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子宮頸がんの原因―多くが知らず

香港大学が行なった「子宮がんの原因についての一般女性の認識に関する調査」で、正しい認識を持つ人が極めて少なく、その多くは原因を誤解していることがわかったという。 子宮頸がんの原因は何かと問う質問に対して返ってきた回答は、公衆トイレの便座の使用、大気汚染、タオルの共用、睡眠不足、不健康な食事、頻繁な性交渉、遺伝、運動不足、ストレス・・・等だそうだ。 香港人は公衆トイレでは便座に座らないからトイレがたいへん汚いという話しを聞いたことがあるが、このような理由もあったのかと改めて納得してしまった。ここに上げられた回答はすべて間違いだ。強いて言えば性交渉が近いといえるが、正確な解答として多くの人に「HPV感染」をあげて欲しかった。ただし現時点において、私は一般に対してこの回答を求めるには難しすぎた質問ではないかと思う。結果は仕方がないので、今後の啓蒙活動にぜひ生かして欲しいものだ。 子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)であることがわかっている。HPVには性交渉で感染し、感染が長期間持続してしまった場合にがんを発症させる危険性がある。パピローマウイルスは現在100種類以上が発見されており、この一部が発がんに関与しているほか、通常のイボの類も同じ種類のウイルスが原因とされる。また性感染症の尖圭コンジローマも同じだ。もちろんイボががんの原因になることはない。 子宮頸がんや尖圭コンジローマを予防する目的で、すでにワクチンが米国FDAで認可(2006年6月)されている。日本では今のところ治験段階ではあるが、米国で行なわれた大規模臨床試験では、未感染の女性に対して80%程度の効果が認められて、さらにすでに感染してしまっている女性に対しても一定の効果が期待されている。香港でもすでに接種が可能なので、中学生以上の女性には接種を考慮しても良いだろう。 接種は半年をかけて3本おこなう。現在のところその費用は3000ドル以上。しかも肝炎予防接種のように、これで100%の予防が期待できるというものではなく、毎年の婦人科検診を免除できるという性質のものでもない。早期で発見すれば100%治るがんだといわれている子宮頸がんに対して、どこまでその予防に関して費用負担できるかということに関して、意識レベルに個人差が非常に大きいことは確かだ。もし全員が予防接種を受けるのであれば、子宮頸がんの患者が激減することは確実で、その意味でもワクチン価格を大幅に安くすることが今後の大きな課題になろう。 ここまで読んで、男にはほとんど関係ないと思っている人も少なくないかもしれないが男性はウイルスの運び屋だ。その「意味」をしっかりと認識する必要がある。 またすでにHPVに感染していることを健康診断等の結果で知らされている女性もいると思うが、HPVに感染したら確実にがんになるということではなく、あくまでも持続感染した場合にそのリスクが高くなるということだ。感染者は半年に1度の検査を行なえば安心だ。もちろんウイルスがいつの間にか消失することもある。 胃がんの原因になる「ヘリコバクターピロリ」、子宮頸がんの原因になる「HPV」など微生物もがんの原因になることが知られている。特にこの2種類は健康診断でも簡単に検査できる。早く感染を知って、適切に対処することで、がん発症のリスクを下げることが可能だ。

