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世界糖尿病デー

現在、世界の成人人口の約5~6%が糖尿病を抱えていると推定されているが、2025年には今年の患者数より約65%増えるものと予想されている。特にアジア、中東、アフリカ、南アメリカでは、患者数は今の2倍になると試算されている。 日本では昨年の国民健康栄養調査において、40歳以上の3人に1人が糖尿病またはその予備軍(血糖値111mg/dl以上)であると発表された。現在、AIDSによる死亡者数と同程度が糖尿病を直接的な原因として死亡していると思われ、さらに合併症など間接的な死亡原因まで含めると相当な数にのぼるのではないかと思われる。 深刻な問題となっている糖尿病に対して、11月14日を「世界糖尿病デー」に指定し、世界各地で糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発運動を推進するため、国連及び主要国で様々なイベントが開催される。日本国内では糖尿病デーのシンボルカラーである青い光で東京タワーをライトアップするほか、鎌倉の大仏や大阪の通天閣など全国約20箇所でも同様の試みがなされる。また海外ではエッフェル塔などもライトアップされる。 ところで、糖尿病は生まれつきインシュリンが分泌されない1型と、主に肥満が原因でその引き金を引いてしまう2型糖尿病に大別される。もちろん現在問題となっているのは、2型だ。 糖尿病が怖いのはその合併症。失明、神経障害が原因となる四肢切断、腎不全だ。新規に血液透析を受ける必要が生じた人の原因の多くは糖尿病だ。成人期以降に失明すると、若くして失明した人に比べて他の感覚器の発達が悪く、リハビリが非常に厳しいという。たいへん辛い余生となる。治療を怠ると予後が悪く、様々な合併症に苦しむのが糖尿病だ。 悪いことに糖尿病は全くといっても良いほど自覚症状がなく、静かに悪化していく。健康診断などで血糖値が毎度上昇する、あるいは高いままであったとしてもほとんど何も自覚しないためか放置してしまうケースがあまりにも多い。医療機関での治療はもちろんのこと、自分自身で生活習慣を大きく変えて、とにかく摂取カロリーを少なくしたり、運動量を増やすなどしなければ、糖尿病に打ち勝つことは難しい。 特に血縁の親族(両親や祖父母など)に糖尿病患者がいる場合は、現在血糖値が正常であったとしても、安心していられない。とにかく絶対太らないようにしたいものだ。また運動量を普段から増やす努力も必要。とにかく歩こう。昼間外出の機会が少ない人は特に歩く時間を自分自身で毎日確保したい。(連続で20分) 糖尿病と診断される血糖値は126mg/dl以上、予備軍は111mg/dl以上だが、体重がやや増えてきて、血糖値が100mg/dl以上ある場合は、自分が糖尿病になる危険性があると考えて、とにかく現在以上に太らないようにすることが賢明だろう。 高をくくっていると重大な事態を引き起こすのが糖尿病だ。その一方で、自分自身でうまくコントロールして付き合うことができるのも糖尿病だ。とにかく自分で行動することが求められる。

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インフルエンザ流行シーズン始まる?

