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HIV感染者数増加に歯止めかからず

日本の厚生労働省エイズ動向委員会は、昨年2007年の新規HIV感染者数が初めて1000人を超えて1048人(前年比96人の増加)になったことを昨日発表した。また発症者数も400人となり、過去2番目に多い年となった。 日本国内での感染者数の増加は、保健所などでのHIV抗体検査受診者数が昨年約15万4千件と、前年に比べて約3万7千件増えたことが理由とされるが潜在的な感染者がかなりいることは確かだろう。また感染者の約7割は男性同性愛者だというが、異性間での感染も増えていることは確かで、不特定のパートナーを持つことは危険性が高いことも常識だ。日本国内では性感染症患者が若者に急増していることも懸念されることだ。これは性感染症患者はHIVに感染する危険性が高いといわれているからだ。 ここ数年、中国の衛生当局が中国内のHIV患者の動向を公表するようになってきた。シンセンや広州では患者数を公表するだけではなく、具体的な感染源も公表するなど、一昔前では考えられないほど情報公開するようになってきている。悪い情報は一切公表しないのが当たり前だった中国政府がこのような情報を公表するようになったことは、その動向に余程の懸念があるからではないだろうか。過少報告に過ぎないという意見もあるが、もしそうであれば、なおさらHIV問題は大きいと考えなければいけない。 中国の当局が感染源として疑っているのは、やはり風俗関係だ。中国で「遊ぶ」人も少なくはないが、最低限の予防策は怠らないようにしたい。

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タミフル耐性インフルエンザウイルス

欧州疾病対策センター(本部ストックホルム)の発表によると、現在欧州で流行中のAソ連型インフルエンザに、治療薬であるタミフルが極めて効きにくい耐性ウイルスが広がりつつあるという。 タミフル耐性ウイルスの割合が最も多いのはノルウェーで、70%もの高い率で認められている。全体では調査された欧州18カ国で分離されたウイルスのうち14%にタミフルに強い耐性を示す遺伝子変異が検出されたという。 ウイルスの薬剤耐性は、その薬を多く使うほど出現率が上がるものと考えられているが、実際にタミフルの使用が非常に多い日本などではその率は1%以下と極めて低い。欧州では通常インフルエンザ治療にタミフルは使われないにもかかわらずこのように耐性ウイルスが生まれたのは、自然なウイルスの変化ではないかと専門家は見ている。 タミフルに効果がなくてもリレンザなど他の抗インフルエンザ薬は効果があるため、現在のインフルエンザ対策を見直すような必要はないが今後、タミフル耐性ウイルスが世界的に流行拡大してくると、現在新型インフルエンザに備えて備蓄されているタミフルに関してもその使用に慎重になる必要があるだろう。 昨年、日本ではこれまでになく早いインフルエンザの流行がスタートしたがその後の爆発的な流行拡大にはつながらず年を越えた。今年に入って徐々に患者数が増え、現在では注意報が出ていない都道府県は数えるほどになっている。保健所単位では警報を出しているところも少なくはなく、間もなく爆発的な流行になることは間違いなさそうだ。流行の主流はAソ連型。全患者数の9割以上を占める。 香港での本格的流行も旧正月くらいからがこれまで多かったので今年もほぼ間違いがないと思われる。タミフルがあるから安心というわけにはいかないことは、耐性ウイルスの出現からわかることだ。自分自身で感染予防に努めること、たとえ感染しても重症化しないよう日頃から免疫力を高めておくことが大切だ。 できる限り人込みを避けること手洗いの励行うがい十分な休養・睡眠適切な栄養マスクの使用マスクは直接的な感染予防にはならない。(ただし患者は必須だ)マスクをすると乾燥した空気を吸い込まないため気道を傷めず感染しにくくなるといわれるので、なるべく厚手のガーゼマスクをしようすること感染予防に有効だ。ウイルスを除去する効果があるマスクもあるが、きちんと着用できなければ思ったほどの効果は期待できない。