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オーストラリアでインフルエンザ大流行中

現在真冬のオーストラリアではインフルエンザが近年では最大規模の流行にあるという。クイーンズランドでは例年ではこの時期までの患者数は700人程度であるのに対し、今年は2000人にも達しておりその分死亡者数も激増している。 真夏である北半球ではインフルエンザとは縁がない季節にあるが現在の南半球での流行は、今年末あたりからの北半球の流行につながる可能性も考えられるので注意が必要だ。また夏にはインフルエンザには感染しないと思っている人も少なくないが、実際には真夏にもインフルエンザ患者は発生しており、赤道直下であろうとこの病気と無縁ではない。 現在のところ同じ扱いにはできないが、最近インドネシアのバリ島で鳥インフルエンザに感染した人が死亡している。調査の結果このウイルスは人から人に感染するようなタイプにはあたらず、特にこれまでの鳥インフルエンザと異なるものではなさそうだ。 しかしオーストラリアではインフルエンザの流行にこのニュースが重なったためか、タミフルの扱いに関して議論が起きている。一部学者の「タミフルの一般薬局での取り扱いを推進」する意見と、医薬品を管理する保健省の慎重論が対立している。また流行地であるクイーンズランド州知事が高齢者施設に対するタミフルの供給を求めたのに対して、保健省は要求を拒否するなど行政対立にも発展している。 タミフルを備蓄する動きは世界各国で行なわれているが、一般における備蓄はもちろん、自由な使用は今のところ公には全く認められていない。これは過剰に、あるいは安易に使われることで、タミフル耐性のインフルエンザウイルスが出現することを警戒しているからだ。このタミフルの備蓄は、近い将来出現するであろうと予想されている新型インフルエンザに備えてのものであって、現在流行しているインフルエンザの治療を目的とするものではない。 タミフルの扱いに関しては、専門家の間にも様々な意見があることは間違いない。今後のインフルエンザ対策があくまでも患者の利益につながるよう議論を進めてもらいたいものだ。 私、個人的には、タミフルの薬局での自由販売には反対だ。インフルエンザに対する特効薬が極めて限られている中、誰もが自由に服用できると、せっかくの切り札を失ってしまう可能性があるからだ。タミフルに対する耐性を持った新型インフルエンザが生まれてきたら我々には対処する術は現在のところほとんどないといえる。インフルエンザでの死亡者は高齢者に非常に多いことを考えると、高齢者入所施設等においてタミフルを備蓄することは、ある一定に条件の下で意義のあることだと思う。気の早い話ではあるが、今年も12月くらいからインフルエンザ患者が増え始めると思われるが、月並みの対策ではあるが今から免疫力を落とさない体作りを心がけていきたいものだ。暴飲暴食、睡眠・運動不足、そしてストレスは免疫力を低下させる。食べ過ぎない、飲みすぎない、十分身体を休めると共に適度な運動を日常に取り入れる(歩行)、そしてカロリーではなく栄養をきっちりと摂るよう心がけたい。過度のストレスを回避したり、そのマネージメントをすることも重要であるが、なかなか個人では難しいことだ。どんなことでも話せる人が近くにいるとかなり救われるのだが・・・。精神的に弱っていると思っていない場合でも、人と話しをする機会や笑う機会が多いと、ストレスをさらにうまくコントロールでき、免疫力を高めることも可能だろう。 暑い季節からの体力つくりがインフルエンザ感染を予防する。

