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この週末は熱中症の危険日

今週末は熱中症に特段の注意が必要です。香港は5月に入っても30度を上回る気温がほとんどなく、ぐずついた天気ではあるものの比較的涼しく過ごしやすい毎日です。このような天候が続いていると暑さに対して身体が慣れることがなく、急な暑さに対応ができなくなってしまいます。この週末の天気予報を確認すると、うっとうしい天気が続いていた空が一転、素晴らしい好天に恵まれそうです。それでも最高気温は30度に達することはなく、さらにはこの季節としては珍しく空気も乾燥しそうです。滅多にない絶好の行楽日和です。恐らく海や山には多くの人々が繰り出すことになるでしょう。さて、このように身体が暑さに慣れていない状態で海や山に行ってしまうと、熱中症を発症するリスクが極端に高くなります。日本でも梅雨明け直後の週末はとても危険だと言われています。今週末はどこかで事故が起きないかと懸念せざるを得ません。慎重なうえにも慎重な行動が求められます。絶対に無理をしないことです。前日の深酒は止め、十分な睡眠をとるようにしてください。ハイキングであればいつもより短いコースをゆっくりと歩くことをお勧めします。のどがカラカラになるまで水分補給を我慢するのではなく、早めの給水を心がけてください。のどが渇いた時にはすでに脱水が始まっているものです。ただの水だけをがぶがぶ飲んでしまうと、俗に「水中毒」と呼ばれる電解質異常が起きることがあります。汗とともに失われていくナトリウム(食塩)を補うことなく、水ばかり飲んでいると脳、心臓、肺といった生命を維持する上で重要な器官がむくんだ状態になり機能不全を起こしてしまい、重症化すると死亡することさえある怖い病気です。大量の汗をかくときは必ず塩分を補給してください。もちろんスポーツドリンクでかまいませんが、そのままでは少々濃いかもしれないので、倍量くらいに薄めておいた方が良いのかもしれません。梅干しを時々かじるということも良さそうです。熱中症予防には行動を共にする人の不具合になるべく早く周囲が気付いてあげることが大切です。ハイキングなどでは皆についていこうと無理してしまうこともあるでしょう。お互いに気遣いながら歩いてください。少しでも具合が悪そうであれば日陰に入り状態を確認します。衣類を緩め、少しでも風をあてて冷やしてください。水が飲めない、質問に応答できない、息が非常に荒い、身体が暑いのに汗をかいていない、反対に肌が冷たい場合もあって熱中症の症状は様々です。本人が寒気を感じるときは重症であると判断した方が良いでしょう。吐き気や頭痛も重要な熱中症のサインです。とにかくいつもと様子が違うことはないか観察してください。自覚症状でも同じです。少しでもおかしいと思ったら、躊躇することなく救急搬送を依頼したいものです。子供は特に危険です。繰り返しますが、この週末は熱中症には神経質なくらい注意していても良いほどの危険日となります。屋外での活動には十分注意してください。余談ですが、ペットの熱中症もあります。暑いさなかに犬を連れてハイキングしている姿を良く見かけます。犬は舌で体温調節するしかありません。簡単に熱中症を発症して動けなくなります。素晴らしい好天に恵まれそうなこの週末。ぜひ安全に楽しく過ごしてください。

