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日本脳炎発生

日本脳炎患者が香港の新界、中国との境界に近い大型住宅地Tin Shui Waiにて立て続けに2人確認された。この二人は近い距離に住んでおり、この地区の日本脳炎患者がほかにもいるのではないかと衛生署では見ているものの、大規模な流行にはつながるとは今のところ考えていない。 日本脳炎ウイルス媒介には、夕方から活動が盛んになるコガタアカイエカが関与しており、ウイルスに感染している豚を刺した蚊が、次にヒトを刺すことで感染する。ただし、感染と発症はまったく異なり、感染しても発症するのは0.1~1%であり、ほとんどの感染者は症状がないので感染に気がつくことはない。 感染から発症までの潜伏期間は1~2週間。発症すると頭痛や発熱といった風邪症状に始まるが、症状は重篤で間もなく痙攣や意識障害に陥る。今般入院した二人も意識障害を起こしたことで緊急入院している。死亡率は20%程度であるが、治療は対症療法しかなく、抗ウイルス薬など積極的な治療薬はない。 今回二人の患者が時期を同じくして発生したということは、発症率から推定すると、周囲には数百人の感染者がいるものと考えられる。周辺には複数の養豚場があるため、豚の日本脳炎ウイルスの抗体価を調べ、る必要がある。日本では、豚の感染率から発生予想をしているので患者発生より早く注意が促されることもある。抗体をもつ豚が多ければ、媒介する蚊を駆除する対策を早急にかつ強力に進めなければいけない。 一般には、蚊に刺されないようにすること。媒介蚊が活動を始める特に夕方からの外出時には、蚊に刺されないように肌の露出を少なくすること、虫除けのスプレー等の使用も考えておきたいもの。また花瓶の水の取り換え、鉢植えの受け皿の水を小まめに捨てるなどボウフラの発生につながる元を断つことも大切なポイントだ。香港では政府が日本脳炎の予防接種を推奨しておらず、正式に認可されたワクチンはない。一部の医師が個人のリスクで輸入して接種しているらしいが、今回の事態を受けて慌てて接種することもないだろう。

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熱中症に注意!

長らく悪天候が続いた後の好天、しかも気温湿度とも高い状態においては、熱中症の危険性が極めて高くなります。このところ週末が雨で完全につぶれてしまうことはなくなってきましたがそれでも連日のように雨が降る様な天気が続くと、週末には思いっきりレジャーを楽しもうと考える人も多く、天気さえ良ければ、一斉に海山に出かけることになります。熱中症患者が急増する条件に今週末も当てはまりそうです。十分注意して楽しんでください。 熱中症予防、対応 (思いつくままに列記します) 1. 気温・湿度が高い時に無理な運動をしないこと(余裕が大切) 2. 帽子等の着用。衣類はゆったりして風通しの良いものにする。 3. 運動負荷を低くすること。小まめに休憩すること。 4. 熱中症と思われる症状が現れた人がいたら、他の人も運動を中止すること。 (室内でも同じです) 5. 十分な水分の補給。 6. 大量の発汗は血液中のミネラルを失います。塩分の補給が大切です。 (痙攣予防)0.1~0.2%の塩分を含む水が給水には適切。 7. 運動前にも水分補給。途中は小まめな給水を心がける。のどが渇く前でOK。 のどがとても渇いた状態での我慢は禁物。 8. 睡眠不足や前日の大量飲酒を避けること。 9. 調子が悪いと感じたら日陰に移動。衣類を緩めてできる限り風にあたる。扇子であおぐ。10. 扇子は身体を冷やすのに意外に便利。常に携帯を。11. 発汗が悪く、皮膚表面が乾いているときは全身に水をかけて扇子やタオルであおぐこと。12. 呼びかけにまともに応答できない、言動がおかしいなどは重症であるサイン。  躊躇せずに救急車(ヘリ)を要請すること。13. 子供と高齢者には特に注意すること。14. 日頃の栄養摂取にも注意。15. エアコンばかり使わないで、日頃から汗をかくようにすること。 今週、日本では連日の猛暑で多くの患者が出ていますが、香港でも死亡例を含めて毎年多くの患者が出ています。十分注意してください。

