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世界感染症流行情報

世界感染症流行情報 2023年2月 新型コロナウイルス流行情報2023年2月は世界全体で新規感染者数が減少しています。(WHO、2月22日)ウイルスの種類はオミクロン株のBA5系統(BF7、BQ1)、BA2系統(BA2.75、CH1.1)、組換え型(XBB、XBB1.5、XBF)が共存しており、国や地域により流行状況が異なります。米国ではXBB1.5が8割以上を占めていますが(米国CDC 23-2-18)、ヨーロッパではBQ.1が4割と主流になっています(ヨーロッパCDC 23-2-17)。日本でも新規感染者数は減少しており、BQ.1の検出が4割と最も多くなっています(厚労省アドバイザリーボード会議 23-2-22)。 インフルエンザ流行情報23年2月になり北半球でのインフルエンザ流行は収束しつつあります(WHO、2月20日)。米国では感染者数が流行レベル以下になりましたが、B型がやや増加傾向にあります(米国CDC flu view 2月17日)。ヨーロッパではまだ感染者数が多い国もありますが、全体的に減少しています(ECDC2月17日)。東アジアではモンゴルを除き感染者数はあまり増えていません。なお、マレーシアでB型による感染者数の増加がみられています。 サル痘の「公衆衛生上の緊急事態」継続23年2月9日にWHOは、サル痘(mpox)を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の対象に引き続き指定することを決めました(WHO 2月15日)。感染者数は世界的に減少していますが、中南米などでまだ多いことによります。昨年5月からの世界流行で、今年2月下旬までに110か国から8万6000人の感染者が確認されています(WHO 2月21日)。 デング熱の流行状況マレーシアでは今年1月から2月初旬までにデング熱患者が1万人以上発生しており、昨年同期に比べて約3倍多くなっています(WHO西太平洋 2月16日)。ベトナムでも1月から2月中旬までに1万人の患者数となり、昨年同期の2倍の数です。今年は東南アジアで、昨年以上のデング熱流行が起こる可能性があります。 そのほか赤道ギニアでマールブルグ熱の発生、パラグアイでチクングニア熱の流行が報告されています。またコレラがマラウイ、コンゴ民主共和国での流行が伝えられています。

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サル痘

新型コロナという厄介な感染症に翻弄され、やっと元の生活に戻れる兆しが見え始めた矢先、また次の感染症が現れたのかとため息が出てしまう人もあるかもしれません。今度はサル痘です。聞きなれない感染症ですが、アフリカではこれまでも度々感染者が現れており、風土病として知られていたものです。これまでは幸い大きな流行というレベルには至らず、我々の生活を脅かすものではなかったので全く注目されていませんでした。それなのに先週から欧米で感染者を認めるようになり、WHO「世界保健機関」も各国と協力し警戒度を高めています。  サル痘ウイルスは1958年にポリオワクチン開発のため米国に輸入されていたカニクイザルから最初に認められて命名(Monky Pox)されたウイルスですが、実際にはネズミの仲間、げっ歯類がウイルスを持つことが多く、ヒトへは1970年にコンゴ民主共和国で初めて認められました。アフリカ以外では、アメリカで2003年にペットのプレーリードックから複数の感染者が表れたのが最初です。ヒトからヒトへの感染は極めて限定的だとは言われています。これまでアフリカでの致死率は10%までと言われていましたが、このところ散発している欧米では死亡者の報告はありません。 サル痘ウイルスに感染すると発熱やのどの痛み、あるいはリンパ節の腫れなどインフルエンザや普通感冒にも似た症状が現れ、その数日後に特徴的な水疱が全身に現れます。特効薬はなく治療は基本的に対症療法しかありませんが現有の医薬品に効果的なものがあるほか、すでに根絶された天然痘ワクチンには高い予防効果が期待できるようです。現在のところ予後は比較的良好で2~4週間で回復するとの報告が多いものの、乳幼児や妊婦には重症化するリスクもあり注意が必要です。 SARSや新型コロナなど、それまでに認められていなかったり、たとえその感染症があることがわかっていてもごく限られた風土病に過ぎなかったりした感染症が、ある時から世界的に感染拡大し、社会問題化した感染症を新興感染症といいます。これらは本来野生動物が持っていた病原菌であり、その種の動物にのみ感染を繰り返していたものです。その毒性もその範囲においては小さなものが多かったのです。ところが人口が増え、食糧増産のために森林を切り開くなどしたために、偶然そのような限定的な存在であった感染症がヒトの世界に入り込んできたのです。つまり野生動物との接触機会が増えたことで、未知の感染症が我々の世界に現れる訳です。現在、ロシアのウクライナ侵攻の影響を受け、世界の食糧庫でもあったウクライナからの穀物輸出がほぼ停止しており、その影響はすでに世界の貧困層に現れ飢餓人口が急増しています。今後食糧を増産あるいは自給しようと森林開発などがさらに進む可能性が高く、これまで以上に野生動物との接触機会が増えることでしょう。温暖化で溶けたシベリアの永久凍土から、古代より封印されていた未知のウイルスが現れているとの研究報告があります。これからさらに新しい感染症が我々の生活を脅かすことを覚悟しなければいけませんが、それは人類の営みが直接あるいは間接の原因であることも理解しておかなければいけません。

