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大腸がん死亡率、検診で7割低下

報道によると、大腸がん検診を受けた人は、受けなかった人より大腸がんによる死亡率が約70%も低くなるという調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめ発表した。この研究は、岩手、秋田、長野、沖縄の4県に住む40~59歳の男女約4万人を対象にしたもので、90年時点で過去1年間に大腸がん検診の「便潜血検査」を受けたかどうかを聞いた上で、2003年まで13年間追跡したものだ。この間、大腸がんで死亡していたのは132人で、死亡率は検診を受けていなかった人を1とすると、受けていた人の場合0.28にとどまった。 一般的な大腸がん検診は便潜血検査だ。がん組織が便の通過で刺激を受けたりすると出血して便に血液が混じる。便を化学的に検査してその有無を調べるのが便潜血検査であるが、この意味については過去に何度か議論されている。今回は有効性があるとの結論であるが、必ずしも肯定的な意見ばかりではない。ただし痛みを伴わない非侵襲的検査であるため、受診者に負担が少ないことや検査の危険性がないことが大きな利点であることは確かで、実効性がある検査といえよう。 大腸がんは食生活の欧米化を反映して男女ともに増え続けている。上記の調査では100人中一人以上が大腸がんになり、将来罹患する可能性も決して低いとはいえないがんだ。食生活が発症に大きく関係していることから、予防の重要性が理解できるが、大腸がんの進行は他にがんに比べて極めて遅いことから、早期発見できるチャンスが大きいことも確かだ。 毎年受診する健康診断では面倒くさがらないで便を提出して潜血検査を受けるべきだ。そして40歳を過ぎたら大腸内視鏡検査を一度は受診してみて欲しい。何もなければ5~7年に一度受ければ早期大腸がんの発見が期待できる。もちろんポリープがあったり、大腸に何らかの所見がある場合は、その間隔を短くする必要があるが、安心感は大きい。費用はかかるがメリットが大きな検査といえる。早期大腸がんは治癒率が非常に高い。ぜひ検査を受けて、自分自身のリスクを知っておきたい。 食生活の改善で予防することも、とても大切だ。「肉は少なく野菜を多く」が基本であるが、これだけではない。脂分の摂取を控えることと適度な運動を継続することでリスクが低下することもわかっている。飲酒は少なめ、禁煙はもちろんのことだ。 増え続ける大腸がんに歯止めをかけるのは、医学の進歩よりも個人の役割が大きい。大腸がん予防に限らないが、食生活習慣等を点検する意味は決して小さなものではない。