首都圏を中心としてインフルエンザの流行が例年になく早く始まるかもしれない、というニュースを今朝耳にして(テレビだが見ていない)、少しインターネットで調べてみた。なんと国立感染症研究所のHPでは、今季の流行情報は11月下旬からとなっており、更新されていない。感染症研究の総本山である国立の研究所では、まだ情報としてHPに出していないことに驚いたが、それほど流行が早く始まったということかもしれない。もちろん国立感染症研究所でも常に監視はしており、今季の流行がかなり早く始まるのではないかとの情報はこの研究所から発表されている。 先月22日から28日の1週間に全国4600の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は931人。都道府県別患者数では夏場から散発的な流行が治まらない沖縄県で274人と最高であるが、東京、神奈川などの首都圏や北海道での患者数が急増しているという。この時点での医療機関平均患者数は0.2人であるが、これは例年にくらべて格段に大きな数字だ。定点あたり(医療機関あたり)の患者数が1.0に達した時点で流行が始まったものと判断されるが、今年は例年よりかなり早まるのではないかと予想されている。 ちなみに昨シーズンの流行開始は今年の1月中旬でかなり遅かったが(過去10年で2番目の遅さ)、例年は12月中旬から下旬だ。今季はすでに首都圏で患者が急増しはじめたことを考慮すると、今月下旬から来月はじめに流行が本格化する可能性が大きいだろう。 ところで、香港のインフルエンザ流行は日本にやや遅れる。昨シーズン、香港で流行に関して衛生署から注意が出たのは2月のはじめだ。日本の流行に半月ほど遅れている。今年は日本での流行が早まっていることから、香港でも12月中・下旬には流行がスタートするのではないだろうか。 ちなみに現在日本で流行し始めたインフルエンザのタイプは昨年の流行とは異なるAソ連型(H1N1)で、今季のワクチンではAソロモン諸島株として組み込まれているものだ。 インフルエンザ予防は下記の通り。 ① 人込みを避けること。無用な外出をしない。② 換気を良くすること。③ 手洗いの励行。うがい。④ 適切な栄養摂取。⑤ 十分な休養、睡眠。適度な運動。⑥ 禁煙。⑦ ストレスを避ける。 予防法は感染の機会を減らす(①から③)、免疫力を落とさない、増強する(④ から⑦)に分けられる。マスクの使用は自身を感染から守るためのものではない。空気中に飛散しているウイルスは乾燥しているため極めて小さな粒子になっているため、マスクの網目を通り抜けてしまう。最近は抗菌効果をうたった商品も増えているが、過大な期待をしないほうが良いだろう。もちろん患者がマスクをすることは、咳やくしゃみなどにともなうウイルスを含んだ唾液の飛散を防ぐことができるため、他者への感染予防が期待できる。 これからの季節、忘年会やクリスマスパーティーで外食の機会も増える。多くの人が集まる閉鎖空間はインフルエンザに感染しやすい危険な場所といえる。罹ったかなっ、と思ったら早めに医療機関を受診して欲しい。もしインフルエンザと診断を受けたなら無理をしないで休むことが一番だ。インフルエンザ患者が無理して仕事していると、会社全体に瞬く間に感染を広げ、労働生産性を著しく低下させる危険性があることを、責任者もぜひ認識しておきたい。 続報(翌日11月15日) 小樽市保健所長の外岡立人先生からの情報です。例年になく早く流行が始まった今年のインフルエンザですが、ソ連型であるとの報道があるものの、断定するのは早すぎるようです。確かに米国CDC から発表されている、米国内での流行タイプもA型H1ですが、現在国内での流行に関しては、東京都がA型(H1)亜系株としか発表しておらず、ソ連型(H1N1)である可能性が高いもののA型(H1N2)とかA型(H1N5)とかかもしれません。したがって今年のワクチンに対応できないかもしれないとの専門家の意見が出ているようです。もちろん従来型もあるのでワクチン接種は受けておくほうが良いと思われますが過信は禁物です。