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中国製餃子による中毒事件

中国で製造された冷凍餃子を食べた10名が急性農薬中毒と思われる症状におちいり、中には重体になったケースも出ている。業界では当該製品を絶対食べないように呼びかけるとともに、多くの企業が自主回収に動いている。また今回の問題とは直接関係がないと思われる中国食品にも使用中止を決めるレストランチェーンでてきている。今回の事件を重大視した日本政府も中国政府に抗議するなど、早くも外交問題にまで発展している。 今回の事件で最も不可解なのはその毒性だ。初めてこの事件を耳にしたときに私は、何故そんなことが起きるのか、その可能性の有無について漠然と考えてみたが、どうしても疑問が抜けなかった。第一に「加工された食品に、急性中毒で重体になるほどの残留農薬がはたして存在するのか?」 食品加工をする過程で、たとえ大量に残留した農薬が原材料の野菜に存在しても最終的な製品において、急性中毒を起こすほどの毒性を維持できるとはとても思えない。初期報道においてこのようなことには触れられてはいなかったと思うが、その後の専門家の意見としては述べられていた。今回の事件は食品を輸入した企業の責任を追及するのではなく、事実関係を徹底的に調査することのほうが重要なことだ。赤福などの問題でも感じることだが、最近は問題の背景を追求することなく企業をバッシングする傾向が強いように思うのは私だけではないはずだ。やや飛躍するが今回の事件は「犯罪性」もないとは言えない。 再び中国野菜は危険だ、というイメージが支配的になってしまったのではないだろうか。 中国野菜は危険だとのイメージで購入を控える傾向が香港でも強まるのは必至だ。農薬の管理などまだまだ甘い中国からの野菜を何の心配もなく食べることができる日が来るのは相当先だろうが、だからといって中国野菜がなければ香港市民の生活は成り立たない。中国野菜を常食している香港人の平均寿命が世界トップレベルであることも冷静に考える必要があるだろう。 野菜は浸け洗いをしっかりすれば、まず問題がないと考える。心配し始めたらきりがない。ポストハーベストを含む農薬の存在なしには現在の先進国の食生活はありえない。もちろんその使用を厳しく制限する必要はあるものの完全に無毒にすることなどできるはずはない。消費者にできることは、もちろん有機野菜を購入することもひとつの選択ではあるが、野菜などは良く洗うという基本動作さえしっかりしていればさして問題はないとも思う。

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旅先での健康管理

来週は旧正月を迎えるにあたり、この時期に旅行を計画している人も多いだろう。南国のリゾートで過ごすことを楽しみにしている人も少なくはないはずだ。寒いこの時期に、熱帯の甘く爽やかな風に吹かれるのは日頃のストレス解消にはとても効果的だ。 しかし開放感に浸っていても虫刺されと食中毒には十分に注意したい。リゾートホテル内では蚊に刺されることは少ないが(個人的にはこれはこれで別の意味で怖さをおぼえる)、たとえ都市部であっても蚊に刺される危険性は少なくはない。 蚊が媒介する疾病で有名なものは、マラリアとデング熱。どちらも高熱を特徴とする感染症で、特に熱帯熱マラリアは日本でも毎年平均200例程度が認められ、そのすべてが海外からの持込み(輸入例)だ。香港でも同じであるが、現地では極めて簡単に診断されるにもかかわらず帰国後には一般に診断がつきにくく、なかには手遅れになってしまうケースもみられる。マラリアより感染リスクが高いのはデング熱。こちらは軽い症状で終わってしまい患者としてカウントされないケースも相当あると思われるが、稀にデング出血熱を発症し、死亡することもあるので決して侮ることはできない。感染危険地域(熱帯亜熱帯すべての地域)からの帰国後に体調を崩した場合、医師には必ず旅行したことを伝えて欲しい。マラリアやデング熱の予防は蚊に刺されないことしかない。夜間の外出はできる限り肌の露出の少ない服を着ること。また虫除けの使用も効果的だ。 食中毒や伝染病などの感染症にも注意したい。一時香港でコレラ患者が散発したことがあったが、いずれも原因はタイ料理で食べた生えびだった。生ものを避けることは常識であるが、意外に危険なのは氷だ。水割りなど氷を使う飲み物は、余程信頼できるところでなければ避けた方が無難だろうし、旅行中くらいは氷が入った飲物を飲まないくらいにした方が良いかもしれない。もちろん生ものを避けておけば食中毒にはならないという保障はまったくない。感染しないために免疫力を落とさないことも大切だ。無理な計画を立てないで、体力を消耗しないようにしたい。 感染症ではないが意外な落とし穴は日焼けだ。急に日焼けすることは危険だ。ハワイ帰りの若い女性が全身火ぶくれができたため(重度のやけど状態)で成田到着後、救急車で緊急搬送されたという話もある。 日本に帰るからといっても安心とはいえない。旅先では、たとえ楽しくてもストレスは大きいも。もちろん仕事などで受けるストレスとは全く違って、苦痛に感じるものではないが、身体に与える影響は同じだ。ストレスを受けると免疫力が下がり、感染症にかかりやすくなる。日本ではインフルエンザの感染にもっとも注意が必要だ。今のところ爆発的な流行ではないものの、患者数は確実に増加しており、導火線に火がついている状態とみてもよいだろう。今日にでも大流行のニュースが出てもおかしくはない。また冬場はノロウイルスにも注意が必要だ。カキが危険だといわれるが、日本のカキはかなり安全性が高くなってきている。それよりも空気感染が成立するほどノロウイルスは感染力が強い。家族内でも嘔吐したときにはその処理には細心の注意が必要になる。繰り返しになるが、とにかく旅行中は体力を保持し免疫力を高く保つことが大切だ。 せっかくの休暇旅行をベッドの上だけで過ごすような事にならないようにしたいものだ。

