく洗うことが大切です。生肉類などを切ったまな板や包丁などはきちんと洗浄して次の調理に使ってください。また氷点下の環境でも増殖できることが本菌の特徴であり、冷蔵庫の過信はよくありません。

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寄生虫疾患急増

中国南部広西チワン族自治区や広東省ではここ数年淡水魚の刺身が美食としてもてはやされているそうです。もともと魚を生で食べることが中国にあったとは私も知りませんでしたが、最近のブームの影響で肝吸虫症が激増していることを、中国の新華網が伝えています。 日本では鯉こくと称して鯉の刺身を食べることもありますが、一般に淡水魚を生で食べることは避けられています。その認識ゆえ、今では普通に食べられているサーモンの刺身も、回転すしなどでメニューに加えられても当初は見向きもされなかったそうです。 今回ニュースになっている肝吸虫は、鯉やフナ、あゆ等に広く感染しており、淡水産の魚類から感染するもっともポピュラーな寄生虫です。報道では肝硬変にもなる怖い寄生虫のように記載されていますが、実際にはもっとも感染確率が高い肝吸虫である横川吸虫の場合、その性質は穏やかで、感染に気付かないでいる人がほとんどだと思います。 同じ淡水魚でも、雷魚やドジョウに寄生している顎口虫という寄生虫には注意が必要です。ヒトの体内では胃壁や腸壁を破って移動し、最悪、眼球や脳に侵入して重大な障害を起こすことがあります。淡水産の生きものには寄生虫がつきものです。両生類のカエルや蛇も危険です。 ドジョウやカエルを精力剤のように思って飲み込む人も昔は日本にもいたようですが、自殺行為といえましょう。蛇を生でなんか食わないと思われる方もあるでしょうが、生血や胆のうをワインで一気に飲むことは、中国ではそれほど珍しくないようです。余談ですが香港のワンチャイにあった蛇専門店で、キングコブラの胆のうカクテルを2000ドルで出していました。90年代中頃かと記憶していますが世界一値段が高いカクテルだとして香港の英字紙(SCMP)で紹介されていたのを覚えています。当時タダでもいらないと思ったものですが、これは気持ちが悪いからではありません。マンソン裂頭条虫という寄生虫が怖くて、たとえどんなに美味しいといわれても、とても飲む気にはなれないカクテルです。 淡水産の生きものを生で食べるのは絶対に避けてください。これからの季節、上海蟹が出回りますが、これも生では危険です。(ウェステルマン肺吸虫)普通は蒸して食べるので問題にはなりませんが、紹興酒に漬けたものが出されることがあります。しかしお酒では寄生虫は死にません。 最後に海のものでも危険なものがあることをご紹介しましょう。それはアニサキスです。30cm以上のサバには100%寄生しており、酢に漬けても死にません。森重久弥はしめサバでやられました。弊社のお客様でもサバで感染された方があります。このお客様から見せていただいた胃部内視鏡検査の写真にはっきりとアニサキスが写っているのに、医師は無視して潰瘍が腹痛の原因であると診断したそうです。もともと生ものを食べる習慣がなかった香港では、アニサキス感染がなく、その医師は知らなかったのではないかと思います。アニサキスはイカにも高率に感染しています。イカそうめんはイカを細く細く切りますが、これはアニサキスを殺す意味もあるのではないかと、私は思っています。

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インフルエンザ情報

米国インディアナ州とペンシルベニア州で乳幼児(男女各一人)が新種の豚由来インフルエンザウイルス(H3N2)に感染したことが、米国疾病対策センター(CDC)によって発表されました。二人はすでに回復していますが、確認されたウイルスは一昨年世界的に流行した豚由来新型インフルエンザウイルス(H1N1)の特徴を備えていることから、今後ヒトの間での流行する可能性が懸念されます。 今回の感染は、豚から直接感染したものと、豚の世話をしている人を介して感染しているであろうことが推測されていますが、今のところさらに感染が拡大する気配はありません。また今回のケースは米国の東西で起きており、互いの関連はまず考えられません。 豚は、ヒトと鳥の両方のインフルエンザウイルスに感染する為に、その体内で双方の遺伝子が交雑し、新しいタイプのウイルスが生まれます。現在最も大きな懸念は、世界中で散発的に感染を繰り返しているH5N1型鳥インフルエンザと毎年のように流行を繰り返すH3N2香港型ウイルスの交雑です。さらに豚由来新型インフルエンザも加わり、ますますその懸念が大きくなってきました。 今回認められた新種のインフルエンザの感染が、豚の間でどの程度拡大しているのか今後調査されますが、場合によっては十分警戒する必要があります。 さて、今季のインフルエンザ予防接種が始まりました。混合されているワクチンの種類は昨年のものと同じです。H1N1(カリフォルニア)H3N2(バース)B型(ブリスベーン)H1N1は昨年8月まで流行した新型インフルエンザに対応するワクチンです。また新型ウイルスががあらわれるまで毎年爆発的な流行を繰り返してきたH3N2香港型インフルエンザ、そして影響が少ないB型の代表株を混合しています。ちなみに都市の名前は、そのウイルスが初めて分離された場所であり、正確にはその年度もウイルス名につけられています。 インフルエンザワクチンは前季の流行状況を見て、北半球であれば6月にWHOからワクチン成分に関して推奨タイプを各国政府に通知されます。各国では、自国の流行状況を考慮した上でどのような成分にするかを決定、し製薬メーカーにその製造を指示することになります。 インフルエンザワクチンに関して、賛否両論があるのは確かです。ネット上でも様々な意見が飛び交っていますが受益者である一般の人々が自ら情報を収集して、納得した上で、接種の判断をするべきでしょう。 ところでマサチューセッツ工科大学リンカーン研究所ではすべてのウイルスに効果が期待できる新薬を開発し、すでに大型の動物でその効果と安全性を確認しています。この新薬、インフルエンザウイルスのみではなく、世界中の熱帯亜熱帯圏で数億人もの患者を出しているデング熱などにも効果が確認されており、もしかすると抗生物質の発見依頼の医療大革命になる可能性があります。医薬品として認可されるには時間がかかりますが、10年後には「本物の風邪薬」が一般でも入手できる可能性が大きいようです。風邪に効く薬を開発したらノーベル賞ものだといわれていますが、この開発はおそらくその受賞対象の有力候補になるのではないでしょうか。