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狂犬病、中国衛生省が注意呼びかけ

「中国衛生省は12日、今年の狂犬病患者が10月末時点で前年比2.4%増の2717人に達したと発表した。広西チワン族自治区と、貴州、四川、湖南、広東の4省を感染が深刻な地域としてあげ、注意を呼びかけた。」 朝日コム、時事 より 狂犬病に関しては昨年1月から8月にかけて中国広東省東莞市で20人が感染死亡したことが報道され、日系企業でも予防接種に関して盛んに情報交換などがされていた。また昨年はフィリピンから日本に帰国した男性が、日本で36年ぶりに狂犬病を発症し(2006年11月16日診断)、さらにもう一件国内発症が続いたこともあって、ちょうど1年ほど前は海外駐在員の狂犬病予防対策に関して、日系企業はかなり神経質になっていた。 狂犬病は有効な治療法がなく発症すれば100%の致死率だ。確かに怖い病気ではある。それにもかかわらず根絶されたと思われる国は日本や欧米の一部の国だけであり、世界的には感染の危険性は少なくない。インドでは今も毎年30000人の死亡が報告されるなど、特に発展途上国においては特段の注意が必要となる病気だ。 ちなみに日本での狂犬病発生は、1956年に6頭の犬が発症したのを最後にその後の国内での感染は確認されていない。また人が感染した例では、1970年にネパールで犬に噛まれて感染し、帰国後に発症死亡した青年が記録に残るだけで、昨年まで狂犬病は半ば忘れられていたに等しい感染症だった。 昨年の今頃は狂犬病の予防接種に関して非常に問い合わせが多かった。予防接種を受けるようにとの指示が多くの企業の本社から出された影響かと思うが、実際に接種した人は少ないのではないか。香港ではワクチンのストックが少ないこと、中国内では日常的に接種できるようではあるが、副作用が懸念されて、接種した人は極めて少なかったのではないかと思う。「接種の指示はしない」という大手メーカーもある。狂犬病の予防接種は比較的副作用が大きい。また確認はできていないが中国で生産されている狂犬病ワクチンは旧来の方式によるもので、日本や欧米で使用されているワクチンよりも副作用が大きいともいわれている。 その一方で、万が一感染犬に噛まれたとしても、発症するに至るまでの時間が長い(2週間から2ヶ月、あるいは数年?)ことも狂犬病の特徴だ。噛まれて侵入したウイルスは、神経系に沿って移動する。1日1cmくらいの速度で脳神経に向かうので、脳からの距離が長いほど発症に至るまでの時間が稼げる計算になる。したがって噛まれてからの事後の予防接種で、発症を十分防ぐことができるわけだ。 リスクが高いと思われるワクチンを現地で予め接種するのではなく、犬に噛まれるなどして感染の危険性が憂慮されるときには、すぐに日本に帰国させたうえ、数回の予防接種を連続的に行なうことで対処することを、最近は企業として考えるようになったようだ。 狂犬病に感染している犬は強暴だ。海外では狂犬病予防接種を受けている犬は極めて少ない。基本的には犬には近づかないことが鉄則。野良はもちろん、飼い犬だからといっても安心はできない。また、狂犬病といっても犬だけが危険動物というわけではなく、多くの哺乳動物が感染する。身近では猫も感染するし、コウモリの唾液で感染したと思われる事例も報告されている。 海外で動物に噛まれたときは、すぐに医師に相談して欲しい。場合によっては本社の産業医などと連絡をとり、帰国して予防接種を受けることも考慮されることだ。噛まれてからすぐに発症するわけではないが、2~3日問題がないからといって甘く見るのではなく、必ず適切な処置を受けておきたい。