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食品保存と食中毒

一部の食中毒を除き、夏の暑いシーズンには多くの食中毒が起こりやすいものだ。食品保存には十分気をつけたいが、例えば冷蔵庫の中の食品がまだ食べられるか、あるいはもう食べない方が良いのか、消費者は何を基準に判断しているのだろうか。 賞味期限や消費期限で判断する人が多いと聞く。期限が切れてしまったらすぐに捨ててしまう人も多いそうだ。臭いで判断する場合もあるだろうが、どれも食中毒予防という観点からは必ずしも正しい対処とはいえない。 ちなみに賞味期限は「定められた方法により保存した場合、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日」のことであり、この期限を超えても直ちに食べられなくなるというものではない。一方、消費期限は「定められた方法により保存した場合、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日」であり、この期限内に消費しなければいけない。弁当など劣化が著しい食品は時間表示されている。もちろんこれらの期限には安全率が見込まれているので、実際問題として消費期限を1日過ぎたからという理由だけで食べることができないというものではない。 食中毒を予防するためには、この記載に従っていれば良いというわけではなく開封したとたんにこの期限はなくなることを覚えておきたい。開封後はたとえその食品の賞味期限が長くても、即消費することが求められる。特に缶詰は賞味期限が非常に長い割には、開封後には急速に食品劣化が進むので、残すことは好ましくない。 食中毒は一般家庭で最も多く患者が出ている。レストランなどでの食中毒は目立つものの、それほど患者は多くはないのが現状だ。では、なぜ一般家庭で食中毒が起きるのか。ひとつは冷蔵庫の過信だ。とにかく冷蔵庫に入れておけば安全だと思っていることがひとつ危険なことだ。低温でも食中毒菌は増殖できる。もちろん増殖のスピードは遅くなるが、増えないわけではない。また冷蔵庫を開閉することで思った以上に庫内温度が変動するため、開閉頻度が多いと適正な低温を保持できない恐れが大きい。冷蔵庫内の詰めすぎにも注意したい。 食中毒菌を付けないこと、増やさないこと、そして殺すことは食中毒予防の大原則だ。生で食べるものと過熱しなければいけない食品を接触させることは当然危険であるが、過密な冷蔵庫内では起きやすいことだ。 適切に保存するか、あるいは直ちに消費してしまうかで食中毒菌を増やさないこと、そして火を良く通すこと。不完全な調理によって食中毒を起こしている事例が相当あると思われる。塊の肉ならば表面さえしっかり加熱されていれば問題は少ないが、ミンチ肉を使うハンバーグなどは中心までしっかり加熱されていないと危険だ。香港では夜間に暗がりでバーベキューする姿をよく目にするが、極めて食中毒が起きやすい状況だ。暗がりでは焼け具合がわからない。しかも食材はすでに加工されているものを郊外にまで運び込んでいるのであり、食中毒になるためにわざわざバーベキューしてるのではないかとも思えてしまう程だ。 臭いは食中毒予防の基準にはならない。たとえ食中毒菌が増えても臭いはしない。食品が臭ってくるのは、腐敗菌が増殖しているからであり、腐敗菌では食中毒は起きない。また極端な話、糸を引いてしまった食品があったとしてもただこれだけの理由で食中毒になることはない。これも腐敗であって食中毒菌の増殖ではない。鮮度の問題だ。 食中毒の予防を嗅覚や味覚といった経験的なものに頼るのは危険なので、消費者は上記の3原則を踏まえた上で、食品に記載された期限だけを判断基準にすることなく、適切に食品を扱うべきだろう。 細菌性食中毒にはまだ当分の間、十分な注意が必要だ。特に多くの食中毒が家庭内で起きていることをふまえて、食品の取り扱いには慎重になって欲しいものだ。

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肥満と家計

はじめに日本人の平均身長と体重は男性 167.1cm、 65.6kg  (BMI23.5)女性 153.7cm、 52.9kg  (BMI22.4) BMIは体格指数、つまり世界的に広く採用されている肥満度で、統計上22がもっとも病気になり難いといわれている。日本肥満学会ではBMIが25を超える場合に「肥満」と判定している。 「肥満と家計」について京都大学経済研究所の古川雅一研究員が調査した結果が発表された。日本人の平均的BMIが23だとすると、この場合の一人当たりの医療費は糖尿病9万1000円、高血圧性疾患5万円であると試算。ところがBMI30、つまり体重が約20kg増えた場合で試算したところ、それぞれ22万7000円、6万5000円となり、肥満度の上昇が医療費の増加につながることがわかったという。肥満が進むほど循環器系疾患に罹患しやすいことは常識であるが、この調査は医療費に結びつけて試算したところが面白いところだ。 海外に駐在する日本人の多くは海外傷害保険に加入していることが多いが、この保険は一般的に180日のルールが提要されており、慢性疾患では、発症(診断)から180日までの医療費しか支払われない。それを超えた場合は個人あるいは会社等雇用主、あるいは健康保険組合等が医療費の支払いを行なっているのが現状だ。今回の調査結果は、肥満が進むに従ってその負担が増すことを意味しているわけであり、個人はもとより企業(雇用主)等にとっても、ダイエットは経済的なメリットがあることを示唆するものだ。 もちろんBMIはあくまでも目安であって、肥満の中身は個人によって大きな違いがあることも確かなので、一律にBMIに照らし合わせて肥満を判定することは少々乱暴かもしれない。特に女性では、数字上の肥満が循環器系疾患のリスクにつながっていないケースも少なくはない。これは男性の場合は内臓脂肪型肥満が多いのに対して、女性は皮下脂肪型肥満が多いことである程度説明がつく。もちろん運動量などによっても大きく左右されるので、一概に肥満が良くないとしてしまうことはない。 しかし、血液検査でたとえば中性脂肪や血糖値が毎年上昇傾向にある場合や善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低くなってくるなどの変化が体重増加に伴ってあらわれてきていたら要注意だ。この場合、基準値(正常値)に入っているかどうかで判断してもあまり意味はない。3~5年先までの変化を見据えた上で判断することが大切だ。良くわからない時は、ここ2~3年の健康診断データ(BMI、中性脂肪、HDLコレステロール、血糖、できれば肝機能)を準備した上で私に相談して欲しい。(連絡先は下記)また前の検査から1年以上たっている場合なども、ぜひ新しいデータを得たうえで客観的な判断を受けておきたい。

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熱中症に注意!

