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風邪の季節です

気候の変わり目です。周囲では咳やくしゃみが多くなり自分自身も体調を壊すことが多くなる季節です。気候が良いので気分的にも心地良いのですが、一日の寒暖差が大きくなるとともに、乾燥する毎日が続きます。このような季節は病原ウイルスにとっても都合が良いものです。 インフルエンザもぼちぼち発生し、おそらく来月下旬には日本で(北半球の多くの地域では)大流行になっている可能性が大きいと思われます。 本格的なインフルエンザの季節を前にして、現在は風邪(普通感冒)が香港で大流行しているようです。今のところ衛生署は具体的なコメントを出していませんが、私が感じるところ、風邪をひいている人は相当な数になっているものと思います。症状は咳や鼻水など呼吸器系の症状に加えて38度未満の軽い発熱と頭痛、さらに嘔吐が加わることもあるようです。あくまでも私が把握している範囲のことですが現在の流行の主流である可能性が大きいと思います。 風邪をひかないためには免疫力を高めるしかありません。というより、免疫力低下を防ぐことが大切です。インフルエンザであれば特効薬がありますが(インフルエンザと風邪はまったく違う感染症です!)、風邪の原因になっているウイルスや細菌は、細かく分類すると数百種類になるとのことでこれが理由で薬は対症療法的なものしかできないのです。 免疫力を上げる手法が巷で紹介されていますが、そうではなく下げないようにすることを考えるべきでしょう。不摂生を止めること。夜は7時くらいから食べ始め、その後2~3軒ハシゴして、帰宅は夜中の1時2時。こんな毎日の人もいるかと思いますが、これでは感染症にかかりやすいだけではなく循環器にも問題が出そうなことは誰にでも想像できます。外での飲食が悪いのではなく、ずるずると飲み食いして、結果睡眠不足になってしまうのが良くないのです。 運動不足も良くありません。適度な運動は免疫力を低下させないばかりか、その活性を高めることになります。機会を見つけては歩くようにしてください。 しっかり栄養を摂ってなどと言いますが、今の時代、食べ過ぎている状態であり、反対に過食を避けることが必要です。「栄養を摂って感染症予防」するという概念は、卵が貴重品だったころの名残です。病気の時、食欲がなくなるのは、免疫力を高めるための手段だともいわれます。動物も具合が悪い時は何も食べなくなります。ヒトも同じです。 風邪をひいたからといって、やたらと薬を飲む人もいるようですが風邪に効く薬は一切ありません。発熱することが多いので、しっかりと水分を摂ってください。熱が高い時は冷やしてください。酷い発熱でなければ解熱剤は不要です。38~39度で免疫力が最高になります。解熱剤で免疫力を低下させてしまうことにもなりかねません。とにかく寝ること。昼間寝ることができないかもしれませんが横になっているだけでもまったく違います。 風邪であるなら2~3日寝ていればかなり回復します。