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重症熱性血小板減少症 SFTS

たびたび報道されているので徐々に知られてきている感染症ですがダニに咬まれて原因となるSFTSウイルスに感染し発症します。日本では昨年の秋以降に患者が報告され、それ以降各地で感染者が認められており、これまでに死亡例も相次ぎ報告されています。 日本では今年3月4日付で感染症法にて第4類感染症に指定され届出の対象になりましたが、実際にはそれまでも多数の感染者が出ていたものと思われます。中国では2006年に確認された後、各地で感染者が報告されておりこれまでに判っただけでも数百人の感染者が出ていますが、その多くは地方の農民でした。しかし、最近日本での感染例を見てもわかるように一般に認識されているよりも広範囲に感染が拡大し、なおかつ身近な感染症になってきていると考えたほうが良さそうです。 潜伏期は1~2週間。発熱に加えて腹痛やおう吐といった消化器症状があらわれ、さらに下血をみます。死亡率は30%くらいまで。その名の通り臨床的には血小板が減少して、出血傾向が著しくなることが特徴です。 マダニにかまれることが感染の原因となりますが、このダニは特別なダニではなく、我々の生活圏から一歩出ればいつ刺されても不思議ではありません。もちろん上にも書いたように農民に患者が多かったということにはうなずけますが、ハイキングなどのレジャーでの感染も十分に注意が必要です。ダニはちょっとした草地や茂みであればどこにでもいます。専用の道具を使って採集すればいくらでも捕獲できるようですが、ヒトを刺すのはごく一部だけです。ダニといえば、粉物などの食品にもごく普通にいるのもですが、こちらは刺すタイプではありません。 これからアウトドアライフを楽しむ人が多くなるかと思いますが、茂みなどに入る場合、できる限り肌を露出しないことです。もちろん虫除けなども効果的です。万が一、刺されてしまった時はダニを無理に皮膚からとらないで、必ず皮膚科医に相談してください。一旦皮膚に喰いついたダニは容易にはとれず、とれても頭部が残るなどして、後の処置が厄介になるばかりか皮膚症状がひどくなったり、ウイルスなどが体内に侵入しやすくなるなどします。マダニは吸血前には3mm程度ですが、数日吸血すると1cm程度になることもあり、ホクロと間違えることもあるくらいです。とにかくどんなに吸血されていても自分では絶対に取らないことです。

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鳥インフルエンザH7N9型現状

このところ鳥インフルエンザに関して報道が減っていると感じている人もあるのではないでしょうか? 中国内ではH7N9型鳥インフルエンザの感染源とみなしている家禽市場を次々に閉鎖してきましたが、その甲斐あってかこの1週間ほど新規の患者発生がありません。ヒトからヒトへの感染が確実に無いものとはいえない中、家禽市場の閉鎖が感染者数の増減に関係するのか注目されていました。家禽市場が感染源であったのであれば、市場閉鎖後は新規の患者発生はなくなる、あるいは少なくとも有意に減少すると考えることができるからです。数日間連続して新規の患者発生がなかったということは、封じ込め対策がひとまずは良い結果を生んでいるものといえます。 しかし安心はできません。専門家は感染者数は実際には報じられているよりもはるかに多く、症状が軽い、あるいは無症状であるために感染がわからない人がかなりの数にのぼるのではないかと指摘しています。私自身も感染者数の増加があまりにも遅いので、実際にはかなりの感染者がいるのではないかと思っていました。発症したのは免疫力が低下していた人に集中していたのでしょう。 さて、新規患者の発生を見ないことでこのまま終息するのかというと、それほど感染症対策は甘くはありません。ウイルスはどこかに存在することは確かですし、すでに性質を変えている可能性も否定できないのです。これまでのところヒト-ヒト感染がたとえあったとしても、極めて限定されたものであったわけですが、すでにウイルスはヒトーヒト感染を起こしやすいタイプになりつつあるのかもしれません。想像の域を超えませんが、まだまだ当分の間は注意が必要です。 多くの人に感染が広がっているのであれば、それだけ従来型のウイルスとヒト体内で共存する機会が増えるわけであり、毎年流行を繰り返すH3N2型インフルエンザウイルスの性質(ヒト-ヒト感染力が極めて強い)を兼ね備えたH7N9型ウイルスが誕生する危険性がますます高まることになります。 従来型の抗インフルエンザ薬に感受性がある(効果がある)ことが安心材料です。タミフルなどの特効薬は十分あります。ワクチンの開発は早くて半年かかるので、北半球の秋には間に合う可能性も期待できます。 今後、さらに感染が拡大するかもしれません。中国内で感染した台湾人が、台湾に戻って発症したということで大きな騒ぎになりましたが、ヒトが頻繁に移動するわけですからこのようなケースが起きることは何の不思議もありません。国や地域を超えて感染が拡大した時に不安が大きくなりますが冷静にとらえる必要があります。 情報はマスコミ報道を第一にするのではなく、日本であれば感染症研究所や厚労省、香港であれば衛生署、あるいは世界の衛生行政の大本山であるWHOなどといった公的なところから得るようにしてください。

