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発熱への対処法

熱が出たらすぐ解熱剤を飲む。こんな人は今も少なくないだろう。確かに解熱剤を飲めば熱が下がって楽になる。しかし最近は解熱剤は飲まないほうが良いという考え方が少しずつではあるが広がってきている。 一般に発熱は原因となるウイルスや細菌が直接作用しておきているのではなく、患者の免疫力を高めるために自ら出しているものだ。人の免疫力がピークを迎えるのは39度くらいに達したときであるのに対して、病原微生物は37度程度を最も好んで活動的になる。体温の上昇とともに免疫力が高くなる一方で、病原菌はその活動を抑えられるわけだ。いたずらに解熱剤を飲んで一時的に熱を下げても病原菌に利するだけで病期を伸ばしてしまう。 解熱剤で一時的に気分が楽になるが病気が回復したわけではないので、薬効が切れるとともに再び発熱することになるが、このときに体力をかなり消耗することになる。これがさらに回復を妨げることになるわけだ。病院で解熱剤を渡されるとき、「○○度をこえたら服用してください」などといわれると思うが、必要があっ発熱しようとしているせっかくの免疫反応を妨害することになりかねない。 熱が出たらとにかく身体を冷やすこと。体温が上昇しているときは寒気などが生じる。ガタガタ震えることもあるが、これは全身の筋肉を緊張させることまでして体温を効率的に早く上昇させようとしているからだ。鳥肌が立つ場合も、立毛筋というたいへん小さな筋肉をも緊張させて発熱を促しているから。体温上昇時は寒気を感じることが多いので、暖めることが大切。やがて、熱がピークに達すると今度は反対に暑くなってくるので、このときから身体を冷やして熱を外から奪ってやる。首筋など大きな血管が皮膚近くを走行している場所を重点的に冷やすと効率的だ。濡れたタオルで全身を拭くこともとても効果的に体温を下げられる。暖めるも冷やすも、患者が気持ちが良いと感じる方を選んだやればよい。自己表現できない小さな子供の場合は、親が肌を触ったときの感覚で構わない。冷たいときは暖め、暑いと思ったら服を脱がせて全身を拭くなどしてあげればよい。 発熱に際して水分の補給を忘れてはいけない。特に小さな子供の場合、急速に脱水が進むこともあるので、こまめに水分補給することが重要だ。水分の補給はスポーツ飲料で構わないが、小さな子供には倍量に希釈すること、また特に高血圧の方は塩分の摂取過剰になる可能性があるので、スポーツ飲料ばかり飲むことはお勧めできない。

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インフルエンザの流行始まる?

日本ではインフルエンザ流行の危険性が急速に高まっている。すでに大阪など各地で散発的な小規模な流行が始まっているが、例年になく早いペースでの流行でいくつかの学校や幼児施設では閉鎖するところも出てきている。専門家の間では、今のところ部分的な流行にとどまっているものの一気に全国規模の流行に拡大する危険性を懸念しており、予防接種など必要な対策を早く済ませるとともに、個人の衛生管理にも気をつけるよう注意を促している。 今のところ流行のウイルスタイプは今年の予防接種の成分にあるものの亜型なのである程度対応できると思われている。もちろん感染予防は予防接種に限らない。手洗いの励行、睡眠を含め適切な休養、十分な栄養、そして運動も感染予防に有効なものと思われれる。これは感染予防の基本であり、そのまま新型インフルエンザ対策にもなる。(免疫力を維持する努力) 例年、香港での流行は旧正月ころから本格化するが日本での流行が早まれば、その分香港での流行が早くなるとも考えられる。日本には昨日あたりから強い寒気が流れ込んでこの冬一番の冷え込みを記録しており、これをきっかけにしてインフルエンザ流行が一気に本格化する可能性も考えられる。 インフルエンザは風邪とはまったく違う全身疾患であり決して甘く見てはいけない。急激な発熱や関節の痛みなどインフルエンザ特有の症状がでたら、最寄りの医療機関をぜひ受診するとともに、仕事などは思い切って休むことだ。とにかく身体を休めることを第一に考えるべき。無理に仕事をしていると、周囲に感染を広げるだけでなく自分自身の治癒も遅らせてしまう。 タミフルは確かによく効く薬であるが、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に出てくるのを防ぐ働きをするだけでウイルスを殺すことはできない。結局は自分の免疫力でインフルエンザウイルスを殺すしかない。タミフル服用後体調がよくなったとしても、少なくともタミフルの服用期間である5日間は自宅でゆっくりするべきだ。