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肥満は6種類のがんに関連

今朝の東方日報の一面を飾っているのは、肥満とがんの関係について。太ることで6種類のがん(すい臓がん、結腸がん、食道がん、子宮がん、乳がん、腎臓がん)の危険性を増すというもの。いつものことであるが、香港の新聞は書き方が派手だ。時としてこの世の終わりではないかと思えてしまうほどのオーバーな書き方するが、この記事にしてもこれまでに言われていたことを専門家の意見として書いただけのもので新鮮さはない。ただし一般の人たちにがんの危険性についての認識があるかというと、これは否。やはりこの記事にはそれなりの意味があることは間違いない。 肥満は心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの循環器系疾患のリスクを高くするというのはすでに常識であるが、脂質の摂取量が増えることで、がんの危険性をも高くすることを頻繁に耳にするようになって来た。肥満とがん発症には密接な関係があることは確かだろう。 ただこのところメタボリックシンドロームのことで問題になっているが、肥満に関しての誤解は避けておきたい。「太ることイコール悪」ではない。世間では太っていることがすべて悪いような極論に傾いているようだが、肥満がもたらす健康被害が問題であるということをきちんと押さえておきたい。メタボリックとくくられてしまっている人たちにも「健康的肥満」が決して少なくはない。したがって、この記事を見て自分は太っているからといって心配したり、反対に痩せているかっらといって安心したりするなど無意味なことといえる。 さて、話しを戻そう。肥満とがんの関係についてであるが、太るからがんになりやすいというのではなく、太りやすい食品を多食すると、たとえ太らなくてもがんのリスクが高くなると考えても 良いと思う。太りやすい食品とはファーストフードに代表される高カロリー食のことで 日本人にとっては西洋食も同じだと考えたい。中華料理はどうかということになるが個人的な意見ではあるものの、日本人にとって中華料理を西洋料理と同じように扱う必要はないと思う。また中国人にとっての中華料理と西洋料理の関係は、日本人にとっての日本料理と西洋料理の関係と同じであると考える。中華料理は油を多用するが、だからといってそれだけで健康に問題を生じるわけではなく、日本人にとっては西洋料理より中華料理の方が身体に合っていると思っている。(個人的食文化論) 新聞の記事ではがん予防としていくつか提案しているが、これは単に肥満予防をいっているわけではない。  1、標準体重を維持すること。   (注意 BMIでどれだけ以下という一般的な肥満の指標ではなく、個人での目安が必要だと思う。20歳以降で最も体重が低かったときに少しでも近づけること。太ってしまった体重の3分の一を減量目標にする。) 2、毎日30分の運動(歩くこと) 3、ハンバーガーなど高カロリー食を避けること 4、植物性食品をいくつか摂取すること 5、肉類は少なめに。ハムやソーセージなど食肉加工品は避けること 6、飲酒の制限。純アルコールにして、男性20~30g、女性はその半分。 7、塩辛い食品を避けること。食塩の摂取量を6gまでにする。(注意 かなり困難でしょう) 8、栄養補助食品は医師が勧めるときを除いて摂取しない。 9、母乳育児は乳がんの予防になると同時に乳児肥満を防ぐ。10、禁煙すること。 健康を維持するために必要なことは、ずばり「食生活」。人体は、すべて100%口から入った食品で造られていることは紛れもない事実だ。食べ物が如何に健康にとって大切か理解できると思う。

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C型肝炎について

かつて、血液製剤と呼ばれるヒトの血液からつくられる医薬品(血液製剤)がHIV感染の原因となり、危険性を認識しながらも使用を認め続けた国に対してその責任が追及された。(薬害エイズ訴訟)薬害エイズは大きな社会問題になったにも関わらず、現在はフィブリノーゲン製剤によるC型肝炎(HCV)感染が問題となっており、またもや国(厚労省)の無策振りが露呈したかたちとなっている。おそらく舛添さんが厚生労働大臣になっていなかったら、現在でも国は動いていなかったことは確実だ。感染の危険性を知らされていなかった患者の治療機会を奪っていたことに対する国の責任は極めて重い。 さて、C型肝炎は血液製剤のみが感染源ではなく、かつて当たり前のように行なわれていた医療行為が感染原因となっているケースも少なくはない。感染していても症状が無いことが多いので、小児はともかくとして誰もが一度は感染の有無を確認しておく必要がある。 医療現場で使用される注射針が完全に使い捨てになったのは1980年代になってからのこと。それまでは針も滅菌しながら使いまわしされていたほか、学童の予防接種では1本の注射針で何人にも回し打ちしていたなど、今では信じられないようなことが日常的に行なわれていた。このような医療行為もC型肝炎への感染源になっていたことにほぼ間違いがない。 C型肝炎は症状に乏しく、感染しても気がつかないままで長期間経過し、おかしいと思ったときには肝硬変や肝臓がんに移行してしまっていることもある。毎年受診していた健康診断では、軽い肝機能障害を指摘されていたものの飲酒を控えるようにとのコメントばかりだったという人が、体調不良で受診した医療機関で肝臓がんの診断を受けたという事例もある。この例では、20年以上にわたって健康診断を毎年受けていたにもかかわらず、C型肝炎検査について一度も指導を受けたこともなければ、そんな肝炎の存在すら知らなかったという。 さて、弊社の健康診断でも軽い肝機能異常はよく認められる所見だ。特に中年男性で太った人に多く、おそらく脂肪肝がその原因であると推測されるので実際に問題になるケースは少ないと思うが、中にC型肝炎キャリアーがいないとは限らない。肝機能に異常が認められる人は、C型肝炎の可能性を排除するためにも、積極的に検査を受けて欲しいところだ。 現在の医療行為ではC型肝炎に感染する危険性はきわめて低いので、感染していないことを確認しておけば安心。肝機能の異常の有無にかかわらず一度はC型肝炎の検査を受けて、自分が陰性であること(感染していないこと)を確認しておくことが大切だ。C型肝炎は、A型、B型肝炎ような予防接種がないので、確実な予防法があるわけではないが、感染の機会は極めて限られている。今後新たに感染することはほとんどないだろう。 もし感染していることがわかったら、飲酒はもちろんのこと、風邪薬など市販の薬の服用をしないこと、そして十分に休息をとるなどして肝臓をいたわる生活に変えることで、慢性肝炎の発症はもちろん、肝機能の低下を防ぐことが可能だ。とにかく少しでも早く感染を知ることが肝心だ。

