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インフルエンザ 予防接種

今年もインフルエンザ予防接種が開始されています。昨年と同様ワクチンは4種類のウイルス株に対応するもの(4価)になっています。H1N1(A型 2019 年広東)H3N2(A型 2019年香港)B型に関しては2019年ワシントン、2013年プーケットの2種類です。 WHO(世界保健機関)が直近の南半球の流行株を分析して、その年の北半球での流行株を予想します。この情報は北半球の政府機関に対して毎年6月ころに通知されます。これに基づいて各国では、自国での流行株情報を加味したうえでワクチンに加えるウイルス株を決定して製薬会社に対してその製造が委託されます。(南半球ではこの反対です) なぜウイルス名に地名がついているのか?疑問に思う人も少なくないと思いますが、これらはそのウイルス株が初めて分離された(発見された)場所と年を表します。実際にはその場所で何番目に分離されたかといった数字やほかのどのウイルスの系列になるのかも記載されて正式なウイルスの種類として登録されています。  今年は新型コロナウイルスのパンデミックにインフルエンザの流行が重なる恐れがあるため、発熱をはじめとした症状に共通点が多いインフルエンザの罹患リスクを少しでも下げておく必要があります。これは個人のレベルの問題にとどまることではなく、医療機関の機能に負荷をかけないためでもあります。  ところで、インフルエンザワクチンはその効果を保証できるものではありません。しかし、やっと流行が治まってきた南半球の状況を反映しているものであり、さらに短期のうちに流行株が大きく変わってしまうことは考えにくいことなので、ある程度の効果を期待できることは確かです。もちろんウイルスは常にその構造が変化しており、当然のことながらせっかくの効果が希薄になってしまうことも十分に考えられることです。  接種をしたほうが良いのか、その必要性は低いのか? 疫学的な観点で考えると、接種したほうが良いと思われます。また社会全体の接種率が高いほど、全体の感染率が確実に下がるとされています。肝炎のワクチンのように、抗体ができれば100%の効果が期待出来るのであれば良いのですが、残念ながらいまだに万能ワクチンは開できていません。(開発は試みられています) ちなみに接種費用は250~450香港ドル程度で、医療機関によって大きな差があります。診察を必要とする場合は、この倍額程度ではないでしょうか。費用については希望医療機関で確認してください。 インフルエンザワクチンは接種して3週間くらいで血中の抗体価がピークに達し、その後およそ5~6ヶ月ほど効果が持続するといわれます。さらに流行期間中はインフルエンザに感染してしまうことも少なくはなく(感染と発症は別です)、ブースター効果(増強効果)を期待することもできます。今の時期に接種すればシーズンいっぱい効果が持続するものと思われるので、できれば本格的な流行が始まるまでに受けておきたいものです。今年は新型コロナの問題で、インフルエンザワクチンの需要に大きな変化があるかもしれません。接種を希望される場合は早めに医療機関に相談してください。

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マスクと咳エチケット

 新型肺炎COVID-19 の感染拡大を受けて、香港では街中でマスクをしていない人を探すことが難しいほどです。通常、マスクは咳やくしゃみなどの呼吸器系疾患の症状がある人が着けることを推奨されるものであり、普段もそのように案内されています。現在のように競い合うようにしてマスクを買い込んでしまい、本当に必要な医療現場などでの確保が難しくなってしまう現状は、少々考えなければいけない状況かとも思います。咳などの呼吸器症状がない人は、マスクは必要ないと意見する人もあります。確かにインフルエンザなど従来の一般的な感染症であれば正しい意見ではありますが、今般の新型肺炎に関しては、未知である部分が多い感染症であり、症状の有無でマスクの使用を判断することは、必ずしも的を得ているものとは思えません。  COVID-19 は感染後、症状が出る前から周囲への感染力を有していたり、まったく症状が出ない不顕性感染者からさえもウイルスが排泄されたりしていることが、市中感染が拡大していることからほぼ確実視されています。したがって現状は誰がウイルスを持っているのかわからない状況にあり、自分自身が感染していないと思っていても、実はウイルスを排出している場合も考えられるのです。このような状況の中で、誰もがマスクをすることは、感染拡大を阻止する上で非常に有益だと考えられます。自分が感染したくはないがために常にマスクをすることは、実は自分からの感染拡大を防ぐことにもなっているのです。咳やくしゃみがなくても、通常話している時も唾液は飛散します。香港のようにほぼ全員がマスクをしていても、マスクを外す機会となる会食の場や家庭内が感染機会となるのはこのためです。  さて、咳エチケットという言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。「呼吸器疾患の症状があるならマスクをしましょう」というのがその基本ですが、マスクがない場合はハンカチなどを用いて唾液の飛散を阻止することが必要です。接触感染の原因をつくるため、咳やくしゃみを手のひらで押さえることは禁忌です。  マスクを過信してはいけません。特にくしゃみの際には、吐き出された飛沫を含んだ高速の空気はその多くがマスクと顔面の間を擦り抜けてしまうので、マスクの役割は極めて限定的になります。この場合、腕の内側を口にあててくしゃみをします。マスクと袖の生地がダブルで飛沫を防いでくれます。腕の内側はほかのものに接触してしまう機会が極めて少ないので、たとえマスクがない時にも極めて効果的な感染症拡大阻止法になります。  「科学的根拠がまったくない情報」を、新型コロナウイルスに関しての新しい知見として、先週くらいからSNSで拡散している者がいるようです。深圳の医師が武漢に就き、現場からの情報として伝えているとしていますが、「新しい冠状動脈肺炎ウイルス」とか「26~27度で簡単に殺せるウイルス」などという、少し考えればわかりそうな誤りがあります。善意の拡散を狙った愉快犯なのかもしれません。 情報は、しっかりとした出所が明らかなものにアクセスしてください。