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香港の乳児死亡率、世界最低

香港における2006年の乳児死亡率は1.8人。日本は2.6人、米国は6.6人などと比較すると格段に低い数字であることが香港統計月間にて報告された。乳児死亡率とは生後1年未満の乳児の死亡が1000人あたり何人いるかをあらわした統計上の数字だ。 この数字を見て信じられない人も少なくないと思うが、平均寿命が世界でトップクラスにある香港での乳児死亡が少ないのは当然かもしれない。乳児死亡は母体の健康状態や養育条件などの影響を強く受けるためその地域の衛生状態の良し悪し、経済や教育を含めた社会状態を反映する指標のひとつをして利用されるので、香港の社会的な環境が世界的にみて非常に高い水準にあることを意味している。 思いのほか香港の医療水準は非常に高い。保険医療制度はなくても患者はそれぞれがプライベートやパブリックの医療施設を使い分けて高い医療サービスを享受できていると思われる。 香港の医療について高い評価をしていない日本人は多いが、これは個別の事例を引き合いに出すからではないだろうか。 どこそこの医者に誤診を受けた、薬が強くて副作用が強いなど等。「香港の医者は藪ばかり」と断言している人もいる。確かにそれぞれの見方はあるだろうが、良くも悪くも医療サービスの点が面になって全体的な医療水準として評価されるわけであり、たとえ特定の医師の質を問題にしたところで単に個別のケースを引き合いに出しているにすぎず、日本で近所の医者を評価するのと同じレベルのことだ。 反対に香港の医療を絶賛する日本人もいる。大きな病気を経験した人から聞くことが多いが、興味深いことに一般に評判の悪い公立病院を評価している場合も少なくない。 何らかの病気を治療するにあたって、香港が良いのかあるいは日本に帰ったほうが良いのかとの質問が時々寄せられる。日本に帰って治療を受けた方が良いという何らかの個人的事情があれば仕方が無いが、基本的にはどんな病気であっても香港で治療することに何ら問題はないはずだ。 香港の人々の平均寿命が世界でもトップクラスにあることは良く知られてきたが今回の「乳児死亡率、世界最低」という事実は、改めて香港の医療水準の高さを認識できるものだ。