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事務所移転のお知らせ

お客様へ いつも大変お世話になっております。平素は弊社のサービスをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。 さて、弊社は2月26日、以下の住所に移転いたします。 Room1811, 18/F., Olympia Plaza,255 King’s Road, North Point,Hong Kong 電話、ファックス番号などに変更はございません。 新型コロナ感染症流行が急拡大しており、皆様におかれましては日常生活にも大きな影響が出ているのではないでしょうか。今のところいつピークアウトするのか予測がつきませんので、感染には十分注意されてください。また、最も寒い時期を迎えております。体調を壊されないよう、くれぐれもご自愛ください。 引き続き、何卒よろしくお願いいたします。 何卒よろしくお願いいたします。

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インフルエンザ 予防接種

今年もインフルエンザ予防接種が開始されています。昨年と同様ワクチンは4種類のウイルス株に対応するもの(4価)になっています。H1N1(A型 2019 年広東)H3N2(A型 2019年香港)B型に関しては2019年ワシントン、2013年プーケットの2種類です。 WHO(世界保健機関)が直近の南半球の流行株を分析して、その年の北半球での流行株を予想します。この情報は北半球の政府機関に対して毎年6月ころに通知されます。これに基づいて各国では、自国での流行株情報を加味したうえでワクチンに加えるウイルス株を決定して製薬会社に対してその製造が委託されます。(南半球ではこの反対です) なぜウイルス名に地名がついているのか?疑問に思う人も少なくないと思いますが、これらはそのウイルス株が初めて分離された(発見された)場所と年を表します。実際にはその場所で何番目に分離されたかといった数字やほかのどのウイルスの系列になるのかも記載されて正式なウイルスの種類として登録されています。  今年は新型コロナウイルスのパンデミックにインフルエンザの流行が重なる恐れがあるため、発熱をはじめとした症状に共通点が多いインフルエンザの罹患リスクを少しでも下げておく必要があります。これは個人のレベルの問題にとどまることではなく、医療機関の機能に負荷をかけないためでもあります。  ところで、インフルエンザワクチンはその効果を保証できるものではありません。しかし、やっと流行が治まってきた南半球の状況を反映しているものであり、さらに短期のうちに流行株が大きく変わってしまうことは考えにくいことなので、ある程度の効果を期待できることは確かです。もちろんウイルスは常にその構造が変化しており、当然のことながらせっかくの効果が希薄になってしまうことも十分に考えられることです。  接種をしたほうが良いのか、その必要性は低いのか? 疫学的な観点で考えると、接種したほうが良いと思われます。また社会全体の接種率が高いほど、全体の感染率が確実に下がるとされています。肝炎のワクチンのように、抗体ができれば100%の効果が期待出来るのであれば良いのですが、残念ながらいまだに万能ワクチンは開できていません。(開発は試みられています) ちなみに接種費用は250~450香港ドル程度で、医療機関によって大きな差があります。診察を必要とする場合は、この倍額程度ではないでしょうか。費用については希望医療機関で確認してください。 インフルエンザワクチンは接種して3週間くらいで血中の抗体価がピークに達し、その後およそ5~6ヶ月ほど効果が持続するといわれます。さらに流行期間中はインフルエンザに感染してしまうことも少なくはなく(感染と発症は別です)、ブースター効果(増強効果)を期待することもできます。今の時期に接種すればシーズンいっぱい効果が持続するものと思われるので、できれば本格的な流行が始まるまでに受けておきたいものです。今年は新型コロナの問題で、インフルエンザワクチンの需要に大きな変化があるかもしれません。接種を希望される場合は早めに医療機関に相談してください。

