No Image

広東省における狂犬病発生

中国広東省衛生庁の発表によると、今年1月から9月までに省内で狂犬病に感染して265名が死亡しているという。広東省の狂犬病に関しては在広州日本国総領事館のHPにて安全情報としてアップされている。http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/seqinfo/doc/seq00105.htm 広東省に在住する日本人はもちろん、香港などから出張で常時広東省へ出入りする日本人にとっても不安を感じる向きも少なくないだろう。中国では広東省に限らず狂犬病の発生が多く、国や省レベルで対策に乗り出しているという。 中国に限らず狂犬病の発生は世界中で認められている。発生を見ない国は日本をはじめ台湾、オーストラリア、英国に限られるため、海外生活では注意しなければいけない病気のひとつといえよう。 狂犬病は犬だけがウイルスを持つとは限らず、身近なところでは猫も危険動物とされる。そのほか例外的なことをいえばコウモリも危険で、洞窟でその唾液が目に入って感染したという事例も報告されている。 海外ではむやみに動物に近づかないこと。特に犬は最も人との接触の機会が多い動物で、それだけに咬傷被害を受ける可能性が高い。狂犬病に感染した犬は凶暴になり、何にでも噛み付くようになるだけに危険だ。素性がわからない特に野良犬や野良猫には決して近づいてはならない。 狂犬病は感染して発症してしまうと100%死に至る。発症して治癒した例はギネスブックに掲載されているというから驚きだ。 体内に入ったウイルスは神経系をたどりながら脳にいたる。比較的移動の速度は遅いので噛まれた場所が脳から遠いほど発症までに時間が稼げるわけだ。もし犬などに噛まれたら、直ちに傷口を洗浄することが大切。狂犬病ウイルスは弱いのでこれだけでもかなりのウイルスを除去できる。そして予防接種だ。狂犬病は発症までに予防接種を受ければ、発症を防ぐことができる。予防接種を事前に受けている人であれば2回、そうでなければ6回の接種が必要となる。 予防接種は特別なものではないので、中国でも接種できる医療機関は多い。流行地に赴任する際には予防接種を受けておくほうが無難であると思われるが神経質になる必要もないだろう。万一、犬に噛まれたときのことを考えどこの医療機関で予防接種できるのかを調べておくことは無駄にはならない。週末診療に関しても調べておくべきだろう。 動物から感染する病気は狂犬病だけではない。インコなどの鳥類、みどり亀など屋内で飼われることが多い身近な動物も人獣共通感染症を持っていることがある。どんな動物であっても噛まれないように注意するべきで、いくらかわいいからといって口移しで餌を与えるようなことは絶対に避けるべきだ。

No Image

生カキに注意!

