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フードファディズム

「食べものや栄養が健康と病気に与える影響を過大に信じること、科学が立証した事実に関係なく何らかの食べものや栄養が与える影響を過大評価することである。科学が立証したことよりもその影響を信じて固執していること。フードファディズムの対象となりやすいものは健康に好影響をもたらしそうな食品、有害性が疑わしい食品をはじめとして、ダイエット食品、健康食品、ミネラルウォーターなど様々である。」 Wikipedia より 思い返してみるとこれまで、バナナ、納豆、寒天、ココア、にがり、白インゲン・・・・・・・・、などなど色々な食品に一時的に消費者が飛びつき、市場を混乱させてきました。その多くはテレビの健康番組が発端となっており、スーパーの仕入れ担当は、番組で取り上げられる食品情報をなんとか早くつかみ、仕入れを増やしておくかが腕の見せどころとなっていたようです。 今回はトマトだそうです。どうやら日本ではトマトジュースが品切れだとか…トマトに含まれる成分で中性脂肪が低下するという研究結果が発表されたことがきっかけになったそうですが、まったくばかげた話です。確かに実験・研究としてはそういうことがわかったという成果は認めましょう。しかし、だからと言って単純にトマトジュースを飲みさえすれば、中性脂肪が下がると考えるのは、とてもあさはかです。 最近気になることは、○○を食べれば(飲めば)、△△が良くなる・・・というように、摂取するものをあたかも薬のごとく思いこませる表現があまりにも多いことです。巷では様々な健康食品が売りだされ、その効能がそれとなくうたわれていますが、はっきり言って、そんなもので健康になるなどありえない!少なくとも肥満解消(メタボ解消)、コレステロール・中性脂肪低下などあるはずがないと思っていた方が無難です。何かを入れて(食べて)、何らかの効果を期待する考え方はもう捨てたほうが良いでしょう。現代人はとにかく食べ過ぎている人が多いのが現状。今食べているものの中から、食べなくても良いものを除く作業が必要で、結果的に摂取カロリーが減れば、減量につながります。 しっかりしろよ、日本人! 少しは自分で考えろ! そんな気分です。こんな単純な思考をする民族は、世界広しといえそれほどいないのではないでしょうか。サプリメントばかり飲んでいるアメリカ人もおかしいですが、日本人の特徴はマスコミに極めて踊らされやすいこと。自分の判断力を簡単に放棄してしまって、テレビの映像をただ盲目的に信じ込んでしまうことが特徴です。 今回のトマトでは中性脂肪ですが、本当に中性脂肪を落としたければそんなものを飲むことより体重を1%だけでも落とすことです。近所のスーパーに車で出かけてトマトジュースを買ってくる姿が目に浮かびます。たとえ目と鼻の先にあるスーパーでも、帰りの荷物が重いからといって、車で出かけることは当たり前のようです。中性脂肪を低下させたいのなら、車に乗るのではなく歩きなさい!中性脂肪や血糖など、その気になれば簡単に落ちます。 フードファディズムは、何らかの食品を過剰摂取することだけではなく、反対にまるで毒物でも見るかのような扱いをして避けることもその意味に含まれます。「ご飯は血糖値を上昇させるので食べない方が良い」これもフードファディズムです。

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マラソンは危険なスポーツ

先週末に開催された香港マラソンでは、20歳代の男性がひとり死亡し、多くのランナーが救急搬送されました。約7万人もの参加者がいたわけですから、このくらいの事故は起きるだろうと、他人事のように考えて走るのは危険です。マラソンやジョギングでの死亡事故は、スポーツの中では最も多いといわれている割には、その危険性についての認識は多くのランナーにはないようです。 走ることは、心臓に対する負担がきわめて大きいことが、危険であるとされる主な理由ですが、私自身は違った視点からその危険性を個人的に理解しています。動物としてのヒトを考えてみましょう。ヒトのDNAは他の哺乳動物と大差はなく、生物としての基本的な特徴をすべて共通して持っている・・・。これが考え方の基本です。野生動物が走るときは、「危険を回避する時と獲物を追う時」くらい。つまりマラソンのように長距離を何時間も、「無理を強いた状態」で走り続ける動物はヒト以外にないのです。自身に負担をかけ過ぎることは、生命維持に影響するものとして本能的に避けているともいえましょう。 本来の動物に、生きるために備わっている走ったり、飛んだりするという運動能力を、高度に発達して自分自身の基本的な能力で危険回避などすることが無くなったヒトは、スポーツとして楽しむようになったといえます。自分の能力を試したい、他の人に勝ちたいという競争心を前面に出したのが競技スポーツです。 ところでジョギングは、誰もが、ひとりで、どこにいてもできる手軽な有酸素運動であり、これ自体はとても優れた運動であることは間違いありません。ただし一歩間違えるととたんに危険なスポーツにもなるという二面性を持ち合わせることも事実です。ジョギングとマラソンの違いは、会話を続けながら走ることができるかどうかです。走ることを健康の維持増進に役立てるのであれば、会話を楽しみ、笑顔をつくれるくらいの運動負荷にしなければいけません。苦しさに顔をゆがめて、それでも無理して走るのはとても危険な行為です。 繰り返しますが、マラソンという競技は、心臓への負担が極めて大きなスポーツであり、危険性が高い運動の筆頭です。自分の体力を見極め、決して無理しないことがとても大切です。 ちなみに健康のための運動として最も優れているのはウォーキング。野生動物は歩かなければ餌にありつけません。足を傷めて歩けなくなった動物には死が待っています。ヒトが失いつつある歩くという基本動作を、現代では積極的に補う必要があります。歩き方によっては、かなりのエネルギー消費になりますから、ダイエットにも最適でしょう。 春から初夏にかけてウォーキングには最適の季節です。週末、ちょっと歩いてみてはいかがでしょうか。