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インフルエンザ情報

2006/2007年インフルエンザシーズン(この冬のことです)は暖冬のためか世界的に流行が遅かったものの、日本では2月に入って患者が急激に増え始め、現在インフルエンザ警報、または注意報が出ていないのは青森県と愛媛県だけになってしまった。 流行の中心は例年通りA型(ソ連型、香港型)であるが、今シーズンはそのタイプ(亜型)に変化が認められるようになってきた。昨シーズンまではワクチンにも加えられているニューカレドニア株が流行の主流であったものが、どうやら別のタイプのウイルスに変化してきておりワクチンの効果が低下してきている可能性があり、このためWHO(世界保健機関)では、来期北半球のインフルエンザワクチンのコンポーネントをニューカレドニア株からソロモン諸島株に替える勧告を各国に対して出している。(以上、国立感染症研究所の発表より) 北半球のインフルエンザ流行は日本だけではなく各国に広がっている。もちろん香港も例外ではなく、少なくとも今月いっぱいは感染には十分警戒する必要がある。 インフルエンザワクチンを接種したのに感染してしまったという話をよく耳にする。せっかく受けたワクチンが効かないのはたいへん残念ではあるが、これは仕方がない。インフルエンザワクチンは、流行が予想される数種類のタイプのコンポーネントを混合してワクチンとしているものの、流行するウイルスタイプは常に変化しているため、肝炎ワクチンと異なり完全に感染を予防することは期待できないのだ。(ワクチンが感染の確率を下げることは確かだ) 一般的にインフルエンザに感染すると急激な発熱(38度以上)に加えて関節痛や強い倦怠感を伴い(個人差は大きい)、全身症状が著しい。これは風邪(普通感冒)の症状が、発熱は別にして鼻水や咳など首から上の症状にほぼ限られるのとは大きく異なる。発熱も風邪よりも高く、39度から40度に達する。風邪とインフルエンザは全く異なる病気と認識し、インフルエンザにはそれなりの対処をしたいものだ。 感染したと思ったらとにかく身体を休めること。余程辛い状況でなければ解熱剤は飲まないで、全身を外から冷やして体内で生まれてくる熱を奪ってやること。発熱は自分の体の免疫力を強化するためのもので、患者を苦しませるために出ているものではない。免疫力は38度から39度くらいで最強になるので、発熱中枢をだまして強制的に解熱しようとすると病期が長引く危険性がある。悪寒はこれから発熱するための準備段階だ。全身の筋肉を緊張させようとするためガタガタ震える。このときは布団をかぶって身体を暖めることが必要だ。熱が上がってしまうと反対に暑くなるので、布団を取って身体を冷やす。 熱があるからといっていつまでも布団をかけておくのは良くない。要は患者が気持ち良く感じる環境をつくることだ。 発熱に伴って水分を奪われてしまうので、十分な水分摂取も忘れてはならない。アルコール類は論外だが、とにかくどんな飲み物でも構わないので、十分に飲むことが大切。子供など具合が悪くて何も口にしたがらない場合もあるだろうが、こちらはある程度強制的に飲ませる必要がある。小さな子供であれば、スプーンで水を流し込んでやることも手だ。何度もやらなければいけないので親はたいへんだが、このような状態は長くは続かず、少し回復すればいつもどおりに飲むようになるはずだ。 人ごみを避けること、外出後はしっかり手洗いすること、うがいも効果的だろう。マスクをしても直接感染を避けるという期待はしないほうが良い。もちろん咳が出るときなど自分から他人に感染を拡大しない方策としてのマスクの使用は効果的だ。睡眠不足などを避けて十分身体を休めるとともに、栄養にも気を使いたい。今の時期、レストランなど同一空間に多人数が集まるような場所で、夜遅くまで飲食するようなことは避けたい。感染の機会が増えるだけだ。

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タミフルの副作用について

インフルエンザの治療薬として最も使われているタミフルを服用した直後に異常行動を起こして死亡するケースがたびたび報告されている。厚生労働省では副作用であることを認めていないものの、遺族らでつくる「薬害タミフル脳症被害者の会」では、因果関係が認められないとするだけではなく、医師が処方する際に服用に際しての注意を徹底するよう指導して欲しいと訴えている。 本日の事故以外にも最近の異常行動の例として、愛知県で中学2年生がマンション10階より飛び降りて死亡した例や、中学生が自宅から国道に飛び出し、交通事故死したといったことが複数報告されている。いずれもタミフル服用直後に起きているなど、共通点が多い。 厚生労働省の研究班は昨年2800人を対象にした調査で「タミフル服用の有無によって、異常行動などの現れ方に差はない」としたが、薬害に詳しい専門家の中には、「厚労省のデータの取り方に問題があり、服用直後に限定すれば異常行動を起こす割合は4倍にもなる」とした意見もある。 日本や香港における一人あたりのタミフルの使用量は世界的にみて非常に多い。日本でのことであるが、先日も近くにいた人から「風邪気味だったけどタミフルを飲んできたから大丈夫」などという会話が耳に飛び込んできて驚いた。タミフルが日常的に容易に処方されているのだろう。 新型インフルエンザに備えて、その対策の切り札としてタミフルを各国が備蓄している現状において、そんなに簡単に使ってしまっても良いのだろうか。副作用の報告を過小評価することなどせずに、その使用を制限する方向で検討はできないものだろうか。このままでは副作用と思われる事故が今後も増えることが懸念されるばかりか、ウイルスが耐性を持ってしまって、もはや有効な治療薬ではなくなる可能性だってあるのだ。 従来型のインフルエンザへの感染が疑われた場合は、とにかく身体を休めることが大切。タミフルの服用後は急速に回復したように感じてしまうのですぐに出社通学してしまうが、タミフルでウイルスは死ぬことはない。これでは職場等への感染拡大につながるだけだ。それよりも自宅でゆっくり静養する方が治療はもちろん感染拡大予防の観点からも好ましいといえる。 インフルエンザ症状で医師の診察を受けるとタミフルが簡単に処方される傾向が強い。服用に際しての注意を、医師からなされることが望ましいが、いずれにしても服用後は慎重な観察が必要だ。特に未成年者の事故が目立っており服用後の1~2時間は親の監視は怠れない。