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世界糖尿病デー

毎年11月14日は世界糖尿病予防デーとして、世界中でその予防啓発に向けた行事が行われます。メインイベントはシンボルとなっている青い光で歴史遺産やタワーなどのランドマークを照明することです。日本では東京タワーなど約100の施設が昨晩青い光に照らされています。時差があるので今頃はパリのエッフェル塔などが照明されていると思います。 さて、この糖尿病。食生活が豊かになるとともに患者が急増しており、今後も増え続ける患者数は2025年には2007年の患者数をなんと70%近くも上回る4億人近くになるのではないかと推計されています。これは先進国のみではなく、むしろ開発途上国での増加率が大きいのが特徴です。 糖尿病の発症原因は様々ですが、臨床的には血液中の血糖(グルコース)の量が増える病気で、進行しない限り何の症状もありません。気がついたときには合併症で足を切断しなければならなかったり、突然失明に至る事態にもなります。そのほか腎不全(糖尿病腎症)を起こすこともあって、血液透析を余儀なくされるケースも珍しいことではありません。昨年の新規透析患者の43%は糖尿病が原因となったものであり、その数は約1万6千人にもなります。(日本)新規透析患者の最も多い原疾患は糖尿病です。中には足を失った上に透析を受けている患者もいます。 糖尿病が怖いのは、この合併症です。視力を失うことも、足を失うことも、そして週に3日も透析に通わなければいけないこともどれをとっても著しい生活の質低下となり、患者本人のみならず周囲を巻き込んで一生ケアしなければいけないことになるので何としてもその事態は避けたいものです。がんのように自分の努力で発症を予防したり治療したりすることが極めて難しい病気は仕方がありませんが、そうではないのが糖尿病です。糖尿病には何らかの原因でインスリンの分泌が不足しておきる1型糖尿病と、おもに肥満が引き金となって発症する2型糖尿病がありますが、患者本人が病気にどう向き合うかが予後に大きく影響します。 もちろん1型であればインスリン注射をきちんとしていれば問題はないのですが、こちらの場合は発症を防ぐことができないので生活習慣病にも含まれません。子供の時からの糖尿病患者はほとんど1型です。生活習慣病である2型糖尿病は、ぜひとも予防して欲しい病気です。自分の努力でなんとでもなる病気だと思って間違いありません。すでに糖尿病と診断されている人も落胆する必要はありません。合併症をおこさないようにできることはもちろんですが上昇した血糖値をほとんど基準値レベルに落とすことは、かなりの確率で可能だからです。 いつも同じことを言いますが、太らないこと!すでに太ってしまっている人はダイエットすることです。ただし肥満がすべて悪いというわけではありません。女性型肥満(皮下脂肪型肥満)はほとんど問題にはなりません。すでに糖尿病の危険性が指摘されている人は直ちに対処しなければいけませんが、そこまでではなくても、体重増加とともに血糖値が上昇してきた人、両親など直系の家族に糖尿病患者がいる人は十分注意してください。 とにかく太らないこと! 身体を動かすこと!毎日体重計に乗って、その小さな変化に敏感になることです。ダイエットに関しては、お伝えしたいことが山ほどありますが長くなるので止めておきます。 ご質問などは、堀までお気軽に・・・。