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マスクと咳エチケット

 新型肺炎COVID-19 の感染拡大を受けて、香港では街中でマスクをしていない人を探すことが難しいほどです。通常、マスクは咳やくしゃみなどの呼吸器系疾患の症状がある人が着けることを推奨されるものであり、普段もそのように案内されています。現在のように競い合うようにしてマスクを買い込んでしまい、本当に必要な医療現場などでの確保が難しくなってしまう現状は、少々考えなければいけない状況かとも思います。咳などの呼吸器症状がない人は、マスクは必要ないと意見する人もあります。確かにインフルエンザなど従来の一般的な感染症であれば正しい意見ではありますが、今般の新型肺炎に関しては、未知である部分が多い感染症であり、症状の有無でマスクの使用を判断することは、必ずしも的を得ているものとは思えません。  COVID-19 は感染後、症状が出る前から周囲への感染力を有していたり、まったく症状が出ない不顕性感染者からさえもウイルスが排泄されたりしていることが、市中感染が拡大していることからほぼ確実視されています。したがって現状は誰がウイルスを持っているのかわからない状況にあり、自分自身が感染していないと思っていても、実はウイルスを排出している場合も考えられるのです。このような状況の中で、誰もがマスクをすることは、感染拡大を阻止する上で非常に有益だと考えられます。自分が感染したくはないがために常にマスクをすることは、実は自分からの感染拡大を防ぐことにもなっているのです。咳やくしゃみがなくても、通常話している時も唾液は飛散します。香港のようにほぼ全員がマスクをしていても、マスクを外す機会となる会食の場や家庭内が感染機会となるのはこのためです。  さて、咳エチケットという言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。「呼吸器疾患の症状があるならマスクをしましょう」というのがその基本ですが、マスクがない場合はハンカチなどを用いて唾液の飛散を阻止することが必要です。接触感染の原因をつくるため、咳やくしゃみを手のひらで押さえることは禁忌です。  マスクを過信してはいけません。特にくしゃみの際には、吐き出された飛沫を含んだ高速の空気はその多くがマスクと顔面の間を擦り抜けてしまうので、マスクの役割は極めて限定的になります。この場合、腕の内側を口にあててくしゃみをします。マスクと袖の生地がダブルで飛沫を防いでくれます。腕の内側はほかのものに接触してしまう機会が極めて少ないので、たとえマスクがない時にも極めて効果的な感染症拡大阻止法になります。  「科学的根拠がまったくない情報」を、新型コロナウイルスに関しての新しい知見として、先週くらいからSNSで拡散している者がいるようです。深圳の医師が武漢に就き、現場からの情報として伝えているとしていますが、「新しい冠状動脈肺炎ウイルス」とか「26~27度で簡単に殺せるウイルス」などという、少し考えればわかりそうな誤りがあります。善意の拡散を狙った愉快犯なのかもしれません。 情報は、しっかりとした出所が明らかなものにアクセスしてください。