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インフルエンザの流行始まる

香港衛生署は先月末の段階でA型インフルエンザ(H3N2)ウイルス感染の報告数が急上昇しているとして、広く市民に注意を呼びかけている。 香港の流行は日本の流行に遅れて始まるのが通例であるが、今年の日本は暖冬が影響しているためかインフルエンザ患者の数が少なく、大きな流行は今のところ確認されていない。現在のところインフルエンザ注意報が出ているのは愛知県と宮崎県のみで、しかも3段階に分かれる注意報のもっとも低いレベルのものが出ているに過ぎない。今年の香港のインフルエンザ流行は、日本で流行が始まることを確認することなく始まったことになる。 空気感染するインフルエンザウイルスは感染力が強く、一度流行が始まると一気に感染拡大し、爆発的に患者数が増えることになる。インフルエンザを風邪と同じように考える人もいるが、風邪で命を落とすことはないが、インフルエンザでは高齢者を中心に毎年多くの人が亡くなる。現在、毎年のように流行を繰り返しているインフルエンザ(H3N2)の感染により、世界中で毎年数十万人が死亡しているという。風邪とは似て非なる病気だ。 予防① 人込みを避けること。無用な外出をしないこと。② 換気を良くすること。③ 手洗いの励行。うがい。④ 適切な栄養摂取。⑤ 十分な休養、睡眠。適度な運動。⑥ 禁煙する。⑦ ストレスを避ける。 予防法は感染の機会を減らす(①から③)、免疫力を落とさない、増強する(④から⑦)に分けられる。マスクの使用はどちらかというと感染者に求めたいことである。つまり咳やくしゃみなどにともなうウイルスを含んだ唾液の飛散を防ぐことが他人への感染にかなり有効といえるからだ。一方で個人の感染予防には大きな威力を期待することはできない。空気中に飛散しているウイルスは乾燥しているため極めて小さな粒子になっているため、マスクの網目を通り抜けてしまう。最近は抗菌効果をうたった商品も増えているが、過大な期待をしないほうが良いだろう。ただしマスクをすることでマスクに湿り気ができるので、加湿効果で呼吸が楽になるというメリットがあることは確かだ。 A型インフルエンザの感染初期にはタミフルがよく効く。香港での消費量は非常に多いので、クリニックなどを受診すると簡単に渡されることも少なくない。タミフルは一度飲んだだけで症状がすぐに治まることもあるが、ウイルスを殺す薬ではないので、体調が良くなっても体の中には大量のウイルスがそのまま残っている可能性が大きい。タミフルを飲んで回復したと思って登校したり出勤したりすることで感染を広げてしまう危険性がある。受け取ったタミフルはすべて服用すること、服用し終わっても2~3日は外出を控えるなどなるべく人と接触しないようにしなければいけない。