暦の上で「大暑」となった昨日、香港ではところによっては35度くらいまで気温が上昇し、暦どおりの暑い日となった。西貢のゴルフ場では作業員が熱中症を発症。ヘリコプターで香港島の病院に運ばれたものの死亡している。このほかにも昨日は医療救助を求めた例は多く、中には意識不明になっている例もある。暑い日が続く9月までは、特に日中の作業に関しては特段の注意が求められる。 熱中症は熱が体内にこもってしまった状態だ。通常、体温上昇は37度程度までだがこれは暑ければ汗が出て、その気化熱で体温を奪ってそれ以上の温度上昇を防いでいるからだ。ところが熱中症患者はこの体温調節機能が働かなくなり、時には42度くらいにまで体温が上昇し、心臓など身体各所が機能不全を起こして最悪の場合死にいたる。 普段は屋外での作業は少ない人でも、週末の行楽などは熱中症対策を怠ると思わぬ事故につながってしまう。暑い中を山歩きしたり、テニスをしたり、とにかく汗が滝のごとく流れるような運動を長時間にわたって続けていることもあるだろう。体外に出てしまった水分は必ず補わなければいけない。大量の発汗に際しては電解質も失われるので、塩分の補給も重要だ。1リットルの水に3g程度の塩を加えておくと良いだろう。 もちろんスポーツ飲料も良いが、大量に飲むためカロリーが心配になる。スポーツ飲料といえども結構なカロリーになるし、喉が渇いたときには甘すぎると感じる人も少なくない。そこでスポーツ飲料を倍に希釈することを勧めたい。粉を溶かしてつくるタイプもあるので、その場合は規定に倍の水で作ればいいことだ。山歩きする場合など、水を切らしてもすぐに入手できない場合が多いので、たとえ重くても十分な水を持参して欲しい。 万が一、熱中症と思われるような症状が出たら、症状が軽くても決して軽く見てはいけない。日陰に寝かせて衣類を緩めて休ませる。身体をぬらしながらあおいで、熱をできる限り取り去るようにする。本人に意識があれば、少しずつ水を飲ませる。とにかく体温を下げることと、水分の補給が大切だ。その一方で救助を求める。できる限る早く医師に診せることが求められる。事故予防はもちろんであるが、事故が起きてしまったときの対応も考えて、ハイキングは最低3人以上で行くことが望ましいだろう。

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すべての睡眠薬で夢遊症状

「睡眠薬を飲んで眠った後に、本人の記憶がないまま車を運転したり徘徊したりする「夢遊症状」が出る恐れがあるとして、厚生労働省は12日までに、国内で医師が処方するすべての睡眠薬について、使用上の注意を改め、注意喚起を強めるよう製薬会社に指示した」(朝日コム) 今朝こんなニュースを目にしたが、この事実はすでに一部では知られていたことで、海外においても多くの事例が報告されている。☆目が覚めたら玄関のペンキを塗っている最中だった。☆いつの間にか車の運転を始めていた。☆夜中に冷蔵庫の中のものを食べていたが、本人には全く自覚がない。 冷蔵庫の中のものを夜中に食べていたという例では、自分の患者が睡眠薬の服用を開始してから太ってきたことから、主治医は薬の副作用で太るのかもしれないと、はじめは疑っていたそうだ。(実はただの食べすぎ!)米国食品医薬品局(FDA)は3月、「寝ぼけた状態で車を運転したり、電話をかけたりする恐れがある」として、睡眠薬13品目について警告を出している。 香港でも同類の睡眠薬の処方は少なくない。先日、弊社のお客様から、処方を受けている睡眠薬を教えていただき、その副作用情報を調べていたところ、やはり夢遊症状の副作用情報を得ている。 現在睡眠薬を飲んでいる人は少なくない。今回警告された副作用は重大といえるものではないかもしれないが、無意識に車を運転することは重大事故のもとになるし、夜中に電話をかけることは、人間関係のトラブルに発展しかねない。服用には十分な注意が必要だろう。 夜中にトイレに起きる人は珍しくはないが、睡眠薬を服用している人の場合無意識にトイレに行っている可能性もある。翌朝家族から本人に、トイレに起きたことを覚えているかどうかチェックしてみることも、副作用の可能性を探る方法になるだろう。もし、本人に自覚がないのであれば、薬の服用を一時中止して医師に相談して欲しい。単身者の場合、夢遊症状をチェックすることは難しい。ここでは具体的な方法については書かないが何か一工夫して、夜中に自分が無意識に行動していないかをチェックしてみたいものだ。もちろん家族がいても気付いてくれない場合も少なくないので、「工夫(細工?)」 はどのような環境でも、睡眠薬服用者にとって必要なことかもしれない。

