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気温の急降下に注意!

先週末は半袖で十分なくらい暖かった香港ですが、今週は気温が急降下します。今日までは暖かいものの明日から気温が急速に低下して、木曜日には最低気温が12度、最高も15度までしか上がらないとの予報です。この冬一番の寒波に見舞われることになりそうです。風邪やインフルエンザの患者が一気に増えそうです。  さて、なぜ風邪をひくのか? 寒いから? そうだったら夏風邪はありませんよね。風邪は、咳や鼻水、鼻づまり、発熱、胃腸障害などを起こすウイルスや細菌の存在と、ヒトの免疫力の低下が重なって発症すると考えられます。この免疫力低下の原因のひとつは体温の低下です。夏でも海やプールで身体を冷やしてしまったり、汗をかいてもそのままだったりすると体温低下をまねきます。湯冷めもそうです。風呂に入って身体は温まっているのですが、体の表面の水滴、あるいは温まった身体から出てくる水蒸気(湯気)によって急速に身体から熱が奪われてしまいます。  身体が冷えるから風邪をひくのであれば、冬になると皆風邪をひいてしまうことになります。北国では大変でしょうね。しかし、寒さに身体が順応していれば良いのです。急激な温度変化に免疫力が対応できず、さらに冬の乾燥や換気の悪さなども手伝って、風邪をひきやすくなります。まさにこの状況が今週あてはまることになり、普通感冒と言われる風邪はもちろんのこと、インフルエンザの大流行のきっかけとなってしまうかもしれません。今年は日本でもインフルエンザ患者数の増加が10月下旬からと例年より早まっているので、香港でもそろそろ注意が必要になります。  免疫力を落とさないようにするには、十分に身体を休めること(睡眠)が一番でしょうね。睡眠は長ければいいというものではなく、その質も大切です。適切な栄養摂取。もちろんたくさん食べれば良いというわけではありません。マスクやうがいは日本人には好まれているようですが、実際に感染予防に役立つとは思えません。ただし症状がある人はマスクをしてください。これは周囲への感染予防です。手洗いは有効な感染予防対策になりますから、特に外出後はしっかりと手洗いしてください。また人から人への感染症ですから、人混みなどを避ける事も感染予防になります。  換気も大切です。一般オフィスでは難しいかもしれませんが、学校や幼稚園などではときどき換気することで、感染症の発症を抑えることができます。寒いからといって閉めきっていてはいけません。  クリスマス、年末年始、そして旧正月にかけて、外出、外食の機会が増えます。クリスマスパーティーや忘年会、あるいは新年会などで、多くの人が室内で長時間過ごすことになります。二次会、三次会とズルズルと行ってしまうことも感染機会を増やすことになります。  繰り返しますが、今週は急激に気温が下がります。健康を維持するため十分に注意してください。

