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毒魚・シガテラ中毒

衛生署が23日に発表によると、今月19日と20日にそれぞれ別件のシガテラ中毒患者が発生したという。 3月19日夜、30歳と32歳の男女が自宅で魚を食べて、およそ11~13時間後に発症。また20日は40歳の女性が、やはり自宅で食べた魚が原因で、7時間後に発症している。いずれも毒素・シガトキシン特有の吐き気や口の周りのしびれ、あるいは運動障害などの症状を伴い、医師の診察を受けているが入院はせずに回復に向かっている。 シガテラ中毒は熱帯の海、特に珊瑚礁の海に棲む魚が、珊瑚に共生する鞭毛類を食べることによって毒化するといわれており、食中毒の患者数としては世界的にも極めて多い。日本では沖縄で古くから知られているが、香港のように熱帯圏からの魚の輸入が多い国や地域でも時々認められる食中毒だ。熱帯圏では年間数万例の中毒発生があり、死亡例も認められることから注意が必要だ。もちろん死亡することはまれであるが、回復が遅く、ドライアイスセンセーション(冷たいものに触るとドライアイスに触ったときのように感じたり電気ショックを受けたような感覚になる)などの症状が続くが、症状が消失して完治するまでには1年から1年半ほどかかるという。 中華料理の宴席には魚(ガルーパ)は欠かせないが、これは中毒の原因になりやすい魚種だ。 衛生署では、シガテラ中毒の予防として次のようなことをあげて注意を促している。 1、さんご礁に棲息する魚を食べる機会を少なくすること2、宴席などで供される大きな魚は、少量のみ食べること3、魚の頭、皮、内臓、卵は一般に毒素量が多いので食べないこと4、ピーナツや豆類は症状を悪化させることがあるので、  魚とは一緒に食べないこと。アルコール類も同じ。5、症状が出たときはすぐに医師の診察を受けること 大きな魚は、体内の水銀量なども多いので、そのような意味も含めて一般に大きな魚は避けた方が無難だろう。

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風邪薬とマスク

日本の街角では最近よく「マスク姿」を見かけるようになった。はじめは花粉症の季節だからかなと思っていたところ、多くの人が風邪予防、インフルエンザ予防のために使っているという。これには驚いてしまったが、このような目的でマスクを着用するのは日本人だけで、まず欧米ではありえない光景のようだ。最近流行の立体タイプは呼吸がしやすいことなどから大変な人気のようだが、外国人が見ると、散歩中の犬が他の人や犬をかまないようにするために付けられている猿轡?のようだと笑われていることも少なくないそうだ。 ところでこのマスクにどれほどの感染症予防効果があるのか。最近のマスクは素晴らしく改良がすすみ、抗菌効果は確かに大きいようだ。しかし、すべての病原菌を自分から遠ざけようとする行為は、個人的には良いとはとても思えない。生まれてきた赤ちゃんは母親からもらった免疫がなくなると自分自身で感染しながら免疫力を獲得していく。大人でもインフルエンザのある型に感染すると、抗体ができるので少なくともその翌年には同じタイプのものには感染しにくい状態でいられるはずなのだ。ほかの多くの病気でも同じことがいえる。少なくともヒトを含む多くの動物は自ら備わった素晴らしい免疫力を持っているわけで、その能力をわざわざ自ら失うあるいは脆弱にするようなことをすることがはたして好ましいことなのか、新型インフルエンザに向けて、今の段階で良く考えていかなければいけないのではなかろうか。このままでは極端な話日本人は無菌シェルターにでも入って生活しなければいけなくなってしまいかねない。 ところで風邪薬であるが、これは服用は避けた方が良さそうだ。総合感冒薬は風邪に伴う諸症状を緩和すると謳っているが、そのそのそれぞれの症状は意味があっておきていることであり、それらを止めることが良いのか極めて疑問が大きいからだ。詳しいことはここでは触れないがもちろん解熱剤の使用に関しても、風邪でおきる38度くらいの発熱には使わないほうが良いのだ。個人差は確かに大きいが、耐えられないような状態であれば使っても差し支えはないが、風邪であれば3日ほど寝ていればとりあえず治癒するはず。無理して仕事する必要もない。 病気から逃れることは確かに大切であるが、人間の最大の武器である「免疫力」はいつまでも高い位置においておく必要がある。