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肥満調査について

滋賀医科大学生活習慣病予防センターがまとめた調査で、中年男性の典型的な肥満である「ビール腹」は、ビールだけのせいではないという結論を出したことがマスコミ報道されています。 この調査の報道を見て、私は目を疑ってしまいました。こんな研究(調査)を大学レベルで行っていることに唖然とするとともに、マスコミが取り上げていることも信じられない思いです。余程ニュースがなかったのでしょうか。大学ってこの程度の研究をしていれば、良いところなんでしょうか?きっとこのレベルの研究であっても、難しいタイトルをつけて学会発表するのでしょうね。「ビール腹」は、ビール好きな男性のお腹がポッこり出ている事を揶揄した表現で、特にビールが原因であるなど誰もまともには思ってはいないのではないでしょうか。まして大学の専門家が調査研究するような対象ではないと思います。私が小学生なら、「街のおとうさんのビール腹研究」と称して夏休みの宿題の自由研究として提出するかもしれません。サンプルは限られてしまいますが、先生がちょっと指導してあげれば小学生でもできることです。ま、そんなことを書くのが今回の医療情報の目的ではありませんので、早速本題に入ります。 「ビール腹」は典型的な内臓脂肪型肥満で、男性に多く認められる肥満のタイプです。内臓周囲に大量の脂肪がつくことでお腹が押し出されていきます。出っ張ったお腹はその肉を掴もうとしても張っていて多くつかむことができません。皮下脂肪が多ければ(女性型肥満の典型)多くの肉をつかむ事ができますが、外から掴める脂肪は一般的に問題にはなりません。お腹がポッこりと出てしまう内臓脂肪型肥満は循環器系疾患のリスクが高いことが多くこのようなタイプの人は、とにかく減量が必要になります。腹囲が大きい男性は、健康診断の結果でも循環器系疾患のリスクが高いことが容易に読み取れます。 内臓脂肪って何かという質問を時々受けます。確かに具体的にイメージしにくいかもしれません。脂肪肝と混同している人もありますが、この脂肪は内臓の周囲についている脂肪のことです。生の鶏肝を見たことがありますか。その周囲についている黄色の脂、これが内臓脂肪です。卵を産むことだけを目的とされ、ケージで運動もできないニワトリには内臓脂肪が多くついています。人間の内臓脂肪も同じです。生物学的に雄には内臓脂肪がある程度必要ですが、多くなりすぎた内臓脂肪は、血圧を上昇させるほか、脂質(主に中性脂肪)や血糖の上昇(糖尿病の原因)を招く原因となります。もちろん脂肪肝をきたすことも珍しくはありません。当然ですが肝機能も悪化します。動脈硬化が進行することで、心筋梗塞や脳卒中のリスクに直結し、余命が短くなることは当然です。 太く短く生きればいいんだといって、不摂生を重ねている人もありますが、このような人に限って「細~~~~く、長い」人生になりかねません。将来、寝たきりになって下の世話まで周囲に頼まなければ生きていけない姿を想像してみてください。誰もがそんな事態は避けたいはずですよね。妻にとってみれば、将来夫を介護しなければいけなくなる可能性が高くなるわけであり、食欲に任せて食べてしまう夫には、将来の自分のためにも厳しい態度で挑むべきでしょう。(笑) 夫が喜ぶからたくさん食べてもらうといってニッコリしている場合ではないのです。 太っている人、特に内臓脂肪型肥満、ここで言うビール腹の男性は、とにかく減量しなければいけません。人のためでも、家族のためでもありません。自分のためです。痩せようとしてアルコールの種類を選ぼうとする人がありますが、まったく意味がないことです。ビールより焼酎が良いとか、ワインや日本酒よりブランデーやウイスキーが良いといっている人もありますが、大きな誤解です。酒類のカロリーは、含まれるアルコール(エチルアルコール)のカロリーをも加えた総カロリーが表示されます。ところがエチルアルコールのカロリーは実質的にゼロ(エンプティーカロリー)であり、体内でエネルギーに転換されていく訳でも無駄な肉(脂肪)として蓄積されるものではなく、最後は水と二酸化炭素に分解されてしまいます。ただしアルコールが分解される過程で、血糖を原料に中性脂肪が大量に生まれてきます。だから低血糖になって、脳は「空腹だからもっと食え」という誤った指令を出してしまいます。飲んだ後のラーメンが美味い!これは誤った指令にだまされているだけで、極めて深刻なオーバーカロリーとなります。 繰り返しますが、お酒をたくさん飲むから太るのではありません。一緒に食べているものが肥満の原因になるのです。普通の食事に比べると飲酒している時間は長く、そんなに食べていないと思っていても知らず知らず食べ過ぎてしまうのです。加えて締めのラーメン。最悪です。 飲酒は限度さえ守れば問題は少ないものです。とにかく食べる量を減らしましょう。健康に良いのは腹7分目で、8分目ではありません。何を食べてはいけないということではありません。巷にはびこる健康情報や栄養指導。情報や指導を行動として守ろうとしても普通の人には極めて難しいものです。食品を吟味してより良いものを選ぶことは確かに大切ですが太っていて健康診断で問題を指摘されているような人にはあまり意味がないことです。とにかく食べないこと! 痩せること!これだけです。 最後に・・・一日中動かないでいても3食食べることができる動物はヒトだけであって、これは極めて特異な存在です。獲物や餌を探し回っている野生動物は、時には一日中何も食べることができないこともあります。それでも歩きまわって餌を探さなければいけないのです。哺乳動物はヒトも含めてDNAに大きな違いはありません。このことを良く考え自分の理解として「気持ちの中」に落とし込んでおくとダイエットに成功しやすく、リバウンドも避けられると思います。 注意現在、心疾患や糖尿病などすでに病気治療を受けている人は無理なダイエットは避けて、医師に相談してください。本日のお話しは、あくまでも「自分は一応健康である」と思っている病気治療中ではない人(特に男性)向けです。体型的に太っていてもダイエットを必要としない人(女性に多い)が無理にダイエットすると健康を損ねることがあります。 長文、失礼しました。ご質問などありましたら、いつでもご連絡ください。

