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香港HIV・AIDS統計

香港衛生署は昨年のHIV感染者数とAIDS患者数を公表しました。2010年の新たなHIV感染者数は396人。統計を取り始めた1984年以来の感染者数は4832人となりました。 HIVに感染し、何も治療を受けないでいると、10年後には感染者の半数がAIDSを発症すると言われています。ちなみに昨年の第4四半期に発症したのは14人。1985年からのAIDS患者は1185人となりました。 昨年の新規感染者の感染ルートは161人がホモセクシャルまたはバイセクシュアル111人は異性間。さらに麻薬類の回し打ちによる感染が15人、母子感染は3人となっています。残り99人は感染ルートがつかめていません。 HIV感染者数は世界的に増加傾向が続いており、アフリカなどでは平均寿命を大幅に短縮してしまうケースが多く中には国家の存亡まで危ぶまれている国さえあります。その一方で治療薬の開発も進んでいるため、きちんと治療することで発症をかなり押さえることができるようになってきました。AIDSは不治の病という印象が強い感染症ですが、HIV感染にとどめておくことが可能になってきたことで、根本治療に向けて少し明かりがさしてきたところではないでしょうか。 とうとはいえ、やはり現状では感染予防に努めなければいけません。最低限の予防だけは絶対に怠らないことです。HIVの感染力は非常に弱いことは確かですから、予防すればかなりの確率で感染を免れます。 感染が心配だといって血液検査を受けたいと言われる方が時々あります。弊社は駆け込み寺ではありませんが、こんなケースでもご相談には乗らせていただいています。ただ感染が危惧される機会があっても直後には検査はできません。(抗体ができていないので意味がないのです)過去にはパニックのようになった方もありましたが、感染の確率は極めて小さい感染症なので、検査結果がはっきりわかる2カ月後くらいまで落ち着いて待ってください。 HIVの感染確率は低いので、自分は大丈夫だと根拠もなく安心している人も、確かにあります。あるいは鉄兜をかぶっているつもりなのか、無頓着に遊んでいる人もあると聞きます。こんな人はHIVのみならず各種性病に関しても検査が必要です。本当は、「君子危うきに近づかず」なんですけど・・・。

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インフルエンザ情報 寄せられた質問より

質問「子供がH1N1型インフルエンザと診断され、主治医から家族も一緒にタミフルを服用するように指示された。現在のところこの子供以外に症状がないにもかかわらずタミフルを服用しても良いのだろうか。また、解熱剤も処方されたが、タミフルと一緒に服用しても良いものなのか?」 皆さんであれば、どうされますか?医師の勧めであり、何も考えないで指示に従うという人も少なくないことでしょう。ご質問された方は、医師の指示に疑問を持ち、私の考え方を聞きたいと質問されたわけですが、私もこのような医師の指示には大きな疑問や懸念を感じないわけにはいきません。医師でもない私が、医師の指示を否定してしまうことは良くありませんが、ひとつの考え方として受け止めていただき、ご自身の判断材料にしていただければ幸いです。 感染者である子供にタミフルを処方することは当然のこと。この処置にはもちろん疑問はありませんが、症状もなく感染が確認されていない家族にまでタミフルを、予防的に服用させてしまうことには納得できません。皆様もご存知かもしれませんが、世界中でタミフル耐性のインフルエンザウイルスが見つかっています。現在のところタミフルは数少ないインフルエンザ治療薬です。A型インフルエンザで毎年50万人が死亡していると言われている我々人類にとって、ウイルスと闘う有力な武器です。タミフルは日本でも香港でも、その使用量は世界的にみて非常に多く、今後耐性ウイルスが多くなる危険性が指摘されています。タミフルに限らず抗生物質は、感染症治療の切り札であり、やたらと使うものではありません。診断されている患者に服用を限定し、予防内服薬としての使用はするべきではないというのが私の考え方です。ごく当然のことだと思うのですが、実際には大量処方されている実態が、ご質問いただいた方のお話からうかがい知ることができました。 さて、同時に処方された解熱剤についてです。必要があればタミフルと一緒に服用してもかまいませんが、そもそも発熱はなぜ起きるのかということを理解しておく必要があります。発熱は頭痛や食欲不振なども伴い、確かに不快な症状ではありますが、体内の免疫力を上昇させるとともに、病原菌の活動を高温で抑える働きをするため、感染症の治癒に大きく貢献することになります。そこに解熱剤を服用すると、せっかくの免疫力が低下し、病原菌も活動しやすい体温にしてしまうことで、結果的に病期を長引かせることになります。 解熱剤は必ず飲まなければいけないものではありませんしまして発熱しないよう予防的に服用するものでもありません。必要があるから体温をあげるのが一般的な発熱です。体表面から(外から)冷やしてください。首筋や腋、股の部分など大きな血管が体表近くを走行している場所を重点的に冷やします。患者が寒く感じるときはまだ発熱させないといけない時期になりますので、この場合は全身を温めてください。要は患者自身を気持ちよい状態にさせてあげることが大切なのです。昔のように、汗をかいて暑くて仕方がないのに、風邪をひいているからといって布団をたくさんかけてしまうことは誤りです。発熱に際して、絶対に忘れてはいけないことは水分補給です。特に小さな子供の場合は、脱水症状を起こさないように十分注意しなければいけません。幼児は水もうけつけなくなることがありますが、薄めたジュースでも構いません。小さな「スプーンなどで少しずつでも頻繁に飲ませることが必要です。 今季のインフルエンザは、風邪症状から急激に悪化してしまうケースが複数報告されています。家族など身近に患者が現れた場合は、体調管理に気を使うことはもちろんですが、少しでも症状が現れたら(罹ったかなと思ったら)、迷わず医師の判断を仰ぐことが大切です。 香港ではインフルエンザの流行が今も拡大しています。今年に入って昨日までに11人が死亡し、現在のところ29人が集中治療室にて治療中です。感染には十分注意してください。