生カキが原因と見られる食中毒がこのところ立て続けに発生している。日時や飲食店はまったく別であるものの、同じ業者「環球海産(ワールドワイドシーフード)」が納入しているカキによる中毒事例であることが判明した。現在、食品安全センターはこの業者に対して出荷の中止を要請しているという。 カキによる食中毒の多くは「小型球形ウイルス(ノーウォークウイルス)」によるものだ。 カキは海水中のウイルスを体内に溜め込み、体内にウイルスを濃縮してしまう性質がある。これを「生物濃縮」と呼ぶが、ウイルスがカキの体内で増殖することはない。したがってカキが水揚げされてからその体内でウイルスが増えることはありえず、流通業者や飲食店の温度管理等が不適切であったり、日数がたって鮮度が落ちたことが食中毒の原因になるわけではない。この点は一般の細菌性食中毒と大きく異なるところだ。 小型球形ウイルスによる食中毒は、もっとも頻繁に起きる食中毒にあげられ、特に冬の食中毒として一般的だ。毎年夏にはその件数が減るのが特徴であるが、今年の香港は夏場を通して発生がおさまった気配が認められず、ある専門家は、ウイルスの性質の変化を指摘している。 「新鮮だから」とか「高級ホテルだから」といったことが、生カキの安全性の保障になることは、残念ながらまったくない。その意味では飲食店にとっては、食中毒を発生させてしまうリスクが常にあるものと覚悟して生カキを供食するべきであり、できれば生カキは出さないほうが無難であるといえよう。日本のある保健所では、管内の飲食店に対して生カキをメニューに載せないように指導している。もちろんこれは強制ではないが万が一食中毒を出してしまったら、他の食中毒同様即刻営業停止処分となる。中小の飲食店であれば収入減と患者への補償などで経営難から一気に閉店に追い込まれることも十分ありえる。 生カキは食べてはいけない食品なのか?少なくとも体調が悪いときに食べるものではないことだけは確かだ。免疫力にさえ問題がなければ、体内に取り込んでしまったウイルス量にもよるが、何事もなく経過する可能性が高い。今回同じ業者が出荷したカキで食中毒事例が起きているが、おそらくこのカキを食べて何もなかった大多数の人も感染している可能性が高いとみても良い。ただ発症しなかっただけだ。 このウイルスは患者の便から排泄されるが、下水処理場で死滅することがなく河川や海洋に流れ込む。これを貝類が体内で濃縮する。その貝類を食べた人が感染して、ウイルスを排泄する・・・。このようなサイクルを考えると、人口が多い地域で収穫されたカキは危険であることが理解できる。日本のカキだから安全というものではない。日本の生カキのパックには「生食用」「加熱用」の表示がある。これは鮮度の良し悪しや加工方法で区別しているわけではなく、これはカキを養殖している海域による区分だ。 ある専門家の意見であるが、食中毒の危険性がまったくないカキは日本中どこにもないという。しかし、最近では生産業者が出荷前に無菌槽に数日浸けるといった無菌化処理をするなど、その安全性を高める努力をしているため実際に食中毒のリスクはかなり減少していると思われる。 カキが美味しくなる季節であるが、そのリスクを十分理解したうえで食べたいものだ。

No Image

薬剤耐性黄色ブドウ球菌

今年、薬剤耐性黄色ブドウ球菌の感染者が9名発生し、そのうち37歳の女性が脳膜炎を併発して死亡したことから、衛生署では市民に注意を呼びかけている。 薬剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は従来より病院内の感染が問題になっていたが、今回の注意は一般市民レベルでの感染の危険性が高まっていることに対する警告だ。 MRSAは病院や老人施設などではすでに定着した病原菌であると認識されているものの、一般の人への感染は極めて稀であると思われてきた。しかし香港では昨年7件、今年はすでに9件の患者発生を確認しており、誰にとっても感染について十分な注意が必要になってきているとみられる。 黄色ブドウ球菌は健康人でも皮膚や口腔に常在するありふれた細菌であり、免疫力が落ちた場合など以外では通常問題になることはない。しかし昨今抗生物質の使用が極端に増えたことから、抗生物質に抵抗力を示す細菌が増えており、その代表的なものがMRSAと呼ばれる。 同じ黄色ブドウ球菌でも、MRSAはメチシリンという抗生物質に抵抗を示すものであるのに対し、他にもバンコマイシンに抵抗を示すVRSAというものもあり、新たな抗生物質が開発されてもやがては病原菌が抵抗力をつけるといういたちごっこが今後も続くと思われる。日本や香港は世界的に見て抗生物質の使用量が非常に多いことがこれまでも指摘されている。MRSAやVRSAがあらわれるのは、抗生物質の使いすぎが原因であることに間違いない。 たとえば「風邪」と診断されて抗生物質を出されたことがある人は少なくないと思うが、風邪症状を起こすウイルスには抗生物質は無効だ。2次感染の予防という目的で処方されているのが現状と思われる。不要な投与にあたるが、患者もその処方を求めていることもあり、必ずしも医師だけに責任があるわけでもないだろう。この点に関しては解熱剤も同じだ。 さて、一般におけるMRSAの予防であるが、保菌者の傷口などに接するのが最も危険であるといわれるので通常では神経質になる必要はない。しかしサウナやマッサージ、エステなどを行う店では、タオルなどの処理が適切でなければ十分感染源になることが考えられる。衛生管理が不十分だと思われるこれらの店は利用しないことが懸命だ。