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鳥インフルエンザ

 秋が深まると、毎年聞こえてくるのがインフルエンザ情報です。日本では今年も私が思っていた通り10月後半より患者が増え始めました。報道では今年は早いと言っていましたが、10月の最終週ころより患者が現れてくるのは毎年のことで、今年が特別というわけではありません。香港での流行は、日本の流行に遅れること約1ヶ月。つまり日本での流行が伝わると、そろそろ香港でも注意が必要になると思っておくとちょうど良いでしょう。  さて、今回お伝えする情報は、鳥インフルエンザです。最も心配されているのはH5N1型ウイルスであり、これまでに世界で668人の患者が確認され、そのうち393人が死亡しています。最近あまり聞かなくなった感がありますが、現在このウイルスへの感染はアジア全域からエジプトにかけて散発しており、ヒトのインフルエンザに変異することが最も心配されるものです。その他にも鳥インフルエンザは多くの種類があり、最近ではH7N9型が中国を中心にヒトへの感染を起こし、昨年来大きな問題になっています。  またH5N8型ウイルスは韓国で流行しており、これも寒くなったら日本に入ってくるだろうと思っていた矢先に、島根県のコハクチョウの糞からこのウイルスが見つかりました。今年4月にも熊本でも認められていますが、この時は専門家もまったく予想していなかったようです。見えないところで感染が拡大しているものと思っていて間違いなさそうです。  さて、なぜ冬になるとインフルエンザが流行するのでしょうか?ヒトのインフルエンザの場合は、気温の低下と空気の乾燥でヒトの免疫力が落ちることと、ウイルスにとって都合が良い環境が重なるからです。一方鳥インフルエンザはどうなのか。私はこれまで韓国での流行情報から日本での流行を何度も予想しましたが、これは北から移動してくる渡り鳥がウイルスの運び屋になっているからです。渡り鳥に対して、鳥インフルエンザは一般的に致死性がありません。  鳥インフルエンザウイルスは、本来ヒトに対して感染性がないものですが、問題はウイルスが変異して、その性質を変えてしまうことです。ヒトへの感染性もウイルスが変異することによって獲得する能力です。さらに困ったことにヒトの間で大流行を繰り返すH3N2型(A香港型ウイルス)との遺伝子融合の可能性があることです。感染力が強いだけではなく、毒性も非常に強いウイルスが生まれてくる危険性が心配され、現在WHO(世界保健機関)をはじめ、各国の研究機関がその調査研究に注力しています。  一般の人の感染予防ですが、今のところそれほど神経質になる必要はありません。ただし死んだり、弱ったりした野鳥には近づかないようにしてください。もちろん街市などで生きた鳥にもなるべく近づかないほうが無難でしょう。鳥を飼っているヒトは、その鳥を室外に出さないこと。外に置くと、野鳥から感染させられてしまう危険性があり、もちろんそこから飼い主が感染するという事態になることも予想できることだからです。  インフルエンザに限りませんが、感染症予防の第一歩は手洗いの励行です。外出から戻ったら、まず石鹸で手を洗うこと。これはこれからの季節、ごく当たり前の基本動作となります。休養(睡眠)、適切な栄養摂取、さらに適度な運動といったことが免疫力を維持することに働きます。

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風邪の季節です

 香港にも秋を感じることができる季節になりました。さすがに日中の日差しはまだ強いものの、朝晩涼しさを感じるようになり、空には秋の雲が見られるようになってきました。冬に向かう今の季節は寒暖の差が大きく、温度変化に体調がついていけなくなって風邪をひきやすくなります。  風邪症状を起こすウイルスや細菌類は、細かく分類すると数百種類にもなると言われ、何に感染して風邪をひくのかはっきりとはわかりません。したがって風邪に効く特効薬を製造することは不可能であり、仮にそのような薬を開発することができれば、ノーベル賞ものだと言われるわけです。  10月の下旬から、日本ではインフルエンザの患者が出始めます。本格的な流行期に突入するのは11月下旬頃からですが、風邪以上に注意しなければいけません。インフルエンザは風邪のキツイものという見方は完全に間違っており、運が悪いと死に至る怖い病気であるとの認識を持って欲しいものです。 さて、風邪をひいたと思って病院に行くと症状に応じて咳止め、鼻水を抑える薬、炎症を抑える薬、解熱剤など何種類かの薬が渡されます。それぞれ対症療法であって、風邪を治す治療薬はありません。市販薬にある風邪薬は「総合感冒薬」というものであり、これらの薬効成分が混合されたものです。  具合が悪くて病院に行った時、風邪という診断を受けたのであれば、薬は必ずしも必要ではないのです。熱が出るのは免疫力を高めるため、鼻水や咳は病原菌・ウイルスを早く排泄しようとするからであって、意味がある現象(症状)ばかりです。不快であるがために止めようとするわけですが、病期を長引かせてしまうことにもなりかねません。  風邪と診断しているにもかかわらず、抗生物質を必ず処方する医者がいますが、私の感覚からすると「ヤブ医者」です。解熱剤の処方もその程度や症状も無視して、一律に○○度になったら飲むように指示して出す医者。これも同じく「ヤブ」ですね。風邪に伴う二次感染予防の為に処方されている抗生物質が如何に医療の現場に悪い影響を及ぼしているのか、未だに理解できていない無知な医者です。はっきり言って勉強不足ですね。  これからの季節は、風邪なのかインフルエンザなのかを判断することが極めて重要になります。両者は似て非なるものであり、まったく別の病気です。風邪と診断されたら、ユックリ寝るが一番。薬はあまり意味がありません。薬を飲んだから治ったと思っても、実は薬の力を借りなくても自己免疫力で治癒していることはいくらでもあります。インフルエンザは違います。もちろん免疫力も働きますが、抗インフルエンザ薬があるので、早く診断を受けて薬を処方してもらってください。 そろそろ日本からインフルエンザ情報が入って来るでしょう。香港での流行は少し遅れますが、日本でインフルエンザが話題になり始めたら、香港でもそろそろ注意が必要だという意味だと捉えてください。  遅い時間まで暴飲暴食するようなことは、様々な意味からよくありません。これから年末、そして旧正月にかけて、気温の低下、乾燥など自然環境要因に加えて、夜更かし、暴飲暴食等々、免疫力が落ちてしまう要因が数多くあり十分な注意が必要な季節です。くれぐれも体調管理に留意されてください。