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インフルエンザ情報

北半球のインフルエンザの流行は、現在ピークを迎えつつあります。今年(今季)のインフルエンザも、どうやら昨シーズンの流行と同じくH1N1新型インフルエンザが主流になっているようです。 昨年の12月中旬までは季節性のインフルエンザ(H3N2)が流行の主流でしたが、昨年の最終週から2009年に流行したH1N1型新型インフルエンザの流行が急速に拡大し、現在ではこの新型インフルエンザが流行の主流となってます。現在、インフルエンザの患者は、その大半が新型インフルエンザだといっても過言ではないでしょう。 今季のインフルエンザは、時として急激に症状が悪化することがあるという特徴があるようです。発熱も従来のインフルエンザにみられるような突然の発熱は伴わず、普通の風邪だと思われていた患者の容体が急に悪化し、2~3日のうちに死亡してしまう例が複数報告されています。またウイルスをチェックする為に採取する鼻腔粘膜から新型ウイルスが検出されることは感染初期においては稀であり、インフルエンザではないという診断が下ることも珍しくはないようです。診断に手間取っているうちに急激に重症化してしまうケースが後を絶ちません。これは、従来型のインフルエンザウイルスが感染早期より鼻腔粘膜で増殖することが多いのに対して、新型インフルエンザウイルス(H1N1)は、感染初期には鼻腔に留まることはなく、肺の細胞で増殖するためです。 発熱も軽く、簡易チェックでもインフルエンザに対する反応がなければ風邪(普通感冒)と診断されても仕方がありません。軽い発熱であったとしても、初めからタミフルやリレンザといったいわゆる特効薬を投与すれば安心だという議論も出そうですが、抗生物質の使用法としては好ましいことではありません。現に薬物耐性(タミフル耐性)のインフルエンザウイルスが世界中で確認されており、抗生物質の多用は人類にとって現在のところ唯一の武器であるタミフルの効果を失くしてしまう懸念があるからです。 今年は昨年感染率が低かった年齢層にも発症例が増えており、年齢に関係なく重症化するケースが認められています。香港でも今期42名の患者が集中治療室で治療を受けています。新型インフルエンザの症状は、胸痛や腹部症状(腹痛、下痢、嘔吐)など従来型ではあまり見られないものがあることが特徴でもあり、軽い発熱でも強い倦怠感やこれらの特徴的な症状が少しでもあれば、早めに医師に相談するべきでしょう。 このところ暖かい日が続いていましたが、今週末は真冬に逆戻りします。このような大きな寒暖の差は免疫力を低下させます。さらに旧正月が終わって子供たちが学校に戻ってくるので、インフルエンザが一気に流行拡大する恐れがあります。くれぐれも感染予防を心がけるようにしてください。  1、外出後の手洗い 2、適度な休息(睡眠) 3、適度な運動 4、できる限り人混みを避ける 5、適切な栄養摂取(カロリー摂取ではありません) 罹ったかな?と思った時は、とにかく休みましょう。無理していても周囲に感染を広げるだけです。