No Image

インフルエンザ予防接種

今年もインフルエンザ予防接種が病院やクリニックなどで実施されている。例年だと8月下旬頃から実施できるようになるが、今年はワクチンの内容が大きく変更されたため供給が少し遅れたそうだ。 今年のワクチンはA型 ニューカレドニア株、 ウィスコンシン株B型 マレイシア株 これらはあくまでも前期までの流行を考慮した上でWHOが決定したもので、必ずしもこのタイプが流行するとは限らない。従ってワクチン接種を受けていたからといって感染を確実に防げるというものではなく、肝炎ワクチンのようにほぼ100%の効果を期待できるものではない。感染の機会を減らせるという程度に考えておきたい。 インフルエンザ予防に必要なものは、手洗いなどの衛生管理、栄養、そして休養だ。つまり手洗いなどでウイルスの侵入機会を減らし、バランスが取れた食事(栄養)と十分な休養(睡眠)で免疫力を保つことが肝心だ。 現行のワクチンでは、これからの流行が非常に心配されている新型インフルエンザ(鳥インフルエンザ)には無力であることはもちろん、現存のウイルスでさえも確実に予防できるとは限らないが、自分自身の衛生管理と免疫力維持ができれば、すべてのインフルエンザに対して感染の機会を減らせることは間違いない。 予防接種を受けておいた上で、自分自身での感染予防が実施できるのであれば、その効果は最大限大きなものになると期待できる。もちろん自身の健康管理(衛生、休養、栄養)はインフルエンザ予防のみにとどまることなく、多くの感染症の予防にもつながることでもある。 接種は少なくとも本格的な流行が始まるまでには終えておきたい。流行には地域差があり、日本では11月からであるのに対して香港での流行は年明けからで、日本の流行時期とはズレる。 冬の低温と乾燥がインフルエンザ流行の原因とされるが、香港では日本ほど気温が下がらないうえに湿度が最も高い季節に流行が重なる。寒さと乾燥だけがウイルスを活発化させるというわけでもなさそうだ。クリスマスから新年にかけては旅行を計画する人も多い。人々が活発に動く季節は感染症にとっては一気に流行を拡大させるチャンスでもある。予防接種は遅くとも12月はじめまでには済ましておきたい。 このところ毎年のようにインフルエンザワクチンが不足している。昨年は最終的には希望者全員が接種できたようであるが、待たされた人も少なくなかった。接種を希望する場合は、なるべく早期に接種することを勧めたい。今の時期はどこの医療機関でもワクチンを準備していると思うが、接種を希望する場合は念のため在庫を確認しておくと良いだろう。接種料金は医療機関によってまちまちだ。昨年は中国から違法に輸入して安く接種していたところもあるので、極端に安いところは避けた方が無難だろう。

No Image

蜂蜜から抗生物質

香港で広く販売されている輸入蜂蜜から複数の抗生物質が認められ、健康被害が心配される一部商品は強制的に回収命令が出されている。 この報道を見て、やっぱり何でも日本製に限ると思ったら大違いだ。実は日本でも蜂蜜製造業者は抗生物質を使用することが多く今回日本製の蜂蜜からたまたま検出されなかった(検査されていなかった可能性もある)だけで、日本製だからといって安心はできないのだ。 とんでもない話もある。日本では、輸入蜂蜜からは抗生物質は認められてはならないとされている。国内のある蜂蜜生産業者は、多量に使用している抗生物質が基準値を超えないように中国産の蜂蜜で希釈していたという。日本に輸入されている蜂蜜には抗生物質が含まれていないということを悪用したものだ。 そもそもなぜ養蜂に抗生物質が必要なのか。大昔から続く養蜂に抗生物質など無用であると考えてもおかしくはない。 ミツバチには腐蛆(ふそ)という病気があり、これを防ぐために抗生物質が使われるのだそうだ。たしかに密集して生活するミツバチに一度病気が発生しようものなら瞬く間に感染が拡大し、短時間のうちに全滅する危険性がある。養蜂家にとっては死活問題だ。小規模であれば問題は少ないのかもしれないが、大量に供給しなければいけない大規模養蜂業者にとっては必要悪なのかもしれない。 このあたりは養殖魚への抗生物質使用、野菜への農薬使用、食品の保存性を高めるための合成保存料の使用など、我々の食生活を支えるべくその生産性を高めるために行われていることとある意味共通項もあるといえよう。 食の安全は他人任せでは絶対に守ることはできない。しかし、もちろんすべての有害物質を避けることも不可能だ。我々が生活するうえで、何が本当に危険で、何が必要悪であるかあるいは生活の質を落とすなど自己犠牲を伴ってでも避ける必要があるものは何か、といったことを常に考えておかなくてはならないと思う。 余談であるが、1歳未満の乳幼児には蜂蜜を与えてはいけない。これは蜂蜜に含まれることがあるボツリヌス菌に対する影響を避けるためだ。日本産であろうと中国産であろうと危険であることに違いはない。