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ダイエット考(5)

ダイエットについて考えるシリーズの第5弾。最終回。今回は主食を考えてみましょう。低糖質ダイエットで目の敵にされる主食ですが、本当に悪いものでしょうか。私には低糖質ダイエットを唱える人たちは、農耕が始まって何千年もかけて育まれてきた食文化を理解していない浅はかな思考の持ち主ばかりかと思えてなりません。主食はとても重要なものであると考えます。なぜ主食が必要であるか? 日本をはじめアジア各国では米が主食です。またアフリカや南米ではトウモロコシ、さらにヨーロッパに行けば麦でありあるいはジャガイモが主食になります。米などを作付する土地が少ない南太平洋の島嶼国では4種類のイモが主食です。主食は、その地域の気候のもとで効率的に大量に生産できるでんぷん質に富む農作物です。長期貯蔵に向くことも共通の性質です。 主食となる作物は、でんぷん質に富むため血糖値を上昇させやすいものです。この点を悪いことのように喧伝されていますが、ヒトが生きるためにはエネルギーの直接的な供給源となる主食がなくてはならないわけです。脳の活動に必要となる栄養素はグルコースのみ。空腹を感じるのは、最もグルコースを欲している脳からの「早く食え」という指令なのです。脳機能を働かせるにあたって必要な栄養素は血糖であり、低血糖状態になっている空腹時に血糖値を効率的に上昇させるために、「主食」が必要になるわけです。 もしごはんを食べることが肥満の原因になるのであれば、戦後、米の消費量がピークを迎えた昭和30年ころは肥満であふれていたはずですが、決してそのような事実はありませんでした。現在の2倍以上の消費量だったのにですよ。今は人口が増えているにも関わらず、米の消費が半減しているので、一人あたりの消費量は更に少ないのではないかと思われます。 戦後の一時期、日本は食糧難でしたが、米国の進駐軍GHQは日本の学校給食にパンと牛乳を持ち込みました。この政策は米国が日本人の将来の食生活を洋食化させるために、子供たちにその基本となるものの味を覚えさせようとしたわけです。その子供たちが大人になり、その次の世代になる頃には日本に洋食がしっかりと根付いていたというわけです。米国の日本に対する食料政策は麦や乳製品あるいは牛肉などの輸出先を手にするために、数十年先を見据えたものでした。日本人の食生活は戦後の高度成長期に大きくかわり大変豊かになったわけではありますが、その反面、高カロリー化が進み肥満が増え、さらには大腸がんや乳がんなど欧米に多かったがんが日本人にも増えてきました。 前にも書きましたが、西洋人にとって高カロリー食は必要があってのことでしたが、日本のような温暖な気候に暮らす人々にとって、高カロリー食品は不要です。つまりご飯は太るから良くないと言う前に、脂っこいもの、甘いものなど、かつて日本人が食べていなかったような食品の摂取を極力控える必要があるのです。日本人にとっての基本的な食事。これはご飯を中心に味噌汁と漬物、それにせいぜい干物があるくらいです。そんな食生活に今更戻れるはずはありませが、それが基本であることを頭の隅で意識しても決して損にはなりません。 食欲の秋とも言います。生物学的にも夏から秋への気温低下と日照時間の減少が、食欲を増すように働くことは確かなようです。闇雲に食欲を満たすのではなく、何を食べるべきかを常に意識した方が良さそうです。