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新型コロナウイルス流行

新型コロナウイルス 昨年末から湖北省武漢市で患者が散発していた原因不明の呼吸器疾患は、その後「新型コロナウイルス」であることが確認されました。新しいウイルスが生まれたことがほぼ証明されたわけです。その感染力や毒性などの性質については、今のところ現状を踏まえて予測されているだけで、正確な情報を得るにはまだ時間を要するようです。  そのような中、日本でも感染者が現れたことで、これからの感染拡大を不安に思う人も増えているようです。大切なポイントはヒトからヒトへの感染力です。現在流行している季節性インフルエンザは極めて感染力が強いものですが、その毒性は決して侮ることはできないものの、スペイン風邪の時のものに比べて軽いものになっているようです。ウイルスにとって自己増殖に必要な宿主(ヒトを含める哺乳動物)を簡単に死なせてしまうことは自分たちにとって都合が悪く、少し時間かけて程よい毒性に落ち着いたともいわれています。  さて、今回の新型コロナウイルスですが、患者数が徐々に増えてはいるものの、激増しているわけではありません。感染源だと考えられている武漢市の海鮮市場に行ったことがない人からも患者が現れていますが、このケースは感染者との濃厚な接触があったからだと考えられています。現在のところ、ヒトからヒトへの感染は限られたものですが、その感染が確認されたということで、今回の新型コロナウイルス流行が新しい段階に入ったともいえます。今のところは慌てることはなく、正確な情報を収集することが重要であることに変わりはありません。  情報は厚生労働省、国立感染症研究所など公的な機関からの一次情報を得ることが大切です。テレビの情報であれば、コメンテーターではなく、専門家の意見を聞いてください。駐在員の方であれば本社の健康管理室からの情報も貴重です。Twitterなどに流されている個人的な見解は無視したほうが良いと思います。不安を煽るようなものも少なくはありません。確かな情報源から正確な情報を得て、その情報をもとに「正しく恐れる」ことが大切です。  中国外で患者が認められていることから安心できる状態とは言いきれませんが、かといってこのウイルスに対して過剰になることも適切ではありません。もちろん今後の展開も簡単には予測できませんから、とにかく日々更新される正確な情報に接することです。今のところ死亡者は1名。基礎疾患がある男性でしたから、現段階では健康な人が怖がる必要はありません。 今回の新型コロナウイルスと同種のものとしてSARS(2002~2003年)があげられますが、これは毒性が強いものでした。ただ幸いにも感染力が強くはなかったので、爆発的な流行には至りませんでした。2012年以降散発的に流行が続く中東呼吸器症候群MERSも感染拡大は限局的です。  今の時季はインフルエンザの流行がピークに達しているうえに、普通感冒(風邪)の感染者も非常に多くなっています。これらの疾患は今回の新型コロナウイルスとの初期症状が似ているため鑑別が難しいので、ここに新しい呼吸器系疾患が加わることは、そのタイミングとしては最悪といえます。我々としては、警戒を怠ることなく、感染症一般への基本的感染予防を心掛けるべきでしょう。  手洗いの励行、多くの人がいる室内に長く留まらないこと、適切な栄養摂取と休養(睡眠)で免疫力維持を図ること、必要に応じてマスクを着用すること、といったことが対策として考えられます。またインフルエンザなど、感染したと思ったら無理をしないで休むことが大切です。本人のためにもなりますし、周囲への配慮にもなります。

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新型肺炎か?

昨年末から湖北省武漢市で原因が不明の呼吸器疾患が流行しています。患者数はインフルエンザのように爆発的に増えているわけではないものの、毎日、確実のその数を増やしています。患者数の推移を見ているとSARS流行の初期を思い出しますが、ヒトからヒトへの感染が確認されていないことはSARSとは決定的に異なることです。 本日になり、中国の専門家筋の情報として、新種のコロナウイルスではないかとの見方が出ています。コロナウイルスは決して珍しいウイルスではなく、全体の1割程度の風邪の原因となっているものです。しかし、近年その変種が発見されており、ヒトに対する影響が広がりを見せて、常に警戒が続けられているウイルスです。  これまでに確認されているコロナウイルスは6種類。そのうちSARS(2002~2003年)、中東呼吸器症候群MERS(2012年以降散発的に流行)は毒性が強く、それぞれ700人以上の死者を出しています。今回のウイルスは最終的な確認作業が必要ですが、新型コロナウイルスである可能性が非常に大きいものと思われます。武漢から帰国した香港、韓国、台湾の人に感染者が認められているものの、現段階でヒトからヒトへの感染は認められていません。コロナウイルスの感染様式は患者の咳によって生じた飛沫によるものですが、今回認められたウイルスがたとえ新型のコロナウイルスであったとしても、今のところ慌てる必要はなさそうです。  今の時季はインフルエンザの流行がピークに向けて急拡大している上に、普通感冒(風邪)の感染者も非常に多くなってます。症状の鑑別が難しいので、そこに新しい呼吸器系疾患が加わることは、そのタイミングとしては最悪といえます。今回の武漢発症の新しい感染症に関しては深刻な状況にはならない可能性が大きいものの、感染症一般への警戒を怠ることはできません。  手洗いの励行、多くの人がいる室内に長く留まらないこと、適切な栄養摂取と休養(睡眠)で免疫力維持を図ること、必要に応じてマスクを着用すること、といったことが対策として考えられます。またインフルエンザなど、感染したと思ったら無理をしないで休むことが大切です。本人のためにもなりますし、周囲への配慮にもなります。