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香港にインフルエンザピークシーズン到来

香港の11の学校等の施設でインフルエンザ患者が多数発生していることを受け、衛生署は今後2ヶ月はインフルエンザに対する警戒が必要だとしている。 公表された感染者数は51人(1名入院)ではあるものの、学校閉鎖したり、他の学校でも消毒作業するなどしてそれぞれ対策に乗り出している。集団生活の場である学校では流行が起きやすい。インフルエンザの場合、その流行が一般へ拡大することは時間の問題で、一般市民は十分な警戒が必要になる。 衛生署では、最も警戒が必要なのは今後2~3週間であるとしている。特にこの間は各自感染予防に神経質になっても良いのではないだろうか。 外出から戻ったらすぐに手洗いすることや、うがい(洗口)は必須となる。また大きな予防効果は期待できないが、マスクの着用も無意味ではない。最近は機能が高いマスクが一般に販売されているのでできれば単純なサージカルマスクではなく、このような高機能をうたったマスクを利用した方が良いのかもしれない。 無用な外出を避け、やむを得ない場合でもできる限り人ごみを避けることが大切。香港では不可能かもしれないが、少なくとも人が多い閉鎖空間に長時間留まることだけは避けたい。外食も減らした方が良いし、接待もできれば1次会で切り上げたいところだ。 適切な栄養摂取と休養も免疫力を維持するためには欠かせない。睡眠時間を十分に確保するためにも夕食を少しでも早く済ませたほうが良いだろう。 インフルエンザに感染してしまったら、とにかく身体を休めること。タミフルは確かに良く効くが、ウイルスを殺す薬ではないので、身体が楽になったからといって出社等してしまうと、周囲に感染を広めることになる。タミフルの服用期間(5日)は最低自宅に留まって欲しい。 ランタオ島で、多数の野鳥が鳥インフルエンザ(H5)で死んでいることが確認されている。今のところあくまでも「鳥」のインフルエンザであり、一般にはほとんど問題にはならないが、中国南部で人への感染症例が散見されていることから、ウイルスの構造が変化してきていることは間違いない。今後は鳥インフルエンザ情報にも特に注意しておきたい。 新型インフルエンザが心配され、タミフルの備蓄等も進められているが、基本的な感染予防は現行のインフルエンザと変わらず、今の感染予防措置は当然新型インフルエンザにも効果があるものと思われる。新型インフルエンザ対策と称して、大掛かりな訓練がおこなわれているが、私個人としては、基本に立ちかえった地道な対策が最も大切で現実的だと思っている。

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サルモネラ菌

衛生状態が良い日本では、食中毒にはあまり縁がないと思われがちだが、最近日本でおこなわれた調査で、対象となった国産の鶏肉の約20%からサルモネラ菌が検出され、しかもその多くで抗生物質が効かない耐性菌であることが判明した。汚染率は英国やイタリア、スペインで同様に実施された調査で認められた汚染率4~9%を大きく上回り、日本で具体的なサルモネラ菌中毒対策を急がなければいけない結果となった。 今回の調査は比較的汚染されやすいひき肉を対象としているが、サルモネラ中毒といえば、卵が最も危険性が高いといわれている。日本人は生卵を食べる習慣がある世界的にも稀な民族。欧米では例外を除けば卵は加熱して食べるのがごく当たり前の食品であり、生卵をご飯にかけて食べるようなことはあり得ない。 今回鶏のひき肉を使った調査ではあるが、これだけ汚染が進んでいることは、卵も当然のことながら汚染されている可能性が高い。日本産の鶏卵は表面を塩素消毒しているので、殻にサルモネラ菌が付着している心配は少ないが、5000個に1個の割合で内部が汚染されている卵があり(インエッグ)、保存状態によっては、内部で増殖して食中毒を引き起こす原因となる。 ひき肉での調査でサルモネラ菌汚染が予想以上に進んでいることを考えると、インエッグのケースも大方の見方よりも多いのではないだろうか。 サルモネラ菌は70度で1分以上加熱すると完全に死滅し毒素を残すこともないので、食中毒予防のためには確実に火を通すことが最も大切だ。ひき肉が危険なのは、肉の処理過程でサルモネラ菌が内部に練りこまれてしまい、加熱不十分になりやすいためだ。肉の表面だけなら加熱されやすい。血のしたたるような焼き具合の牛肉が安全なのは、たとえ牛肉がO157のような病原菌に汚染されていても肉の内部にまで入ることがないからだ。 なおサルモネラ菌食中毒は、2007年統計で食中毒原因の第3位となっている。