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鳥インフルエンザ情報

しばらくの間静かだった鳥インフルエンザであるが、寒くなりやはりついに姿を現してきた。先日、香港の中心部、銅鑼湾で死んだ野鳥からH5型ウイルスが認められたことから、この冬もついに来たかと思っていた矢先、日本での鶏大量死だ。宮崎県で大量の鶏が死に、先週末正式にH5型鳥インフルエンザであることが確認され、昨日は同じ養鶏場の鶏がすべて殺処分された。もちろん問題となった養鶏場から半径数キロにある同様の施設からの鶏や卵などの出荷・移動は現在禁止されている。 日本で再び鳥インフルエンザによって鳥の大量死が起きたことで、一般の日本人は非常に心配しているが、このような現象はすでに世界的に全く珍しいものではなくなっている。そればかりか人が感染する事例が相次いでおり、WHOが1月11日に発表したところによると、これまでにアジアを中心に世界10カ国で264人が感染し、158人が死亡している。 現在のところ感染者は鶏と濃厚な接触があったと思われるケースばかりで、通常のインフルエンザのように感染経路がわからないと言うことはない。感染を恐れて鶏や鶏卵を食べるのを控える人も多いようだが、食べて感染したという事例はなく、いたずらに心配する必要はない。宮崎のケースも風評にならないよう願いたい。 ところで鳥インフルエンザはどのようにして感染を広げているのか。専門家の推測によると、感染しても感受性が低く死ぬことがない渡り鳥がウイルスの運搬を担っている可能性が高いという。冬になると北から飛来する野鳥が運んでくるウイルスに日本の養鶏場の鶏が感染してしまうわけだ。事実、日本での発生に先立ち韓国で鳥インフルエンザが問題となることが多い。昨年ユーラシア大陸からアフリカにまで感染地を拡大したのは間違いなく渡り鳥がかかわっていると思われる。 来るぞ来るぞと言われながら、幸いにも今のところ現れない新型インフルエンザ。鳥インフルエンザウイルスが人のインフルエンザに変化することは確実で、現在のように鶏から人が感染し始めた情況は極めて注意しなければいけない段階である。 一般の人々の感染予防であるが、今のところ特別心配することはない。鶏や鶏卵を食べることを避けるなどということも馬鹿げている。最小限の注意は必要であるが・・・☆死んだ野鳥に触らない、近寄らない。☆一般のインフルエンザと同様、手洗いの励行。☆飼育している鳥がいれば、外に出さない。 室外に置くしかない鳥がいたら、野鳥との接触を極力避けること。☆市場の鶏売場にはできれば近づかない。 この程度が現在で考えられる感染対策だろうか。今の季節は従来型のインフルエンザが流行する時期にあたり、一般的なインフルエンザ感染予防にも改めて気をつけておきたい。◎人ごみを避ける◎十分な睡眠(睡眠不足を避ける)◎十分な栄養◎適度な運動◎手洗いの励行これらは、これから生まれてくるかもしれない新型インフルエンザ予防にも役立つことだ。免疫力を落とさない努力が大切だ。

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旅先での健康管理

今週末から年明けにかけて、多くの人が休暇旅行に出かけることだろう。今年は一番安全だと思われる日本でノロウイルスが異常に流行しており、ホテルの宿泊客が集団感染した事例も複数起きているほどだ。数個のウイルスで感染するほど感染力が非常に強いのが特徴で、しかも今年は感染力がことさら強いウイルスが主流となっているという。このウイルスは一方で発症しにくいとも言われる。つまり感染しても本人が知らないうちにウイルスを撒き散らしていることも考えられるわけだ。 海外では生ものを食べるべきではないと言われるが、今年は日本でも生ものを食べることに慎重にならなければいけない事態となっている。特に生カキは食べるべきではない。患者が多く発生していることで、大量のウイルスが海洋に流れていることが予想される。トイレから流された排泄物は下水処理場で浄化されるものの、ノロウイルスは除去されることなく素通りする。 カキの養殖業者もかなり神経質になっており、無菌処理を慎重に行なっているところも多いが、残念ながら完全とはいえない。今に限ったことではないが、保健所によっては、管内の飲食店に対して生カキを供しないように指導しているところもあるという。元々生カキはノロウイルスの感染リスクが最も大きな食品であることは間違いない。 さて、この時期を海外リゾートで過ごす人も多いだろう。ノロウイルスに限らず食中毒を含む感染性胃腸炎のリスクは特に熱帯地方では非常に高い。生ものを避けていても、水割りの氷でやられた人もいる。果物でもカットして売っているものも危険だ。ただし自分でカットして食べるのであれば、果物は安全度が高い食品といえる。 デング熱やマラリアにも注意が必要だろう。リゾートホテルでは蚊に対する対策が講じられているところが多いが周辺の村落部にも蚊がいないとは限らないので、特に夜間の外出に際しては蚊に刺されないように十分に注意したい。旅行後も発熱など体調を壊すことがあれば、医師には旅行後であることを伝えることが大切だ。何も伝えなくてマラリア治療が手遅れになることも珍しいことではないが、マラリアであることが診断できれば、治療は比較的易しい。 旅行に際しての注意は、  1、無理な計画で体力を落とさないこと。(十分な睡眠が大切) 2、生ものには手を出さないこと。 3、氷に注意! 4、手洗いの励行。 5、当然のことながら水道水は飲まないこと。 6、虫に刺されないようにすること。 7、淡水の川や湖では泳がないこと。(寄生虫の皮膚からの侵入予防) 8、急な日焼けを避けること。(背中の皮がすべて剥けてしまい救急車で運ばれた若い女性もいる)日焼けは火傷だという認識を持つこと。 無理をせず、最低限の注意をして楽しい休暇を過ごして欲しい。