No Image

市販精力剤に注意!

日本の厚生労働省は輸入されて国内で市販されている精力剤に関してその成分を検査したところ、医薬品に該当する成分が多数から検出されたとして、その健康被害を懸念してマスコミ等を通して注意を促している。www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/other/050623-1.html 136件の該当商品はここ3年ほどの間に全国都道府県から寄せられた情報の集積であるが、その多くが中国製である。香港でも市販されているものが多く、興味半分に使用したことがある人もいることだろう。 問題となっている医薬品成分は「バイアグラ」として承認されている「シルデナフィル」のほか、国内外で未承認であるシルデナフィルの別の化合物も少なくない。シルナデフィルの副作用は頭痛、ほてり、視覚障害があげられるが、心臓、血圧などの薬との併用は危険であるとも言われている。シルデナフィルの別の化合物や他にも示されている医薬品成分にも基本的には同じ副作用があるものと考えられている。 シルナデフィルが認可されているのであれば、市販のものに含まれていても問題はないと思うかも知れないが、これら精力剤に含まれる成分は、正式に検定されておらずその含有量も確認できない。さらにそれ以外にも何らかの「医薬品」が含まれている可能性や、製造時に有害な副産物が混入していないとの保証もない。 今回の公表にはないが精力剤と同様に「ダイエット食品」にも問題が大きい。弊社の健康診断でも、ある女性に「肝機能障害」が認められたケースがある。この女性は、健診結果、問診、既往などいろいろな角度から肝機能障害の可能性を検討しても、どうしても原因が考えられないので本人に改めて確認してみた。その結果、ダイエットのために毎日「痩身茶」を飲んでいるとのことだったので、とりあえずその使用を中止してもらって再検査。その結果肝機能障害は改善し肝臓は正常化した。おそらく痩身茶に何らかの医薬品が加えられていたのであろう。痩身用のお茶やサプリメントに甲状腺ホルモンや下剤が含まれていたとしてたびたび問題になっている。他にも「降糖茶」でも低血糖をきたす副作用事故も報告されている。 軽い気持ちで服用を続けて、取り返しがつかなくなる事態も考えられる。巷で市販されている「あやしい」健康食品などには手を出さないほうが無難だろう。もちろん誰かが飲んでいるから・・・という情報だけで安全だという保証など一切なく、何が起きても被害への保障はない。

No Image

広東省でデング熱流行

報道によると中国広東省でデング熱が流行しており、今年はすでに194人の患者が発生しているとのこと。このうち5例については東南アジアで感染して帰国後に発症した輸入例と思われるものの、他はすべて国内(主に広東省内)で感染したものと思われる。広州市政府は関係部署に対し、感染者の更なる拡大を阻止するべく対策を強化するよう指示した。これにより蚊の駆除が広範囲にわたってなされるものと思われる。 広東省でのデング熱流行を受けて、香港衛生署は医師などに対して情報を通知するとともに、診療に際して注意を払うよう促している。また一般市民に向けては蚊に刺されないように啓蒙を進めている。 蚊に刺されないために、  1、長そで、長ズボンの着用。 2、肌に塗るような虫除けの利用。 3、エアコンが無く、部屋の窓を開けておくときは防虫ネットなどを使用すること。 といったことを衛生署は勧めている。 また蚊の発生を予防するよう市民に呼びかけている。  1、空缶、空瓶などに水が溜まらないようにすること。 2、植木鉢の皿に水を溜めないこと。 3、側溝などを詰まらせないようにすること。 デング熱は主に熱帯・亜熱帯地域で年間1億人以上もの患者が発生しているが、昨今の気候温暖化の影響で、発生地域が温帯地域に拡大しており、今後感染危険地域は拡大を続けるものと思われる。沖縄ではいつデング熱が発生してもおかしくはないといわれているほど。中国南部は今や感染の危険性が高い地域と思われるので、十分な注意が必要となる。