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今季インフルエンザ 爆発的流行

今季は9月に沖縄で始まったインフルエンザ流行が、その後も急速に全国に拡大しています。先日公表された11月終わりから12月初めにかけての週の患者数は、昨年に比べて約6倍にも達しているとのことです。地域間の格差も大きいものの、札幌市では37倍にもなるとのことで、まさに異常事態ともいえる状況となっています。学級閉鎖なども全国で933件と、こちらも昨年同時期の9倍に達しているなど、流行による社会的な影響も大きくなっているものと思われます。  日本で、例年になく流行が早く、そしてここまで流行拡大している大きな理由として、ラグビーワールドカップをあげる専門家は少なくはありません。流行が終息していない南半球からも多くの観光客が来日したからだといいます。インフルエンザは12月から翌2月くらいまでがピークだと認識している人が多いと思いますが、世界に目をむければいつもどこかで流行しているものです。したがって人の往来が多くなれば、他の地域に流行拡大するリスクはいつもあるのです。もちろんウイルスが運ばれていった先に、流行を起こし得る気候条件が整ってればですけど。 さて、これから本格的にホリデーシーズンを迎えます。日本へも多くの人が渡航することでしょう。一時帰国して日本でお正月を過ごすという日本人も多いと思います。日本での流行のピークが今季は年末年始にあたるのではないかとの予想があります。もちろんお正月ではなくてもクリスマス休暇を利用して日本を訪れる観光客が急増する時期にあたります。その人たちが日本でインフルエンザに感染して、ウイルスを持ち帰ってくる危険性が非常に大きいのです。香港では、日本に少し遅れて流行が本格化することが多いので、1月は非常に危険な月になるものと思われます。  流行のピークは例年2月いっぱいまでは続きます。終息は3月下旬になります。この時期、十分な感染予防をしておきたいものです。接触感染のなかだちとなるのが手指です。外出から帰ったら必ず石鹸で手洗いしてください。うがいをする人も多いのではないでしょうか? うがいの効果に関しては国際的なエビデンスはなく、ほぼ日本人のみが行う習慣のようです。うがいよりも、水やお茶を頻繁に飲むことの方が感染予防には有効だといえそうです。ある日本人医師は診療の傍ら、緑茶を飲んで感染予防に努めているそうです。しっかりと睡眠をとって身体を休めたり、十分な栄養を摂ったりすることも免疫力を落とさないことにつながるようです。 インフルエンザを含めて、風邪と呼ばれる上気道感染症に感染するリスクが非常に高い季節です。個人でできる感染予防にしっかりと取り組むことをお勧めします。