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広東省と性感染症

タイトルを見てドキリとした人もいることだろう。「広東性学会」での報告によると、香港人男性のシンセン市での買春による性交渉で、コンドームを使わない男性が15%余りにも上るという。過去20年ほどの間に、HIV(エイズ)に対しての認識がかなり高まってきたことは間違いないが、まだまだ認識不足の男性が多いことを示す調査結果が得られたわけだ。専門家の間ではHIV感染をはじめ性感染症の蔓延を懸念する声が上がっている。 香港人男性のことだから・・・という声も聞こえてきそうだが、おそらく日本人男性に関して調査しても、それほど違った結果は得られないように思う。昔から風俗遊び(買春など)でコンドームを使わない男性が多いという話は日本でも聞いたことがある。憶測で話すのは良くないが、もし同じ調査を日本人にしたら香港人男性よりも悪い結果にならないとも限らない。 性感染症に関しては、感染者の低年齢化や女性患者の増加が著しい日本でも大きな問題となっている。ある調査によると渋谷の繁華街で無作為に調査協力してもらった女子高校生のおよそ3割から性感染症のひとつクラミジア感染が認められたそうだ。また別の女性に対する性感染症感染率調査では、大学生、主婦、そして風俗産業に従事する女性の3グループに分けた場合、なんと大学生の感染率が最も高かったという。かつては性感染症は中年以降の男の問題として扱われることが多かったが、今では年齢や性別に関係なく問題がとらえられている。もちろん女性に性感染症が増えていることは、それだけ事態が深刻であることを意味することは間違いない。 今回、広東省シンセン市での香港人男性に対する調査結果が公表されたわけであるが、中国が「恥部」ともいえる、できれば蓋をしておきたい内容に関してまでも公にするということはそれだけ事態が深刻であると認めているからではないだろうか。何年か前には広東省での公の機関によるHIV感染者数やその感染源についての調査結果が、新聞などで具体的に報道されたこともあった。 もちろん今回調査対象となったコンドームの使用の有無だけで性感染症が完全に防げるわけではない。正しい使用でHIV感染はほぼ確実に防ぐことができるが、他の多くの性感染症は残念ながら確実に感染予防が期待できるものではない。ともすれば自分が性感染症のスプレッダーになっているかもしれない。「君子危うきに近寄らず」が一番だ。

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ノロウイルス中毒の季節です

秋から冬にかけて患者数が急激に増加する食中毒の原因がノロウイルスだ。日本では食中毒患者の7割がノロウイルスによるものであると診断されており、これからの季節には十分な注意が必要になる。 冬に患者が増えるのはカキの摂取量と関係しているのではないかといわれてきたが、最近は生カキが原因ではない患者が増えているそうだ。これは日本のカキが養殖場で水揚げされてから無菌処理するようになってきたためで、それだけ安全性が高まっているためだ。もちろん現在でもカキは食中毒を起こしやすい食品であることに変わりはなく、体調がすぐれないときには生カキは避けたほうが良いだろう。 ノロウイルスは時として集団感染する。カキに限らず食品からの感染が多いのは確かであるが、学校などで集団発生的に患者が認められることが時々あり、このようなケースでは人から人への直接的な感染がおきていることが考えられる。 ノロウイルスは患者の便のみならず、小腸から胃へ逆流したウイルスが嘔吐物に混じることもある。そのため下痢や嘔吐によって排泄されたウイルスが乾燥して室内に浮遊し、これを吸い込んだ人が感染することで一気に患者数が増えることになる。ノロウイルスの感染力はきわめて強いので、患者がいる場合には十分な注意が必要になる。 ノロウイルス感染かどうかわからなくても、下痢や嘔吐の症状を訴える人が家族にいる場合は、トイレの衛生に十分気をつけるとともに、嘔吐物の処理に際しては、ゴム手袋とマスクの着用は怠ることはできない。小さな子供のオムツ換えには特に細心の注意を払うべきである。 感染力が極めて強いのでノロウイルスに感染しない確実な方法はない。もちろんウイルスは熱に弱いので、十分加熱した食品を摂取することで感染の確率を相当減らすことができるが、空気感染様の感染経路もあるわけで、食品に注意するだけでは十分な対策とはいえない。 ある意味、防ぎようがない感染症ともいえるわけだが、基本的な予防法を実行することで感染の危険性はかなり低くなることは間違いない。 1、手洗いの励行2、下痢や嘔吐の患者は調理しないこと3、生の特に貝類を食べない4、生ものを提供する飲食店は衛生管理が行き  届いている店を選ぶこと(ちょっと困難ですが・・・)5、体調が悪いときの外食を避ける ノロウイルスに効果的な治療薬はない。激しい下痢による脱水に加えて、嘔吐・下痢に伴う電解質異常を予防するため、十分な水分の摂取に加え、電解質も補給しておきたい。スポーツドリンクでなくても、水に少量の塩分を加えただけのものでも構わない。(塩は粗塩が良い)また小さな子供の場合は、スポーツドリンクをそのまま飲ませるのではなく、倍量に薄めたものの方が良い。