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鳥インフルエンザ感染拡大

北半球の冬季シーズンに入って、鳥インフルエンザの活動が活発になっている。12月の鳥-人感染発症事例は世界で15名となっており過去3年では最高を記録している。国別では、中国をはじめベトナム、エジプト、インドネシア、パキスタン、ミャンマーにおいて患者が発生しているほか、家禽の大量感染もポーランド、バングラディシュ、南ロシア、ドイツで起きており、今月に入ってウイルスが活発に活動していることをうかがわせる内容だ。 パキスタンでは、人-人感染の疑いでWHO(世界保健機関)が緊急調査に入っているが、政情が急激に不安定化していることから対策が後手に回ってしまう危険性もある。1997年、香港で18名が感染し、6名が死亡したときには人ー人感染は認められなかったものの、鶏はもちろんのこと、自宅で飼われていた愛玩用鳥類までをも含めて極めて大規模に殺処分が行なわれたことで迅速に制圧することができた。香港だからできたことであって、現在のパキスタンでは困難だ。 明るいニュースもある。現在、接種されている通常のインフルエンザワクチンが、鳥インフルエンザの予防にもある程度効果が期待できるかもしれないとの研究結果が報告された。これはイタリアの研究チームの研究成果であるが、今年2月には米国メンフィスの聖ユダ小児研究病院のチームがマウスを使った実験で同様の結果を得ている。まだ公式に効果が認められたわけではないので、当てにすることはできないが、現在のところ打つ手がないと思われている鳥インフルエンザ感染予防に関して朗報と解釈しても良いだろう。これから生まれてくるであろう新型インフルエンザのワクチンに関しても、そのウイルスの構造を予想しながらある程度のところまで開発が進んでいるので、こちらも大いに期待したいところだ。 従来インフルエンザワクチンの製造には鶏の受精卵が必要であり、このことが大量生産のネックにもなっていた。最近、細胞培養技術を応用してワクチンを製造する技術が確立されたため、短期間に大量のワクチンを製造できる目処がたってきている。最終的な新型インフルエンザワクチンの製造は、実際にウイルスがあらわれてからになるが、そのウイルスに対するワクチンを短時間のうちに世界人口分を準備するのが目下の目標とされている。ウイルスが変化するスピードと人間の頭脳との競争だ。鳥インフルエンザを強力に制圧しながら、時間を稼ぐ必要がある。 今後3ヶ月間はインフルエンザ(鳥インフルエンザ)ウイルスが北半球において活発に活動する可能性が高い季節だ。香港ではランタオ島でも野生の鷹の一種の死骸からH5N1ウイルスが検出されている。死んだ鳥には近づかないようにしたい。それ以外今のところ鳥インフルエンザ対策は、通常のインフルエンザ対策と同じだと考えてよいだろう。

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鳥インフルエンザ、人ー人感染か?

中国保健省衛生部の報告によると、江蘇省南京市で12月3日に24歳の男性がH5N1鳥インフルエンザに感染したことが原因で死亡したが、その父親も感染していることが12月6日に確認された。この父親は、死亡した男性の濃厚接触者の一人として医学的監視下におかれていたが、12月3日に症状を呈し現在入院治療中だ。 中国で確認されている患者はこれまでに27名、そのうち17名が死亡している。 今回死亡した男性の感染ルートは確認されていないが、父親には鳥と接触した経緯はなく、この死亡した男性からH5N1ウイルスが人ー人感染した可能性を否定できない。中国当局は今回の患者から得られたウイルスを調べた結果として、H5N1ウイルスが新しいタイプに変異したという可能性を今のところ否定しているが、このウイルスが人から人に感染したことを強く疑うケースは、昨年インドネシア(北スマトラ州)でも発生している。 日本の厚生労働省は、今回の事例は人ー人感染である可能性があるとして、南京に10日以上滞在していて、なおかつインフルエンザ症状を示している入国者を、感染検査の対象者として監視を強化するという。 現在のところ鳥との接触がH5N1の主な感染ルートであるが、家族内などで患者との濃厚な接触があれば感染する可能性があることは否定できない。しかしウイルスそのものが変異して新しいものに生まれ変わったという報告はなく、現在のところ人から人への感染も偶発的なものであると考えられる。 WHOはじめ世界各国の専門機関ではH5N1ウイルスがいつ人のインフルエンザに変異するのかを神経質に調査しているが、今のところ人に影響するようになったときに、どのようなウイルスに変異しているかその性質を予想することは不可能だ。ある説によると、毒性があまりにも強ければ、感染宿主(患者)がすぐに死んでしまってウイルス自身も生き延びることができないため、大流行するまでには毒性がかなり中和されているのではないかともいう。事実、現在のような高い死亡率では次に感染させる前に宿主が死亡してしまうので、急激な感染拡大はできない可能性が大きい。 H5N1感染事例は世界的に散発しているだけであり、現段階でいたずらに不安を覚える必要はない。普通のインフルエンザ対策を日常生活に取り入れることで、H5N1に限らず、多くの感染症の感染予防につなげたい。休養や食生活の改善で免疫力の増強に努めることが大切。そのうえで日々の情報にも耳を傾け、現状を常に把握していくことが必要だろう。 なお、鳥インフルエンザ対策としては、通常のインフルエンザ対策に加えて鳥に触れないこと、死んだ野鳥に近づかないこと、鶏肉や卵はよく加熱して食べること、鶏肉や卵を調理したときは、良く手を洗うことといったことがあげられる。生肉や卵を触ったときに手を洗うのは、食中毒予防の観点からも常識だ。