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ウェルシュ菌食中毒

カレーを一晩寝かせておくと美味しくなるという話はよく耳にしますが、この一晩寝かせたカレーで集団食中毒起きてしまいました。ごく最近のニュースで既にご存知の方も多いと思いますが、この原因菌であるウェルシュ菌は少々変わった性質を持っていて、通常の食中毒予防という観点からでは、実は予防が難しいもののひとつなのです。今回の集団食中毒は幼稚園で起きていますが、俗に給食病とも呼ばれる食中毒。大量に仕込んだ料理が原因になりやすいとは言われるものの、一般家庭でも十分注意する必要があります。 ウェルシュ菌が他とは違う食中毒菌だという大きな理由は、周囲の環境に極めて影響されにくいヨロイのような「芽胞」を形成することにあります。芽胞には周囲の環境が自身の生存に好ましいものではなくなった時、次に良好な環境になるまで何年でも生き延びるために変化するものであり、たとえ100度の環境に置かれても生き延びることができます。そのため火を通したから安心だと思っていても、ひとたび芽胞となった菌体は死ぬことはなくしぶとく生き残り、冷めるに従って菌体は栄養型(増殖型)となって急速に増殖するため食中毒の危険性が生じるわけです。しかも通常の細菌類より高めの温度まで好むので、冷めていく過程で増殖することが可能であり、ゆっくりと冷めていくカレーやシチュウといった食品には特に注しなければいけないのです。大量に作った料理では冷めるのに時間がかかり、比較的高温域でも増殖することができるウェルシュ菌にとってはとても好都合。しかもウェルシュ菌は嫌気性細菌といって、酸素を嫌う性質があります。煮込んだ料理は食材内の酸素濃度が極めて低くなっているので、この食中毒菌にとって非常に好ましい環境でもあるのです。 加熱したものは大丈夫という一般的な食中毒予防は通用しないのがウェルシュ菌です。予防には、カレーなどはとにかく早く冷却させること。そして再加熱の際にはしっかりと温度を上げることが大切なポイントになります。芽胞が発芽し大量に増殖したウェルシュ菌であっても、芽胞ではない菌体は熱に弱いためです。ちなみに産生される毒素はエンテロトキシンというもので熱に強いものですが、ウェルシュ菌では感染してから人体内(腸内)で毒素を産生するので喫食前の過熱が有効なわけです。 これから気温が上昇し、食中毒が発生しやすい季節になります。ウェルシュ菌に限ることなく、食中毒には日頃から十分注意してください。基本的に食中毒予防は、食中毒菌を付けない、増やさない、そして殺すことです。根本的な予防法である「付けない」ことに関しても、自然界に広く存在し、食材にも付着していることが多いウェルシュ菌にはほとんど通用しません。ウェルシュ菌の場合は、中途半端な再加熱は危険であることを覚えておいてください。

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インフルエンザ情報

日本でインフルエンザの流行がピークを迎えています。昨年11月に患者数が増えだし、それ以降昨年を大きく上回る患者数を維持しており、その勢いは今後しばらく続くものと考えれられています。国立感染症研究所感染情報センターが公表する流行レベルマップを見ると流行は全国に拡大していますが、どちらかというと東京より西に患者分布が多いようです。昨年11月24日に観測史上初めて11月に東京での積雪を観測しました。そんな冷え込みがその後のインフルエンザ流行につながるのではないかと予想していましたが、はたしてその通りの経過となっています。もちろんインフルエンザの流行は低温と直接関連があるというわけではありませんが、急な冷え込みなどは免疫力が低下する要因ともなるため、注意しなければいけないことは確かです。 さて、今年の流行を昨年の同時期と比較してみると、昨年第4週(1月25日~31日)のデータでは推定患者数は107万人。それが今年(1月23日~29日)は201万人となっており、同時期の患者数を見ると今年の流行がいかほどのものであるか理解できることかと思います。昨年11月からの患者数を見ても、今季は常に昨年を上回る患者数となっています。例年流行のピークは2月。まだしばらく感染者が多い状態が続くものと考えられ、十分に警戒する必要があります。 さて、春節の休暇が去り、日本旅行を楽しんだ中国人はもちろん、海外在住でこの時期に帰国していた多くの日本人も今頃は通常に戻っていることと思いますが、このような人たちが日本からインフルエンザウイルスを持ち帰ってきている可能性があり、今の時期は特に感染の拡大に注意しなければいけません。つまり、旅先でウイルスをもらってきた(感染してきた)人が核になって、感染拡大させてしまうリスクが大きいのです。香港では、春節前にはまだ大規模な流行にはなっていませんでしたが、これからの急激な感染拡大に注意が必要です。 インフルエンザウイルスに感染していても発症していない、あるいはごく軽い症状で本人も感染に気が付いていないことも少なくはありません。何度も繰り返すことではありますが、最低限外出後の手洗いの励行は必要です。十分な睡眠(休養)、適切な栄養摂取、さらに軽い運動を加えるなど、免疫力を低下させないことが予防につながります。また、罹ってしまったなと思ったら、すぐに医療機関を受診してください。決して無理しないこと。仕事に出たところで、職場全体に感染を広げてしまうだけですから。