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風邪が流行っています

風邪をひいている人が多い。私自身もそうであるが、風邪症状を訴える人が最近少なくないように感じる。実際に公のデータがあるわけではないが、街中でも鼻をかんだり、せきをしたりしている人が目立つので、風邪の患者が増えていることは確かだろう。インフルエンザとは違って、公的機関が患者数を確認することはまず不可能。実際にどのくらいの患者が発生しているかを知るすべはない。風邪は特定のウイルスによって発症するものではなく、症状にしても際立った特長があるわけでもない。然るに風邪は「風邪症候群」と呼ばれる。腹部症状を訴える人が多くなると、特に根拠もなく(とは言い過ぎか?)「お腹に来る風邪ですね」と簡単に診断を下してしまう医者も出てくるわけだ。 ところで、多くの人は風邪をひいてしまったら「風邪薬」を飲むのではないだろうか。いわゆる「総合感冒薬」だ。鼻水を抑えたり、咳を静めたり、あるいは熱を下げたりといった対症療法的な医薬品を混合してカプセル等にしたものである。症状の緩和には多少の期待はあるものの、薬で風邪は治らない。風邪を治すのはあくまでも患者自身の免疫力でしかない。 場合によっては、薬を飲むことでかえって病期を伸ばして回復しにくくなることもある。風邪の諸症状はそれぞれ意味があるものであって、無理に抑えてしまうと逆に病原菌に力を貸してしまうことになりかねない。普通感冒では38度程度までしか発熱しないが、このくらいの発熱でも解熱剤を服用する人が少なくない。解熱剤は免疫力を下げてしまうものと考え、この程度の発熱では服用しないほうが無難だろう。 また風邪に効果がある抗生物質もない。風邪と診断して抗生物質を処方する医者があまりに多いが抗生物質の乱用になる可能性が高く、本当に必要な薬であるのか医師に確認しておきたいものだ。二次感染の予防ということであれば、服用は慎重にした方が良く、医師に対して「今は飲まなくても良いですね」といって断ることも患者の権利のひとつだと思う。 風邪をひいてしまったなっと思ったら、できる限り体を休めること。寝ることが一番の薬だ。体調不良にもかかわらず遅くまで飲食して、睡眠時間を削った不規則な生活を続けてしまうと、治るものも治りにくくなるばかりか周囲への感染を広げてしまう。食欲があればきちんと「栄養」をとることも大切。繰り返しになるが風邪は自分の免疫力でしか治らない。したがって風邪の治療では、「いかに免疫力を保持するか」が大きなポイントになる。免疫力を高めることは風邪に限らず、これからシーズンを迎えるインフルエンザをはじめあらゆる感染症に対して有効な予防手段になることは間違いない。 休養(睡眠)、栄養、運動、これらが一体となって免疫力増強につながる。良い生活習慣を心がけることこそが病気の予防となるわけだ。