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子供への風邪薬投与、中止勧告

米食品医薬品局(FDA)の小児医療に関する諮問委員会は、ドラッグストアなどで医師の処方なしで買える風邪薬や咳止め薬を、6歳未満の子供に使用するべきではないとFDAに勧告した。 専門家22人からなる諮問委員会は、せき止めや去たん剤、抗ヒスタミン剤などを含み、風邪の症状を抑えるとされる一般的な市販薬について、大人を対象にした研究から6歳未満への効果を推論しているに過ぎないとしている。さらに小児は薬の副作用を受けやすいという意見もあり、今回の勧告に至った。 米国ではこれとは別に、今月中旬には主要な製薬会社が「飲み過ぎにつながる恐れがある」との理由で、2歳未満の乳幼児向けの風邪薬14種類を自主的に回収している。 製薬会社側は、年間38億回も使われており、用法用量を守れば安全だとしている。 以上は共同通信社が19日に配信したワシントン発の記事からの抜粋であるが本格的な風邪のシーズンを前にして、消費者に対する問題提起になる記事だ。 「風邪に効く薬はない、もし発明できたらノーベル賞ものだ」という話を耳にした人は 多いと思う。実際風邪症状を起こす微生物(細菌やウイルス)は少なくとも200種類ある。この多くはウイルスであるが、ウイルスに効く抗生物質は極めて限られている上に、ターゲットとしなければいけない種類が多すぎてワクチン開発も今のところ不可能だ。 一般に風邪薬(総合感冒薬)と呼ばれる市販薬は、咳や鼻水を止めたり、熱を下げたりするいくつかの薬を配合したもので、それぞれの症状を「緩和」するだけのものだ。はっきりいって、風邪(普通感冒)とわかれば薬は不要。ゆっくり休んでいれば3日ほどで体調は回復することが多い。 直接的な効果が期待できない、ある意味「気休め」に過ぎないのに、副作用も心配される風邪薬を飲む必要はないのではなかろうか。まして子供に飲ませる必然性はないだろう。最も効果的な風邪薬?は「栄養と休養」だ。 熱への対処も解熱剤が最初ではない。人体の免疫力は38~39度程度の発熱時に最大となる一方で、病原微生物は37度より高くなるとその活動が抑えられる。つまり熱は免疫力を高めるために体内で産生されているものであって、解熱剤で抑えてしまうと免疫力が低下する上に病原微生物の活動を助けることになる。発熱に際しては大人も子供も、とにかく冷やすことを第一に考えたい。 薬は必要に応じて飲むものであって、「適当に」「気軽に」飲むものではない。ある解熱剤を連用しているうちに劇症肝炎になって死亡した例もある。大人でもやたらと飲むことは止めた方が良いのが薬だ。市販の風邪薬の子供への使用には慎重にありたいものだ。