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ダニアレルギー

ニュースでも取り上げられているので、すでにご存じの方も多いのではないかと思いますが、長期保存してあった「お好み焼粉」に大量発生したダニが原因で、その粉で作ったお好み焼きを食べてアナフィラキシ―ショックを起こした症例が報告されています。 開封した小麦粉など粉製品を長期保存しておくと、ダニが発生しやすいことは昔から知られていたことです。ダニ自体には毒や病原性はないのでこれまで問題視されていませんでした。ところが海外ではダニが発生した材料でつくったパンケーキで重度のアレルギー反応が起きたことがパンケーキシンドロームとして1993年に初めて報告されています。 食品の保存技術が良くなったので最近では未開封の状態でダニが湧いてしまうようなことはありませんが、一旦開封すると保存状態によってはダニが大発生してしまいます。お好み焼きのミックス粉はアミノ酸などの調味料が加えられていることから、ダニの発生には好条件となっており特に注意が必要です。 実は食品とダニの関係は、私が高校生のころに生物の先生から聞いていました。その先生は日本ダニ学会の会員で、休日にはダニを求めて全国飛び回っているという変わった先生でした。その授業の内容は覚えていませんが、授業中の雑談で「七味唐辛子にダニが湧く」という話だけは鮮明に記憶しています。食品だけではなく、「家中ダニだらけ。しかしヒトと共存しているものなのでまったく無害である」というのがその先生の話の結論でした。(実は私自身も香港に来てから七味唐辛子にダニを湧かせてしまった経験があります。) 昔は食品に湧くダニに関しては注目されることがありませんでしたがアレルギーの問題が判ってきてからは、できる限りダニを遠ざけなければいけないとされてきています。これは現在の常識です。特にアレルギー疾患(ダニアレルギー)がある方の場合は特段の注意が必要であることは言うまでもありません。粉物は室温にて保存することを避けてできる限り冷蔵庫に保存してください。高温多湿の季節にはダニが大量発生しやすいので、室内を乾燥させることも大切です。 お好み焼きやケーキを焼く時の加熱で、材料中に大量にダニが発生していても完全死滅しますが、アレルゲン(アレルギーの原因物質)としての特性は、加熱の影響を受けることなく維持されます。 食品とダニの関係はほとんどの人が知らなかったことだと思います。まさかミックス粉にもダニが湧くなんて、思いもしなかったことでしょうね。これからの季節は、食中毒やカビだけではなく、ダニの発生を防ぐためにも食品の保存には注意が必要となります。七味唐辛子が八味唐辛子にならないように・・・(笑)