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メタボリック症候群の疑問

「高血圧や高血糖といった生活習慣病の危険要因を同時に抱えると、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険が高まるが、その程度は、太っているよりもやせている人の方が高くなりやすいことが、厚生労働省研究班(主任研究者=上島弘嗣・滋賀医科大教授)の調査でわかった。来年度から、生活習慣病予防のための特定健康診査(特定健診)が始まるが、その柱となる「メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)」の診断基準が、やせた人たちのリスクを見逃してしまう可能性を示したものだ。」朝日コム より 抜粋 このような記事が今朝の新聞等で報道されている。このところメタボリックという言葉が独り歩きして、あたかも太っていることだけが悪い評価を受けてしまっている。しかし、現実問題としてメタボリック症候群はもっと細かく評価されるべきものであり、ある意味医療者の都合で決められた数字だけで評価するべき問題ではないことを意味する。 ただし誤解は禁物だ。今朝のニュースを見て太っていても問題がないとは決して思わないで欲しい。肥満とともに心筋梗塞や脳血管疾患などの循環器系疾患が増えることは世の常識で、この事実にはいささかの変更もない。今回指摘されているのは、たとえ痩せていてもメタボリック症候群の基準である高血圧、高中性脂肪、低HDLコレステロール、高血糖のうち二つ以上が重なると循環器系疾患の罹患率が、太っている人よりも高くなるということだ。 太るに従って血圧が上がり、中性脂肪が上昇し・・・、ということであれば、原因が極めて単純であって対処もしやすい。もちろん少々痩せるだけで健康度が大幅に上昇することも珍しいことではない。ところが痩せている人の場合、何か問題があって高血圧や高脂血症が起きている可能性があるわけだ。対処しにくいどころか、何か基礎疾患を抱えている場合が少なくないはずだで、その部分も危険因子として捉える必要がある。 腹囲が男性85cm、女性90cm未満であればメタボリック症候群とは言われないがだからといって安心できるものではないことは今朝の報道通り。反対にこの条件を上回っているからといって、ただちに健康状態に問題が生じるともいえない。自分自身の危険度を簡単に知る方法は、体重の変化率だ。20歳頃の体重からどの程度変化したかを頭の中においておくことだ。20kg増えたのであれば、その分脂肪が増えていることを意味すると思って間違いない。(元運動選手など例外はあるが)増えた体重の3分の一を目標に減量すると健康状態がかなり良くなる。 メタボリックの基準である腹囲に満たない場合でも同じで、成人になってから増えた体重は脂肪だ。極端な話、BMI(肥満度)が最も健康的である22、腹囲が80cmという場合でも高脂血症に高度脂肪肝を伴っていたケースもある。この人の場合は学生時代は骨と筋肉と皮しかないという体型だったそうだが、社会に出て運動しなくなって太ってしまった。元がガリガリの体型であったので、たとえBMIが理想的な22であったとしてもそれは肥満の結果なのだ。メタボリックの基準はあくまでも目安に過ぎない。メタボリック症候群に関して、医師も含めてもう少し理解を深め判断力を高めるべきだろう。メタボリックという言葉を、流行語のように一人歩きさせていてはいけない。