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インフルエンザによる学級閉鎖(沖縄、愛知)

愛知県健康対策課は、同県田原市神戸小学校の1年生1クラスで集団風邪が発生し、欠席者の大半からA型インフルエンザウイルスが検出されたため、このクラスを閉鎖することを決定した。10月9日のことだ。例年に比べて2カ月も早いインフルエンザの発生に専門家や愛知県は警戒している。 実は沖縄では2005年以来3年連続で夏場のインフルエンザ流行が続いており、今年も6月に流行が始まり学級閉鎖は少なくとも6校8学級に及んでいる。東南アジアでは夏のインフルエンザ流行は珍しくないもののなぜこの時期に沖縄で毎年流行しているのかは今のところ不明だ。 ところで早くも愛知県でおきた学級閉鎖であるが、これはこの冬の流行が早まることを意味している可能性もある。専門家は今年のインフルエンザの流行が極端に早まり、患者数が激増する可能性があることを強く警戒し始めた。 インフルエンザ予防は予防接種で、ある程度の効果を期待できるが流行の予想が外れる可能性も少なくはない。特に今年のように例年と違う出現パターンを示していることは、流行予想が外れてしまった可能性も考えられることだ。 インフルエンザ予防はワクチン接種(予防接種)だけではない。日常生活の中で予防することも非常に重要なことだと心得ておきたい。  1、免疫力を落とさないこと。   適切な栄養摂取、休養、睡眠を心がけたい。翌日まで疲れが残る状態が続くようなことは避けたいこと。また速歩き程度で構わないので、できる限り体を動かす機会をつくること。 2、他人との接触を少なくすること。   人混みを避けることはもちろん、無用な外出はやめておきたい。   特に屋外の「人の密度」が高い香港では、繁華街などで容易にウイルスをもらってしまう。(感染と発症は違うので、やはり免疫力が大切だ) 3、手洗いの励行。これはインフルエンザに限らない。外出後は手洗いに直行! 4、急な高熱や関節の痛みなど、おかしいと思ったらすぐに医療機関を受診すること。    抗インフルエンザ薬タミフルは発症後48時間以内に服用しないと効果は望めない。タミフルは非常によく効くが、ウイルスを殺すものではない。したがって、熱が下がったといって仕事や学校に戻ることは、ウイルスをばら撒くことになるので絶対に避けるべきだ。処方されたタミフルはすべて服用してほしい。 5、無理は禁物。インフルエンザとわかったらとにかく休むこと。 ところでインフルエンザ予防接種が新型インフルエンザ対策になるという意見もあるが、個人的には賛成できない。これはSARSの時に、医療機関でSARSとインフルエンザの診断がつきにくく、医療現場に混乱が生じることを避けることと、SARS患者が診察に来る可能性がある医療機関に行って、SARSに感染してしまうリスクを少なくするため(インフルエンザに感染しなければ医療機関に行くことがそれだけ減るため)、インフルエンザワクチンを接種しておくことが推奨された。新型インフルエンザの感染力がSARS程度であれば、このような措置である程度危険が回避できるかもしれない。しかし、敵はインフルエンザだ。爆発的に流行する危険性があり、そうなると医療機関で感染するなどとは言っておられない事態になる。ある意味感染は避けられないともいえる。スペインかぜは、一般の人の移動がほとんどない時代のこと。(1918~19年)それなのに瞬く間に世界中に感染を広げて、感染者6億人、死者4000万人もの被害となってしまった。現在のワクチンはあくまでも通常のインフルエンザの予防(60~70%の効果?)と考えるべきだ。新型インフルエンザワクチンの開発も急ピッチで進んでいるというので、それに期待したいところだが、とにかく自身の免疫力を落とさないようにしておくことが最も大切なことだと思う。