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ノロウイルス感染急増

ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎が、今年は例年にも増して猛威をふるっている。報道で日本での流行については既に知っている人も多いだろうが、私自身、香港でもかなり増えているのではないかと感じている。「お腹に来る風邪」とも言われ、重症化することは少ないが、免疫力の落ちた高齢者にとっては命取りとなるので、十分な注意が必要だ。 感染性胃腸炎を起こすウイルスには、ノロウイルスの他にもロタウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスなどが知られているものの、乳幼児は別にしてウイルスによる感染性胃腸炎の主流は何といってもノロウイルスだ。 ノロウイルスは日本では冬場に患者数のピークをつくるが、これは生カキの消費量の増加ときれいに相関する。つまりカキに含まれるノロウイルスがその生食によってヒトに取り込まれ、腸管内で増殖して発症するわけだ。香港では日本ほど季節性はないが、患者の発生は非常に多い。 ノロウイルスで特に注意しなければいけないことは、その感染力だ。ウイルス数個もあれば十分感染してしまうので、食品からだけではなくウイルスを排泄している患者(症状がなくても)から感染してしまうこともある。運が悪ければ一家全員感染ということもある。患者の嘔吐物や下痢便には大量のウイルスが含まれるので、その処理には細心の注意が求められる。また感染者は出来る限り食品を取り扱うべきではない。やむをえない場合は食品に触れる前に慎重に手洗いすることだ。もちろんトイレの後は石鹸で特に指先などを丹念に洗う必要がある。 体調が悪いときにはカキを食べないことは最低限の鉄則だ。日本産だからとか、新鮮だからとか言うことはリスク回避にはまったく意味がない。日本でノロウイルス患者が急増しているということは、それだけ海洋に流れるウイルスが多いことを意味する。下水処理では除くことができないからだ。日本各地のカキ養殖場では無菌処理に時間をかけて、食中毒対策に追われていると思われるが、低温で活動が鈍っているので排菌効率も悪い。 生カキはしばらく食べないほうがいいかもしれない。飲食店ではメニューに載せないほうが良いだろう。今年に限ったことではないが、日本では、生カキを出さないよう保健所から管内の飲食店へ指導しているところもあるくらいだ。零細な飲食店にはリスクが大きすぎる食品だ。 インフルエンザのピークシーズンとノロウイルスのそれは一致するので、おそらくこれからまだまだ患者が増えるはずだ。今後も感染に十分注意してほしい。