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薬剤耐性インフルエンザウイルス

国立感染症研究所が公表しているインフルエンザ流行の最新情報(1月21日現在)によると、患者数をモニタリングしている定点観測医療施設で、1週間の平均患者数が20を超え、これは前週に比べてほぼ倍増していることになり、急速に流行が拡大していることを示唆する数字となっている。現在全都道府県で注意報、または警報が出されており、極めて警戒レベルが高いといえる。当分の間は一層の感染予防が求められる。 国立感染症研究所が全国776人の患者から検出されたウイルスを分析したところ、Aソ連型(53.2%)、A香港型(36.2%)、B型(10.6%)となり、流行の主流がソ連型ウイルスであることが明らかになった。さらに驚くことに、このソ連型ウイルスは99.1%にタミフル耐性が認められたという。 今季、ソ連型が多いことと、タミフル耐性が多いことと関連があるのかどうか今のところ不明ではあるが、タミフルにあまりに頼り過ぎている現状に関して、十分な注意が必要であることは間違いない、具体的な対策が求められる。  タミフル耐性ウイルスの出現が問題になってきたのは昨年のこと。もちろんそれまでも研究者の間では危惧されていたが、一般的に知られるようになってきたのは最近のこと。タミフルの使用量が突出している日本や香港では大きな問題であり、今後インフルエンザ治療薬の選択の幅が狭まることも考えられる。 現在、新型インフルエンザに備えてタミフルの「備蓄」を急ぐ企業も少なくないが、タミフルさえあれば安心というわけにはいかないことは明らかだ。新型インフルエンザが最初からタミフル耐性であるかどうかわからないが、タミフル耐性インフルエンザウイルスがこれほどまでに急速に増えてきたことは、新型があらわれる時期が遅くなればなるほど新しいウイルスが耐性をもって出現する可能性が高くなる。2年後、3年後にタミフルが全く効かないという事態もまったくない話とは言えない。 病原菌(ウイルス)に対して最も強力に働くのは、人間の免疫力だ。手洗いやうがい、あるいはマスクなどの感染予防の手段に加えて免疫力を落とさない努力が重要だ。その意味で予防接種は重要だ。 免疫力には食事が大きくかかわる。単純に色がある食品は免疫力強化に役立つと思っても構わない。そのほかキノコ類も外せない食品だ。やたらとサプリメントを摂取することも、費用対効果の面では疑問が大きい。軽い運動や肥満の予防なども、間接的に免疫力強化につながる。 感染症が怖ければ、喫煙をやめることは最初に行うべきことかもしれない。ここでその理由は解説しないが、禁煙は健康維持増進に最も効果があることは多くの専門家が指摘することだ。