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企業におけるメタボリック対策

昨晩のNHKニュースで、来年4月からメタボリック症候群予防対策として腹囲測定の実施が義務付けされるのを前に、すでに多くの企業ではメタボリック対策に取り組み始めていることを紹介していた。最後に男性アナウンサーは「誰もが痩せたいんですよね。それができないから困るわけで、もし減量したら給料がその分上がるのであればみんなこぞって減量に取り組むでしょうね」というようなことを発言していた。 確かに減量は循環器疾患のリスクを低下させ、企業としての生産性を上げることにつながるという意義があることに対して異論はない。社員の死亡率を下げるのみならず、欠勤率(病欠率)も少なくなることが期待できる。厚生労働省では健康診断で腹囲を測定するのみではなく、保健師等による具体的な保健指導なども導入するよう求めている。企業にとっては社員の健康管理に大きな効果が期待できる一方で、それなりの負担も強いられることは確実だ。一般企業からは、そこまで行政が一方的に要求する必要があるのかという強い反発もあがっていると聞く。 別の番組では三重県の自治体が幹部クラスのメタボ対策として、市民に目標を公表した上で期限付きで減量に取り組んだ結果が発表されていた。途中、この試みに参加した職員がジョッギング中に突然死するという不幸があったものの、体重やウェストサイズは皆改善されていた。はたしてこのような取り組みは本当に意味があるのだろうか。 ところで、最近の風潮として太っていることがメタボリックであると単純に解釈してしまう傾向が広まっており、肥満が「悪」であるというような思考が一般に定着しつつあるように感じる。太っている人はいっそう肩身が狭くなってきているのではないかと思うが、肥満が悪いことであると決めつける理由はどこにもない。 たとえ太っていても、循環器系に何も問題がないという例はいくらでもあり、一律にメタボリック症候群だとまとめてしまうのは好ましいことではない。体系に関係なく、健康診断等で現在の健康状態を客観的に理解しておく必要があり、それをベースとしてどうしなければいけないかを判断するべきだ。基本的な情報なくして、太っているからといって、やみくもに痩せようとしても意味がないばかりか、減量中の事故の原因にもなりかねない。 血液検査では、血糖値、中性脂肪、HDLコレステロールの値の変化に注意したい。毎度の検査結果がたとえ基準値内であっても悪い方向に変化しているのであれば十分な注意が必要と判断したい。この点がメタボリック症候群という「流行語」に振り回されてはいけないところでもあり、健康を指導する側(医師、保健師など)にも求められることだ。