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敬老の日に思うこと

今日は敬老の日。日本の高齢化は毎年進んでおり、現在8人に1人が75歳以上の高齢者だと言います。昨年の日本人男性平均寿命は、ついに80歳を越えるまでになりました。平均寿命が伸びるに従って、生活する上で誰の手助けもいらないという時期が終了する年齡である「健康寿命」も伸びてはいますが、平均寿命との差は10歳以上にもなります。平均寿命が伸びることは医療の進歩や生活環境の改善などの結果であり好ましいことではあるものの、医療費をはじめとする財政負担が膨張することが大きな問題になっています。 今、このメールを読んでいただいている方の年齢は平均すると40歳位ではないでしょうか。平均寿命に対してほぼ折り返し点です。40歳までは健康に関して無頓着でいても、ほぼ問題なく生きることが出来ますが、この先は、健康寿命を延ばすために、言い方を変えると、介護を受けなければいけなくなることを極力避けるためにも、健康であることを特に意識していかなければいけません。30歳代までは特に肥満に注意することが大切になりますが、代謝が特に落ち始める40歳代からは食べる量を意識的に少なくし、さらに適度な運動を加える事が将来に向けての健康維持のポイントになります。この場合の運動ですが、特別にスポーツすることではありません。一生懸命ジョッギングすることでもなく、日常生活のなかでいかに身体を動かすかが問われるものです。特に歩くこと!高齢になるほど歩く速度が落ちます。一説によると、歩く速度が早い人ほど長生きするそうです。自動車は便利な道具ですが、どこに行くにも車を使っているのでは良いはずはありません。動くことが出来る身体機能は出来る限り使ってやることが、歳を重ねるほど重要になります。二足歩行という超特殊技能を持ち合わせる動物はヒトだけですが、このことがいかに素晴らしいことであるかを今一度思いなおさなければいけないのです。 40歳で健康的な人は平均寿命と言われる年齡まで生きる可能性が高いのですが、やはり80歳になっても生活に支障がない健康な老人でありたいものです。80歳で健康的であれば、100歳が見えてきます。「100歳なんて」といって笑ってしまう方が少なくはありませんが、60年前に今の高齢化社会を予想していた人はいません。今40歳の人は60年後、自分が100歳を迎えている可能性が大きいのです。いつまでも健康でいることを強く意識しなければ、若くして介護を受けるようになるリスクもあり、介護を受けながらいつまでまでも生き続けることにもなりかねません。最も避けたい人生ですよね。介護を受ける側も辛いものですが、介護をする側の家族も大変です。太く短く行きたいと言って好き放題している人は無責任です。いつまでも元気で長生きすることを目指すことは義務と言っても良いのではないでしょうか。健康の維持管理に一生懸命になっていても、がんなどに侵されてしまう方もいるわけですから、自身の健康を維持する努力をして、少なくとも循環器系疾患に襲われる危険性を少なくしておきたいものです。これからもますます高齢化が進むことは明らかで、長生きする可能性が高いのです。目指すことは「死ぬまで元気、ピンピンコロリ」です。

