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この週末は熱中症の危険日

今週末は熱中症に特段の注意が必要です。香港は5月に入っても30度を上回る気温がほとんどなく、ぐずついた天気ではあるものの比較的涼しく過ごしやすい毎日です。このような天候が続いていると暑さに対して身体が慣れることがなく、急な暑さに対応ができなくなってしまいます。この週末の天気予報を確認すると、うっとうしい天気が続いていた空が一転、素晴らしい好天に恵まれそうです。それでも最高気温は30度に達することはなく、さらにはこの季節としては珍しく空気も乾燥しそうです。滅多にない絶好の行楽日和です。恐らく海や山には多くの人々が繰り出すことになるでしょう。さて、このように身体が暑さに慣れていない状態で海や山に行ってしまうと、熱中症を発症するリスクが極端に高くなります。日本でも梅雨明け直後の週末はとても危険だと言われています。今週末はどこかで事故が起きないかと懸念せざるを得ません。慎重なうえにも慎重な行動が求められます。絶対に無理をしないことです。前日の深酒は止め、十分な睡眠をとるようにしてください。ハイキングであればいつもより短いコースをゆっくりと歩くことをお勧めします。のどがカラカラになるまで水分補給を我慢するのではなく、早めの給水を心がけてください。のどが渇いた時にはすでに脱水が始まっているものです。ただの水だけをがぶがぶ飲んでしまうと、俗に「水中毒」と呼ばれる電解質異常が起きることがあります。汗とともに失われていくナトリウム(食塩)を補うことなく、水ばかり飲んでいると脳、心臓、肺といった生命を維持する上で重要な器官がむくんだ状態になり機能不全を起こしてしまい、重症化すると死亡することさえある怖い病気です。大量の汗をかくときは必ず塩分を補給してください。もちろんスポーツドリンクでかまいませんが、そのままでは少々濃いかもしれないので、倍量くらいに薄めておいた方が良いのかもしれません。梅干しを時々かじるということも良さそうです。熱中症予防には行動を共にする人の不具合になるべく早く周囲が気付いてあげることが大切です。ハイキングなどでは皆についていこうと無理してしまうこともあるでしょう。お互いに気遣いながら歩いてください。少しでも具合が悪そうであれば日陰に入り状態を確認します。衣類を緩め、少しでも風をあてて冷やしてください。水が飲めない、質問に応答できない、息が非常に荒い、身体が暑いのに汗をかいていない、反対に肌が冷たい場合もあって熱中症の症状は様々です。本人が寒気を感じるときは重症であると判断した方が良いでしょう。吐き気や頭痛も重要な熱中症のサインです。とにかくいつもと様子が違うことはないか観察してください。自覚症状でも同じです。少しでもおかしいと思ったら、躊躇することなく救急搬送を依頼したいものです。子供は特に危険です。繰り返しますが、この週末は熱中症には神経質なくらい注意していても良いほどの危険日となります。屋外での活動には十分注意してください。余談ですが、ペットの熱中症もあります。暑いさなかに犬を連れてハイキングしている姿を良く見かけます。犬は舌で体温調節するしかありません。簡単に熱中症を発症して動けなくなります。素晴らしい好天に恵まれそうなこの週末。ぜひ安全に楽しく過ごしてください。