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中国HIV感染者統計

このほど中国衛生部は、今年10月末までに中国本土でのHIV感染者数の累計を18万3000人、またエイズを発症した患者数を4万667人、このうち死者は1万2464人であることを、最新の統計で公表した。ちなみに今年感染が確認された患者数を3万9600人としている。感染者数は昨年同期に比べ27.5%の増加となり、中国でHIV感染者数が急増しているは間違いなさそうだ。 中国衛生部は感染原因として麻薬中毒者の注射器の共用と性行為(売春)をあげているが、性交時にコンドームを使用するのは39%にしか過ぎないとしている。 これらの数字は中国政府が公表したもので、事実を過小評価している可能性が考えられ、実際にはもっと患者数が多くいてもおかしくはない。特に統計上の母数に含められない人数も少なくないはずで、中国政府が故意に隠すのではなく、統計上はじめからカウントが不可能な部分もあるのではないかと思われる。 いずれにしても中国のHIV事情は深刻だ。以前、シンセン市政府が患者数の増加に危機感をあらわにし、感染者数とともに域内の理髪店が重要な感染源であるとして指摘した経緯があるが、中国の政府機関がマイナスイメージとなるHIV患者の急増に関してその数字や感染経路を公表したことに、当時大変驚いたものだ。 HIV感染者の増加に関して余程の危機感を持ったものと思われる。 日本人駐在員はそのリスクに敏感になるべきだ。プライベートな事なのであまり強く忠告はしないが、無防備な人が非常に多いと聞く。せめて最低限の防御はするべきであり、いくら一人あたりの感染率は低いといっても、無防備な性交渉は自殺行為であると心得てほしい。もちろん他の性感染症のリスクもHIV感染に対して比べものにならないくらい大きい。中国に駐在員を置く企業としては、そのあたりをもう少し真剣に考えておくことも、重要な危機管理のひとつといえるだろう。 マイナスイメージにつながる情報は出来る限り公表したくない中国政府がHIVの感染者増について公にしたという意味を今一度考えてみるべきだ。

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タミフルに新たな注意表示

インフルエンザの特効薬としてあまりにも有名になったタミフルは近い将来現れるであろう新型インフルエンザに備えて各国がその備蓄を進めている。 ウイルスに効果がある医薬品は極めて限られているが、インフルエンザウイルスに大きな効果を発揮するタミフルは、新型インフルエンザにもその効果が期待されているだけに市場では奪い合いの状態が続いている。 製造ライセンスはスイスの製薬会社ロシュしか持っておらず、その生産能力に限界があることからライセンスを他でも使えるようにする動きもある。ところが原料となる八角(中華料理で使う香料)の供給にも限りがあるため、完全に化学合成できるようにならなければ急な増産にはつながらないだろう。 タミフルは国家備蓄のみではなく企業でも備蓄する動きがあるほか、インターネットで購入するなどして個人でも手元においておこうとする人もいるようだ。もちろんタミフルはインフルエンザに効果的な薬であるには違いないが、その使用に関しては十分な注意が必要で、個人の判断で服用するような医薬品ではないと思われる。 米国FDAでは、昨年11月、日本の幼児12人が副作用で死亡した可能性があることを公表しているが、ほかにも幻覚や異常行動などが認められるということから注意を促している。これらの事例はそのほとんどが日本で起きていることから特殊性を指摘する向きもあるが、FDAでは放置できることではないとして、タミフルの注意書きにこれら副作用情報を記載するよう今月に入ってメーカーに指示した。 タミフルに対してインフルエンザウイルスが耐性を持つことが知られている。新型インフルエンザ治療の切り札としてその効果を持続させなければいけないはずなのに、従来型のインフルエンザに使いたいだけ使っているのが現状だ。このままでは本当に使わなければいけなくなったときに、その効果が低下しているのではないかとの懸念も生じる。 病院で処方されたタミフルをすべて服用せずに次回のためにとっておく人もいる。タミフルを服用すると確かに症状はすぐに緩和されるので、もう治ったものと勝手に判断するようであるが、実はタミフルはウイルスを殺すものではなく増殖したウイルスが細胞の外に出てくるのを阻止する薬だ。症状がなくなっても数日間はウイルスが体内に残るので、症状が良くなっても服用を中止しないことが大切。もちろんこの期間は周囲への感染の危険性も大きい。 抗生物質の使用量は世界的にみても日本と香港は突出しているそうだ。必要なときに、薬の種類をきちんと選んで、必要な量を処方し、さらに患者は正しく服用することが求められるが、いい加減に使ってきたツケが薬剤耐性菌の出現といった結果で医療現場に混乱を招いている。 これから本格的なインフルエンザシーズンに入る。タミフルを持って安心するのではなく、日頃から感染対策を心がけるとともにもし感染したときは十分身体を休めることが治癒のために大切なポイントとなるということを理解したい。無理して出社していては病期が長引くばかりではなく、周囲への感染を広めるだけだ。会社ではインフルエンザの社員を働かせるのではなく、たとえ本人が出社を望んでも休むよう業務命令してもいいくらいだ。忙しい中、休めるはずがないという意見も多いことは承知している。しかし感染力が強いインフルエンザは瞬く間にオフィス内に広がり、結局生産性を落とす可能性が非常に高いと考えるべきだろう。やがて来る新型インフルエンザに備える意味でも、社内的なインフルエンザ対策を考えておく必要がある。