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インフルエンザ流行情報

現在、日本のインフルエンザ流行は急速に拡大しており、先日北海道に出た流行警報は関西地方にまで飛び火している。注意報まで含めると全国の7割程度の都道府県に発令されており、今季のインフルエンザ流行は全国規模に達しているものと思われる。 香港のインフルエンザ患者数は日本の流行を追うように増加し、毎年旧正月くらいから一気に流行が拡大する傾向がある。日本では大阪にも警報が出ている。香港との交流が盛んな都市で流行が警戒レベルに達しているということは、間もなく香港の患者数も急激に増えることが予想できる。 ウイルスを運ぶのは発症患者だけではない。本人でさえ感染に気がつかないような場合でもウイルスは運ばれ、そして周囲に感染を広げる。 日本では新型インフルエンザへの神経質なまでの警戒がなされているが、現在流行しているインフルエンザでも日本国内だけで毎年数百から1千人が死亡しており、非常に危険性が高い感染症に位置づけられている。 今現在流行しているインフルエンザへの対応の延長が新型インフルエンザへの対策につながる。現在、タミフルの備蓄やマスク、手指消毒液等を備蓄する動きがあるが、それとは別に基本に立ち返った対策を忘れてはいけない。帰宅時、あるいは出社時など外から部屋に入ったときは手洗いを最優先すること。石鹸をつけるだけではない、正しい手洗いが必要だ。特にものを触る指先は特に丁寧に洗いたい。指の又や爪をきちんと洗うよう指導を受けた人も少なくないだろうが、これは寄生虫感染対策にはなるが個人的にはインフルエンザ対策にはならないと思う。 人ごみを避けることは言うまでもない。また免疫力を落とさないためにも、暴飲暴食をつつしみ適正体重を維持する努力も必要で、当然のことながら適度な運動習慣を身に付けることが必要となる。 罹ってしまったと思ったら、無理をしないこと。周囲に感染を広げるばかりか、自身の回復も遅れる。タミフルを早期に服用すれば症状の回復は早いもののウイルスの排泄はしばらく続くので、体調が回復したからといって、すぐに出社等するのは迷惑な話になる。 タミフルの効果が認められない耐性ウイルスも確実に増えている。今のところ流行の主体となっているA香港型ウイルスには耐性が認められず、Aソ連型に耐性が出てきただけであるが、おそらく耐性ウイルスはさらに拡大するはずだ。 新型インフルエンザがいつあらわれるか誰にも予想はできないが、そのときにすでにタミフルに対する耐性を持ってしまっている可能性もある。それだけにタミフルだけに頼ることは危険ではないだろうか。

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レジオネラ感染

今年に入って早くも2例のレジオネラ感染があったことが報告されている。38歳と51歳の男性で、どちらも発熱、頭痛、せき、息切れなど風邪やインフルエンザに似た症状があらわれ、香港島にある私立総合総合病院に入院し、レジオネラ菌に感染していることが確認された。ちなみに香港でのレジオネラ感染は、昨年13例が報告されている。 レジオネラは1976年米国ペンシルベニア州で行われた米国在郷軍人会の出席者のうち221名が原因不明の肺炎症状を起こし、そのうち34名が死亡したことがきっかけとなり発見された感染症で、在郷軍人病とも呼ばれる。 レジオネラ菌は沼や河川、土壌に広く存在しているが感染は自然界からではなく、入浴施設や24時間風呂、あるいは加湿器などが原因となることが多い。上記のペンシルバニアでの集団感染は、会場近くの冷却塔から飛散したエアロゾルが原因になっていたことが確認されている。 日本では1995年に循環式の24時間ぶろでの感染が大きな問題となったが、現在は超音波式加湿機がもっとも危険性が高いものとして厚労省があげている。 スパ、サウナなど大量の水を使う施設は感染の危険性が高いので注意が必要。特に水を落として飛沫を飛ばすようにしているところなどでは、発生したエアロゾルにレジオネラ菌が含まれていることもあり非常に危険だ。園芸を楽しむ人も多いが、園芸用の堆肥や土からの感染も報告されており、同じレジオネラでも種類が違うものの、こちらも注意が必要となる。 レジオネラは乳幼児や高齢者などが免疫力が低い人に感染しやすい。今年に入って香港で認められた患者は、これらには該当しないが、免疫力が低くなると年齢に関係なく感染しやすいことは他の感染症と同じだ。 循環式の浴槽を使用しているサウナなども感染の危険性が高いので、できれば消毒などを定期的に行っている衛生管理ができている施設を利用したい。また家庭で使用している超音波式加湿器は、ときどき内部を洗浄し、レジオネラ菌が繁殖しないようにしなければいけない。 レジオネラは日常的に起きている感染症ではないものの感染の危険性は常にあり、注意が必要な疾患のひとつにあげられる。