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ウェルシュ菌食中毒

カレーを一晩寝かせておくと美味しくなるという話はよく耳にしますが、この一晩寝かせたカレーで集団食中毒起きてしまいました。ごく最近のニュースで既にご存知の方も多いと思いますが、この原因菌であるウェルシュ菌は少々変わった性質を持っていて、通常の食中毒予防という観点からでは、実は予防が難しいもののひとつなのです。今回の集団食中毒は幼稚園で起きていますが、俗に給食病とも呼ばれる食中毒。大量に仕込んだ料理が原因になりやすいとは言われるものの、一般家庭でも十分注意する必要があります。 ウェルシュ菌が他とは違う食中毒菌だという大きな理由は、周囲の環境に極めて影響されにくいヨロイのような「芽胞」を形成することにあります。芽胞には周囲の環境が自身の生存に好ましいものではなくなった時、次に良好な環境になるまで何年でも生き延びるために変化するものであり、たとえ100度の環境に置かれても生き延びることができます。そのため火を通したから安心だと思っていても、ひとたび芽胞となった菌体は死ぬことはなくしぶとく生き残り、冷めるに従って菌体は栄養型(増殖型)となって急速に増殖するため食中毒の危険性が生じるわけです。しかも通常の細菌類より高めの温度まで好むので、冷めていく過程で増殖することが可能であり、ゆっくりと冷めていくカレーやシチュウといった食品には特に注しなければいけないのです。大量に作った料理では冷めるのに時間がかかり、比較的高温域でも増殖することができるウェルシュ菌にとってはとても好都合。しかもウェルシュ菌は嫌気性細菌といって、酸素を嫌う性質があります。煮込んだ料理は食材内の酸素濃度が極めて低くなっているので、この食中毒菌にとって非常に好ましい環境でもあるのです。 加熱したものは大丈夫という一般的な食中毒予防は通用しないのがウェルシュ菌です。予防には、カレーなどはとにかく早く冷却させること。そして再加熱の際にはしっかりと温度を上げることが大切なポイントになります。芽胞が発芽し大量に増殖したウェルシュ菌であっても、芽胞ではない菌体は熱に弱いためです。ちなみに産生される毒素はエンテロトキシンというもので熱に強いものですが、ウェルシュ菌では感染してから人体内(腸内)で毒素を産生するので喫食前の過熱が有効なわけです。 これから気温が上昇し、食中毒が発生しやすい季節になります。ウェルシュ菌に限ることなく、食中毒には日頃から十分注意してください。基本的に食中毒予防は、食中毒菌を付けない、増やさない、そして殺すことです。根本的な予防法である「付けない」ことに関しても、自然界に広く存在し、食材にも付着していることが多いウェルシュ菌にはほとんど通用しません。ウェルシュ菌の場合は、中途半端な再加熱は危険であることを覚えておいてください。

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インフルエンザ情報

日本でインフルエンザの流行がピークを迎えています。昨年11月に患者数が増えだし、それ以降昨年を大きく上回る患者数を維持しており、その勢いは今後しばらく続くものと考えれられています。国立感染症研究所感染情報センターが公表する流行レベルマップを見ると流行は全国に拡大していますが、どちらかというと東京より西に患者分布が多いようです。昨年11月24日に観測史上初めて11月に東京での積雪を観測しました。そんな冷え込みがその後のインフルエンザ流行につながるのではないかと予想していましたが、はたしてその通りの経過となっています。もちろんインフルエンザの流行は低温と直接関連があるというわけではありませんが、急な冷え込みなどは免疫力が低下する要因ともなるため、注意しなければいけないことは確かです。 さて、今年の流行を昨年の同時期と比較してみると、昨年第4週(1月25日~31日)のデータでは推定患者数は107万人。それが今年(1月23日~29日)は201万人となっており、同時期の患者数を見ると今年の流行がいかほどのものであるか理解できることかと思います。昨年11月からの患者数を見ても、今季は常に昨年を上回る患者数となっています。例年流行のピークは2月。まだしばらく感染者が多い状態が続くものと考えられ、十分に警戒する必要があります。 さて、春節の休暇が去り、日本旅行を楽しんだ中国人はもちろん、海外在住でこの時期に帰国していた多くの日本人も今頃は通常に戻っていることと思いますが、このような人たちが日本からインフルエンザウイルスを持ち帰ってきている可能性があり、今の時期は特に感染の拡大に注意しなければいけません。つまり、旅先でウイルスをもらってきた(感染してきた)人が核になって、感染拡大させてしまうリスクが大きいのです。香港では、春節前にはまだ大規模な流行にはなっていませんでしたが、これからの急激な感染拡大に注意が必要です。 インフルエンザウイルスに感染していても発症していない、あるいはごく軽い症状で本人も感染に気が付いていないことも少なくはありません。何度も繰り返すことではありますが、最低限外出後の手洗いの励行は必要です。十分な睡眠(休養)、適切な栄養摂取、さらに軽い運動を加えるなど、免疫力を低下させないことが予防につながります。また、罹ってしまったなと思ったら、すぐに医療機関を受診してください。決して無理しないこと。仕事に出たところで、職場全体に感染を広げてしまうだけですから。