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食品問題に思うこと

毒餃子事件が中国側でおきた犯罪行為であることが確定し、詰めの捜査が行なわれている。日本側にとっては、ヤレヤレといったところかもしれないが、次なる問題としてメラミン混入事件が明るみにされ、関連商品が日本をはじめ各国に出回っているとして大騒ぎになっている。日本では事故米事件だ。よくも次から次へと食料品に絡んだ犯罪が起きるものだとほんとうに驚いてしまう。 牛乳へのメラミン混入は、水増しした牛乳を出荷する際、そのままでは検査に不合格になるのを避けるためにメラミンを混入したそうだ。検査では窒素量を目安にするため、悪知恵を働かせた結果、無味無臭の樹脂原料であるメラミンを使うことを思いつき儲けをたくらんだわけだが、それを飲まされた消費者にとっては迷惑千万どころの話ではない。メラミンは体内で化学反応し腎臓結石をつくる。毒餃子は従業員が一部の製品に農薬を混入させたわけだが、メラミンは会社の利益を膨らませる手段として混入され、しかも関連商品すべてに影響を及ぼしている点で、その悪質性はとてつもなく大きいといえる。 日本の菓子メーカーでは、原料乳の輸入先をオーストラリアなどに切り替える動きがあるが、これはもっとも適切な措置だと思う。オーストラリアは自国の農畜産業を守るため、関連する産品の流入を一切禁じている。卵が使われている月餅を香港から持ち込もうとして没収された話や、赤ちゃんのミルクでも、初日分だけ持込みが許可され、あとは没収されたという話も聞いたことがある。 アメリカの大企業マクドナルドは、なぜオージービーフを使うのか?当然ながらアメリカ牛を使うのが自然ではないかと思うが、いつ狂牛病が発生するかわからないアメリカ産の牛肉を使っていたら、万一その発生の時には世界中で営業がストップする大きなリスクを抱えてしまう。日本の牛丼チェーンはアメリカ牛にこだわってきた結果大きな損失を負ってしまった。家畜飼料を含め一切の輸入を拒むオーストラリアの畜産商品は、もっとも安全性が高いことを、マクドナルドも判っているのだろう。 ところで「事故米」についてであるが、検出されているカビ毒(アフラトキシン)や農薬(メタミドホス)の濃度は人体に影響があるようなレベルとはかけ離れている。食べても危険性はまずない!だから良いとは決して言わないが、日本での報道を見ていると、事の本質をとらえていないものばかりで、こちらの方が余程問題になるのではないかと危惧してしまう。 「ジタバタしていない」といって辞めていった大臣がいたが問題は農水省の対応や、三笠フーズをはじめとするいわゆる「ロンダリング」して儲けていた関係企業にある。それなのに、焼酎メーカーや和菓子製造業者など、いってみれば弱者が、関連商品の回収を余儀なくされたうえに売上げの大幅減少までまねくという、まさに「踏んだりけったり」の状態に泣かされている。元農水大臣が言った「健康に影響がないから・・・」というのは間違ってはいないが、あまりにも舌足らずな発言で、国民の信頼を一気に失ってしまった。問題とするべきもの、問題にしなくても良いものをはっきりと区別して、国として対応することをしっかりとアピールして欲しかった。 回収された食品に、いったいどれだけの有害物質が混入しているというのか。事故米から製造されたでんぷんを使った食品に危険性があるとは思えない。おそらく健康被害のリスクはゼロだろう。米をそのまま使う商品でも、事故米が混入されているだけで、有害物質が検出されたとしてもその濃度は極めて少ないはずだ。個人的には回収は必要ないと思うし、消費してしまっても何の問題も起きないと確信する。 何か問題が発覚すると、すぐに買い控えに走る消費者の行動は仕方がないのかもしれないがあまり意味がない。カビ毒だ、メタミドホスだと騒いで不安を煽る報道にも問題がある。私が1週間ほど日本で見たテレビニュースなどでは、その毒性について正しく評価して、今回の問題に関して不安を打ち消すような報道は皆無だった。視聴率を稼がなければいけないマスコミに、ジャーナリズムの精神は失われているようだ。 食品や大気などから体内に取り込まれる化学物質(有毒物質)は、自分たちが知らないだけで相当な量になっているはずだ。そんな環境の中で我々は生活していることを大前提として物事を判断しても良いのではないかと思ったりもする。食品を扱う企業の犯罪行為は厳しく断罪し、二度と食品を扱わせないくらいにするべきだが、今起きている問題、あるいはリスクに関しては正しく評価して行動することも消費者に求められていることだと思う。