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ノロウイルス感染 流行中

冬に流行する代表的な食中毒、「ノロウイルス中毒」が今季も流行している。日本では大きな集団中毒事例がいくつか起きている。香港でも日常的に起きていると思われるが大規模中毒でなければ報道されることはない。食中毒が最も発生している一般家庭内での事例が数字で公表されることがあれば、相当な患者数になるに違いない。香港衛生署では、11月から12月にかけて、ノロウイルス感染者数が増えているとして、感染注意の警告を出している。 ノロウイルスは1968年に米国のノーウォークという町で大規模な中毒事件が起きたことがきっかけとなって発見されたウイルスで、その後札幌ウイルスなど近縁のウイルスが多数見つかっている。 ノロウイルス感染は嘔吐や激しい下痢を特徴とする。下痢がひどくて一晩中トイレから離れることができなかったという患者もあるほどだ。急激な激しい症状を特徴とするものの予後は良く、通常は1週間もしないうちに(2~3日症状は治まる。)完治する。 感染経路として第一にあげられていたカキなどの二枚貝の生食による感染は、日本では激減している。これは冬に消費が増える生食用カキの無菌化処理が一般的となってきたことや養殖業者による自主的な検査が行われるようになってきたことが理由だろう。その一方で患者からの排泄物(下痢便や嘔吐物)による感染が増えており、集団生活の場における大規模な感染事例や家族内での感染の主要な原因となっている。これは、患者排泄物に大量に含まれるノロウイルスが、嘔吐や激しい下痢に際してミストとなり乾燥して室内を漂うことからおきることであり、一時に多くの患者を出す主因となる。 患者家族などが嘔吐物などを処理する時は、感染の危険性が最も高い。必ず手袋やマスクを着用し、汚染されたものはビニル袋に密封して廃棄すること。手をよく洗うことが求められることは言うまでもない。患者発生に際しては、塩素系漂白剤で便座やドアノブなどを消毒することも有効だとも言われるが、一方でその効果に疑問もあるため、消毒の効果を過信することなく拭き取りや洗浄などこまめに行うことが大切だろう。 下痢がひどい時は水分の摂取を怠ってはいけない。スポーツドリンクでもなんでも良いが、食欲がなくてもとにかく水分の補給だけは怠れない。特に小さな子供の看病に際してはこの点が最も大切なポイントとなる。また嘔吐すると電解質も失われるので、その補給も必要となる。この場合もスポーツドリンクや塩分があるものを飲むように心がけたい。 年が明けてもノロウイルス感染がおきやすい季節が続く。生ものに注意することはもちろん、日頃の衛生管理に注意するとともに免疫力を落とさないようにすることが求められる。適切な栄養摂取、継続した運動、そして睡眠不足にならないなど身体を休めることも大切だ。これらに加えてストレスをうまくコントロールできれば言うことはない。ノロウイルス感染予防は、インフルエンザを含むすべての感染症の予防に共通する。

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飲食店から有害菌

食物安全センターは、香港の複数の飲食店の寿司などから基準を超える有害菌が検出されたと発表した。15日には日式料理店4店舗が公表されたが、その後も17日には伝統的料理「盆菜」から黄色ブドウ球菌が検出された飲食店が公表されている。衛生管理の手落ちだと思われるが、指導を受けた飲食店は「衛生状態に問題はない」と反論するなど、その意識レベルにこそ問題がありそうだ。 寿司などの生ものは当然であるが、煮炊きした幾種類もの海鮮や肉類などを大きな器に盛り付ける盆菜も食中毒を起こしやすい料理といえる。 問題は食品を扱う人の衛生感覚。食中毒を起こす細菌類は当然のことながら目には見えないものであり、これを食品に付けないようにしなければいけない。いくらキッチンが見た目に綺麗であったとしても関係ない。見た目の綺麗さと清潔とはまったく別のことだ。衛生感覚は、当然のことながら正しい知識があって生まれてくるものでなければいけない。 寿司は日本の伝統的な食品。今のように冷蔵施設がなかった時代から食べられていたが、昔から経験的に衛生管理がかなり厳しく行なわれていたのではないかと想像する。 食中毒を起こさないための3原則は、食中毒菌を「付けない」「増やさない」「殺す」だ。今回公表された事例では、寿司から検出された食中毒原因菌が1グラム当たり160~200万個というから凄まじい。本当に正しい情報なのか疑わしいがその安全基準が「100万個を超えてはならない」とされているそうだ。100万個という基準にしても、食中毒菌がここまで増えてしまうことは、衛生管理に決定的な問題が潜んでいることを意味する。注意勧告を受けた飲食店はその「甘い基準」をもこえたわけだが、「食中毒を起こさない3原則」に関する「意識レベル」があまりにも低いと想像できる。 香港の人々は元々生ものは食べなかった。それがここ10年程の間に寿司ブームが起きるほどにまで、食に対する意識が激変している。見よう見まねで寿司など「いわゆる食中毒危険食品」を平気で出す飲食店が増えているので、いつ大規模な食中毒事件が起きてもおかしくはない状況にある。 寿司や刺身は単に食材が新鮮であるだけではダメ。客に生ものを提供するのであれば、厳格すぎるほどの衛生感覚を持ち合わさなければならないはずである。問題になった店はどの程度の認識を持っていたのだろう。そもそも食中毒に関する知識はあるのだろうか。 寿司や刺身が食べたければ、経験を積んだ日本人の調理人がいる店を選ぶのが原則となる。もちろん中国人だから悪いと言うわけではないが、食品衛生に関してある程度の判断材料を持ち合わせた上で飲食店を利用する必要もあるだろう。 最後に・・・日本の場合であるが、食中毒が最もおきているのは一般家庭。食の安全が叫ばれているが、食品を賞味期限だけで判断してもまったく意味がないことに関して、いったいどれだけの人が理解できているのか。食品の安全、衛生管理に対して食品製造現場では極めて厳しい基準を設けている。問題はその食品が家庭へ持ち帰られてからの扱いでもある。