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ノロウイルス感染

ノロウイルスによる食中毒。最近良く耳にしますが、食中毒では最も発生件数が多く、今では感染症としては非常に身近になったように思います。最近の事例では東京銀座の高級レストラン「ブルガリ東京レストラン銀座 イル・リストランテ」において開催された立食パーティーで、客の138人のうち49人が嘔吐や下痢といった食中毒症状を訴えています。保健所による調査で患者のみならず店の従業員4人からもノロウイルスが認められ、うち2人には下痢などの症状があるとのこと。レストランとしては深刻な事態だと言えます。この食中毒は冬に多く、流行は11月から翌3月にかけて集中し、時期としてはインフルエンザの流行に重なります。ノロウイルスが厄介な点は、感染経路が食物に限らないという点です。カキなど主に海鮮類からの感染という一般的な食中毒と同じ経路だけではなく、調理者などの手指に付いたノロウイルスが食器などを介して感染する経路(銀座のレストランは従業員が発症していることからこの経路も考えられます)、そして患者の下痢便や嘔吐物から発生したミストを吸いこんで感染するという空気感染様の経路の3通りの感染様式が考えられます。つまり食中毒と一般感染症の両側面をもつという感染症であり、対策も一筋縄では行かないと言えます。昔は食中毒として重視されておらず、厚生労働省の食中毒統計にも搭載されていませんでした。お腹をこわして病院に行くと、「お腹にくる風邪ですね」と言われた経験が誰もが一度はあるのではないかと思いますが、その多くはノロウイルスが原因である可能性が大きいようです。体に入るウイルス数が数十個でも感染すると言われるほど感染力が非常に強く、しかも感染経路が多岐にわたるため感染を予防することが困難です。感染機会を少なくすることは可能ですし、もちろん免疫力が高ければ、たとえ感染しても発症を免れたり、発症しても軽く済むこともあります。現在流行しているのは、最近流行したことがないタイプのG2.2型ウイルスです。ノロウイルスの抗体は長期持続しないため、このように久々に表れたウイルスに対しては抗体を持っていない人が多くいるものと思われ、日本では2012年以降最大の流行となっています。感染予防は、とにかく手洗いの励行です。外出後やトイレ後の手洗いは確実に行ってください。また、家族に感染者が現れた場合、トイレの消毒も感染予防のために重要なポイントとなります。消毒には2%に薄めた漂白剤が有効。また室内で嘔吐してしまった場合、家族はできる限りその場から離れてください。後始末をするのは特定のひとりで、マスクとゴム手袋を必ず着用して作業してください。ノロウイルス感染症は、インフルエンザとともに、これから3月まで十分に注意しなければいけない感染症です。十分に気を付けてください。