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中国での歯科治療でB型肝炎感染

香港での歯科医療費は高いということが半ば常識となっているが、これは日本人にかぎらず香港の人にとってもおそらく同じ感覚ではないかと思う。昔、治外法権ともいえる九龍城があったころは、その中に多くの大陸人歯科医師(もちろん香港の資格はない)が開業していたが、安いからという理由で、香港人にもかなり利用されていたと聞く。現在では、シンセンまで行って歯科治療を受ける人が少なくはなく、羅湖駅周辺には多くの歯科医院が開業している。 中国で歯科治療を受けた香港人女性(22歳)が、B型肝炎を発症したことが報道されている。治療に使う器具を完全に消毒していなかったことが原因である可能性が高く、あらためて中国での歯科治療の危険性を露呈したこととなった。 歯科治療は出血を伴うことが多く、歯科医師自身も患者からの感染リスクが高いので、治療に際しては手袋はもちろん、眼への飛散を防ぐためゴーグルを使用することも少なくない。中国の歯科医師がどれくらいの危険性を意識しているかわからないが、それほどまでに危険な作業であるにもかかわらず、直接患者に触れる治療器具の消毒がおろそかにされているとはヒドイ話だ。 B型肝炎は血液で感染する。キャリアーが日本の数倍から10倍いるという中国では、なおさら危険性が高いわけであり、それなりの管理がなされた歯科医院でなければ、単に安いという理由だけで利用するにはリスクが高すぎる。中国でもきちんとした管理がなされている歯科医院は治療費用も高く、香港にいてわざわざ行く必要はないかもしれない。 医療行為による感染事故は日本でも起きている。目立つのは針刺し事故。別の患者に使った注射針をそのまま使用してB型肝炎を感染させてしまった例はたまに報道されている。ニュースになるには、おそらく劇症肝炎を起こして死亡したなどの場合に限られると思うので、実際にはかなりの事故がおきているのではないだろうか。 内視鏡検査によるピロリ菌感染も一時話題になった。カメラの洗浄不完全が原因で、患者から患者へピロリ菌を感染させてしまうそうだ。これに関しては、弊社提携先のMetro Medical Centreでは最新式の専用洗浄機械で完璧に消毒洗浄するため、事故が起きる可能性はない。香港でも消毒液に浸けるだけの医師もいるときくので、検査を受ける場合はそのあたりのことまで聞いてみても良いのではないだろうか。

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ノロウイルス中毒ー香港オリンピック選手村

9月5日の衛生署の発表によると、ノロウイルスに感染したのは19歳と53歳の女性。9月1日と4日にそれぞれプリンス オブ ウェールズ病院とプリンス マーガレット病院に入院したが、容態は安定している。入院後の検査で二人からはノロウイルスが検出されたが、同じ時期に急性胃腸炎でプリンス マーガレット病院した同施設の57歳の女性からは、ノロウイルスは認められていない。 CHP(centre for Health Protection)のスタッフは、施設の消毒作業を行なうと共に、衛生管理等に関して指導をしている。 ところでこのノロウイルス、食中毒の原因の筆頭にあげられ、また空気感染などに近い形での感染が頻繁に起きるため、集団発生しやすく、患者あるいは感染が疑われる人の扱いには十分な注意が必要になる。 日本人の場合、ノロウイルスに関しては生カキが最も感染源になりやすい。海水中のウイルスをカキの体内で濃縮するためウイルスをもつカキを生食した場合は容易に感染する。日本産のカキは無菌処理されることが多いので感染機会は減っているものの、確実に感染を防ぐことは困難だ。少なくとも体調がすぐれないときに生かきを食べるのは止めたほうがよい。 香港でも生カキによる感染が少なくはないと思われるが、食中毒の形態をとらない感染が目立つように感じる。学校での集団感染も以前に起きている。感染児童が嘔吐した際にそのミストが室内に浮遊し、そのミストに含まれるウイルスによって多くの児童や先生が感染している。ノロウイルスの感染力は極めて強く、一般家庭でも感染者が嘔吐や下痢をしたさいには十分注意しないと二次感染を起こしてしまう。ノロウイルス感染であるかどうかわからない場合でも、嘔吐物の処理では、必ずゴム手袋を着用しなければいけないまたその場合、漂白剤の薄め液(100倍希釈)で床の消毒をしておくと良いだろう。