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リステリア食中毒

食中毒というと肉や魚介類が原因になっているものというイメージがありますが、なんとメロンが原因食品となった集団食中毒事件が米国で起きています。 報道によりますと、米国コロラド州を中心にリステリア菌による食中毒事例が多発し、発症した84人のうち15人が死亡しています。原因食品として挙げられたのが同じ農場から収穫されたメロンです。 リステリア菌はあまり馴染みがありませんし、日本ではこれが原因となる食中毒の発生も多くないと考えられていましたが、これは一般の食中毒に伴う下痢、嘔吐といった急性胃腸炎症状に乏しく、38~39度の発熱や頭痛などインフルエンザ様の症状を初期に認めるためです。重症化すると髄膜炎、敗血症を起こしますが、一般の医師にはなじみが薄く、軽症では診断がつきにくいようです。 もともとリステリア症と呼ばれた病気は、家畜などから直接感染するものと考えられていましたが(人畜共通感染症)1981年にカナダでキャベツのサラダ(コールスロー)が原因で集団発生したことで、食品が介在する食中毒であると認識されました。その後欧米では多数の症例が報告されており米国では毎年約2500人が重症のリステリア症になり、そのうち約500人程度が死亡していると推定されています。 リステリア菌は哺乳類、鳥類などに感染(保菌)するほか土壌や水(河川、海)など自然界に広く分布しており感染機会は少なくないと思われます。ただし健康人では発症しにくく、また発症しても風邪と区別できなかったりするため、統計上の数字はそれほど大きくはありません。発症までの時間も、短ければ数時間から長いと数週間と幅が広すぎることも診断の妨げになります。 原因食品として最もよくあげられるのはナチュラルチーズ、スモークサーモン、サラダといったものであり、欧米での感染症例が多い理由ですが、実際には日本でも少なくはないようです。 感染予防はほかの食中毒予防と変わりありません。熱に弱いので確実に加熱すること、生で食べる野菜類はよく洗うことが大切です。生肉類などを切ったまな板や包丁などはきちんと洗浄して次の調理に使ってください。また氷点下の環境でも増殖できることが本菌の特徴であり、冷蔵庫の過信はよくありません。

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寄生虫疾患急増

中国南部広西チワン族自治区や広東省ではここ数年淡水魚の刺身が美食としてもてはやされているそうです。もともと魚を生で食べることが中国にあったとは私も知りませんでしたが、最近のブームの影響で肝吸虫症が激増していることを、中国の新華網が伝えています。 日本では鯉こくと称して鯉の刺身を食べることもありますが、一般に淡水魚を生で食べることは避けられています。その認識ゆえ、今では普通に食べられているサーモンの刺身も、回転すしなどでメニューに加えられても当初は見向きもされなかったそうです。 今回ニュースになっている肝吸虫は、鯉やフナ、あゆ等に広く感染しており、淡水産の魚類から感染するもっともポピュラーな寄生虫です。報道では肝硬変にもなる怖い寄生虫のように記載されていますが、実際にはもっとも感染確率が高い肝吸虫である横川吸虫の場合、その性質は穏やかで、感染に気付かないでいる人がほとんどだと思います。 同じ淡水魚でも、雷魚やドジョウに寄生している顎口虫という寄生虫には注意が必要です。ヒトの体内では胃壁や腸壁を破って移動し、最悪、眼球や脳に侵入して重大な障害を起こすことがあります。淡水産の生きものには寄生虫がつきものです。両生類のカエルや蛇も危険です。 ドジョウやカエルを精力剤のように思って飲み込む人も昔は日本にもいたようですが、自殺行為といえましょう。蛇を生でなんか食わないと思われる方もあるでしょうが、生血や胆のうをワインで一気に飲むことは、中国ではそれほど珍しくないようです。余談ですが香港のワンチャイにあった蛇専門店で、キングコブラの胆のうカクテルを2000ドルで出していました。90年代中頃かと記憶していますが世界一値段が高いカクテルだとして香港の英字紙(SCMP)で紹介されていたのを覚えています。当時タダでもいらないと思ったものですが、これは気持ちが悪いからではありません。マンソン裂頭条虫という寄生虫が怖くて、たとえどんなに美味しいといわれても、とても飲む気にはなれないカクテルです。 淡水産の生きものを生で食べるのは絶対に避けてください。これからの季節、上海蟹が出回りますが、これも生では危険です。(ウェステルマン肺吸虫)普通は蒸して食べるので問題にはなりませんが、紹興酒に漬けたものが出されることがあります。しかしお酒では寄生虫は死にません。 最後に海のものでも危険なものがあることをご紹介しましょう。それはアニサキスです。30cm以上のサバには100%寄生しており、酢に漬けても死にません。森重久弥はしめサバでやられました。弊社のお客様でもサバで感染された方があります。このお客様から見せていただいた胃部内視鏡検査の写真にはっきりとアニサキスが写っているのに、医師は無視して潰瘍が腹痛の原因であると診断したそうです。もともと生ものを食べる習慣がなかった香港では、アニサキス感染がなく、その医師は知らなかったのではないかと思います。アニサキスはイカにも高率に感染しています。イカそうめんはイカを細く細く切りますが、これはアニサキスを殺す意味もあるのではないかと、私は思っています。