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鳥インフルエンザ

青森や新潟といった北日本地方の養鶏場などで高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出され、対象となった養鶏場ではすべてのニワトリの殺処分が行われたほか、周辺地域では鳥の移動が厳しく禁じられた。養鶏農家がすべてのニワトリを失うことは極めて深刻な事態ではあるが、手を打たなければその被害はまたたく間に拡大し、養鶏業者全体に甚大な被害を与えてしまう可能性が高い。現在とられている対象養鶏場のすべてのニワトリを殺処分するという方法は、最も効果的な感染拡大阻止対応として受け入れられている。今回処分されたニワトリは数十万羽にもなり感染の拡大は阻止できたようであるが、これからの季節はさらに感染が拡大する可能性があるので十分な監視が必要となる。ところで今回認められたウイルスはH5N6というタイプ。11月には韓国でも感染拡大していたほか、中国湖南省では47歳の女性がこのウイルスに感染して死亡している。鹿児島県のつる生息地の水からウイルスが発見されたり、北海道や秋田県でも野鳥に感染が疑われる事例が発生していることから、すでに日本全体に感染を拡大させていることは間違いないだろう。さて、この鳥インフルエンザであるが、日本の報道ではヒトへの感染に関してはほとんど触れられていないものの、中国では2014年以降、同じH5N6型の鳥インフルエンザに感染した患者が14人発生していおり、うち6人が死亡している。今のところ農村部で鳥を大量に飼育している農家などで、感染した鳥と直接接触したことによって偶発的にヒトに感染してしまった事例が起きているものと思われる。鳥インフルエンザは本格的な冬を迎える前に北のほうから検出、感染情報が発出されてくる。これは、北国から飛来する渡り鳥がウイルスを運んで来るためであり、中国北部や韓国で検出された場合は直後に日本でも認められることが多い。現在、渡り鳥はさらに南下を続けており中国南部でもウイルスが認められる可能性が大きい。ちなみに高病原性ウイルスと呼ばれるものの、渡り鳥に対してはそれほど毒性が強くはなく、ウイルスは渡り鳥によって広範囲に拡散されることになる。今月21日は冬至。新鮮なニワトリの需要が一気に高まるが、鳥インフルエンザの感染拡大とちょうど重なり、生きたニワトリの流通がストップしてしまう事態も起きうる。実際、香港に生きたニワトリが全く入らなくなったことがあり、市場が混乱したことも過去にはあったものだ。ヒトへの直接的な影響は今のところ大きくはないものの、偶発的ともいえるヒトへの感染事例が発生して死亡例が複数あることを考慮すると、今後ヒト‐ヒト感染を起こすようなタイプにウイルスが変異しないかどうかを厳重に監視していかなければいけない。過去にはH5N1型ウイルスが大きな問題になった経緯もあるほか、これまでさまざまなタイプの鳥インフルエンザウイルスが散発的にヒトへの感染を起こしている。まったく新しいヒトインフルエンザウイルスが生まれてくる可能性が高い状態が続いておりスペイン風邪の再来を心配する向きもあるが、昨今の医学の進歩は著しく、鳥インフルエンザ(新型インフルエンザ)に関しても研究は相当進んでいると聞く。時間との戦いかもしれないが、画期的な治療薬やワクチンが完成しないものかと期待したい。これからの季節は、生きた鳥(市場のニワトリなど)には近づかないこと、弱ったり死んだりした野鳥を見つけても絶対に触れないこと。神経質になる必要はないが、注意するに越したことはない。