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鳥インフルエンザ

日本各地で散発的に認められていた野鳥の鳥インフルエンザ。とうとう宮崎県の養鶏場のニワトリに感染し、感染拡大を阻止するため、行政の手で大量殺処分が行われています。宮崎県は養鶏業では日本で第2位となっており、その影響が心配されています。また現在、養鶏業が日本で最も盛んな鹿児島県にも感染拡大しており、移動制限や出荷制限で、関係業界にはかなり深刻な影響が出るのではないでしょうか。 日本で鳥インフルエンザが発生したことから、日本産の卵は香港のスーパーなどの売り場からすでに姿を消しています。同じく鳥インフルエンザの発生で韓国産にも同様の措置がとられているようです。 今回、問題となっている鳥インフルエンザは、強毒型H5N1であり、ニワトリにとっては非常に強い毒性を示します。昔から養鶏業者の間では家禽ペストと呼ばれて恐れられていたものです。養鶏場で一羽でも感染すれば一気に感染拡大し、短期間のうちに全滅に至る恐れがあるからです。実は強毒性といっても、渡り鳥は感染しても発症しないことが多く、感染経路として重要な位置にあります。つまり北国から冬にわたって来る鳥が、ウイルスを運んで来るわけです。韓国で発生すれば間もなく日本の日本海側の地方、韓国に近いところで発生を見る可能性が高く、今回も初めは山陰地方で認められていました。 現在のところ、対策は地元自治体はもちろんですが国として農水省が管轄し、地元と一体となって対策にあたっています。農水省が対策にあたることは、今のところ、「ニワトリ」の問題だからです。 今後の懸念は、人への感染です。この点に関して、すでに厚労省が動いているものと期待したいところですが省庁間の連携がとれているのか私には判りません。ホームページで確認する限り、今のところH1N1や季節性インフルエンザに対する情報ばかりです。 世界的にH5N1ウイルスに人が感染するケースが散発しており、今後もいつ人に感染するか判りません。もちろん次の新型インフルエンザの発生がいつなのか誰にも予測できませんが現在、日本や韓国で起きているH5N1型鳥インフルエンザの感染拡大を、ニワトリだけの問題と考えていると、対策が遅れる可能性があるのではないでしょうか。 香港では1997年、鳥インフルエンザに18人が感染し、6名が死亡しています。それもあり鳥インフルエンザに対してたいへん神経質にみえ、域内の野鳥からウイルスが認められただけで衛生署が市民に積極的に注意を促します。 H5N1型インフルエンザウイルスは、今のところヒトへは偶発的に感染しているものと考えられていますが、ヒトに対しても大変毒性が強く、現在のところ高い死亡率となっています。この毒性を保ったままヒト―ヒト間で感染が成立、新しいインフルエンザになってしまうと大変なことになります。万能のインフルエンザワクチンも開発の可能性が出るなど人間の側でも研究・対策が進んでいますが、ウイルスは常にその性質を変えて「進化」しています。 死んだ鳥には絶対に触れないことです。鳥肉や卵で感染した事例はなく、食べること自体を避ける必要はまったくありありません。

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発熱への対処

先のメディポート医療情報でも書きましたが、インフルエンザの流行が本格化しています。今年の流行株は昨年に引き続きH1N1型新型インフルエンザです。いつまで新型と呼ぶのか判りませんが、そのうちアジア風邪や香港風邪のように名前が付けられるのでしょうね。 インフルエンザが流行してくると、当然ながら発熱患者が増えます。病院に行くと解熱剤を出されることが多いのではないでしょうか。この解熱剤は、単に熱があるからといって飲んで良いものではありません。医者でもない者がこういう言い方をするのは良くありませんが、熱は免疫力を高めるために出ていると解釈できるのです。ウイルスなどの病原菌は36~37度程度が最も活動しやすい環境であり、これよりも高い温度では増殖もしにくくなります。一方で免疫活動の中心的な役割を演ずる白血球の活性は39~40度くらいでピークとなります。つまり無闇に熱を下げてしまうと、免疫力を落としてしまうばかりか、病原菌の増殖にも利となってしまうのです。 患者の状態にもよりますが、熱は外から奪うようすることがベターです。首筋、腋、股間など大きな血管が皮膚近くを走行しているところを集中的に冷やします。冷やすタイミングは患者が「暑い」と感じてきた時です。まだ発熱しきっていないときは、寒気がします。鳥肌が立つこともありますが、これは立毛筋というとても小さな筋肉までをも収縮させて発熱しようとしている時です。このような時は外からも温める必要があります。要は患者が気持ち良く感じることができればよいのです。昔は、熱があるからといって、暑いのに布団をたくさんかけて「暖かく」して寝ることを強要していましたが、これは正しくはありません。患者が暑いといった時は、布団を取り、室温を下げるなどして、とにかく熱を奪ってやることです。発汗しているので効率良く解熱します。 発熱時は大量に発汗するので、脱水に十分注意しなければならず、特に小さな子供には大人が常に注意を払わなければいけません。子供にはスポーツ飲料を倍に薄めて与えると良いようです。発熱時の水分補給は、絶対に忘れてはいけない大切なポイントです。 発熱で死ぬことはないと言います。とにかく熱を奪うことが大切だというわけですが、熱が出た小さな子供を前にするととても不安であることは間違いありません。熱があっても意外に元気な子供もいますが、このような時にはまず解熱剤は不要でしょう。通常、熱があったら元気がないのは当たり前です。そのうえ、息が苦しそう、呼吸が荒い、ぐったりしているといった身体的異常を親が掴んで、解熱剤を飲ませるタイミングを計ります。子供はとにかく良く観察することがとても大切です。 病院で受け取る解熱剤。38度を超えたら飲んでくださいなどといわれますが、これでは低すぎます。体温だけでは解熱剤を飲むタイミングは判りません。 インフルエンザの季節、「やられたな」と思ったらとにかく身体を休ませることです。無理して出勤しても、仕事の効率が悪いばかりか、周囲に感染を拡大してしまい、会社全体の業務効率が悪くなることもあります。子供を持つ母親の場合は身体を十分に休ませることが難しいこともありますが、なんとか工夫して欲しいところです。 インフルエンザは風邪とはまったく違う「全身性疾患」であることを理解してください。無理は禁物です!