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新型コロナウイルス流行

新型コロナウイルス 昨年末から湖北省武漢市で患者が散発していた原因不明の呼吸器疾患は、その後「新型コロナウイルス」であることが確認されました。新しいウイルスが生まれたことがほぼ証明されたわけです。その感染力や毒性などの性質については、今のところ現状を踏まえて予測されているだけで、正確な情報を得るにはまだ時間を要するようです。  そのような中、日本でも感染者が現れたことで、これからの感染拡大を不安に思う人も増えているようです。大切なポイントはヒトからヒトへの感染力です。現在流行している季節性インフルエンザは極めて感染力が強いものですが、その毒性は決して侮ることはできないものの、スペイン風邪の時のものに比べて軽いものになっているようです。ウイルスにとって自己増殖に必要な宿主(ヒトを含める哺乳動物)を簡単に死なせてしまうことは自分たちにとって都合が悪く、少し時間かけて程よい毒性に落ち着いたともいわれています。  さて、今回の新型コロナウイルスですが、患者数が徐々に増えてはいるものの、激増しているわけではありません。感染源だと考えられている武漢市の海鮮市場に行ったことがない人からも患者が現れていますが、このケースは感染者との濃厚な接触があったからだと考えられています。現在のところ、ヒトからヒトへの感染は限られたものですが、その感染が確認されたということで、今回の新型コロナウイルス流行が新しい段階に入ったともいえます。今のところは慌てることはなく、正確な情報を収集することが重要であることに変わりはありません。  情報は厚生労働省、国立感染症研究所など公的な機関からの一次情報を得ることが大切です。テレビの情報であれば、コメンテーターではなく、専門家の意見を聞いてください。駐在員の方であれば本社の健康管理室からの情報も貴重です。Twitterなどに流されている個人的な見解は無視したほうが良いと思います。不安を煽るようなものも少なくはありません。確かな情報源から正確な情報を得て、その情報をもとに「正しく恐れる」ことが大切です。  中国外で患者が認められていることから安心できる状態とは言いきれませんが、かといってこのウイルスに対して過剰になることも適切ではありません。もちろん今後の展開も簡単には予測できませんから、とにかく日々更新される正確な情報に接することです。今のところ死亡者は1名。基礎疾患がある男性でしたから、現段階では健康な人が怖がる必要はありません。 今回の新型コロナウイルスと同種のものとしてSARS(2002~2003年)があげられますが、これは毒性が強いものでした。ただ幸いにも感染力が強くはなかったので、爆発的な流行には至りませんでした。2012年以降散発的に流行が続く中東呼吸器症候群MERSも感染拡大は限局的です。  今の時季はインフルエンザの流行がピークに達しているうえに、普通感冒(風邪)の感染者も非常に多くなっています。これらの疾患は今回の新型コロナウイルスとの初期症状が似ているため鑑別が難しいので、ここに新しい呼吸器系疾患が加わることは、そのタイミングとしては最悪といえます。我々としては、警戒を怠ることなく、感染症一般への基本的感染予防を心掛けるべきでしょう。  手洗いの励行、多くの人がいる室内に長く留まらないこと、適切な栄養摂取と休養(睡眠)で免疫力維持を図ること、必要に応じてマスクを着用すること、といったことが対策として考えられます。またインフルエンザなど、感染したと思ったら無理をしないで休むことが大切です。本人のためにもなりますし、周囲への配慮にもなります。

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新型肺炎か?

昨年末から湖北省武漢市で原因が不明の呼吸器疾患が流行しています。患者数はインフルエンザのように爆発的に増えているわけではないものの、毎日、確実のその数を増やしています。患者数の推移を見ているとSARS流行の初期を思い出しますが、ヒトからヒトへの感染が確認されていないことはSARSとは決定的に異なることです。 本日になり、中国の専門家筋の情報として、新種のコロナウイルスではないかとの見方が出ています。コロナウイルスは決して珍しいウイルスではなく、全体の1割程度の風邪の原因となっているものです。しかし、近年その変種が発見されており、ヒトに対する影響が広がりを見せて、常に警戒が続けられているウイルスです。  これまでに確認されているコロナウイルスは6種類。そのうちSARS(2002~2003年)、中東呼吸器症候群MERS(2012年以降散発的に流行)は毒性が強く、それぞれ700人以上の死者を出しています。今回のウイルスは最終的な確認作業が必要ですが、新型コロナウイルスである可能性が非常に大きいものと思われます。武漢から帰国した香港、韓国、台湾の人に感染者が認められているものの、現段階でヒトからヒトへの感染は認められていません。コロナウイルスの感染様式は患者の咳によって生じた飛沫によるものですが、今回認められたウイルスがたとえ新型のコロナウイルスであったとしても、今のところ慌てる必要はなさそうです。  今の時季はインフルエンザの流行がピークに向けて急拡大している上に、普通感冒(風邪)の感染者も非常に多くなってます。症状の鑑別が難しいので、そこに新しい呼吸器系疾患が加わることは、そのタイミングとしては最悪といえます。今回の武漢発症の新しい感染症に関しては深刻な状況にはならない可能性が大きいものの、感染症一般への警戒を怠ることはできません。  手洗いの励行、多くの人がいる室内に長く留まらないこと、適切な栄養摂取と休養(睡眠)で免疫力維持を図ること、必要に応じてマスクを着用すること、といったことが対策として考えられます。またインフルエンザなど、感染したと思ったら無理をしないで休むことが大切です。本人のためにもなりますし、周囲への配慮にもなります。