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デング熱 続報2

デング熱の国内感染事例が、約70年ぶりに確認された日本では、その後感染者数が22人にまで増えました。なかにはテレビ番組の撮影中に感染したタレントもいたことから、マスコミでも大きく取り上げられています。このような感染症事例において、いつものことですが不安を煽るマスコミ報道などが目立つような気がしてなりません。 デング熱は熱帯亜熱帯地方では「風邪」と同じような扱いを受けています。こういうと「バカなことを言うな」とお叱りを受けるかもしれませんが、リスクとしてはインフルエンザと同じ程度に考えても良いのではないでしょうか。具体的には、年間1億人の感染者に対して、死亡率が高くなるというデング出血熱(死亡率15%程度)に至るのは25万~50万人と推計されています。つまりデング熱に感染して死亡するのは2000人にひとり程度であり、しかも感染者の多くは医療サービスが不十分な地域で感染・発症していることも間違いなく、死亡率を上昇させているものと思われます。 日本で問題なのは、「新しい」といってもよい感染症の患者が国内で確認されたという事実であり、求められていることは初期の対応を間違いなく行うということです。感染源は東京の代々木公園にあることは間違いなさそうで、現在、公園の消毒作業を行うとともに、媒介蚊(ヒトスジシマカ)の発生源となりうる公園の池の水抜き作業が行われています。 今回の患者数は22人にのぼっていますが、居住地は異なるものの誰もが代々木公園あるいはその隣接地にいたことがあるという共通項から、代々木公園に生息しているヒトスジシマカがたまたま感染者から吸血し、感染源になったものと考えることが妥当でしょう。日本のデング熱輸入例(海外で感染して帰国後発症したケース)は年に200~300例くらいであることを考えると、代々木公園にいたと思われる感染蚊も「たまたま」感染者から吸血したものと考えられます。また蚊が吸血する行動を考えると、一旦人にとまって吸血行動に出たものの体動に驚いて飛び立ち、近くの人で再度吸血を試みるわけです。感染蚊であれば、これで二人に感染させてしまうことが考えられ、同様にして何人にも吸血を試みたと考えれば、感染者が複数あらわれても何の不思議もありません。もちろん感染者を吸血した蚊はたった1匹だったと考えるのも不合理でしょう。したがってまだ感染者数が増える可能性もありますが、感染したのが代々木公園であれば、問題は大きくはありません。 感染の拡大は、今後各地に居住する感染者からさらに感染が現れた場合に心配されるものの、現時点ではその可能性は殆ど無いのではないでしょうか。

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デング熱 続報

先日、日本で約70年ぶりにデング熱の国内感染事例が報告されましたが、その後、さらに2例の感染が確認されています。3人は一緒に代々木公園内でダンスの練習をしていたということから、感染はこの時に蚊に刺されたことが原因であるとほぼ特定されています。日本に棲息する蚊で、デング熱を媒介するのはヒトスジシマカのみ。やぶ蚊の一種です。もちろん蚊がデング熱ウイルスを持つには感染者からの吸血が必要です。日本では確認されているだけで年間2~300人が熱帯・亜熱地方で感染した後に帰国、日本国内で発症しています。実際に海外で感染している人はこれよりもかなり多いと思われますが、このような感染者を日本でヒトスジシマカがたまたま吸血してしまうとおよそ1週間ほどかけてその体内でウイルスが増殖します。再度吸血した時に他の人の体内に侵入して感染が成立します。 蚊が人を刺した時には、まず唾液が注入されます。この唾液は血液を凝固させないためのものであり、吸血時には自分が注入した唾液を吸い戻すようにして、蚊の体内での血液凝固を防いでいるのです。この唾液を出すときに蚊の体内(唾液腺)に控えるウイルスが人体に侵入します。これはマラリアでも同じです。ちなみに蚊に刺されて痒くなるのは、蚊の唾液に対する反応です。患者(人)→蚊→人という連鎖がなければデング熱の発生はありえません。人から人には感染しないので、いくら患者がいてもそれ以上に患者が増えることはありえないのです。今回の事例では、おそらく代々木公園にいた患者から吸血したヒトスジシマカがその体内でウイルスを増殖させ、たまたま居合わせた人に感染させたのでしょう。蚊が吸血するときはまず唾液を注入するので、近くにいた3人に次々と刺して感染させたことも十分考えられます。公園内にウイルスをもった蚊がたくさんいるということは考えなくても良いと思いますが、デング熱に限らずマラリアも含めて、熱帯病が日本国内で発生する危険性があることを示した一例だったと思われます。もちろん日本に限らず媒介蚊が生息できるであろう温暖な気候の土地であればどこでも有り得る話です。