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インフルエンザ情報

今朝、東京では54年ぶりとなる11月の降雪が観測されました。北方からこの時期としては異例とも言える強い寒気が南下したことが原因であり、その冷たい空気は現在東アジア全体を包み込んでいます。ここ香港でも今週末にかけて今年一番の冷え込みとなりそうです。さて、秋の深まりとともにインフルエンザ患者が増えてくるのは例年のことですが、国立感染症研究所から出されている2016年第45週(11月7日から13日)情報によりますと、沖縄、栃木、そして北海道ですでに注意報レベルの流行となっているそうです。第46週の情報に関しては今月28日に公表されますが、さらに流行が拡大していることは間違いありません。しかし情報は約2週間遅れることになるため、公表時点での実際の流行は、それよりもかなり大きくなっているものと考えられます。注意が必要なのは、今の冷え込みです。低温は流行を加速させる要因となるため、今週から来週にかけての患者数の増加が著しいものになると予想されるので十分な警戒が必要です。すでに今年のインフルエンザ患者数は例年より多く、本格的な流行時期が早まるとともに、患者数も増えるのではないかと懸念されているのです。そこに今般の寒気流入です。急激な冷え込みは毎度のことながらインフルエンザ流行拡大のきっかけとなります。インフルエンザは風邪とは違う全身疾患です。インフルエンザに感染したことが直接・間接的に関係して死亡する人(超過死亡)は、日本全国で毎年数千人から、多い時は一万人を大きく上回るほどにもなりますから、特に持病を持った人、高齢者などは格段の注意が必要になります。確実な感染予防はありませんが、その可能性を少しでも少なくする努力は大切です。感染症ですからヒトからヒトにうつります。他人との接触を極力少なくする意味で、人混みを避けることがとても重要です。特に香港ではあまり現実的ではない対策ですが、手洗いの励行は重要なポイントです。インフルエンザに限らず、手指から感染感染症は珍しいものではありませんん。うがいは日本人特有の衛生習慣ではあり、国際的な評価はほとんどありません。これからの季節は外食の機会が増えますが、2次会3次会とだらだらと過ごしてしまうことは良くありません。飲食店に限ることではありませんが、閉鎖空間に多くの人がいる状態は極めて危険な状態であることを意識してください。適切な栄養と休養。これも大切なポイントですね。夜遅くまで飲食し、結局寝不足になって疲れがたまる。たくさん食べているといってもカロリー摂取が多くなっているだけでは意味がありません。かかったかなと思ったら、無理をせずに休んで、病院でただちに治療受けることです。早期であれば大きな治療効果が期待できます。インフルエンザに感染しているのに無理して出社したところで、感染を拡大させてしまうだけで何のメリットもありません。それどころか職場にとってはとても迷惑な行為になってしまいます。ある程度自宅勤務できるような対応を日頃から考えておくことも危機管理ではないでしょうか?冷え込むここ数日。十分注意してください。

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飲酒および喫煙と発がん

昨日のニュースで飲酒や喫煙とがんの関係に関して相次いで発表された。秋は学会の季節でもあり、マスコミもこのような話題を取り上げる機会が多くなる。 さて、飲酒と発がんに関しては、パリで開催されている「世界がん会議」において発表されたものであり、飲酒が原因で発生したがん患者は70万人(単純に世界人口の約1%)、関連死も36万6000人に上るという。発がんのリスクは飲酒量と比例しており、飲酒しない人と飲酒する人との間に統計上明らかな相違があるとしている。 最も関連しているがんは乳がんであり、新規診断例においてはアルコール起因と思われるがん患者の4分の1以上を占めていたというから女性にとっては気になるところである。さらに大腸がんは23%あるとし、死亡例においては食道がんと大腸がんとの相関性が強いとしている。 さて、ニュースになっている部分の概略はここまでであるが、少々疑問がある。飲酒が発症リスクを大きくしているという乳がんと大腸がん。この二つはこのところ日本で増え続けているがんと一致する。昨今の食生活の変化で油脂の摂取が増えていること(食生活の欧米化)が原因だとされていたわけであるが、今回の調査報告ではヨーロッパやオーストラリアではより相関関係が強く表れているとされており、食生活との相関はどうなんだろうという疑問が生じる。がんは単独の発がん因子で起きるのではなく、重複したリスクで発症するというのが一般的な考え方だ。例えばピロリ菌。日本人に多い胃がんの最大原因であるが、ピロリ菌だけで発がんリスクが著しく高くなるわけではないそうだ。日本人特有の高塩食が重なることによって、胃がん発症リスクを高めてしまうという日本の大学での研究報告がある。 過度の飲酒は身体に様々な影響を与えることは容易に想像がつくので、健康には良くないことは間違いない。これからの季節は何かと飲酒量が増えるイベントが少なくはない。それに水を差すこともないが、やはり深酒は慎んでおこうと我に言い聞かせるところでもある。今回の発表も、いたずらに懸念する必要はないと思うが、日頃飲酒量が多い人にとっては、少し控えておこうとするきっかけになるのではないだろうか。 喫煙に関しても、遺伝子の変異が多くなってがんの発症に関連するということが国立がん研究センターや理化学研究所などの国際チームが発表している。喫煙者では肺の組織における遺伝子で特に変異箇所が多く、喫煙は肺がんとの関連が強いということが改めてわかったわけである。タバコ煙には多くの発がん物質が含まれていることに関しては多くの人が知るところであるが、酒に関しても、どのような理由で発がん率を高めるのか、疫学上の数字で示すだけではなくその点についても詳しい報告がほしいものである。