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健康診断の目的

皆さんはなぜ健康診断を受けるのでしょうか? もちろん基本的には日本の労働安全衛生法にのっとって受診し、家族もそのベネフィットを受けているわけです。国内とは違って、海外では嫌々・仕方がなく受診しているあるいはさせられているという人はとても少ないように思いますし、健康に対する意識レベルは、一般に海外在住者の方が高いように感じます。ただその目的をしっかりつかんでいる人が多いかというと必ずしもそうではないようです。 健康診断は、病気の発見が第一の目的ではなく、自身の健康状態を理解したうえで、さらなる健康増進を図るべくその基礎資料を得るためのものです。もちろん現在の健康状態が悪い人にとっては、その改善を考えるデータとなるわけです。その目的の上で受診した健診で、たまたま病気が発見できることもありますが、これはプラスアルファーのメリットと考えておきたいものです。 あくまでも私が考える健診の目的ですが、これは将来死ぬまで自分の足で歩けるようにするために、どのように健康の管理を行うかを考えるための基礎資料を得ることです。人の死亡原因はがんまたは循環器系疾患だけで3分の2から4分の3程度にもなります。がん死のトップ3は肺がん、胃がん、そして大腸がんであり、このうち胃がんと大腸がんはそれぞれの検診をきっちりと受けていることで完治可能な状態での早期発見が可能です。また発見が難しい肺がんはタバコを吸わなければそのリスクが大きく下がります。一方で循環器系疾患のリスクですが、特に男性の場合、肥満が大きいことは間違いありません。肥満を避ければ脂質異常や高血糖、高血圧など血管を傷める疾患の罹患の可能性が低下します。つまり心臓血管系疾患や脳血管疾患の罹患リスクを有意に下げることができるのです。 最近、「チャーミーグリーンを目指しましょう」というお話をよくします。チャーミーグリーンは洗剤ですが、そのCMでかなりの高齢かと思われる老夫婦が手をつないで歩いていくほのぼのとした姿が映されているのです。年をとっても手をつないで仲よくしましょうというのではなく、いくつになっても夫婦ともに自分の足で歩くことができる姿が素晴らしいのです。高齢化とともに最近は老老介護が増えています。夫婦どちらが介護を受けても、あるいは反対に介護者になっても不幸です。 いくつまで生きるということを目標になんてことは言いません。とにかく死ぬまで元気にしていたいものです。その結果として元気に長生きできれば本望です。そのためには若いときからきちんと身体のケアをしていかなければいけません。現代のような食生活や運動不足の状態では余計に意識しないといけません。「俺は太く短くいければ良いんだ」と言っている人もありますが、そういった人にかぎって脳梗塞を起こし、それこそ死ぬに死ねずに長期間にわたって介護を受けて生きていくしかない状態に陥る可能性が高くなります。 話が逸れますが、長生きすると「お金」のことも考えていかなければいけなくなります。一昔前までは年金で何の不自由もない老後を思い浮かべていればよかったものが、これからは年金枯渇など急速に深刻な問題になってきそうです。たとえ健康であったとしても、生活に困窮するのであれば、これも困りものですね。これからの社会、自身の健康と将来の資金繰り、両面を考えていかなければならなくなってきたことで、人生そのものが難しくなってきたように感じます。