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インフルエンザ流行、過去20年で最速

ここ2~3年、沖縄で真夏にインフルエンザが流行していた。さらに今年は本州でもまだ暑い時期に、小規模ではあったものの季節はずれのインフルエンザ流行が確認されるなど、インフルエンザに関してちょっと気になる年だと私自身も思っていたが、ついに全国的な流行が厚生労働省から発表された。 前にもお伝えしたとおり、先月から早い流行の兆しが見えており懸念はされていたが、ついに20年前に統計を取り始めて以来の最も早い時期のインフルエンザシーズンへの突入となった。国立感染症情報センター(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)によると11月19日から25日までの1週間に、日本全国のインフルエンザ流行観測医療機関約5000施設にて診断を受けた患者数が7162人に達し、1施設平均1.0人という流行判断の基準を完全に上回ったという。 インフルエンザ流行には、流行の度合いを各保健所単位で注意報や警報でも表す。これは各保健所が管轄する医療機関の平均患者数によって発令されるもので、10人を超えると注意報、30人を超えると警報として地域住民に注意喚起される。 今季日本での流行株は、ソ連型が9割を占めており、これまでの流行の主流だった香港型は1割にも満たない。したがって多くの人に基礎免疫がないため、爆発的な流行となることが懸念される。 ところで今年のインフルエンザワクチンの有効性であるが、完全一致しているわけではないものの今年の流行の主体となっているウイルス(ソ連型H1N1)について、A/Solomon Islandsとして組み込まれているので、接種効果が期待できるという。国立感染症研究所では、ワクチン接種を受けても体内で有効な抗体ができるまでに数週間かかるため、なるべく早く接種を受けることを呼びかけている。 日本での流行宣言がなされたことで香港でも例年より早くおそらく今月中には本格的な流行に入るものと思われるので、十分な警戒が必要だ。12月に入り外食の機会も増えると思うが、大勢が一堂に会する場所でしかも閉鎖空間となると、感染の危険性はきわめて大きい。2次会3次会と流れていくような飲み方は、自ら感染の機会をつくっているようなものとなる。 ワクチン接種を受けていれば完全に安心ということはない。香港では難しいことだができる限り人ごみを避けること、手洗いの励行のほか休養や栄養にも気をつけて免疫力を落とさないようにしたい。もし感染が疑われるような症状が出たら、病院等での診断を受けることはもちろんだが、十分休養することが大切で決して無理をしないことだ。医師から処方される薬(タミフル)は最後まで飲みきり、決して次回のためにとっておかないこと。インフルエンザの場合は、薬を飲んで症状が治まっても3~4日はウイルスが排泄されるので、この間はできる限り人には接しない方が良い。この際思いっきり休むつもりでいた方が、会社等で周囲への感染を広げないので好ましいだろう。