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鳥インフルエンザ続報2

中国で感染拡大を続けているH7N9型鳥インフルエンザは15日までにその感染者数が64人になり、そのうち14人が死亡している。感染の広がりを受けて、日本政府もすでに対策に乗り出しており、インフルエンザ特別措置法が13日に前倒しで施行された。すでに検査キットは開発ずみだ。またタミフルなど従来の抗インフルエンザ薬が効果的であることも確認されている。今後、ヒト-ヒト感染を起こして新型インフルエンザになる可能性も視野に入れながら急速に対策が進められている。 さて、今回の鳥インフルエンザは、前回世界的に流行した豚由来の新型インフルエンザとはまったく様子が異なっている。感染の拡大が極めて遅いのだ。中国政府がWHOに対してH7N9型インフルエンザウイルスの人への感染を報告したのは3月31日だった。実際にはそれよりも早い時期に感染が起きていたことは間違いないがそれから2週間以上もたつのに感染者数の報告は64人に留まっている。感染拡大が遅いということは、それだけ対策を勧めやすいという利点となる。 また今回の鳥インフルエンザウイルスの特徴は、鳥に対しての毒性が弱いということ。H5N1型ウイルスは鳥に対しても強毒性を持っていたので感染鳥の被害が大きく、ウイルスの拡散状態がわかりやすかった。しかしH7N9型では、感染しても鳥が死ぬことはほとんどなく、目に見えないところでウイルスが拡散していっている。この点は対策にとって厄介な問題となる。 香港在住日本人駐在員には、本社からの指示で対策を求められるようになってきており、まずは香港の状況や香港政府の対策などを報告するように求められ初めている。SARSや豚インフルエンザの時とは状況が異なることは確かであり冷静に対応しなければいけない。毎日感染者と死亡者が増えている数字を見せられれば、心情的に怖く感じてしまうことは仕方がないがあくまでも客観的な情報を元に対策計画を立てることが求められる。センセーショナルな報道が目立つ香港の地元紙などは見ない方が良いのかもしれない。対策に必要な情報は、できる限り公的なものにしたい。具体的にはWHOの情報であるが、香港であれば衛生署、日本なら厚労省や感染症研究所などにアクセスしたい。これまでのところ問題は少ないとは言うものの、中国内での情報は2次情報として得ておいた方が良いのかもしれない。 目下、最も注目しなければいけないことは、このウイルスがヒトからヒトに持続的に感染を続けることができるようになるかどうかだ。ヒト-ヒト感染が間違いなく起きているという事実が出てきた時が大きな節目になるだろう。いたずらに騒ぐ必要は現時点ではまったくない。タミフルなど抗インフルエンザ薬は各国が備蓄しており、十分量が確保されていることは大きな安心材料となる。 現時点での対策は、1、鳥はもちろん、豚など動物には近づかないこと。2、死んだ鳥には絶対に触れない。近づかないこと。この2点だ。鳥を飼っている人は、鳥かごを外には出さないこと。野鳥との接触を避けたいからだ。 人混みを避ける、手洗いの励行など通常のインフルエンザ対策は現在のH7N9型インフルエンザ対策にはならないが、通常の感染症対策としては十分機能するので、日常心がけておくことは得策だろう。

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N7N9型鳥インフルエンザ 続報

昨日のメールでお伝えしましたが、H7N9型鳥インフルエンザの感染事例が中国各地で報告されています。新しく江蘇省でも4人の患者が確認され、これまでに認められた患者数は7人。そのうち2人が死亡しています。ほかの5人も重体で治療中です。 このウイルスは遺伝子の一部が変異し、すでにヒトに感染しやすいタイプになっていることがわかりました。この事実は昨日から今日にかけての関連ニュースの中でも一番のトピックです。 中国内で散発的に感染が起きているということは、すでに鳥ではかなり感染率が高くなっている可能性があります。今のところ患者の周囲では感染者が認められていないことから、ヒト-ヒト感染が成立している可能性は低いと思われますが、鳥への感染が拡大しているのであれば、今後も患者はかなり増えていくのではないかと懸念されます。 目下の最大関心事は、この変異したウイルスがヒトからヒトに感染する力を持っているかどうかということです。 実はH7型インフルエンザの感染は欧米ではいくつもの事例があり、2003年にはオランダでH7N7型インフルエンザに89人が感染し、うち一人が死亡しています。 また最も有名な鳥インフルエンザH5N1型には2003年以降世界で600人ほどが感染し、このうち370人余りが死亡しています。今年2月には中国貴州省にて新たに2人が感染し重体となっています。さらにカンボジアでも感染事例が相次いでいることから、WHOでは特に注目しています。H5N1型は今もヒトからヒトに感染するタイプに変異したという確証は得られていません。今回のH7N9型に関しても、今後感染の拡大は避けられないものの、その感染力やさらなる変異が起きるのかおきにくいのか、注意深く見守る必要があります。 WHOではH7N9型インフルエンザウイルスもタミフルなどの抗ウイルス薬が効果を示すものと考えています。これまでのところすべての患者の症状は発熱や咳といった初期症状ではじまり、その後肺炎や呼吸困難をきたしているとのことです。感染初期にタミフル等の服用をしておけば重症化しない可能性が大きいと思われます。 鳥に近づかないこと、野鳥に触れないことはもちろんですが、通常のインフルエンザ感染予防に努めるとともに、発熱や咳といった症状に敏感になり、早めに医療機関にて診察を受けるようにしてください。豚由来新型インフルエンザの時も、日本のように誰もが早く対応したために死亡例は出ませんでしたが、メキシコはもちろんアメリカでも病院に行くことを経済的な理由からためらい、死亡につながってしまった事例は少なくないようです。