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貝毒について

香港の街市で売られていたホタテ貝から基準を超える貝毒が検出されたため、食物安全センターはホタテ貝を食べるのを控えるよう呼び掛けているが、実はこの貝毒は特別なものではなく、北海道などのホタテ貝の産地では毎年のように認められ、すぐに出荷停止となるため養殖業者の悩みの種ともなっているものだ。 この貝毒には、麻痺性貝毒、下痢性貝毒、神経性貝毒、記憶喪失性貝毒といったものが知られているが、このうち主に問題となるのは麻痺性と下痢性だ。おそらく今回香港で問題になったのは症状からして麻痺性貝毒であろう。 貝毒は貝が自身でつくった毒ではなく、えさとなるプランクトンに含まれる毒素が貝の体内で濃縮されたものだ。この毒はどのように調理しても無毒化されることはなく、しかも毒の種類によってはフグ毒に匹敵するほど強毒であり、十分に注意する必要がある。 毒は主に中腸腺と呼ばれる内臓に含まれる。ホタテ貝でも貝柱には全く問題がないが、丸ごと食べる場合には内臓を完全に取り去ることが大切だ。市場などで貝を処理しているのを見ると、どのような貝も剥き身にする場合は完全に内臓を除いている。おそらく内臓を食べてはいけないという昔からの経験があるのだろう。その意味からするとアサリは危険性が高いといえる。 日本では50年以上も前に、浜名湖で大規模なアサリ中毒事件が起き、200人近くが死亡しているが、現在では検査体制が整っているので中毒事件が起きることはほとんどなくなった。検査は行政はもちろん、貝類出荷業者も独自に実施し、食中毒を起こす毒素量よりも十分に低い毒素量を安全基準として設けているため、極めて高い安全性が確保されている。したがって日本では購入した貝類で貝毒にあたってしまうことはほとんどなくなったが、問題は潮干狩りなど自分で採取した貝類を食べた場合だ。極めて軽い症状であることも少なくないので、実際にどのくらいの中毒が起きているのか全く把握できていない。おそらく今の時期は潮干狩りシーズンを迎えて、患者が増えているのかもしれない。(ただし漁協などが管理している潮干狩り場では、通常貝毒の検査が行われているので問題は少ない) 貝毒は二枚貝にのみ認められるもので、巻貝については問題にならない。毒を持つか持たないかを、貝を見て判断することは不可能だ。また香港や中国では日本で行われているような検査が行われているとは聞かないので、心配であれば特にプランクトンが増える暖かいシーズンには二枚貝を食べるのを控えた方が良いかもしれない。