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インフルエンザ予防接種

今年は秋の訪れが少し早いのではないかと感じていましたが、9月の後半になって場所によっては37度を超える気温を記録するなど、期待するほど順調には秋を迎えることができずにいます。それでも朝晩は涼しくなり、確実に季節は進んでいるようです。夏の疲れが出やすい時期でもあり、体調を崩しやすいのも今頃です。街中では風邪をひいている人が少し増えてきたのではないかと思います。今のところ普通感冒の流行ですが、日本の専門機関からは、すでにインフルエンザ様感染症での学級閉鎖も報告されているので、そろそろ注意しておいても良いのかもしれません。日本とは香港など近隣では流行の時期が若干ずれるとはいうものの、日本の情報を元にインフルエンザに備えておいても良いかと思います。 さて、今年もインフルエンザ予防接種がすでに開始されています。今年のワクチンも4種類のウイルス株に対応するもの(4価)に統一されており、従来の3価のものよりもいっそうの効果が期待できそうです。 今年のワクチン株はH1N1(A型 2009年カリフォルニア)H3N2(A型 2014年香港)B型に関しては2013年プーケット、2008年ブリスベーンの2種類です。なぜ地名がついているのか?疑問に思う人も少なくはないと思いますが、これらはそのウイルス株が初めて分離された(発見された)場所と年を示すものです。実はこのほかにもその場所で何番目に分離されたかといった数字も入っているのです。 WHO(世界保健機関)は直近の南半球の流行株を分析して北半球での流行株を予想し北半球の政府機関に対して通知され、その情報に基づいて製薬会社が製造します。(南半球ではこの反対です) 正直なところインフルエンザワクチンはその効果を保証できるものではありません。しかし、やっと流行が収束してきた南半球の状況を反映しているものであり、流行株がガラリと替わってしまうことはあまり考えにくいことです。ただしウイルスは常にその構造が変化しているので、当然のことながら効果が希薄になってしまうことも十分考えられることです。インフルエンザワクチンはその感染を防ぐものではありません。感染後のウイルスの増殖を抑え、発症しないようにする、あるいは発症しても症状を抑える役割をするものです。 医療機関によっては接種費用が1000ドル近くすることもあるようです。さすがにこれはちょっと高いなという印象ですが、近所の医療機関で200~400ドルで受けることができるはずです。今の季節、どこのクリニックでもワクチンを準備しているので、近所のクリニックをのぞいてみてはいかがでしょうか。ちなみに弊社の健康診断提携先であるMetro Medical Centreでは300ドルとなっています。 インフルエンザワクチンは接種して1ヶ月後くらいに血中の抗体価がピークに達し、その後およそ5ヶ月ほど効果が持続するといいます。今からであればシーズンいっぱい効果が持続するものと思われます。接種を希望するのであれば本格的な流行が始まるまでに受けておきたいものです。