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H7N9型インフルエンザで死亡

中国衛生当局の発表によると、上海で87歳と27歳の男性が3月上旬に相次いでH7N9型インフルエンザに感染して死亡しています。さらに安徽省の35歳の女性からもこの型のウイルスへの感染が確認され、この患者は現在治療中です。確認されたものとしてはヒトがH7N9型ウイルスに初めて感染した事例となりますが、弱毒型とされていたにもかかわらず死亡例が出ていることは、実際にはもっともっと多くの人の感染がすでに起きているのではないかということも疑われます。またH7型インフルエンザには弱病原性のものと高病原性のものがあることがわかっており、今回のウイルスに関しても、その性質を遺伝子レベルで詳しく調べる必要があります。 高齢者はともかくとして、30歳代の人がインフルエンザで死亡することは極めて稀です。もちろん現在流行中のA香港型インフルエンザ(H3N2型)でも死亡者は、日本だけでも年間1万人くらいはあるものと推計されていますから、今回の死亡例も驚くほどのものではないのかもしれません。考えられることは、1、弱毒性とされていたウイルスが、実は高病原性に変化していたこと。 2、毒性はそれほど強くはないものの、死亡あるいは重症化した患者は何らかの基礎疾患を抱えていた可能性。3、すでに相当数の人が感染しているなかで、たまたま死亡例として報告された。このくらいでしょうか。 さて今後どうなるかですが、まだWHOからも中国当局と連携して十分監視していくとしか公式見解が出ておらず、このウイルスの性質についてはまだ何もコメントされていないようです。これまでH5N1型が重要視されてきており、実際にエジプトを初め多くの国で散発的に死亡例が出ています。目下このウイルスがいつ本格的にヒト-ヒト感染を起こすかが重大な関心事として注目されています。そこにH7N9型鳥インフルエンザの人への初めての感染ですから、また問題が複雑になるのかもしれません。 予防法は?という質問がありそうですが、今回のインフルエンザも鳥からの感染であり、今のとこと濃厚接触者の中にも感染者はあらわれてはいませんから、ヒト-ヒト感染が起きている可能性は低いと思われます。とりあえずは鳥に近づかないことです。死んでいる野鳥を触るなどは絶対にしないでください。これは今回のH7N9型だけではなくH5N1型でも共通の基本的な注意事項です。 もちろん調理された鳥にはまったく問題はないのは当たり前ですが、こんな基本的なことがしっかりと理解できずに、鳥料理さえ食べなくなってしまう人が少なくないのは困った問題です。 今後の情報には十分注意しなければいけませんが、巷の噂には振り回されずWHOや各国の衛生機関の情報で判断するようにしてください。

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春節を前にして

欧米人の中にはすでに数週間もの休暇を取って香港を離れてしまっている人も少なくないと聞きます。もちろん香港に限らず春節にあたる中国などでは同じことかと思いますが、中華圏に住む日本人が本格的に休みに入るのは今週からでしょうか? この休暇を利用して暖かい熱帯地方のリゾートや観光地で過ごすことを計画している人も多いと思いますが、熱帯地方にはその土地の病気があることを忘れてはいけません。熱帯、亜熱帯圏での滞在で確実にリスクが増すのは食中毒をはじめとする感染症です。水道水を飲むことができないことは常識でしょうが、水割りやジュース類に使われる氷が危険なことまでは、なかなか気が回らないことです。刺身は食べることはないにしてもサラダはどうでしょうか。オーガニック野菜として出されるものもあるでしょうが、農薬を使わないものが絶対に良いとはいえないのです。実際にあった話ですが、レタスにナメクジが混入していたこともあるのです。ナメクジやカタツムリはは広東住血線虫という寄生虫の宿主であり危険です。もちろんサラダなど生ものは一般食中毒のリスクが大きいことも確かです。確実に洗浄されていればもちろん問題はありませんが・・・ タイ料理にある生のエビ。香港では以前に立て続けに発生したコレラ患者の感染源でした。 気をつけるといっても、確実に危険回避するとなると何も食べられなくなってしまいますから、できる限りの注意です。感染しても発症しなければ問題にはならない病気も少なくはありません。(それが普通かもしれません)免疫力を落とさないようにするために、無理のない旅行計画を立てることが基本です。とにかく疲れをためないようにしてください。睡眠時間もしっかり確保することが大切です。 マラリアは蚊がいない乾燥地帯をのぞけば、熱帯から亜熱帯にかけてはどこででも感染の危険があります。蚊に刺されないようにすることが大切です。同じく蚊が伝搬するデング熱予防にもなります。夜間の外出、とくにリゾートホテルの場合であれば、その敷地外に出るときは要注意です。皮膚の露出を少なくすること、虫除けの使用が必要です。ホテルの敷地に蚊がいないといっても油断できません。頻繁に殺虫剤散布をしているから害虫がいないだけなのでそこから一歩出たら別世界だと思ってください。 あまりないかもしれませんが、熱帯地方の淡水の川や湖で泳ぐことは危険です。皮膚からの寄生虫の侵入を許すことになります。海での感染症は稀ですが、有毒生物に注意してください。ヒョウモンダコやイモガイは特に危険です。海で泳ぐ前にどのようなものか検索しておくことは、決して無駄にはなりません。 日本人の場合、1週間くらいまでの旅行日程であることが多いと思いますが、そうなると熱帯病に感染しても症状が出るのは帰ってきてからです。何らかの不調を感じた時は、もちろん医師に相談することが必要ですが、その際に、いつ、どこに、どのくらいの期間滞在していたかを、しっかり伝えてください。香港もそうですが、熱帯病がない国や地域の医師は、初診時から熱帯病を念頭に診察することはまずありません。危険な熱帯熱マラリアであっても、風邪やインフルエンザと診断されてしまうことが普通かもしれません。マラリアの診断がつかずにたらいまわしにあって死亡した例もあるほどです。 医師に情報提供するのは患者の自己責任でもあります。特に熱帯圏で過ごした後に医師の診察を受ける場合は、必ず情報提供してください。