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中国研修旅行にて赤痢に感染

今年8月、新潟市内の大学の中国研修旅行に参加した大学生から2名の赤痢患者が確認されたことが、その後の検証も含めて国際感染症センターより10月4日付で公表された。 研修は学生23名、引率教官1名、合計24名によって行われたが、旅行中数名が下痢やおう吐など食中毒を疑わせる症状を呈したので、教官は持参の内服薬を与えたという。その後軽快したため予定通り帰国したが、帰国後にも学生一人が同様の症状を訴え医療機関を受診。医師からの情報提供で保健所が動き、旅行参加者のなかで有症状者に対して検便を推奨した。学生一人が帰国後7日目にして細菌性赤痢(S.sonnei)の診断を受けたが、この学生は帰国後に自ら医療機関を受診した学生とは別で、旅行中に下痢、おう吐はあったものの自然軽快したため医療機関への受診はしていなかったという。 結局、旅行参加者全員と帰国後の接触者73名の検便を行い、さらに1名の学生から赤痢菌(S.sonnei)が検出され、本件で特定された赤痢患者は2名となったが、その後は患者の発生はみなかった。 さて、赤痢というと昔の感染症のように思うかもしれないが、現在も散発的に患者発生は続いており、日本でも稀に集団発生している。先進国だからといって患者発生がないわけではなく、世界的に患者の発生が認められ、香港でも昨年(2006年)、140名の患者が確認されている。 新潟の事例ではいくつかの注意点(問題点)を残している。参加者が帰国時に空港で下痢やおう吐の申告を行わなかったこと。自覚症状があったものの、感染拡大についての意識が低く、飲食店などでアルバイトをしていたことが大きな問題点としてあげられる。 日本では帰国時の健康申告は任意であり、そのまま入院などで拘束される可能性を嫌って申告はされにくいと思われる。したがって水際で感染症が輸入されることを阻止することは難しいが、2次感染の防止という意識があれば周囲も含めて医療機関への受診を促し、飲食店でのアルバイトを禁止する等の措置もとられていたかもしれない。新潟の事例では、飲食店でも旅行中のことを聞いているにもかかわらず、下痢症状がないからと働かせていたそうだ。 1998年、長崎で水道水が原因とみられる赤痢集団感染が起きており、821名もの患者が特定された。今回、新潟でも集団感染につながっていた可能性もあり、特に海外旅行で感染して国内に持ち込まれる輸入感染症に関して、改めて注意を促されるべきだろう。 上記は日本の事例としてあげたが、香港でも輸入感染症は少なくない。2006年、香港では140名の赤痢患者が発生しているが、実際にはその何倍もの患者がいたとしても決して不思議ではない。日本のように入国時の申告制度はないが、旅行中あるいは旅行後に体調を壊したときなど、決して甘く見ることなどせず、直ちに最寄りの医療機関を受診し渡航先などの情報を医師に詳しく伝えるべきだ。 日本では、戦後しばらくは毎年十万人を超える赤痢患者が発生し、2万人もの死者をみたが、1965年ころから患者数は激減し、現在の患者数は毎年1000名くらいで、その半数以上は輸入例とみられている。赤痢は4タイプに分けられるが、現在認められる患者の多くは、今回新潟でも特定されたS.Sonneiで、症状が軽いのが特徴。多くの感染者は赤痢と知らずに自然治癒していると思われる。 赤痢菌の感染は、一般食中毒と同じく飲食物だ。特に途上国においては生ものや生水、氷などは飲食しないことが大切だ。

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日本人の体格変化

経済産業省は、衣料、自動車、電機など製造業に欠かせないデータとして人体の寸法や形を調べているが、このたび業界の求めを受けて12年ぶりにこれらの数値が更新された。(Size-JPN 2004-2006) 同省は04~06年度、19~80歳の男女計約7000人について163カ所の寸法を測り前回調査(92~94年)と比べたが、男性は30歳以上の全年代で大柄になり、中でも40歳代では、体重が4kg増え、身長は3cm伸びていることがわかった。肥満度もこの年代では大きくなり24を超えており、肥満一歩手前となっている。 また女性は男性と同じく身長は3cm伸びているものの、体重は反対に1.3kg減っており、ダイエットブームの影響を受けたと思われるという。 今回、経済産業省から公表された数字は、弊社の健康診断で得られたデータでもうなずけることだ。統計的な処理をしているわけではないので具体的にどのように変化しているか不明であるが、肥満度(BMI)で見ると、男性では肥満との判定となる25を超える人が目立つのに対して、女性では最も良いとされる22(疫学的な調査で最も病気になりにくいとされる)を下回ることが多く、中には痩せすぎの指標である18に近いケースも散見される。男性では20を下回ることは極めて少ない。なお男性肥満では脂質異常や高血圧、肝機能障害など医学的に問題となるケースが目立つが、女性肥満ではそれほどでもないように感じる。 経済産業省では女性に関してダイエットブームを体重減少の理由にあげているが、実際にやせている人に聞くと、特に意識していないという人も少なくない。逆に太っている場合は、男女とも痩せようと思っているけど痩せられないという人が非常に多い。太ることを悪とする風潮が強いが、決して太っている事実が悪いというわけではない。 どうしても容姿を気にしてしまうが、医学的な問題の有無の方がより重要な要素であることに対する理解が必要だろう。 経済産業省はあくまでも体型にかかわる数字のみを出しているが、厚生労働省が行なう 肥満に関する調査、文部科学省が行なう体力に関する調査など、各省庁間のデータを共有かつ利用することで、国民にとってより有益な調査になるのではないだろうか。