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タミフルについて

日本ではインフルエンザの流行が例年になく早く始まった。現在新規患者が激増し、学級閉鎖といった措置がとられることも増えてきたが、今後どの程度にまで感染規模が膨れ上がるのか予想は難しい。あまり患者が増えて欲しくはないが、このままでは近年にない大流行になることも予想されるので、少なくとも万全の態勢をとっておきたい。 現在流行している流行タイプは今季のワクチンタイプと異なっており、せっかく予防接種を受けていても効果がない可能性がある。もちろん流行するウイルスタイプは通常一つとは限らないので、ワクチン接種が完全に無駄になることはないが少々気がかりだ。 ところで、インフルエンザに感染しても特効薬「タミフル」を服用すれば安心だと考えている人が少なくない。タミフルは確かに良く効く。感染後3日以内に飲めば病期を1~2日短縮できるというが、実際には劇的な解熱効果を経験することもあり、治療薬として絶対視している人もいる。インフルエンザに感染したと思ったらすぐに服用できるよう、何らかの手段で入手したタミフルを自宅に保管している人もいると聞く。 勘違いしてはいけない。タミフルにはインフルエンザウイルスを殺すような作用は全くなく、人間の細胞内で増殖したウイルスが外に出てこないようにするための薬で、体内からウイルスが消えるわけではない。体内からウイルスを排除する働きは、あくまでも患者の免疫作用だ。したがって、熱が下がったからというだけで出社や登校をしてしまうとウイルスを周囲にばら撒くことになる。インフルエンザの場合はそれ相応に休養期間を設けなければいけないし、たとえ熱が下がったといっても勝手にタミフルの服用を中止してはならない。抗生物質であるタミフルは最後まで完全に服用しなければ、耐性ウイルスを生み出す原因にもなる。 現在、タミフルの副作用として、高所からの飛び降り等の異常行動が問題になっている。専門家の間ではタミフルが原因なのか、あるいはインフルエンザウイルスの作用によるものか意見が分かれているが日本の厚生労働省では10歳代への投与を禁止、またそれより年齢の低い子供への投与に関しては、十分な監視を促すことを医師から保護者に説明することを求めている。 中途半端に飲んだタミフルを次回のためにとっておいて服用することはリスクが大きい。感染の拡大につながるうえに耐性ウイルスを生む危険性があること、あるいは副作用のことを考えると、素人判断で服用するような薬ではないからだ。 インフルエンザにかかった場合は、とにかく休むこと。また栄養をしっかりとることが大切。発熱に関しては解熱剤が第一ではなく、できる限り外から熱を奪って解熱させることを優先したい。なお発熱の際には十分水分を摂ることを忘れてはいけない。

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ノロウイルス感染、流行中

ノロウイルスを原因とする食中毒患者が今の季節急増している。もともとノロウイルスは冬場の食中毒における最も多い原因とされ、カキの生食が危険視されてきた。今でも生カキは危険であることに違いないが、日本産生カキに限れば生産業者が危機感を抱いてカキを無菌化処理することが多くなったので安全性は高まっており、日本に限ればカキを原因とする非細菌性急性胃腸炎(食中毒)は減ってきている。しかしノロウイルスは感染力が極めて強く、空気中に漂うウイルスによっても容易に感染するため、学校や老人施設などの集団生活の場で多くの患者を出しており、昨年の日本での感染者数は過去最高を記録している。 感染経路として重要視されているのは、嘔吐物や下痢便からの飛沫。小さなミストが乾燥し、短時間ではあるものの空気中を漂うことで周囲の人に感染を広げる。ウイルスは小腸で増殖するがわずかに胃へ逆流しするため、嘔吐すると吐瀉物にウイルスが混じる。ごくわずかなウイルスで感染するため、嘔吐物を処理する際も細心の注意が必要となる。嘔吐物の処理にあたってはゴム手袋とマスクを着用し、処理する本人以外はできる限り離れる(1~3m)。拭き取りに使ったティッシュ等はビニール袋に密封して廃棄するとともに、吐いた場所は次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤)で消毒する。アルコール類は無効だ。 クリスマスを迎えるこれからの季節は、ビュッフェスタイルでの食事の機会も少なくないだろう。ビュッフェには生カキが付きものであるが、体調がすぐれない時には手を出さない方が無難だ。免疫力が高ければ感染しても発症しなくてもすむが、体力が落ちているときは非常に感染しやすい。 ノロウイルスに感染して急性ウイルス性胃腸炎を発症しても、予後はよく4~5日もあれば回復する。しかしその後も1~2週間はウイルスが便から排泄されるので、特に家庭内では感染予防に努めなければいけない。最も大切なことは手洗い。そしてトイレの消毒だ。もちろん感染した本人が食品を調理する際には十分注意することが必要だ。 なお、下痢しても下痢止めを服用してはいけないという専門家も少なくはない。これはO157感染の時から特に言われるようになってきたが、下痢は体内の毒素やウイルスを早く外に出そうとする作用であり、人為的に止めてはいけないとされるからだ。ノロウイルス感染でも、下痢止めを飲むのではなくスポーツ飲料などの服用で脱水と電解質異常を防ぐことが重要だ。