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インフルエンザ情報

米国インディアナ州とペンシルベニア州で乳幼児(男女各一人)が新種の豚由来インフルエンザウイルス(H3N2)に感染したことが、米国疾病対策センター(CDC)によって発表されました。二人はすでに回復していますが、確認されたウイルスは一昨年世界的に流行した豚由来新型インフルエンザウイルス(H1N1)の特徴を備えていることから、今後ヒトの間での流行する可能性が懸念されます。 今回の感染は、豚から直接感染したものと、豚の世話をしている人を介して感染しているであろうことが推測されていますが、今のところさらに感染が拡大する気配はありません。また今回のケースは米国の東西で起きており、互いの関連はまず考えられません。 豚は、ヒトと鳥の両方のインフルエンザウイルスに感染する為に、その体内で双方の遺伝子が交雑し、新しいタイプのウイルスが生まれます。現在最も大きな懸念は、世界中で散発的に感染を繰り返しているH5N1型鳥インフルエンザと毎年のように流行を繰り返すH3N2香港型ウイルスの交雑です。さらに豚由来新型インフルエンザも加わり、ますますその懸念が大きくなってきました。 今回認められた新種のインフルエンザの感染が、豚の間でどの程度拡大しているのか今後調査されますが、場合によっては十分警戒する必要があります。 さて、今季のインフルエンザ予防接種が始まりました。混合されているワクチンの種類は昨年のものと同じです。H1N1(カリフォルニア)H3N2(バース)B型(ブリスベーン)H1N1は昨年8月まで流行した新型インフルエンザに対応するワクチンです。また新型ウイルスががあらわれるまで毎年爆発的な流行を繰り返してきたH3N2香港型インフルエンザ、そして影響が少ないB型の代表株を混合しています。ちなみに都市の名前は、そのウイルスが初めて分離された場所であり、正確にはその年度もウイルス名につけられています。 インフルエンザワクチンは前季の流行状況を見て、北半球であれば6月にWHOからワクチン成分に関して推奨タイプを各国政府に通知されます。各国では、自国の流行状況を考慮した上でどのような成分にするかを決定、し製薬メーカーにその製造を指示することになります。 インフルエンザワクチンに関して、賛否両論があるのは確かです。ネット上でも様々な意見が飛び交っていますが受益者である一般の人々が自ら情報を収集して、納得した上で、接種の判断をするべきでしょう。 ところでマサチューセッツ工科大学リンカーン研究所ではすべてのウイルスに効果が期待できる新薬を開発し、すでに大型の動物でその効果と安全性を確認しています。この新薬、インフルエンザウイルスのみではなく、世界中の熱帯亜熱帯圏で数億人もの患者を出しているデング熱などにも効果が確認されており、もしかすると抗生物質の発見依頼の医療大革命になる可能性があります。医薬品として認可されるには時間がかかりますが、10年後には「本物の風邪薬」が一般でも入手できる可能性が大きいようです。風邪に効く薬を開発したらノーベル賞ものだといわれていますが、この開発はおそらくその受賞対象の有力候補になるのではないでしょうか。