No Image

心の病、30代社員に急増

『30代の会社員にうつ病や神経症など「心の病」が急増していることが、社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所の実施したアンケートでわかった。30代で最も多いとした企業は、04年でほぼ半数だったのが、今年には61%に増えた。また、6割以上の上場企業が、「心の病」を抱える社員が増えたと回答した。専門家は「急速に進む成果主義や管理職の低年齢化が一因ではないか」と分析している。』以上本日の「朝日コム」より 「心の病」が特に30代に多いという実感はないが、少なくとも香港に在住する日本人にメンタルケアの必要性が増していることは、間違いないことだろう。これは、このところ自分自身の異常に気がついて相談してくる人が多いことから特に感じることである。メンタルな問題に関して比較的オープンに話しやすくなった最近の社会的な環境変化が後押しして自分自身の状態を訴えやすくなったのかもしれない。 もちろん相談をしてくる人の影にはその何倍、いや何十倍もの「患者」が存在していることは確かだ。家族や上司が気がついて相談するケースもあるが、多くは表面的には全くわからないことの方が多いはずだ。実際、上司に相談しても、病状について理解が得られなくて困っているという訴えも聞く。 上の記事では職場内のコミュニケーションが少なくなったことが「心の病」が増えている一因とし、職場内での横のつながりをいかに回復していくかが課題であると結んでる。しかし、本当に職場内の横のつながりを回復することで、問題は少なくなるのだろうか。私は非常に疑問だ。 コミュニケーションは確かに非常に大切であるが、人の訴えを聴いてあげようという姿勢が求められる。(「聞く」ではなく「聴く」姿勢)会社組織の中で横のコミュニケーションも大切であるが、単に横のつながりだけだと酒を飲んで愚痴をこぼすだけに終わる可能性があり、問題の解決につながりにくい。やはり上下の関係において風通しを良くして、上に立つ者が部下からの相談事に耳を傾ける姿勢を日頃から示しておくことはとても大切なことだ。 家庭でも同じだ。信じられない人も多いようだが海外駐在員の妻たちがメンタルな悩みを抱えていることが少なくないという。楽しそうにしているのは外に出ている人たちだけで、精神的に壁にぶつかり外出もままならなくなることも珍しいことではない。外に出てこないので問題として認識されにくいのだ。妻の問題に関しては、やはり夫の役割が大切になる。これも会社と同じで不満や愚痴をじっと聴いてあげることが、たいへん大切なメンタルケアのポイントとなる。逆もまた同じ。夫の話をじっと聴いてあげている妻もいるというが、これも夫のメンタルケアには相当な効果をもたらすに違いない。 どのような人間関係でも、お互いの話に耳を傾け傾聴する姿勢は、悩みを持った人々の心を癒す糸口になるに違いない。