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日本国内でデング熱感染

日本で約70年ぶりにデング熱の感染者が確認されました。これまで旅行者が旅行先で感染し、帰国後に発症する輸入例は毎年200件程度報告されていましたが、国内で感染したと思われる症例は長らくありませんでした。 患者は埼玉県さいたま市に在住する10代後半の女性。40度ほどの発熱で入院。専門機関で血液検査したところデング熱であることが確認されました。患者は今も入院中ではあるものの、容態は安定しているそうです。 デング熱は熱帯亜熱帯地方では日常的に流行しているウイルス性疾患で、ネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。世界で毎年1億人が感染していると推定されているものの治療薬はありません。ただその多くは自然治癒することから、熱帯地方では風邪程度にしか捉えられていません。ただし2回目以降に感染した時に、デング出血熱を発症することがあり、この場合は死亡率が高くなります。 媒介蚊のうちヒトスジシマカは日本など温帯地方にも生息しており、マラリアと並んで大昔から地域的な流行を繰り返していたようですが、衛生状態が良くなり、蚊が激減するとともに患者も減っていったことから近年の新規患者発生はなくなりました。最近の温暖化に加え住空間などにかつての冬の寒さがなくなりつつあることから、蚊が越冬することができるようになってきたようです。媒介蚊が周年棲息することができるようになり、熱帯病が温暖な気候の地域でも発生する危険性が高まっていることは最近指摘されてきたことです。そうは言うものの本当にデング熱患者が日本で認められたとは少々驚きです。 デング熱感染者が現れたということは、感染者が日本に入国し、その血液を吸った蚊が、次に感染者を増やしたと考えることができ、わからないだけで他にも感染者がいる可能性が大きと思われます。小規模な発生から大規模な流行につながるという可能性はゼロではありません。同じく蚊が媒介するマラリアに関しても、日本国内での感染者が現れてもおかしくはありません。昔は琵琶湖周辺などはマラリアの流行地でしたから、国際的な交通が盛んになった現代社会では、いつその発生があるのか予測がつきません。熱帯地方だけの風土病というような感覚は持たないほうがよいでしょう。 予防法は蚊に刺されないことです。虫除けのスプレーを使用し、肌の露出を極力少なくすることがその対策となります。 

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ダイエット考(4)