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低炭水化物ダイエット

ご飯やパンなどの糖質を制限する「低炭水化物ダイエット」が話題となり、実際に実行している人も少なくはないようですが長く続けると危険だという解析結果が発表されました。 国立国際医療研究センター病院の能登洋医長らが米科学誌に発表したもので、対象は健康な27万人。5年以上追跡した結果で糖質摂取量の割合が最も少ないグループの死亡率は最も多いグループの1.31倍となり、統計上有意な差が出たといいます。肉食中心の食生活から、心筋梗塞や脳卒中が増えるとの指摘もあったものの、その発症率には差がなかったそうです。糖質制限食を続けるとなぜ死亡率が高まるのか、原因の究明が必要だとしていますが、死亡率云々ではなく、もっともっと基本的な部分で考えなければいけない問題です。 そもそもは主食であるご飯を食べないことを推奨すること自体が間違っている!最近、痩せるためにご飯を食べないという人があまりにも多いのですが、この50年間に米の消費は日本で半分にまで落ちているにもかかわらず、肥満が増えているという事実を理解しなければいけません。米の消費が大幅に減っているのに肥満が増えているということはご飯を食べる量は肥満の直接的な原因にはなっていないということが明らかなのです。それにもかかわらずマスコミ初め誰も声を上げないのは不思議です。思考停止しているとしか言いようがありません。 はっきり言いましょう。肥満が増えているのは、脂質と糖分(砂糖)の摂取過剰です!!!!現代の食生活ではこれらが深く入り込んであり、除くこと、少なくすることが極めて難しいのが現状です。そこで、簡単にカロリー制限しようとすると、「ご飯を食べるな」というとても安易な結論になるわけです。確かにカロリー摂取は減るので減量には役立ちますが多角的に考えるとこのダイエットは絶対に間違っていると思い私自身強く反対する立場です。 日本は食料自給率が極めて低い状態であるにもかかわらずなぜコメの消費を真剣に促そうとしないのか? これは国の姿勢の問題ですが、やはり日本の食文化を考えるときには、米を外してはいけないと思います。話がそれてしまいますが、日本では今、田んぼがどんどん失われていますが、一度耕作されなくなった土地を田んぼに戻すにはとても大変な労力を要します。日本人の主食くらいしっかりと生産させてほしいものです。 米、麦、いもなどの農産物は世界中ほとんどの民族が主食にしているものです。日本人の場合、米中心からパン食へと大きくその形態が変わってきていますが(米よりもパンの消費支出の方が大きくなっている)、米であれパンであれ、これらの主食を制限するダイエット手法は間違っているということが、今回の研究解析でもある意味証明されたともいえます。 ダイエットしようとする時に、自身が何をどの程度食べているのかザクっとで良いので検証して、そこから油や糖分を差し引くことから始めたほうが良いと思います。単純にご飯抜き(炭水化物抜き)をすることは決して良くありません。