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インフルエンザ流行情報

今年の日本のインフルエンザの流行は早くなりそうだ。国立感染症研究所感染症情報センターによると11月23日までの1週間の患者数が1施設あたり0.56人となり、前の週に比べて約50%の増加となっている。なお患者発生報告数は2632人となっている。 地域別では山梨県と兵庫県で注意報レベルを超えた保健所地域を認めるほか、島根県、和歌山県、大阪府、栃木県などで流行が目立っている。現在のところ認められているウイルス型はAソ連型20%、A香港型42%、B型」38%となっており、5~9歳の感染者が3割を占めている。これまでの報告で、今年のワクチン株との類似性が指摘されているウイルスが認められていることから、ワクチンの効果が期待できるが、ウイルスは単独ではないのでやはり自身の免疫力に頼る部分も大きいのではないかと思う。感染の予防は、手洗いの励行、うがい、適切な栄養摂取、休養(睡眠)、適度な運動といったことが上げられる。 日本での流行を追いかけるように香港でも患者が急増してくる。香港では年が明けて少したったころに本格的な流行が始まることが多いように感じるが、今年は少し早いのかもしれない。 急激な発熱や関節の痛みなどインフルエンザ特有の症状があらわれたら早めに医療機関を受診し、しばらくは仕事などは休んでとにかく寝ることが大切だ。発熱に対しては外からとにかく冷やすことで、解熱剤は患者の症状を見ながらの使用にしたい。熱以外に息苦しさなど特別な不快感などなければ、つまり普通に寝ていられる程度であれば冷やすだけで十分と考えても良いだろう。通常解熱剤はウイルスに利するだけで、病期を長引かせることになりかねない。 このところタミフルの備蓄が話題になっているが、タミフル耐性のインフルエンザウイルスが世界的に急増している。最近の報告では39%が耐性を持っていたとされ、前年に比べて急増していることから、今後のインフルエンザ対策に懸念がもたれている。(WHO)タミフル耐性ウイルスはアフリカで極めて高率に認められているほか南半球諸国で高率であるものの、タミフルを多用している日本では低い割合にしかなく、今後の日本の動向に世界の注目が集まっている。日本や香港などタミフルへの依存が高い地域で今後耐性ウイルスが急増する可能性があり、インフルエンザ対策の柱ににタミフルをすえる考え方は少し改めた方が良いかも知れない。 1918~1919年にかけて大流行した新型インフルエンザ(スペインかぜ)で世界中で数千万人が犠牲になったが全員が発症したわけではない。もちろんタミフルのような特効薬があったわけでもないので、免疫力の差が運命を分けたともいえるのではないだろうか。インフルエンザ対策には、日頃から免疫力維持増強を意識した生活習慣が必要ではないかと強く思う。