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糖尿病患者急増

1948年4月7日に世界保健機関が設立されました。この記念日にあたり、先日香港衛生署より香港の糖尿病患者の現状について発表があリましたが、現在香港人の10人にひとりが糖尿病を患っており、さらに患者のうち、5人にひとりが若年者であるといいます。19歳以下の2型糖尿病患者は1997年から2007年の10年間に12倍近くに膨れ上がったというから驚きです。 私が香港に来た1990年、当時、香港人に肥満は極めて少なかったものです。ましてや子供の肥満など皆無。それが2000年が近く感じる頃になると、なんとなく太っている人が増えてきたのを実感したものです。香港人がブランド物を持つようになり、女性がストッキングを履いたり化粧をするようになってきた時期に重なります。経済的に豊かになってきた時期です。この間、基本的に香港人の食事内容には大きな変化はないと思います。ご飯たっぷり、おかずが少しの中華弁当は今に至っても同じです。しかし、見ていると甘いモノを口にしている機会があまりにも多くなっているように感じます。コーラやスタバなどの甘い飲み物。含まれている砂糖の量はとても信じられない量です。ネットで検索すると出てきますが、これらの飲み物と並べて撮された角砂糖の山を見てしまうと、これらの飲み物には二度と手を付けられなくなるかもしれません。 香港よりも深刻なのは中国です。経済の急成長に伴って、摂取カロリーがとてつもなく大きくなり、肥満人口も急増。さらに糖尿病に関しては、世界で一番深刻とも言われるほどにまでなっており、四肢切断、腎臓透析、失明と言った代表的な合併症をも発症してしまう患者があまりにも多いため、国家の上層部では、将来の国家運営を危惧する声も大きくなっているそうです。 糖尿病は放置してしまうと静かに、そして確実に進行して身体を蝕みます。私の友人の透析技師の話では、新規透析患者のほとんどは糖尿病患者だそうです。初めて透析にやってきた患者の中には、すでに合併症で片足を失っている人もあるそうです。とっても深刻です。 身内に糖尿病の患者がいたら、絶対に太ることはできません。口から入った食品であっても、体重が増えるオーバーカロリー分は毒物を口にしているものだと思ってください。 健康診断で糖尿病、あるいはその疑いがあると指摘された場合、肥満であればとにかく減量して、早急にその芽を摘み取らなければいけません。糖尿病など発症に肥満が大きく関わるものは、自身の努力でそのリスクを著しく低くすることができます。さあ、今日から減量してみませんか?

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ノロウイルス食中毒

香港衛生署によると、2月23日に銅鑼湾のホテルのレストランで食事した女性6名(47歳~65歳)が、食後34時間~44時間後に食中毒症状を訴えた。嘔吐や下痢、腹痛を共通した症状としており、そのうちの一人の便からノロウイルスが検出されたという。 原因として疑われた食品は、当該レストランで提供されていたアメリカ、ペンコーブ(Penn Cove)産の生牡蠣。同じ牡蠣は香港の他のレストランでも提供されているが、衛生署の調査では今のところその他の患者は発生していないようである。 ノロウイルスはウイルス性食中毒では最も頻繁に認められるものであり、原因食品としては、生牡蠣がもっとも多いことは有名である。これは、貝類が水中のプランクトンを捕食する際に、水中のウイルスも同時に取り込み、その体内(内蔵-中腸腺)に貯めこむからだ。これはA型肝炎ウイルスでも同じ。ただし、ウイルスは貝の体内で増殖することはできないので、食品の保存状態が悪いことがノロウイルスに感染するリスクを高めるわけではない。 日本人にも好まれる生牡蠣は、世界中から香港に集ってくるが、どこの産地であろうと大なり小なりノロウイルスによる食中毒のリスクは存在する。しかし日本産に限って言えば、生食用牡蠣として出荷するためには厳しい基準があり、しかも収穫後に無菌海水に一定日数置くことで、体内のウイルスを排泄させる作業が加わったのもが消費者に届けられるということで、安全性は格段に高くなっている。餌となるプランクトンもない無菌海水中におかれるので、その分味が落ちるのかもしれないが、安全性は格段に向上する。 ノロウイルスは食中毒を起こす原因ウイルスであるとともに、患者の排泄物からのウイルスを含むミストが乾燥して空気中に浮遊、これを吸い込むことで感染する。容易に感染することから、時として学校などで集団感染となる。然るに激しい嘔吐や下痢に際しては、その汚物の処理に際して慎重に、そして確実に行わなければいけない。家族全員が一気に感染して、トイレを奪い合ったという話も決して冗談ではないからだ。 暖かくなると食中毒のリスクが高くなりそうだが、ノロウイルスは季節とは全く関係のない食中毒であり、食品がどんなに新鮮であっても、その安全性を保証する根拠にならないから厄介だ。