No Image

生ウニで集団食中毒

衛生署の発表によると香港内の複数の日本食レストランやラーメン屋にて先月末から今月はじめにかけて、同一業者が納品した生ウニが原因で70名以上が食中毒症状を訴えた。 衛生署では原因を、患者が共通して喫食した生ウニが腸炎ビブリオ菌に汚染されていたものと断定した。腸炎ビブリオ菌は海水中に生息し、夏場水温が高くなると活動が盛んになるため、暑い季節の海鮮料理には十分気をつけなくてはいけないものだ。 魚は真水で洗ってから調理するのが常識だ。もちろんこの場合の魚は一匹丸ごとの場合。これは塩水を好む腸炎ビブリオ菌を洗い流すためだ。ウニは殻から取り出して塩水で洗っただけで木箱に並べられて流通する。寿司や刺身として食べられるときにも洗われることはない。流通の過程で厳密に低温が保たれていれば問題は少ないが、ひとたび室温に戻るようなことがあれば、腸炎ビブリオ菌は急激に増殖し、食中毒の原因となる。 ウニは寿司ネタの中で最も食中毒をおこしやすいものとして、その管理は十分に気をつけなければいけない。これは食品衛生における常識だ。また食べるときも、消費者自らその認識を持って、生カキと同じく体調の悪いときは食べるのを避けるという自己管理が必要だ。 香港では10年ほど前までは刺身など生ものを食べることはなかった。中華料理には魚を生で食べるという概念がないので当たり前ではあるが、数年前の日本ブームのころから寿司が好まれるようになってきた。回転すしなどが日本から入ってきたのもその頃で、今では多くの香港人が刺身や寿司を躊躇なく食べている。 生ものを食べる文化がないところで生ものを食べるのは危険だ。どうしても食べたいときは、生ものを扱うことに慣れている日本人が直接調理するレストランを選びたい。調理を香港人に任せていても、常に日本人の調理人が食材管理や調理を監督している店を少なくとも選ぶべきだろう。 今年は冬に多いノロウイルス中毒患者が夏になっても減少していない。食中毒のあたり年なのかもしれない。食中毒事例一件あたりの患者数はレストランでの食事が原因となっている場合が多いが、全体としては家庭内で感染したと思われる患者数のほうがはるかに多い。 これから当分の間、食中毒をおこしやすい高温多湿の季節が続く。食中毒予防には、家庭内でも十分に注意したいものだ。

No Image

サルモネラ菌食中毒で小学生死亡

報道によると大阪府東大阪市の小学4年生(9歳)がサルモネラ菌による食中毒で死亡したという。管轄の保健所が今月10日に発表したものであるが、サルモネラ菌による子供の死亡は、日本では2002年8月依頼のことだ。 この女児は、4月8日朝に下痢や嘔吐などを発症し、同夜に意識を失い、7月9日に死亡した。患者便からサルモネラ・エンテリティディスが確認されたため、原因は発症の前日に食べた生卵の可能性が高いとみられる。 原因食品と思われる卵は4月7日午前中にパックで購入されたもので、冷蔵庫に保存されていた。一緒に食べた家族には2次感染と思われる症状が妹に現れたが一時的な症状で、他の家族には何も異状は認められなかったという。 卵を原因食品とするサルモネラ食中毒は珍しいものではない。日本では生卵を使った食品(ティラミス)が流行した頃に、特に患者が増加している。世界的にも生卵を食べる習慣がある国は少ないが、卵かけご飯に代表されるように生卵を食べる食文化がある日本では、サルモネラ菌中毒が非常に多い。 サルモネラ菌は動物の消化管に棲み着いている細菌であるが、一般に哺乳動物以外は卵が外に排出されてくる部分は、総排泄口と呼ばれるように肛門なども兼ねているので、産卵時に卵が腸内細菌によって汚染されやすい。サルモネラ菌も卵の表面を汚染することが多いので、生卵を食べる場合は割れたものを避けること、割ったらすぐに食べることが大切であるが、中には「インエッグ」といって約5000個に一個の割合で、卵の中にサルモネラ菌が存在することがある。実はこれが曲者で、多くのサルモネラ菌食中毒の原因となっているのではないかと疑われている。 日本で、卵に表示されている賞味期限はきちんと冷蔵された場合に生食できる期限として解釈しても良いが、今回の事例に関しても本当にその表示で間違っていないかしっかり検討する機会とされても良いのではないかと思われる。場合によっては卵は生食できない食品として分類される可能性も否定できない。 生卵の危険性は決して卵かけご飯だけにとどまらない。親子どんぶり、卵とじ、カツどん、ティラミスなど広い食品に及ぶ。生卵と一緒に食べるすき焼きも同じだ。卵はたんぱく質はもちろんのこと、ビタミンやミネラルも豊富に含む栄養価の高い食品であることに違いはないが、食品衛生上、まだまだ議論しなければいけない課題が多く、現在のところ生で食べる場合は確実に安全な食品であるとはいえないという認識が必要だ。