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人間ドックの健常者、わずか8.4%

人間ドック受診者における健常者とされる割合が過去最低の8.4%にまで下がったことがニュースになっています。メタボリック健診の導入が影響しているといいますが、あまりにも低い数字です。 何をもって健常者というのでしょうか? 検査した項目がすべて基準値に収まっている場合が健常者ということになるようですが、そもそも基準値とは何かです。これは健常者と思われる人のおよそ95%程度の人が入る値のことであり、身体的にどこも悪くない人でも、統計上は5%くらいの人はこの範囲を外れてしまうのです。 身体的に問題がなくても5%の確率で基準値を外れるということは、受診項目が多くなれば誰もが何らかの項目で基準値を外れてしまう可能性が大きくなることは明らかです。基準値を外れてしまった項目が一つでもあれば健常者ではないとされるわけですが、これはあまりにも乱暴な仕切り方です。総コレステロールなど、基準値と最適値とが一致しない項目があるのが常識になりつつあるのに、いつまでもおかしなことを言っています。 メタボリック症候群診断の絶対条件である腹囲の基準(男性85cm、女性90cm)を上回っただけで、内臓脂肪が多いと判断され、さらに血圧、コレステロール、血糖、そして中性脂肪といった項目の基準値の「異常」が重複した場合にメタボリック症候群と診断されます。コレステロールや血糖に関しては従来より判断が厳しくなっているので、それだけ該当する確率が高くなります。メタボリック健診では、メタボリックと診断された人への「改善義務」もあり、ご丁寧にも改善できなかった場合のペナルティー(罰則規定)まで設けられているのです。一方で、腹囲が基準を超えていなければ、血圧、脂質(コレステロール、中性脂肪)、血糖などすべてが悪くてもメタボリック症候群と診断されることはなく、指導の対象にもなりません。 いったい誰のための健康診断でしょうか。受診した人に最も大きな利益が還元されなければいけないはずなのに病気の人を発見し、治療機会をつくる医療者側の経済理論が優先されているような気もしてしまいます。特に「メタボリック健診」には後期高齢者医療への拠出金の問題が絡んでいるだけに、たちが悪いです。 それにしても特にコレステロールに関しては、脅しともとれるほどに徹底的に悪者扱いされ、その認識が一般の人にしっかり刷り込まれてしまっているようです。専門学会が高コレステロールに対する治療ターゲットの引き上げを提言しても、一蹴してしまう医療の現場は一体どこを見て医療を行っているのでしょうか。 健康診断は健常者と非健常者を選別する作業をしているわけでは決してありません。受診した人にとって、現在はもちろん将来に向けて、健康状態をより良くするにはどうすれば良いかを提言する機会であるべきです。その中で病気が見つかることもあるでしょうが、それはプラスアルファのことともいえます。 健診を受ける側も、医療機関の側も、健診の本当の意味をもっと理解したいものです。この点、海外在住者あるいはその経験者の意識レベルは非常に高いものだと実感しています。 今回はまとまりのない文章になってしまいました。ニュースを見てつい一言、言いたくなってしまいましたが一言ではないですね。長くなり失礼いたしました。