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世界糖尿病予防デー

血糖値を下げるホルモン、インスリンは1921年にフレデリック・バンティングらによって発見されたが、彼の誕生日にちなんで1991年にWHOによって11月14日を「糖尿病デー」と定められた。毎年この日を中心に世界中で糖尿病に関してのイベントが開催される。 現在、糖尿病患者は世界中で2億3000万人おり、これは全成人の約6%に相当するものだ。また糖尿病の関連した病気を原因として亡くなる人は300万人を超え、約10秒に一人が命を落とす計算になるという。 糖尿病には生まれつきインシュリンの分泌が悪い1型と、肥満が直接的な原因となって発症するため、生活習慣病として問題となる2型がある。先進国、途上国の関係なく患者が増え続けているのは2型糖尿病だ。 糖尿病はある日突然発症するわけではなく、本人が知らないうちに徐々に身体を蝕み、気がついたときには合併症を起こして取り返しがつかない事態に陥る怖い病気だ。毎年健康診断を受けることも大切であるが、血糖値が高いことを指摘された場合にその事実を軽視することなく、生活習慣を改善するなどして迅速かつ適切に対処することが何よりも求められる。 健康診断で糖尿病の疑いや、そこまではいかなくても糖尿病予備軍にあたる血糖値110mg/dlを上回る人が認められることは珍しことではない。さらに110mg/dlまではいかなくても血糖値が上昇してきていると思われる人まで加えると何らかの対策をとらなければいけない人達は相当数に上る。特に体重増加を伴う場合、家族に糖尿病患者がいる場合など、将来的な糖尿病のリスクが非常に高いものと判断して、直ちにダイエットを始めたいものだ。体重さえ落とすことができれば多くの場合そのリスクを免れる。血糖値がそれほど上昇していない段階で生活習慣を改善するなどができれば対処は比較的楽にできるが、血糖値が上昇するほどその改善には苦痛が伴う。 ただし糖尿病を発症していて体重が落ちる場合があるので要注意だ。何もしないのに体重だけが落ちるときは糖尿病はもちろん他にも病気が考えられるので、このような場合は必ず医師の診察を受けることを勧めたい。 糖尿病の怖い合併症として失明、四肢切断、腎不全が挙げられるがどれも生活の質を極端に落とすものばかりだ。血液中のグルコース(血糖)が高い状態は血管をボロボロにしてしまうなど影響が大きく、関連して引き起こされる病気で多くの命が奪われる。 健康診断などで糖尿病を疑われた場合は直ちに精密検査を受けて欲しい。血糖値に問題がなくても過去の平均的な血糖値を反映するヘモグロビンA1cが高かった場合などは必ず精密検査を受ける必要がある。 間もなく忘年会シーズンだ。毎日のように過食が続く人もいると思うがとにかく体重が増えないようにコントロールすることが大切。毎日体重計に乗ることも自分の減量に対する意識を呼び戻すことができるのでダイエットに非常に有効だ。怖くて体重計に乗れない?どんなに太っていても現状を受け止めなければ先には進まない。太っていれば太っているほど簡単に体重を落とせるとも聞く。体重が落ちればそれだけ励みにもなるものだ。 減食するとともに運動することで糖代謝を盛んにすることが可能だ。運動といってもジムに通ったりジョッギングしたりしてもおそらく長続きすることはない。(中には頑張っている人もいるが・・・)とにかく歩くこと!日常生活の中でどれだけ歩くかが勝負だ。仕事で外回りが多い場合など最高の環境にあるといっても良い。デスクワークが多いのであれば通勤を利用するのが手だ。主婦であれば買物では荷物がない行きくらいは歩いても決して損にはならない。糖尿病に限らず健康維持増進のために日常生活で常に身体を動かすことを意識したいものだ。