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インフルエンザ予防接種

今年もインフルエンザ予防接種を受けることができる時期になった。インフルエンザといっても、香港での流行シーズンは年明けからで、まだ暑い今に時期にはぴんと来ないのは仕方ないが、真冬の流行期に向けて11月までには接種を受けておきたい。 毎年5月終わり頃にWHO(世界保健機関)より各国政府に対して、次期インフルエンザシーズンの流行予想が通達され、この情報を元に各国政府機関がそれぞれの前季の流行状況からワクチンの成分を決定し、製薬会社に製造が委託される。新しいワクチンが製品化され医療機関への出荷されるのは例年8月下旬から9月にかけてだ。 香港ではワクチンを製造していないのですべてが輸入されており、輸入元によってワクチンの成分が若干異なる可能性がある。 ちなみに弊社提携医療機関(Metro Medical Centre)にて次期のワクチン成分を確認したところ、A型ブリスベーン(H1N1)A型ウルグアイ(H3N2)B型フロリダ    となっている。輸入元はオーストラリアとフランス。どちらも内容成分は同じだ。香港には中国からもワクチンが入っていると聞くが、残念ながら私の情報にはない。 よくある質問であるが、香港で接種した場合、そのワクチンは日本など他国で有効であるのかどうかということだが、基本的には問題にはならない。 ひとたびインフルエンザの流行が始まったり、あるいは昨今話題のH5N1ウイルス感染が中国、特に広東省など近隣でおきた場合には、予防接種の希望が殺到する可能性が高く、ワクチンの在庫が不足する事態も予想される。接種を希望する場合、早すぎても良くないが、遅くとも11月までには済ませておきたい。 現在のインフルエンザワクチンは新型インフルエンザには無効だが、インフルエンザに感染する確率が減れば医療機関を受診する機会も減り、新型インフルエンザがたとえ発生した場合でも感染のリスクを減らせるはずだ。

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糖尿病患者、遺伝子に特徴あり

国立国際医療センター、理化学研究所のそれぞれの研究チームが糖尿病患者1万人のゲノムを解析した結果、糖尿病患者の「KCNQ1」という遺伝子には、そうではない人の遺伝子には見られないわずかな違いがあることを見つけた。 KCNQ1遺伝子は血糖値を下げるインスリンの分泌にかかわっていると考えられており、この遺伝子が異なるとインスリンの分泌が不足するため糖尿病になりやすいと考えられるという。(発症リスクは1.4倍) 今回KCNQ1の異変によって発症リスクが高まるとされたのは生活習慣と関連が深い「2型糖尿病」だ。早い話、太ることが引き金となって発症するタイプの糖尿病のことで、この発症メカニズムに関しては古くから通説とされてきたが、遺伝子レベルで説明付けられたのは初めてだ。 なお、この成果は国立国際医療センターと理化学研究所が別々に研究していたものであるが、同時に同じ結果を見出して発表することになったのは極めて異例だ。 この結果を受け、今後、糖尿病になりやすいタイプの人を調べる「リスク診断」につながることになるだろうが、糖尿病発症の原因はこれだけではない。実際に知られている糖尿病のタイプには、インスリンの分泌にはまったく異常がないものもあり、この場合には今回の研究結果の応用はきかない。これは血糖(グルコース)を取り込む細胞側のレセプターに問題があるとされるタイプだ。つまりインスリンが持つカギと細胞側のドアのカギ穴が合わなくなってしまうため、細胞のドアを開けられなくなってインスリンを細胞内に放り込むことができなくなってしまって発症する糖尿病だ。 私は健康診断の受診者で血糖値が高い人に両親の糖尿病の有無についてできる限り聞いているが、やはり両親のどちらかでも糖尿病の場合は、その子供の糖尿病発症の危険性は高いと感じる。 両親、あるいは祖父母まで含めて糖尿病患者が一人でもいる場合は十分注意する必要があり、該当する場合は絶対に太れないと思っていたほうが良い。太ってきたと感じたら血糖値が上がらないうちに直ちにダイエットすることをお勧めしたい。 血糖値が110mg/dl以上の人を糖尿病予備軍と呼ぶが糖尿病患者を含め40歳以上では4人に一人いるとされる。通常、血糖値が110mg/dlを上回ってきたら医師あるいは保健師指導の対象となる。 しかし、血糖値が110mg/dlに達していなくても、体重増加と共に血糖値が上昇し、3桁の血糖値になった場合、つまり100mg/dlを超えてきたのであれば、糖尿病のリスクが高いものと判断し、十分注意しておきたい。 糖尿病にかぎらず「太らないこと」は健康状態を保つうえでの大きなポイントになる。体重増加に比例して循環器疾患のリスクが高まることに疑いの余地はない。また肥満で高血糖や脂質異常などを指摘されている場合でも、体重減少と共に健康状態が改善していると単純に思っても構わない。体重は健康状態をあらわす主要な物差しだ。