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退伍軍人症

ここ数カ月、「退伍軍人症」について報道される機会が多く、日本人の方からも質問を受けるようになってきました。私自身もかなり以前から気がついてはいましたが散発的に老人が感染しているだけで、日本人には影響がないものと思い、この医療情報でも触れませんでした。 ところが、先日、教育局長が感染発症。勤務先である新築のセントラルガバメントオフィスのトイレなど多くの場所から原因菌が認められたことで、問題が大きく扱われるようになってきたことで、日本人の関心も高くなってきたようです。 退伍軍人症は日本ではレジオネラ感染症と呼ばれており温泉などの入浴施設での感染例が目立ち、毎年のように死亡例が出ています。もちろん健康な人が風呂に入っただけで感染するわけではなく、高齢者など免疫力が低下した人が特に危険だといわれています。潜伏期間は2~10日間。レジオネラ肺炎を起こし、死亡率は15~30%とされています。 1976年、米国ペンシルベニア州で開催された在郷軍人会に参加した人や周辺の住民221人が感染し、うち34人が死亡したことが、この感染症が発見されるきっかけとなり在郷軍人病(中国では退伍軍人症)と呼ばれることになりました。この時の感染源は、会場近くの建物にあった冷却塔から飛散したエアロゾル(霧状の水滴)にレジオネラ菌が含まれていたためです。 このように感染には水が深くかかわっており、特にエアロゾルを発生させるような状態が危険であり、十分な衛生管理を求められています。香港のセントラルガバメントオフィスでの感染は、トイレが疑われていますが、フラッシュウォーターを流した時には当然ながらエアロゾルが発生しており、その水にレジオネラ菌が増殖していれば当然ながら感染源になりえます。まだ新築のビルではありますが、施設が新しいかどうかなどは関係ありません。 日本では循環式の家庭風呂が問題になり、1996年経産省から業界に対して改善指導がなされています。(翌年から対策済みの24時間風呂のみ販売されています)また加熱しないで霧を発生させる加湿器も重要な感染源となっています。実際、病院で使用されていた加湿器が原因でレジオネラ感染が起き、乳幼児が死亡している例もあるので注意が必要です。 免疫力が低下した人に対しては危険性が大きいもののレジオネラ菌自体、環境中にいくらでも存在する常在菌ですから、通常は恐れるような病気ではありません。エアコンの水がマンションの高層階から降ってくるような香港では、実際問題として確実に感染予防することなど不可能でしょう。感染予防は水回りの衛生管理につきます。一般家庭では最も危険だとされる加湿器の水を毎日取り換えることなどは常識です。またシャワーノズルや水道の蛇口もレジオネラ菌が増殖する場所ですから、時々塩素消毒しておくと安心です。どこまでやるのか、個人の問題ですから何とも言えませんがどんなに頑張っても、様々な病気を確実に予防することは不可能であることだけは認識しておきたいことです。神経質になる必要はまったくありません。

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鳥インフルエンザで死亡(シンセン)

12月31日、広東省シンセンで39歳の男性が鳥インフルエンザ(H5N1)によって死亡したことが確認され、この情報は中国衛生部よりWHO(世界保健機関)や香港、マカオなど関係地域に直ちに通報されました。死亡した男性はバスの運転手をしており、鳥を直接扱うようなことはなく、感染ルートは確認できていませんが、患者との接触があったと思われる120人からは患者の確認はありません。 鳥インフルエンザ(H5N1)は、1997年に香港で18人が感染し、そのうち6人が死亡しており、この時はさすがにショッキングなこととして世界的にも大きな影響がありました。最近ではエジプトを中心に感染死亡例が続発しているものの、少し日常的になってきたような印象です。 現在、鳥インフルエンザはアジア、中近東地域を中心に感染拡大を続けていますが、このところとくにエジプトでの感染事例が目立っており、そのほかでは散発しているといった程度です。WHOが昨年12月15日に発表した最新の統計では2003年からこれまでに全世界で573人が感染発症しており、そのうち336人が死亡しています。中国に限ってみると、40人の発症に対して26人が死亡しています。 鳥インフルエンザは北半球の中低緯度では今の時期に目立ってくるようです。これは越冬のために南下する渡り鳥がウイルスを運んでくる可能性が高いためであり、日本でも朝鮮半島を経由してくる渡り鳥にとって運ばれたウイルスが原因で、特に西日本の養鶏場で何度か大きなダメージを受けています。 鳥インフルエンザは今後、ヒトあるいはブタの体内で変異をして、人から人に感染しやすいタイプに生まれ変わる危険性が大きく、WHOにとっても目下最上級の監視対象となっていることは間違いありません。豚由来の新型インフルエンザはすでに季節性インフルエンザとして定着してしまいましたが、本当に危険視されていたのは、鳥インフルエンザです。今後の動向には十分注意する必要があります。 一般の人々の場合、これまで同様に自身の衛生管理に注意してください。基本的には従来のインフルエンザ予防と同じです。手洗いの励行は最重要ですが、鳥由来ウイルスに対しては、鳥への接触を極力避けることが大切です。ペットとして飼っている鳥類は屋外には出さないでください。野鳥からの感染を防ぐためです。当然のことながら死んだ野鳥には近づかない方が無難ですが、現状では神経質になる必要はまったくありません。生きたニワトリには触れないこと。野鳥には、逃げるので近づくことはまずできませんが、弱っている鳥がいても絶対に触れないこと。ハト等に餌をやることも止めましょう。エジプトで患者発生が多いのは、食用のハトを大量に飼育し、その糞も肥料にしているからだと個人的には思っています。鳥の糞は最も危険です。 なお同じ鳥インフルエンザでも高病原性や低病原性などタイプが分かれることから、高病原性のものをHPAI(High Pathogenic Avian Influenza)と呼ばれています。今後、マスコミでもHPAIと呼称されるようになる可能性が考えられます。