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生ものに注意

昔の香港国際空港の北西に隣接する九龍城地区は古くから多くのタイ料理店が集中する地域としても有名です。香港経済日報の記者がこの地域にある10軒のタイ料理店を覆面調査したところ、7軒において生エビを客に提供していたことが判明しました。 香港では刺身類を提供するには許可が必要であるほか街市(香港の市場)にて購入した生鮮を生で出すことを推奨していませんが、これらのタイ料理店では、そのどちらの条件も満たしているものではありませんでした。 香港では、タイ料理店で客に出された生エビが原因で立て続けにコレラ患者が発生したことがありました。この時は、タイから輸入されたエビを使っていたとのことですが、香港の街市であろうとタイから輸入しようとどちらも非常に危険であることに違いありません。 暑い夏に危険性が高くなる食中毒で有名なものに腸炎ビブリオがあります。海水中に棲息する細菌で海水温が高いと増殖スピードが急速に高くなります。真水では生息できません。刺身にする魚は、まず真水で全体を良く洗うことは日本では常識ですが、これは腸炎ビブリオ中毒の予防にとても大切なプロセスです。生エビはコレラ以外にも腸炎ビブリオ中毒の危険性が非常に高いものです。 海鮮以外では、やはり生肉が非常に危険です。生肉なんて食べないという方も多いと思いますが、ハンバーグは中まで火が通っていますか? 食品衛生上ハンバーブは中まで十分に加熱されていなければいけません。ミディアム程度にしか加熱していないものを出している店も少なくないようですが、ハンバーグでは危険です。O157などの病原大腸菌に汚染されないように食肉加工することは非常に難しく、それなりの施設が必要です。(そんな面倒なことしていません!) 鳥肉も危険です。日本で流通している鳥肉でも、その20~40%からカンピロバクターという食中毒菌が検出されるようです。生では一般に食べないものですが、調理過程でほかの食品を汚染する危険性を考慮しなければいけません。カンピロバクターは日本で非常に増えている食中毒原因菌です。 あまり知られていませんが生ハムも加熱処理しておらずやはり危険であり、フランスやイタリアといった本場では小さな子供には食べさせないというのが常識と言います。 話を戻しますが、生ものを食べる習慣がない国や地域で刺身などの生ものを食べるのは危険です。新鮮であれば安全だと単純に思っている節があります。エビは生きてるよ、だから食中毒なんてないよ、というのでは提供する側としては無知すぎます。いくら当局が指導しても客が求めるのであれば店は出しますから、客側で十分気をつけるべきです。 タイ料理や中華料理店で刺身を食べるような冒険はするべきではありません。また見よう見まねで始めたような「なんちゃって日本料理」も少なくありませんが、このようなところも安全とはいえず、避けておいた方が無難です。

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睡眠時無呼吸症候群

最近の調査で、香港人にも不眠を訴える人が多くいることがわかったそうです。中にはうつ状態に陥ってしまう人もいるようです。私がこのニュースを見て思ったことは、不眠を訴える人の何割かは睡眠時無呼吸が原因で良質の睡眠を得ることができず、昼間ぼうっとしてしまうのではないかということです。 睡眠時無呼吸は太っている人に多く、寝ている間に時々呼吸が止まってしまう現象です。具体的には睡眠中に10秒以上の呼吸停止が1時間あたり5回以上ある場合、あるいは7時間の睡眠中に30回以上ある場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。 睡眠時におきる無呼吸で死ぬことはありませんが、長く続くと心臓に負担がかかることから、高血圧症の原因になります。睡眠時の無呼吸がなくなれば、確実に血圧が下がります。太っていて血圧が高い人は痩せることがその改善につながることは多くの人が知ることです。単純に太っているだけでも血圧が高くなるので、睡眠時無呼吸がある肥満者であれば、その改善はダブル効果で改善が期待できます。 睡眠時無呼吸症候群は同居する家族によって発見されることが多いものです。単純にいびきがうるさいというだけではなく、そのいびきが時々止まっている。そして再呼吸し始めた最初のいびきはさらに大きな音を伴っている。特に呼吸が長く止まってしまうことを心配して、診察を受けるように促されるようです。 いびきの原因は、気道の狭窄です。肥満によって周囲から押されるようになっている気道は、通常でも細くなりがちですが、睡眠時は加えて筋肉の緊張が緩むために舌根の沈下して、さらに気道を狭めてしまいます。吸気の際に粘膜同士が触れ合って大きな音が出るわけで、肥満で狭窄がひどくなるほど大きな音(いびき)になるわけです 睡眠時無呼吸症候群では高血圧や心疾患が慢性的に問題になりますが、日常生活では、日中も眠気がとれず会議の途中で寝てしまったり、列車の運転士がオーバーランしたりと、影響は小さくありません。よくある自動車の居眠り運転も睡眠時無呼吸が原因であることが少なくないと思います。 改善するには痩せるしかないのですが、痩せることは2~3日で出来ることではありません。それまでの間は寝る時に呼吸を補助する機械を装着します。これが具体的な治療(処置)になります。 肥満が増えている香港でも、睡眠時無呼吸症候群の患者は確実に増えているものと思われます。睡眠時無呼吸症候群とまではいかなくても、いびきがひどい場合は確実に睡眠の質が落ちます。この点からも太っている人はぜひダイエットすることをお勧めします。