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インフルエンザ予防接種

今年もインフルエンザ予防接種が開始されています。昨年と同様ワクチンは4種類のウイルス株に対応するもの(4価)になっています。H1N1(A型 2018年ブリスベーン)H3N2(A型 2017年カンサス)B型に関しては2017年コロラド、2013年プーケットの2種類です。(B型に関しては昨年と同じ) ちなみにプーケット株は、元は山形で分離されたものです。 WHO(世界保健機関)が直近の南半球の流行株を分析して、その年の北半球での流行株を予想します。この情報は北半球の政府機関に対して毎年6月ころに通知されます。これに基づいて各国では、自国での流行株情報を加味したうえでワクチンに加えるウイルス株を決定して製薬会社に対してその製造が委託されます。(南半球ではこの反対です) なぜウイルス名に地名がついているのか?疑問に思う人も少なくないと思いますが、これらはそのウイルス株が初めて分離された(発見された)場所と年を表します。実際にはその場所で何番目に分離されたかといった数字やほかのどのウイルスの系列になるのかも記載されて正式なウイルスの種類として登録されています。 インフルエンザワクチンはその効果を保証できるものではありません。しかし、やっと流行が治まってきた南半球の状況を反映しているものであり、さらに短期のうちに流行株が大きく変わってしまうことは考えにくいことなので、ある程度の効果を期待できることは確かです。もちろんウイルスは常にその構造が変化しており、当然のことながらせっかくの効果が希薄になってしまうことも十分に考えられることです。 では、接種をしたほうが良いのか、その必要性は低いのか? 疫学的な観点で考えると、接種したほうが良いと思われます。また社会全体の接種率が高いほど、全体の感染率が確実に下がるとされています。肝炎のワクチンのように、抗体ができれば100%の効果が期待出来るのであれば良いのですが、残念ながらいまだに万能ワクチンは開発できていません。(開発は試みられています) ちなみに接種費用は250~400香港ドル程度で、医療機関によって大きな差があります。診察を必要とする場合は、この倍額程度ではないでしょうか。費用については希望医療機関で確認してください。 インフルエンザワクチンは接種して3週間くらいで血中の抗体価がピークに達し、その後およそ5~6ヶ月ほど効果が持続するといわれます。さらに流行期間中はインフルエンザに感染してしまうことも少なくはなく(感染と発症は別です)、ブースター効果(増強効果)を期待することもできます。今の時期に接種すればシーズンいっぱい効果が持続するものと思われるので、できれば本格的な流行が始まるまでに受けておきたいものです。急に流行が始まったことがニュースになると、一気にワクチンが不足する事態にもなります。日本の流行状態をみると、香港や華南での今年の流行開始時期は早まりそうです。

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結核に対する注意

過去の病気であるというイメージが強い結核感染です。しかし、現在でも集団感染事例が散発するなど、十分な注意が必要であることを改めて認識しておきたいものです。最近の日本の事例ですが、大阪の社会福祉施設で30人もの集団感染が起きたり、北九州市でも会社勤務の8人が集団感染が起きるなど、全体の感染者数は、かつてに比べて減ってきてはいるものの決して安心できる状態にはありません。 日本の新規感染者数は10万人当たり13人強となっており、先進国の中ではまだまだ非常に多いものとなっています。20数年前には30人にも達し結核非常事態宣言がなされたときに比べると激減しているようには見えますが、今後東京オリンピックを迎えるにあたり、海外からの旅行者が増えることで結核感染が再び増える懸念があります。さらに海外からの労働力移入も制度化された現在では、しっかりとした対策を実施していかなければいけません。 さて、香港はというと、昨年の統計で新規感染者数4326人、医療統計上用いられる10万人当たりにすると50人を大きく上回っているのが現状です。もちろん中国あるいは東南アジアなど香港との交流が盛んな国々の感染者はさらに多いことから、海外に暮らす日本人も結核感染に対しての特段の注意が必要となります。私の耳に直接入ってくる情報だけでも、毎年ひとりは香港で日本人感染者が現れているので、実際にはさらに多くの感染者が出ているに違いありません。単純に1万人当たりの感染者数が5人であると考えれば、香港の日本人数人の感染者がいるものと考えられます。ほとんどの患者は半年間に及ぶ投薬治療を受けつつ、通常の生活を送っているので、昔、恐れられていた不治の病というイメージはまったくありませんが、知らないあだに周囲に感染を広げてしまう危険性に関しては今も昔も変わりありません。毎年一度は、必ず胸部レントゲン検査を受けるべきです。結核感染の多いところでは、胸部レントゲン検査は結核の検査だといっても過言ではありません。毎年受診する健康診断での胸部レントゲン検査は、思っている以上に重要な検査であるといえます。