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メタボリック症候群と腹囲測定

このところ毎日のように耳にするようになった「メタボリック症候群」という言葉。先日は日本で、「お前、メタボだろ。やばいよ。」という会話が近くの若者から聞こえてきた。もしかしたら今年の流行語大賞になるのではないかと思うほど一般的になってきている。来年4月からは労働安全衛生法で定められる健康診断項目として、40歳以上にその測定を義務付ける方向で話が進んでいるが、その必要性や意味を正しく理解できている人は少ないようだ。そればかりか、対象を40歳以上とした厚生労働省の検討会の報告書にも疑問が残る。 肥満と循環器系疾患のリスクは間違いなく関連していることは、健康診断のデータを見ても明らかだ。全身にに脂肪がついている人よりも、お腹だけがポッコリ出ている人の方が死亡リスクが高いことも間違いない。お腹だけが出てしまうのは中年期以降の男性に多く、女性によく見られるポッチャリ型の肥満とは「悪性度」がまったく違う。そのような背景から腹囲の測定を必須とし、男性の基準を85cm以上、女性の基準を90cm以上と分けたことは意味があることだ。 もちろん単に太っている(腹囲が基準を超えている)というだけではメタボリック症候群とはいわない。腹囲の基準値を超えていることを絶対条件としたうえで血圧、中性脂肪、HDLコレステロール、血糖値のうち2項目以上が重複してその基準を上回っている場合に限ってメタボリック症候群と呼ぶ。かつて「死の4重奏」と呼んで、高血圧や高血糖など循環器のリスクとなる項目が4つ重なると死亡リスクが非常に高くなるといわれていたが、メタボリック症候群の考え方はそれを一歩進めたものといえる。 しかし、今回報告書としてまとめられたものは、その測定を40歳以上に限っている。おそらく検査の手間などを考えてのことかと思われるが、せっかくの意義を半減させてしまう恐れがあると思われる。(全員になんかやってられないよ!ってことなのか) 女性の場合、肥満のメカニズムが男性とは異なること、太りたくないという意識が男性よりも強いことなどから、あまり問題にはならない。しかし男性は社会にでたとたんに太りだす人が多く、40歳くらいまでに10kgから多い人では一気に20kgくらい体重が増えてしまうこともある。しかも内臓脂肪がつきやすく、たとえ体重増加はそれほどなくても、お腹だけが突き出してしまう人も多い。循環器系疾患の危険性は年齢とともに、あるいは体重増加に伴って確実に大きくなっていく。 私個人の意見ではあるが、腹囲の測定は全員行なうべきだと思う。もし手間を省きたいということが厚労省の委員にあるのであれば、女性の測定をやめて、男性のみに限った検査にしても構わない。もちろん血液検査も必須だ。とくにメタボリック症候群に関連する項目は、体重増加と連動して数値が上昇する傾向が強い。(HDLコレステロールの総コレステロールに対する割合は逆に減少する傾向)若いときから体重測定、腹囲測定、そして血液検査を定期的に実施し、その結果を本人も理解したうえで、5年、10年先を見通して健康を管理することが求められる。太らないという意識を維持していくためにも具体的な数値が必要だ。 折あるごとに話をしていることであるが、体重を増やさないこと、あるいはすでに太ってしまった人は減量することが最大の健康法であることは間違いない。摂取カロリーを低くするだけで減量するのも悪くはないが、これに運動が加われば言うことはない。 食べ過ぎないこと。そして、とにかく歩くこと、ひたすら歩く、これが健康の秘訣!メタボリックの予防だ。

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タミフル、10代の服用制限へ

10代の小児へタミフルを投与した直後に異常行動が報告されていることを受けて、日本の厚生労働省は子供への投与を制限する方針を発表した。 このところタミフルを服用した直後に起きる子供の異常行動が問題になっていたが、厚生労働省はつい最近まで因果関係についてはっきりと認定してこなかった。製薬会社寄りであるという批判も出ていたほどだが、本日深夜0時に緊急記者会見を開き、事実上の使用制限を打ち出した。このような時間に緊急記者会見を開いたということは、事態をそれだけ重く受け止めたと捉えることができ、大きな意義を持つと思う。 具体的にはタミフルの添付文書の変更であるが、要旨は下記の通りだ。 「タミフルカプセル75」  ● 10歳以上の未成年者は、合併症などがあるハイリスク患者以外には原則使用を差し控える。 ● 事故予防のため、小児や未成年者がタミフルを服用し、自宅療養する場合は、少なくとも2日間は一人にしないように配慮することを家族に説明する。 「タミフルドライシロップ3%」  ● 使用に当たっては必要性を慎重に検討すること。 ● 10歳以上の未成年者は、ハイリスク患者以外は原則、使用を差し控える。 ● 小児や未成年者がタミフルで治療を始めた場合、少なくとも2日間は一人にならないように配慮することを家族に説明する。 これらは日本での処方に際しての医家向けの注意だ。香港ではかなり一般的にタミフルが処方されており、その際にどのような注意がなされているか知らないが、少なくともタミフルが処方された場合は上記の注意があるものだと理解して、服用に際しては十分な注意をするべきだ。 処方されたタミフルを初回飲んだだけで劇的に回復することもあって、完全に飲まないで残ったタミフルを保管している人もあると聞く。タミフルにはウイルスを殺す効力はない。増殖したウイルスを細胞内に止めておくことがその薬理作用である。従って必要とされる服用期間を守って飲み続けなければいけない薬なので、中途半端な服用は感染を拡大することにつながり好ましくはない。しかも事後に備えて保管しておくなど、タミフルの危険性を考えるとあってはならないことだ。 香港では比較的気軽にタミフルが処方されているようだ。処方を受けた場合は、個人の責任で十分に注意してほしい。