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熱中症対策

毎年この季節になると、熱中症患者が多発します。日本では、節電モードと6月としては記録的な猛暑となったことが重なって、先月、熱中症による搬送者数は昨年に比べて約3倍の6877人にのぼり、そのうち15人が搬送後に死亡しています。 暑さと多湿が加わると、運動していなくても熱中症の危険性が非常に高くなります。日本の昔の家屋は夏を旨として建てたと言います。気密性が低く風通し良く設計されていたため、エアコンがなくても夏は過ごしやすかったようです。現在の住宅はエアコンを効率的に使ってこそ快適に過ごせるようになっているため、暑い季節に我慢してエアコンを使わないでいると、屋内で熱中症を発症してしまう危険性が高くなってしまします。 熱中症は、熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病に分類されますが、その原因の多くは体内の水分の消失(同時に塩分の消失)です。 熱失神脱水に末梢血管の拡張が重なり、体内循環水分量が少なくなって突然意識を失って発症します。患者の体温は上昇しませんが、脈は少なくなります。私自身もハイキング中に、かがんだ姿勢で花の写真を撮って、立ち上がった際にフラッとすることがあります。血管拡張によって血圧が低下している証拠であり水分補給が常に必要であることを実感します。 熱痙攣暑いからといって水分ばかり摂っていると、体内の電解質(特にナトリウム)が失われるために、筋肉の突然の痙攣がおきます。足がつったりする理由です。軽いものであれば少し休めばすぐに治りますが、無理は禁物なので、状況によっては塩分の摂取を直ちに行う必要があります。 熱疲労大量の発汗に水分補給が追いつかないときにおきます。皮膚表面は冷たく感じます。しかし体内には熱がこもっており、直腸温は40度近くにまで上昇します。水分と塩分の補給が必要ですが、とにかく患者の冷却が必要です。 熱射病(日射病)体温調節中枢が機能不全となり、40度以上にまで体温が上昇しますが、発汗はなく皮膚感想を認めます。危険な状態であり、速やかに冷却する必要があります。 これら熱中症の原因は、高温化での脱水と塩分消失です。これからの季節、屋外での娯楽が増えるかと思いますが、。熱中症対策が常に必要であることは言うまでもありません。 一昨年の東京マラソンでは「水中毒」が問題になりました。主催者は熱中症を予防するために水分補給を呼びかけていたものの、その意に反して患者が続発してしまいました。塩分摂取が足りなかったことからくる電解質異常がおきていたのです。主催者の呼びかけにこたえて、参加者は一生懸命水分補給を心がけていたのですが、水だけではなく塩分の積極的な摂取も必要だったわけです。 スポーツドリンクは塩分を適度に含むので手軽で良いのですが、糖分も意外に多くのどの渇きが強くなる傾向にあるようです。倍に薄めて、塩分を少し補充するようにすると良いのではないでしょうか。特に長時間歩くハイキングに際しては、水分に加えて塩分の摂取を特に心がける必要があります。夏のハイキングでは2リットルくらい水を飲むことは少なくありませんが、それだけ発汗しているということです。この際失われる塩分は、およそ18グラムにもなる計算ですから、それだけの塩分を補給しなければ身体の正常な機能が失われる危険性があるわけです。通常の食事で摂取している塩分は一日10数g程度。大量に発汗するときはこれでは間に合いません。日頃から減塩を心がけている人にとっては、発汗時の塩分補給には特に注意が必要です。 梅干しの効用梅干し1個に含まれる塩分は1~2g。そのほかクエン酸を大量に含んでいるので、熱い季節の運動時には電解質異常の予防と疲労回復におおいに効果が期待できます。塩分摂取を控えるように指導されている方でも、汗をかく夏場は塩分を多めに摂っても大丈夫です。夏のスポーツには、特に塩分摂取が必要です。梅干し持参はどうでしょうか?