 ダイエットについて考えるシリーズの第4弾。今回は運動を考えてみましょう。減量を考えた時に思い浮かべることは、食べる量を減らす(摂取カロリーを減らす)ことと、運動する(消費カロリーを増やす)ことでしょうね。しかし、痩せるために一生懸命運動してもその成果は殆ど上がらないことに、多くの人はがっかりしてしまいます。脂肪1kgのカロリーは7200kcal。フルマラソンを2回半ほど走らなければ消費できないエネルギーに相当します。これを考えると、痩せることを運動の目的にするのには無理があることが理解できます。  野生動物の世界を考えてみよう。彼らの運動とは毎日の生活そのものであり、餌を求めて一日中歩きまわるか、必要がないときはじっと身体を休めているかです。つまり基礎代謝は別にして、エネルギー消費は餌を求めるために使われるわけで、彼らは決して無駄な動きはしません。ヒトのように空腹を感じたらいつでも食べることができるわけではなく、場合によっては何日も食べることができないこともあるわけです。動物の世界に言葉があったとしても、おそらく「運動」という単語はないでしょうね。  運動不足の意味は、摂取カロリーが消費されていない状態(肥満傾向)あるいは運動機能が低下していると思われるときに使いますが、通常は前者ですね。ヒトは効率的に食料を捕獲したり(漁業)、飼育したり(畜産)あるいは栽培したり(農業)することができるようになったので、例外はあるにしても食料確保は十分にできるようなったわけです。そして一日中歩きまわって食べるものを探さなければいけない状態とは対極に、一日中座っていても、たとえ寝ていたとしても3食しっかり食べることができるなど、ヒトも動物でありながら、それでいて野生動物とは比べようもないほど高カロリーを摂取しています。当然ながら太りやすいわけです。  毎日100キロカロリーを余計に摂取していたら、1年で5kgの体重増加になる計算ですが、これを防ぐためには男性で毎日30分早歩きしなければいけません。女性の場合もう少し必要です。毎日たった100キロカロリー過剰なだけなのにこれだけの運動が必要になるわけであり、やはり常に食事量を減らす事を考える必要があります。  運動して筋肉をつけることには意味があります。筋肉がエネルギーを消費してくれるので、太りにくい(あるいは痩せやすい)体質になれるわけです。毎日の運動をエネルギー消費のためと思ってしているのでは、おそらく長続きはしません。

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ダイエット考(3)

ダイエットについて考えるシリーズの第三弾。今回は人類の起源と白人の食事について考えてみたいと思います。人類の起源に関しては諸説あるようですが、有力な学説としてアフリカ単一起源説と多地域起源説とが鋭く対立しているようです。どちらがより説得力があるかをここで論じても意味がありません。どちらにしても肌の色が白くないと太陽光線が乏しい高緯度地方にはヒトは適応できなかったということです。わかりやすく中央アフリカ起源説で説明すると、南北に移動したヒトは、より肌が白くないと生き残れなかっと思われます。つまり乏しい太陽光線ではビタミンDの合成ができないので、太陽光線を吸収してしまう黒色系の肌では生存に向いていなかったわけであり、より肌色の白いヒトが選択的に生き残っていたっと考えられます。北欧まで行くと透き通ったような肌になりますよね。  余談ですが、より高緯度に適応した白人が近年オーストラリアに定住してしまいました。この大陸は肌が黒褐色の先住民族アボリジニーが住んでいる場所です。つまり白人にとっては皮膚に対して障害が著しく、現在皮膚がんが大きな問題となってきたために、その対策に必死になならざるを得ない状況となっています。将来、オーストラリアから白人がいなくなる可能性も考えられるのではないでしょうか。  さて、寒い地方に定住した肌色の白いヒト、つまり白人は、低温から身を守らなければいけません。放っておくと体温がどんどん奪われるばかりなので、体内ではそれに見合う熱を産生しなければいけません。そこで必要なのは高エネルギー食。脂肪分が多い食品を多く摂取しなければならず、動物性脂肪を好んで摂り込むようになったわけです。極端な例は雪原に住むイヌイット。彼らはアザラシなど海の動物を好んで食べますが、北国の動物が共通して蓄えている分厚い皮下脂肪を好んで食べます。高カロリーを摂取しなければ生きていけないわけです。   そんな人々の高カロリーの食事を日本人など温暖な地方の人々が真似てしまったら、たちまちオーバーカロリーになってしまうのは当たり前です。最近は極寒に暮らす人々の生活も快適になり、移動手段も乗物が使えるなど、次第に温暖な地方の人と同じようになってきました。必要とするカロリーが少なくなってきたのもかかわらず、昔と同じ高カロリー食を続けているので、あんなに肥満が多いのではないかと個人的には分析しています。ドイツ人やアメリカ人など白人に肥満が多いことはこれで説明がつきます。